香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／絶頂期】城市特警

原題：城市特警/大行動(The Big Heat)
香港　フィルム･ワークショップ作品　88年　98分　カラー　ＨＲＳフナイ配給

製作：ツイ･ハーク　監督：アンドリュー･カム／ジョニー･トー　脚本：ゴードン･チャン　撮影：ウォン･ウィン･ハン　アクション指導：ポール･ウォン／フィリップ･コク　音楽：ロー･ターヨウ　編集：デビット･ウー

出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
ウェイス･リー/レイ･チーホン(李子雄)=ジョン･ウォン警部…大塚芳忠
マシュー･ウォン(黃衍濛)=ロン…松本保典
フィリップ･コク(郭追)=カム…荒川太郎
ロー･キンワー(盧景華)=マレーシア警察オン警部補…西村知道
ジョイ･ウォン(王祖賢)=エイダ…榎本智恵子
チュウ･コン(朱江)=チン･ハン…福田信昭
ロイ･チョン(張耀揚)
スチュアート･オン(翁世傑)=カニー･ホー･ハンファン…林一夫
ベティ･マク(麥翠嫻)=マギー…渡辺美佐
ピーター･ライ(黎彼得)=ピーター…辻親八
カーク･ウォン(黃志強)
マイケル･チョウ(周文健)
ケン･ボイル=マクドナルド警部…稲葉実
ロビン･ショウ(仇雲波)

―解説―
香港警察の敏腕警部が同僚や恋人を無残に殺したコカイン密売組織に闘いを挑む姿を描いたバイオレンス･アクション。主演は『九龍大捜査線』(93年)などのウェイス･リー(レイ･チーホン=李子雄)。共演は『キング･オブ･カンフー』(92年､ＤＶＤのみ)などのマシュー･ウォン(黃衍濛)､『フル･ブラッド』(94年)などのフィリップ･コク(郭追)､ロー･キンワー(盧景華)､『格闘飛龍方世玉』(92年)などのチュウ･コン(朱江)らのほか､『大丈夫日記』(88年)などのジョイ･ウォン(王祖賢)が看護士役で特別出演している。監督はジョニー･トー(杜琪峰)とアンドリュー･カム(金揚樺)の共同､88年作。

―物語―
香港警察のウォン警部(李子雄)は敏腕だが､右手が痺れ拳銃の引金さえ引けない奇病に冒されていた。退職を決意した矢先､彼の元相棒だったツェがマレーシアで惨殺されたと聞いたウォンは､部下のカム(郭追)､マレーシア警察のオン(盧景華)､新米刑事ロン(黃衍濛)とチームを組む。ツェが遺した手がかりから船会社を営むホーを追うウォンたちは､背後に国際的なコカイン密売マフィアの存在を知る。マフィアの妨害を受け､ホーやウォンの婚約者マギーが殺され､ロンも恋人エイダ(王祖賢)の目前で命を落とした。ウォンたちとマフィアの首領ハン(朱江)との激しい銃撃戦が開始され､エイダもその渦中に乗り込んで行く。

香港版オリジナル予告編動画↓

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 04月12日 18:51

当コミュニティでは初となりますが…､今や"香港ノワール"を語る上で欠かせない存在となったジョニー･トー(杜琪峰､画像左)監督作､満を持してのご紹介となります(実際にはアンドリュー･カム=金揚樺との共同)。
とはいえ､出世作となった『ザ･ミッション/非情の掟』(99年)以降顕著となった乾いたムードで醸成される男たちの友情と葛藤のドラマと､スタリッシュなガンファイトというトー監督独自の作風はまだこの時点では開花していません。後年のトー監督作で言えば『PTU』(20003年)などに通じる題材ではあるのですが､本作はどちらかというと共同監督であるアンドリュー･カム主導だった印象を受けます。
キャストについては｢男たちの挽歌｣シリーズのツイ･ハーク(徐克)がプロデュースを手掛けたためか､『男たちの挽歌』(86年)のラスボスだったウェイス･リー(レイ･チーホン=李子雄､画像中)が初の主演に抜擢されています。不敵な悪役には､本作の翌年夏に公開された『狼/男たちの挽歌･最終章』(89年)でシブい演技を見せたチュウ･コン(朱江)が扮しており､ウェイス･リー(レイ･チーホン)との顔合わせの妙も面白いです。
また本作では､過激なガン･アクションと併せ､特殊メイクではありますが､電導ドリルの先端が掌を突破るイメージや焼けただれた死体など､グロテスクな描写も話題を呼びました。
日本では､ビデオの販促も含めた小規模な公開で､しかもゲスト格だった女優ジョイ･ウォン(王祖賢､画像右)主演作のように宣伝されました。無論彼女は脇役ですが､他作と異なり､ラストの銃撃戦に自ら参加していく様はちょっと異色ではありました。
ちなみに日本吹替版ビデオでウェイス･リー(レイ･チーホン)の声を担当した大塚芳忠さんは､1度だけ地上波で放送された『男たちの挽歌』でも彼の声をアテていました。