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冲方丁コミュの冲方丁 作品から窺える傾向と未来予測試行1

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 タイトルの通り、冲方丁のこれまでの作品の傾向を分析し、可能なことならシュピーゲルシリーズの行く末を予測してみようじゃないかというお試しセットその1。
 そんなことするなという方はここで読むのをやめて頂きたい。
 ちなみに論者の読んだ冲方丁作品は『ヒロイックエイジ』(全)、『カオスレギオン』(全)、『マルドゥック』シリーズ(全)、『蒼穹のファフナー』(少し)、『シュピーゲル』シリーズ(既刊のみ全)、『微睡みのセフィロト』(全)、『黒い季節』(全)、『ばいばいアース』(1〜3を流し読み)『天地明察』(全)である。であるから論拠はこれらから抽出する。故に当然、これらの作品のネタバレも在り得るゆえご注意されたい。

 さて、これらの冲方丁作品において、ほぼ共通する題材、ないし装置とでも言うべきものが登場することに、幾人かの読者はお気づきであると思う。
 そう、<意識共有者>の存在だ。ちなみにこの単語は私が勝手に名付けたものである。<意識共有者>とは、例えば『ヒロイックエイジ』なら“銀の種族”:全種族一人一人が、精神の統合により繋がっている種族。
例えば『マルドゥック・ヴェロシティ』では“シザース”:最新鋭の科学技術により脳を改造し、精神と思考をリンクさせる共同体の試み。
例えば『微睡みのセフィロト』の“ミーシャの感応力”:過去に存在した魂を自らの身体に憑依/その者になる力。
 例えば、『蒼穹のファフナー』では“フェストゥム”:固体という概念を持たない、全にして一つのシリコン生命体。
 このように、冲方丁の作品には<意識共有者>が重要なファクターとして登場することが多い。これが作者の意図的なものであるという確証は論者にはまだ無い。おそらく、意図的なものであろう、という直感的洞察があるだけである。どなたかこれに関して冲方丁が言及している資料があれば是非ご指摘願いたい。さて、この重要なファクターとはどのような意味を持つのか。その物語内での効果、役割を考えたとき、少なくとも手塚治著の『火の鳥』における火の鳥の存在のように、絶対的な普遍の立場ではないことは賛同していただけるだろう。
 <意識共有者>はある作品では敵対者にして最終的な理解の相手として登場するし、また他の作品では協力者にして無意識の敵として登場する。(予断だが、敵対者にして最終的な理解の相手である意識共有者は近年のエンターテイメント作品によく見られる存在である。有名な例としては、『マクロスF』のヴァジュラ、そして『ガンダム00劇場版』のELSである。これらが模倣だとして、その模倣の本は何であろうか。冲方丁だろうか。しかし冲方丁が<意識共有者>のオリジナルとは限らない。むしろ、彼も何処からかインスピレーションを受けたと考えるほうが自然である。果たしてそれは何処か。意見を広く募集したい。)
 さてこの<意識共有者>としての要素を持つ者がが、現在進行形で進んでいる最中の『シュピーゲル』シリーズにも登場する。それは、特甲児童、そしてリヒャルト・トラクルの二つである。
 まず特甲児童については、読者の方々は容易に納得して下さるだろう。特に“レベル3”と呼ばれる最新技術を応用した非常に強力な武装を自らの身体として扱う際、機械化児童は何らかの精神的トラブルを起こす。例えば“仲間殺し”であったり、心理的トラウマによる錯覚症状(“渇き”や“味覚障害”、“幻覚”など)であったりする。
 これらについて、特甲児童が<意識共有者>であると仮定すれば、話は非常に分かりやすい。マスターサーバーを介する等して脳神経を機械に接続し、その精神/魂を他人とリンクさせた場合、自我境界を守るためにその精神は“他者”を拒絶するだろうことが考えられる。しかしリンクされた精神は切り離せない故に、物理的にその“他者”を切り離そうと、排除しようというメカニズムが働き、“仲間殺し”に繋がると考えることはできるのではないか。この他の錯覚症状も、意識共有によって脳が疲労し、ストレスを感じることによって生じる症状と理解できなくも無い。
 またこの他にも、特甲児童に起こる精神的出来事“内的導引性ビジョン”、“ブリリアントモデル”も、あるべき意識共有型のネットワークへ脳を誘導するシステムと考えられなくもない。
 そして私が考えるに、彼ら特甲児童はこの作品における最初の意識共有者ではない。彼らはリヒャルト・トラクルらのような存在(彼らを表す言葉が本作品中では出てきていない、または出てきていても明確に断言されたわけではないと思うので、このような漠然とした言い方になる。無理やり表現するなら、“真実に最も近い存在”もしくは“亡霊”、“武器密売ネットワークかもしれないもの”)によって生み出された存在、あるいは彼らに似せて作られた存在ではないかと思う。
 そう考える理由は以下の通りだ。まず、リヒャルト・トラクルは一人の人間ではない。リヒャルト・トラクルとはおそらく、共通の意思を持った複数のユニット、もしくは一つの意思が操作する複数の端末であるはずだ。そうでなければ、『スプライト』『オイレン』両シリーズで語られたストーリーの整合性が取れない。おそらくこの存在にはマスターサーバーが強く関わっているような気がするが…。しかし証拠は無い。
 さてこのようなリヒャルト・トラクルらが用意した武力面での手駒、それが特甲児童である可能性が高い。現に、リヒャルト・トラクルの一人が『スプライト』の作品中でそのようなことを口走っている。共通の意思に盲従する最新鋭の破壊兵器ユニット。考えるだに恐ろしい存在だ。
 おそらく、これに反旗を翻し、特甲児童を救う最後の希望となったのがメンデル博士であり、例の数字なのだろう。完全無欠の文系人間である私は、あのような数列を見ると頭がうまく働かなくなるものだが、あれは例えば数学の世界では有名な数字なのだろうか。フィボナッチ数列とか、左右対称とか。
 ともあれ、今後の『シュピーゲル』シリーズはこのような事実が明かされる形でストーリーが進むのではないかと、現段階の私は考える。
 議論や反論などあれば、大変ありがたい。

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