映画が好きコミュの「リッキー」

フランソワ・オゾン監督のちょっと変わった映画ながら　妙なオモロさと皮肉な家族風景を見せてくれる　必見とは云わないがかわいい天使ちゃんのお話で･･･

彼女はフランスの郊外の団地に娘と二人で暮らすシングルマザーで　娘を毎朝バイクで学校まで送った後に流れ作業の職場に就いて仕事して　毎日を何の楽しみも無く惰性で生きてるような無気力な生活の繰り返しで･･･

彼女はある日　新しく入ってきたスペインからの出稼ぎ労働者に惹かれ　久々に男を感じて関係結び　男は娘を無視して彼女の部屋に住みだして　やがて子供が生まれるが男は名前を娘につけさせて　即座にリッキーと･･･

彼女は産休に入って毎日を子育てでいらつきながら　夜勤明けの男と時には衝突もする中で子育てを交代して　そんな時に彼女が見たのはリッキーの背中のアザで　男の虐待と思って激しく非難すると男は怒って荷物まとめて出て行って･･･

彼女と娘はリッキーの背中のアザが破れて血が出るのを不安げに見つめ　更にそこから羽根が生え出して　それは日を増す毎にドンドン大きくなって飛ぶようになり　クリスマスの買物に一緒に連れ出すが　ちょっと目を離した隙にベビーカーから飛び出して　スーパーの天井を飛ぶ姿に驚いた買い物客は　写真を撮るわ警察が来るわマスコミも押し寄せるわの大騒ぎに･･･

彼女は医師の診察も断って娘とリッキーとで部屋に閉じこもって　そこへテレビを見た男が帰って来て　マスコミに公開して一儲けしょうと彼女に持ちかけ　彼女も承知して足に紐を括って報道陣の前に出てリッキーを飛ばして　大空に向って気持良さそうに飛ぶリッキーに見惚れた彼女は紐を離してしまい　リッキーは森を越えて遥か彼方へと去って･･･そして彼女は自殺を図ろうと湖に入るのだが･･･

コレは天使の翼とはかけ離れたかなりリアルな存在感を見せて　ちょっとグロテスクな様相の中で彼女は喜々としてその羽根の成長をメジャーで計るサマに戸惑い　更に娘がそんなリッキーを横目で見ながら鳥の手羽先をかじるサマも妙に不気味で　ただただ羽根の生えた可愛い赤ちゃんがキャッキャッと喜んで飛ぶサマはやはり天使のようで･･･