猫の恋コミュの09年5月句会♪

お待たせいたしました、今月は9名18句です。
選句は5句（特選1・準特選1・並選3）です。。

湯に沈む白檀の花五月かな　　

風薫る電波ジャックしてゐる天の邪鬼　　　

記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸　　　

蕃茄食ぶモンゴロイドの旅の果　　　

麦秋や人知を超えて顫動す　　　

緑陰に待ちぬ木漏れ日手にのせて　　　

女にはをんなの時間薔薇生ける　　　

澎湃たる若葉地獄に入りにけり　　　

香水やみえない敵に負けてゐる　　　

居眠りの君に花一片残す　　　

弥生来て塵芥さへ満たされず　　　

ＤＮＡつまめばひかる薔薇の雨　　　

獣のさざめきに似て青葉揺る　　　

虹ほのかメール一往復交わす　　　

虫の声闇の静けさ聖五月　　　

田のむこうむこうも田圃蛙鳴く　　　

新緑やバスは平野へ下りゆく　　　　

兄妹の歩むドラマの夜の新樹　　　

[16] mixiユーザー 05月12日 01:45

おたえちゃん、いつもご苦労さまです(_ _*)。。
皆様、選句してくたさいませ。
・・・・・はぁ～(-.-)。。。

[17] mixiユーザー 05月12日 05:31

初参加ですが、よろしくお願いします。

京愛様、お力落しなきよう。ふぁいと

でございますよ。

では、稲穂選です。

　　

特選
記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸

ロマンチックですね。なんとなく溶けてしまいそうな感じのする蜘蛛の糸。人間の記憶もいずれは溶けていくものなのかもしれませんね。そういわれれば記憶って、何かそんな気がしてきます。
　　　
　　　
準特選
澎湃たる若葉地獄に入りにけり
若葉あふれる森の中に歩みを進める作者の景が見えてきそう。前向き感が好き。
若葉のもつ季語の力をうまく増幅させている一句かと思うし、『ほうはい』の漢字のある意味勢いのようなものが若葉地獄をより勢いづかせていると思いします。
ある意味怖いくらい

　　　

並選
女にはをんなの時間薔薇生ける

薔薇を生けることを、女の時間と言い切った作者に一票。。『女』には『をんな』とリフレインすることで、満たされた時間となっていると感じました。

並選
香水やみえない敵に負けてゐる

どんな敵でしょ～。負けないで～。。
　　　

並選
新緑やバスは平野へ下りゆく

新緑の中バスが山道を下りて行く様子が見えてきそうです。
（文法的にいえば『切れ』が問題かもしれませんが、この句はこれで、新緑の中を進むバスの様子とあってる気がします）
　　　　

[18] mixiユーザー 05月12日 08:35

稲穂さん、お疲れさまです。
ふぁいと～、ですね。はい。はぁ～(^^ゞ

さすがです。批評には感服しました。「椋」同門バンザイ\(^_^)／。

[19] mixiユーザー 05月12日 23:04

【特選】女にはをんなの時間薔薇生ける　　　

　何を想うひとときでしたのかしらん。。
　最近は男性も日常的にやる人がいるけど
　やっぱり、花を生けるという営みには女性たる心を感じます。
　それが薔薇ならなおさらです。　

【準特選】獣のさざめきに似て青葉揺る　　　

　集合無意識やら、DNAやらに刻まれているのかどうかは知らないけど、
　たとえ都会人であっても、
　葉っぱのざわめく音と獣が近づいて来る予感は
　どこか野性的な本能にリンクしてると思う。

【並選】緑陰に待ちぬ木漏れ日手にのせて　　　

　映画的できれい。
　木漏れ日って、なめらかな感触がありますね。いや、まじで。
　待ち人もわざと遅れて、こそっとその姿を見ていたりして。

【並選】香水やみえない敵に負けてゐる　　　

　香水のキツい女性なら逆に安心、と思ってしまう私はなまぬるいのだ、、。
　あ、自分がつけ過ぎだったら論外ですよ。
　香りに負けない、むしろ、香りを従えるくらいの女性になりたいものです。。
　どうであれ、香りは姿のない自己主張であることには変わりなく。

【並選】居眠りの君に花一片残す　　　
　
　そのイタズラ心はわかる気がします。

[20] mixiユーザー 05月14日 14:49

　　「猫の恋」五月句会選句　　悪作我遊
　　

蕃茄食ぶモンゴロイドの旅の果　　　

特選・・・・こう言う俳句が現代の俳句なのでしょう。特に気に入ったのは「食ぶ」です。日本人には食に関するタブーが殆んどありません。　

香水やみえない敵に負けてゐる

　　並選・・・・表現がたくみです。僕には「ゐる」使えません。

ＤＮＡつまめばひかる薔薇の雨

　準特選・・・作者は本当に「ＤＮＡ」を摘んでいるのかも知れない。そう言う時代です。季語も多品種の薔薇で良い。

獣のさざめきに似て青葉揺る

　並選・・・・確かにこの句の通りです。
　　　　　

兄妹の歩むドラマの夜の新樹

　　並選・・・・この句は綺麗です。　　　

[21] mixiユーザー 05月15日 08:14

　　　

蕃茄食ぶモンゴロイドの旅の果.......特選

この句はおそらくご自身のことを詠まれているのでしょう。

漢字とカタカナとひらがなの微妙な配合。

作者は男性かなとおもいますが間違っていたらごめんなさい。

　

緑陰に待ちぬ木漏れ日手にのせて・・・・・・並選

　写生というかうまく詠まれていると思いました。

高浜虚子の「俳句は極楽の文学」を想起しました。　

　　　

香水やみえない敵に負けてゐる　・・・・・・・・並選

座五の「負けてゐる」の表現のユニークさがいいです。

それと句が若々しいのがいいですね。

「や」の強い切字も「敵」という言葉と調和がとれています。

よい句です。

　

弥生来て塵芥さへ満たされず　・・・・・並選　

やけのやんぱちのような句ですが、表現はあくまで俳句的調和を保っています。

俳句とはいろいろなことがい言えるんんですね。　

ＤＮＡつまめばひかる薔薇の雨　

この句は新があっていいですね。

上五のアルファベッド、つまめばの表現の具体性がとてもいいです。

そしてDNAの連続性の象徴としての「薔薇の雨」。

現代俳句です。

　　
　

　

　

　

　

[22] mixiユーザー 05月15日 08:25

準特選の表記が抜けていました。

DNAの句がそうです。

[24] mixiユーザー 05月26日 13:11

【特選】記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸

「水溶性」という一見詩的ではなさそうな言葉が、蜘蛛の糸に絡めとられて違和感なくおさまっているのは、作者の力量だと思います。
いつまでも残しておきたい大切な記憶も、時間とともにとけていってしまうという哀しみが、蜘蛛の糸の粘性と相まって切なさを覚えます。
作者の巧みな措辞に感服です。

【準特選】獣のさざめきに似て青葉揺る

勢いのある若葉が渡る風にざわざわと揺れているさまを「獣のさざめき」と表現する感性のみずみずしさに圧倒されました。

【並選】居眠りの君に花一片残す

目覚めたときのちょっとした驚きを想像しながら。。
一片の花だけでなく、多分思いも残して‥。

【並選】虹ほのかメール一往復交わす

たった一往復の、たとえ短いメールでも、幸せを感じることがありますね。
やさしい気持ちになれたことが、上五から伝わります。。

【並選】女にはをんなの時間薔薇生ける

そういう時間、必要なのです、、絶対に(笑)

[26] mixiユーザー 05月31日 17:38

お待たせしました。選評です。
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湯に沈む白檀の花五月かな　　　　　
・どなたかを偲んだお句でしょうか。

記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸【並選】　　　
・表現がうまいです。ただ、「てふ」が理屈になるかも知れません。
　
蕃茄食ぶモンゴロイドの旅の果　　　
・ご自身を詠んだ句であるなら、何も申し上げることはありません。
　上五の「食う」を「喰ふ」にされますと荒漠さが増すのでないかと。

麦秋や人知を超えて顫動す　　　
・浅学なのか想像し得ません。「人知を超えて躍動す」。何が
　でしょうか。

緑陰に待ちぬ木漏れ日手にのせて　　　
・中七「ぬ」が少し引っかかります。

女にはをんなの時間薔薇生ける【並選】　　　
・秀句です。男には想像できない。

澎湃たる若葉地獄に入りにけり【並選】
・すごいです。若葉の匂い沸き立つ感触が伝わってきます。

香水やみえない敵に負けてゐる
・ある意味恐怖します。　　　

居眠りの君に花一片残す
・お墓参りなのでしょうか。　　　　　　

ＤＮＡつまめばひかる薔薇の雨【特選】
・斬新な表現です。この感性を伸ばしてください。　　　

獣のさざめきに似て青葉揺る　　　
・把握の仕方が並みではないです。

虹ほのかメール一往復交わす　　　
・ほっとします。僕の好みです。

虫の声闇の静けさ聖五月　　　
・少し早い気もしますが、日本は縦に長いです。

田のむこうむこうも田圃蛙鳴く　　　
・リフレインが効いています。昨今こういう風景はめずらしいですね。

新緑やバスは平野へ下りゆく【準特選】　　　　
・何気ない句ですが、そこに味わいを見いだすのも俳句です。

兄妹の歩むドラマの夜の新樹　　
・どんな境遇の兄妹なのか、思いを馳せるのみです。
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今回は少し趣の違う選をしてみました。。
皆様、如何でしたでしょうか??

[27] mixiユーザー 05月31日 19:30

先生、ありがとうございましたm(_ _*)m
それでは作者の公表です。。

ＤＮＡつまめばひかる薔薇の雨　　　稲穂

蕃茄食ぶモンゴロイドの旅の果　　　

麦秋や人知を超えて顫動す　　　悪作我遊

澎湃たる若葉地獄に入りにけり　　　

女にはをんなの時間薔薇生ける　　　みすず

田のむこうむこうも田圃蛙鳴く　　　

兄妹の歩むドラマの夜の新樹　　　ガバチョ

獣のさざめきに似て青葉揺る　　　

虹ほのかメール一往復交わす　　　沙梨女

記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸　　　

湯に沈む白檀の花五月かな　　　りぅ

虫の声闇の静けさ聖五月　　

新緑やバスは平野へ下りゆく　　　ヨシザネ　　

居眠りの君に花一片残す　　　

弥生来て塵芥さへ満たされず　　　京愛

風薫る電波ジャックしてゐる天の邪鬼　　　

香水やみへない敵に負けてゐる　　　たえ

緑陰に待ちぬ木漏れ日手にのせて　　　

[28] mixiユーザー 05月31日 19:44

>記憶てふ水溶性の蜘蛛の糸
　沙梨女ちゃんだったのね。。う～ん、俳句は分からん(^^ゞ

[29] mixiユーザー 05月31日 19:54

京愛様、たえ様　

お世話様になりました。

参加された皆様のすばらしい句評。とても参考にました。

また、よろしくお願いします。

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