原題：哈林行動/黒白英雄榜(Champion Operation)
香港 ロー･ウェイ カンパニー／恆運影視器材 作品 86年 92分 カラー 日本劇場未公開(ビデオ→TV放送→DVD)
製作：スー･リー･ホワ 監督：ラウ･ハン･チュエン アクション設計：クリス･リー
出演：アンソニー･タン／チョイ･シウキョン／キャシー･ユー／ミッキー･ウン／ケン･トン／スン･コクミン／クリス･リー／ラウ･ダン
−解説−
香港のヤクザ組織と中国大陸から渡って来た犯罪者集団､そして彼らを追う警察との三つ巴の壮絶な抗争を描いたバイオレンス･アクション。出演は『キョンシー大魔王』(86年､テレビ放送)などのアンソニー･タン(��浩光)､『燃えよ!食人拳』(80年､ＤＶＤのみ)などのチョイ･シウキョン(徐小強)､『新･ポリス･ストーリー』(84年､テレビ放送)のキャシー･ユー(于嘉希)､『狼の流儀』(82年､テレビ放送)などのケン･トン(湯鎭業)､『バカ拳』(85年､ビデオのみ)などのスン･コクミン(孫國明)､『チャイナタウン･ウォリアーズ』(86年)などのラウ･ダン(劉丹)ほか。ラウ･ハン･チュエン(劉鴻泉)監督､86年作。
−物語−
九龍警察のウォン警部補(��浩光)は､ホー巡査部長(劉丹)と組んでフェン(徐小強)一味と大圏組の乱闘事件を追っていた。ウォンは捜査のためフェンの愛娘イバ(于嘉希)に近付くが､抗争が激化するなか彼女は大圏組に誘拐される。イバを助け出したウォンは互いに心惹かれ合うようになるものの､穏やかな日々は長く続かない。大圏組によってイバの護衛が殺され､軍隊による掃討作戦が決行されるが､遂にホーまでが命を落とした。警察､フェン一味､大圏組の三つ巴の闘いは終わることなく続く…。
香港 ロー･ウェイ カンパニー／恆運影視器材 作品 86年 92分 カラー 日本劇場未公開(ビデオ→TV放送→DVD)
製作：スー･リー･ホワ 監督：ラウ･ハン･チュエン アクション設計：クリス･リー
出演：アンソニー･タン／チョイ･シウキョン／キャシー･ユー／ミッキー･ウン／ケン･トン／スン･コクミン／クリス･リー／ラウ･ダン
−解説−
香港のヤクザ組織と中国大陸から渡って来た犯罪者集団､そして彼らを追う警察との三つ巴の壮絶な抗争を描いたバイオレンス･アクション。出演は『キョンシー大魔王』(86年､テレビ放送)などのアンソニー･タン(��浩光)､『燃えよ!食人拳』(80年､ＤＶＤのみ)などのチョイ･シウキョン(徐小強)､『新･ポリス･ストーリー』(84年､テレビ放送)のキャシー･ユー(于嘉希)､『狼の流儀』(82年､テレビ放送)などのケン･トン(湯鎭業)､『バカ拳』(85年､ビデオのみ)などのスン･コクミン(孫國明)､『チャイナタウン･ウォリアーズ』(86年)などのラウ･ダン(劉丹)ほか。ラウ･ハン･チュエン(劉鴻泉)監督､86年作。
−物語−
九龍警察のウォン警部補(��浩光)は､ホー巡査部長(劉丹)と組んでフェン(徐小強)一味と大圏組の乱闘事件を追っていた。ウォンは捜査のためフェンの愛娘イバ(于嘉希)に近付くが､抗争が激化するなか彼女は大圏組に誘拐される。イバを助け出したウォンは互いに心惹かれ合うようになるものの､穏やかな日々は長く続かない。大圏組によってイバの護衛が殺され､軍隊による掃討作戦が決行されるが､遂にホーまでが命を落とした。警察､フェン一味､大圏組の三つ巴の闘いは終わることなく続く…。
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コメント(4)
香港カンフー映画を世界的に広めた立役者であるブルース･リー(李小龍)とジャッキー･チェン(成龍)の初期主演作を監督したロー･ウェイ(羅維･画像左)のプロダクションで制作された１作です。
何度かお伝えした通り"香港ノワール"は､｢香港ニューウェーブ｣から生まれた潮流のひとつです。旧来のカンフー映画の象徴的存在であるブルースやジャッキーを育てたと豪語していたロー･ウェイは､ニューウェーブ派からすれば"旧体制派"の領袖的な存在に映ったことでしょう。
しかし実際には､ブルースからは撮影中競馬中継を聴き入っていた様子などを暴露され､ジャッキーも専属以来３年近くもの確執の末､白紙の契約書や黒社会まで使い独立を阻止しようと図りましたが､結果的には両者とも袂を分かつ形となってしまいました。
結局彼らに続くスターを見付けることもかなわずジャッキー主演作『龍拳』(79年･画像中)を最後に監督業から退き､プロデューサーとして映画制作を続けるなか､ジャッキーの助監督に従いていたエリック･ツァン(曾志偉･画像右)を監督に抜擢。急速に香港ニューウェーブ勢力と接近し､以降はニューウェーブ派に寄せた娯楽作品が増えていったのです。
何度かお伝えした通り"香港ノワール"は､｢香港ニューウェーブ｣から生まれた潮流のひとつです。旧来のカンフー映画の象徴的存在であるブルースやジャッキーを育てたと豪語していたロー･ウェイは､ニューウェーブ派からすれば"旧体制派"の領袖的な存在に映ったことでしょう。
しかし実際には､ブルースからは撮影中競馬中継を聴き入っていた様子などを暴露され､ジャッキーも専属以来３年近くもの確執の末､白紙の契約書や黒社会まで使い独立を阻止しようと図りましたが､結果的には両者とも袂を分かつ形となってしまいました。
結局彼らに続くスターを見付けることもかなわずジャッキー主演作『龍拳』(79年･画像中)を最後に監督業から退き､プロデューサーとして映画制作を続けるなか､ジャッキーの助監督に従いていたエリック･ツァン(曾志偉･画像右)を監督に抜擢。急速に香港ニューウェーブ勢力と接近し､以降はニューウェーブ派に寄せた娯楽作品が増えていったのです。
当時の"香港ノワール"には主として３つの流れがありました。ひとつは言うまでもなく『男たちの挽歌』(86年)を頂点とする黒社会(暗黒街)の男たちの生き様をヒロイックに描こうとした作品群です(後述��)。ただ､実際にはジョン･ウー監督の作風を模倣するのは至難の業で､ほとんどが『ゴッドファーザー』をモチーフとしたマフィア映画風の内容に転化していきました。ふたつめは｢省港旗兵｣シリーズでスポットライトをあてられた中国からの密入国者の犯罪をテーマにした実録風映画す(後述��)。そして３つ目は『漆黒 ノワール』(84年)など､ダニー･リー(李修賢)主演作を中心としたポリス･アクション(後述��)です。本作は３つの流れを1本の作品で見せようとした､なかなか欲張りな内容となっております。
本作では､前述の"香港ノワール"３つの流れを劇中のキャラクターに当てはめ､物語を展開しています。�，砲弔い討�､特別ゲスト格のチョイ･シウキョン(徐少強､画像左)扮する香港マフィア･フェン組が担っています。�△�､スン･コクミン(孫國明､画像中)率いる中国からの密入国者たちの武装集団"大圏組"にあたります。��は､アンソニー･タン(��浩光､画像右の左上)やラウ･ダン(劉丹)が演じるウォン警部補やホー巡査部長が属する九龍警察がそうですね。
監督のラウ･ハン･チュエン(劉鴻泉)は､カメラマンの出身ですが､今回３勢力の描写がゴチャゴチャにならぬよう､"交通整理"した上で描き分けた演出はなかなかの手腕です。有名スターが出演していないＢ級作品ではありますが､日本でも比較的早い時期にビデオ化されたのも納得の出来栄えですね。どこか突き放したタッチのラストカットも強い印象を残します。
本作では､前述の"香港ノワール"３つの流れを劇中のキャラクターに当てはめ､物語を展開しています。�，砲弔い討�､特別ゲスト格のチョイ･シウキョン(徐少強､画像左)扮する香港マフィア･フェン組が担っています。�△�､スン･コクミン(孫國明､画像中)率いる中国からの密入国者たちの武装集団"大圏組"にあたります。��は､アンソニー･タン(��浩光､画像右の左上)やラウ･ダン(劉丹)が演じるウォン警部補やホー巡査部長が属する九龍警察がそうですね。
監督のラウ･ハン･チュエン(劉鴻泉)は､カメラマンの出身ですが､今回３勢力の描写がゴチャゴチャにならぬよう､"交通整理"した上で描き分けた演出はなかなかの手腕です。有名スターが出演していないＢ級作品ではありますが､日本でも比較的早い時期にビデオ化されたのも納得の出来栄えですね。どこか突き放したタッチのラストカットも強い印象を残します。
本作のアクション･シーンの設計は劇中"大圏組"の一員で出演もしていたクリス･リー(李健生､画像左)が担当しています。当時彼はジャッキー･チェンのアクション･チームに所属しており､その端正なルックスから俳優としても徐々に出演を重ねていた時期でもありました。
本作でも"香港ノワール"ならではの､銃火器をふんだんに使った銃撃戦や爆破シーンもさることながら､ジャッキー映画を彼なりにアレンジした身体を使った過激なスタントやチェイスシーンなどを展開させています。当時香港に点在していたバラック密集地を舞台にした中盤の銃撃戦＆追跡アクションは､『ポリス･ストーリー 香港国際警察』(85年)を彷彿とさせますし､その場面でアンソニー･タンとスン･コクミンが繰広げるトロッコや滑車ロープを使った銃撃＆格闘＆スタント(画像中)はズバリ『ポリス･ストーリー３』(92年)の先駆けといえます。ジャッキーもしくは同作のスタンリー･トン(唐季禮)監督は､本作を見ているか現場で関わっていた可能性が大きいですね。さらにアンソニー･タンは後半でも疾走する車に引きずられたり(画像右)､屋根に乗ってのスタントを自ら演じています。
本作でも"香港ノワール"ならではの､銃火器をふんだんに使った銃撃戦や爆破シーンもさることながら､ジャッキー映画を彼なりにアレンジした身体を使った過激なスタントやチェイスシーンなどを展開させています。当時香港に点在していたバラック密集地を舞台にした中盤の銃撃戦＆追跡アクションは､『ポリス･ストーリー 香港国際警察』(85年)を彷彿とさせますし､その場面でアンソニー･タンとスン･コクミンが繰広げるトロッコや滑車ロープを使った銃撃＆格闘＆スタント(画像中)はズバリ『ポリス･ストーリー３』(92年)の先駆けといえます。ジャッキーもしくは同作のスタンリー･トン(唐季禮)監督は､本作を見ているか現場で関わっていた可能性が大きいですね。さらにアンソニー･タンは後半でも疾走する車に引きずられたり(画像右)､屋根に乗ってのスタントを自ら演じています。
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