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ピークオイルコミュのドイツの間抜けなディレンマ

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ドイツのエネルギー政策の柱は、

1.原子力発電所の段階的廃止
2.バルト海の海底の天然ガスパイプラインの建設し、ロシアからのガス輸入を増加

である。この二つには密接な関係がある。

ドイツは2001年に「脱原発法」を施行し、現在稼働中の商用発電炉17基は、稼動年数32年で操業停止にすることを定められている。段階的に停止し、2024年に全廃となる予定。

ドイツの原発による発電量は、前発電量の約28%(2005)を占めている。
脱原発を30年以上訴えてきた「緑の党」と連立政権を結んだ、シュレーダーの「社会民主党:SPD」は、2000年の6月大手電力会社との間で原発を徐々に廃止していくことを明記した「アトムコンセンサス」と呼ばれる協定を結び、その後「脱原発法」を制定する。しかし、原発がすべて止まってしまうとエネルギーが不足してしまうため、シュレーダーはその穴埋めにロシアからのガスを選択した。

現在ドイツでは、ベラルーシ-ポーランド、あるいはウクライナ-スロバキアーチェコ経由のどちらかで天然ガスをロシアから輸入しており、天然ガス消費におけるロシアの占める割合は35%である。シュレーダーは、敗北し政権を去ることになる2005年9月の総選挙のわずか10日前に、予定を前倒ししてプーチンとガスプロム社長をベルリンに呼び会談し、ロシアからバルト海を経由し直接ドイツへと繋がる海底パイプライン「Nord Stream」構想に調印した。

Nord Streamの計画では、第一期工事の完成が2010年、最終工事の終了が2020年となっており、原発廃止計画との相補性は明らかである。

加えて、EUは厳しい温暖化ガス削減目標を掲げており、ドイツは2020年までに1990年比で40%も削減しなくてはならないため、原発を失ってしまうと、現在発電の半分を生み出している石炭火力を天然ガスにすべて置き換えたとしても、目標達成は厳しい。2013年には、現在無償(一部有償)の排出権枠が、すべてオークション形式の有償となるため、ドイツの電力会社は自由化されたEU圏の電力グリッド内の競争で生き残るのが非常に難しくなる。

一方のロシアは、ガスをドイツに輸出すれば、国内の8倍の値段で売れるので、そんなものを自国民のために提供するほどバカではない。ロシアは現在31基の原発を持っているが、2020年までにさらに40基の原発を建設する予定である。つまり、自国の電力は原子力でまかなおうという腹なのである。

脱原発を掲げてきたドイツだが、ここへ来て見直す動きが活発になっている。
まず、首相のメルケル(もともと物理学者)自体が強硬な脱原発反対論者である。しかし、メルケルの属するCDU(キリスト教民主同盟)は、連立を組むSPDへの配慮から、これまでは路線を踏襲してきた。

ところがメルケルは、2008年6月「2001年の原子力廃止政策は誤りだった」発言し、さらに”ドイツ経済大臣の今後のエネルギー政策立案のための科学者と官僚からなる専門家ワーキンググループ”がドイツの脱原子力政策の見直し(原子炉の運転期間を32年から8年延長し、40年とする)を提言。連立のSPDは連立協定違反と激怒したため、メルケルはあわてて2009年9月の総選挙までに脱原子力政策を転換することはないと発表するなど、物議をかもした。ただしメルケルは「原発はエネルギー問題の最終解決策ではないが、安全が保障されている原発に限っては、操業年数の延長はありうる」という立場を堅持している。

2009年初頭のウクライナとロシアのガス抗争は、ウクライナを迂回するNord Streamの必要性を高めたが、一方で昨年からの金融恐慌の影響で、Nord Streamの建設計画が遅れをみせているため、ロシアからのガス供給への不安が高まり、脱原発を見直す動きはさらに加速している。

さらに、新たな原発計画を停止してきた英米が再開発を宣言したり、ドイツが脱原発のお手本にしたスウェーデンまでもが原発政策の見直しを発表するなど、ドイツの脱原発政策は強い逆風にさらされているが、現在のところ見直したところでせいぜい数年稼動年数を延ばすことが関の山だ。


ドイツの決意はなんだか間がぬけている。緑の党の宿願どおり国内での原発廃止は決定したものの、その代わりに輸入するエネルギー資源は、ロシアが自国で原発を造ってまかなってくれることになる。一方、国境を接したフランスには59基の原発が林立し、スイスには5基、チェコにも6基の原発がある。その多くは、ドイツとの国境にそって並んでいる。ブルガリアはEU加盟の条件として、閉鎖した旧ソ連式の原発を2009年になって再開すると言い出している。

原発を自国から駆逐すれば安全というのなら、ドイツの行動にも一理ある。しかし、そうではないことはすでにチェルノブイリが証明してくれた。そもそも「ドイツの原発とロシアの原発とどちらが安全か」という問題もある。

環境保護派は、ドイツの電力固定価格買取制度FIT(フィードインタリフ)や、太陽光発電パネルの設置容量が日本を抜いたことなど、ドイツのエネルギー政策を高く評価しがちだが、これでは・・・

コメント(1)

ドイツ新政権、太陽光発電の支援額を削減へ=再生可能エネルギー法を10年にも再考
2009/10/02 19:32[エネルギー][時事通信社]
 【ベルリン・ロイターES=時事】ドイツ総選挙で過半数の議席を握った中道右派2党は来週、新連立政権発足に向けた協議に入る。2党所属の議員らは1日、太陽光発電の普及を積極支援する「再生可能エネルギー法」を2010年にも見直し、支援額を削減する可能性があるとの考えを示した。
 ある議員は「太陽光発電の支援コストが急激に増加しているなら、再生可能エネルギー法を10年に見直す必要があるだろう」と指摘した。
 ドイツは今年、政府の補助制度で家庭へのソーラーパネル設置に弾みがつき、世界最大の太陽光発電市場になる見通しだ。
http://members.kankyomedia.jp/news/20091002_5028.html

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