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ピークオイルコミュのイラン情勢と日本の石油

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[画像]空母USS CVN-74ジョン・C・ステニス上をなぜか飛んでるフランスの戦闘機ラファールM

本当は、あまり時事問題の方向には行きたくはないのですが、どうしても気になるので、立てちゃいました。

アメリカの行動いかんでは、日本への石油輸出ストップなんて事もありえない話ではないので、あながち的外れな懸念でもないとは思います。また、今後似たような状況が頻発する可能性もあり、あたふたしない為にも今のうちに対応策を考えておく必要はあると思います。
中東問題の複雑な事情や文化・宗教・民族などの背景は、私にはとてもまだ理解出来ていませんが、ニュースで表面をなぞっていると、なんだか心配になってきます。


■(理由はひとまずおいておいて)どうやらアメリカはどうにかしてイランに何らかの制裁を加えようとしているようにみえる。もちろん政府は戦争は否定しているが、そうやって相手に先に仕掛けさせるのはアメリカのいつもの手だ。それも、今年中に何かアクションを起こすくさい。イラク戦争の頃から計画があった気がする。そしてその次は・・・。

なにもおきないかもしれないが。

【これまでのアメリカの行動】
◆年末から1月にかけて空母2隻をペルシャ湾に派遣。さらに追加との報道も。→4月2日ニミッツ出発。
◇イラク駐留米軍の司令官が、ゲリラ戦の専門家から空母&上陸作戦の専門家のファロンに交代した(今のイラクには必要ないだろう)。
◇イラク駐在多国籍軍司令官をゲリラ専門のペトレアスに変えた(イランの方が山岳ゲリラが多い)。
◇イラクに2万人増派すると発表。
◇イラン工作員(外交官も)の殺害を容認。5人を拘束。
◇イラクのイラン領事館急襲。
◇中東親米国にパトリオットや軍隊を配備。
◇チェイニー副大統領が今年春までに開戦するとの発言(CIA情報)。
◇チェイニー副大統領が、二月末に日・豪を訪問。対イラン政策支持と支援を確認か?また、パキスタン・アフガニスタンにも事前発表なしに訪問。


【予想されるアメリカの行動】
◇イラクの治安回復という名目で、イラクの反米組織に軍事・経済援助しているイラン勢力や工作員を殺害し、怒りを煽る。
◇イランを挑発し続け、核実験、衛星打ち上げ、安保理決議拒否、イランからの攻撃等を待ってから、経済制裁・軍事制裁に踏み切る。
◆どうしても開戦しにくい時は、イスラエルにイラン核施設などを空爆させる。地中貫通核攻撃(B61-11)も視野に。→その話はもう消えたようだ。


【イラン側の挑発的な行動】
◇核開発をさらに進めると発表。
◇衛星を打ち上げると発表(ノドンの技術を応用、大陸弾道弾開発につながる)→2.25に成功。
◇3千器の遠心分離機を設置の計画。
◇ロシア・中国から武器供与を受けている(米は強く批判)。
◇ロシアの天然ガス版OPEC構想に賛成(アメリカにとって脅威)。
◇石油をユーロで売ると要求した(かつてイラクもそうしたため、米の強い反感を買い戦争になった。アメリカ経済は石油のドル取引でドルの価値を維持する事で成り立っているともいえる為、死活問題)。すでに半分はユーロ立てに。米ドル完全停止の計画も。
◇北朝鮮との深い関係(ノドン・衛星・核技術)がある。
◇国連の核開発中止を求める制裁決議が出たあと、遠心分離機を10倍に増やすと発表し挑発。制裁には応じない構え。
◆日本の石油元売大手に、ユーロまたは円取引を1年前から打診していた。→2.21日本の石油連盟は応じると発表。
◆米報道によるとイラク過激派に関与している、らしい。
◆アメリカの攻撃を受ければ、世界中のアメリカの権益(従属国日本も含まれるのか?)に攻撃を加えると宣言。


【予想される事態】
◇アメリカが経済制裁を発動した場合、日本では日本も行動を共にするのかの議論が起きる。結果、日本も制裁を課す事になるかもしれない。→「国連決議に従って」、日本は制裁を2月17日に発動。
◇アメリカの挑発に乗ってしまったイランの行動が引き金となって、戦争状態に突入してしまう。それは安保理決議による軍事制裁として始まる可能性もあるが、恐らく中国・ロシア・フランス(ドイツも?)は否決するので、アメリカはまた断行するだろう。現在既に小規模な戦闘は始まっており、自然に戦闘状態に突入するかもしれない。日本は給油等でアメリカに軍事協力を要請され、国内では議論を呼び、おそらく派遣の決断を迫られることになる。
◇日本がどんな行動をとったとしても、イランにアメリカと同一視されて、輸出をストップされる可能性もある。
◇イランに石油を14%依存している日本は、ストップされた場合、単純計算で170日分の国家備蓄により3〜4年は大丈夫。9割の石油を中東に依存している日本だが、イランと協調して日本への石油供与を止めるOPEC国家が現れるかもしれない。もちろん、日本を救済してくれる別の国があるかもしれない。どちらも不透明。
◇とりあえず、石油価格は上がる。
◆世界や日本でテロが起きない事を願う。カタール、サウジ、その他親米国が危険?

【キーとなるかもしれない日】
◇国連安保理がイランに出した核開発中止を求める制裁決議に対するイランの回答猶予が、2月下旬。
◇アフマディネジャド大統領が4月9日までに核関連の大きな成果を公表すると予告。→商業段階の核燃料製造。核兵器を売るって事だったりして。
◇現時点での、米空母の作戦期間は5月までという事になっている。
◆新米の英ブレア政権が5月にも退陣の見通し。
◆GWに安倍首相が米・中東を訪問の予定。

杞憂に終わるといいですね。


<ニュースソース>

【田中宇の国際ニュース解説】
◇イラン空爆話の再燃(07 8/28)
http://tanakanews.com/070828iran.htm
◇すでに米イラン戦争が始まっている? (07 1/16)
http://tanakanews.com/070116iran.htm
◇半年以内に米イラン戦争が始まる?(06 12/28)
http://tanakanews.com/g1228mideast.htm
◇イスラエルがイランを核攻撃する? (07 1/9)
http://tanakanews.com/070109israel.htm
◇大戦争になる中東(3)(06 12/20)
http://tanakanews.com/g1219mideast.htm

【田中氏、他関連ネタ】
◇イラン核問題:繰り返される不正義(06 2/7)
http://tanakanews.com/g0207iran.htm
◇イランとアメリカの危険な関係(06 2/14)
http://tanakanews.com/g0214iran.htm
◇イランとアメリカのハルマゲドン(06 2/21)
http://tanakanews.com/g0221iran.htm
◇イランとイスラエルを戦争させる(06 9/6)
http://tanakanews.com/g0906mideast.htm
◇イランは核攻撃される?(06 4/18)
http://tanakanews.com/g0418iran.htm
◇大戦争になる中東(06 7/23)
http://tanakanews.com/g0723war.htm
◇大戦争になる中東(2)(06 8/1)
http://tanakanews.com/g0801israel.htm


【アメリカ関係】
◇核開発問題でイランへの圧力を高める米国のブッシュ政権(07 1/8)
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/h125.html
◇ブッシュ米大統領イラク米軍増兵政策に批判高まる(07 1/6)
http://jp.ibtimes.com/article/general/070106/3369.html
◇後任にファロン大将指名へ 米中央軍司令官(07 1/5)
http://topics.kyodo.co.jp/feature40/archives/2007/01/post_16.html
◇ペトレアス中将の指名承認 イラク駐留多国籍軍司令官(07 1/27)
http://topics.kyodo.co.jp/feature40/archives/2007/01/post_53.html
◇米、イランへ軍事圧力強化 イラク国内の工作員殺害許可(07 1/28)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070128/usa070128000.htm
◇イラク 米軍がイラン領事館急襲、職員5人を拘束(07 1/12)
http://tinyurl.com/2r6r6c
◇ブッシュのイラク計画、対イラン戦争を煽る(パトリオット配備)(07 1/25)
http://www.janjan.jp/world/0701/0701248742/1.php
◇チェイニー発言のうわさ(英語)
http://tinyurl.com/ydz9rx

【イラン関連】
◇イラン、地下核実験準備 北と協力、データ研究(07 1/24)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/middleeast/070124/mda070124003.htm
◇北朝鮮外務省、イランとの核協力を否定(07 1/27)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070127AT2M2701227012007.html
◇イランが独自衛星打ち上げへ 北と協力、米誌報道(07 1/26)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070126/usa070126004.htm
◇ロシア、イランに地対空ミサイルシステムを供給=国防相(07 1/17)
http://tinyurl.com/232ctw
◇ガス版OPEC結成支持 イラン最高指導者「ロシアと相互に支援」(07 1/30)
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200701300032a.nwc
◇国連安保理の制裁決議採択で改めて注目されるイランの動向(06 12/25)
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/h124.html
◇イラン空爆計画? イスラエルが核開発に反発と英紙(07 1/7)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/middleeast/070107/mda070107003.htm
◇イラン:高まる核の危機(07 1/25)
http://www.janjan.jp/world/0701/0701248729/1.php
◇中国がイラン・イスラエルの仲裁に(07 1/25)
http://www.janjan.jp/world/0701/0701248735/1.php


ニュースサイトはリンクが切れる場合あります。


経済産業省の石油備蓄課の方も、今この問題が一番頭を悩ませていると言っていました。
差しあたって日本に出来ることといえば、アメリカが制裁を行った場合の日本の対応を、早めに議論しておくことぐらいですか・・・。

コメント(127)


本の紹介をひとつ。

陰謀国家アメリカの石油戦争―イラン戦争は勃発するか!?(著)スティーブン ペレティエ,Stephen Pelleti`ere,荒井 雅子
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4828412638
陰謀国家アメリカの石油戦争―イラン戦争は勃発するか!?
出版社/メーカー:ビジネス社
価格:¥ 1,785
ISBN/ASIN:4828412638
Rating:★★★★


「陰謀国家アメリカの石油戦争 イラン戦争は勃発するか」America's Oil Wars
スティーブン・ペレティエ著2006年
ビジネス社発行

 9.11以前の米国の石油権益あるいはOPEC諸国との関係についてちゃんと書かれた国際外交の本をはじめて読んだ気分です。(リンダ・マクウェイグの「ピークオイル」で取り扱っている時代の前史と言ってもよいかもしれません。)
筆者は元(80年代)CIAのイラク担当分析官。

 ピークオイルの話は出てきませんが、サウジアラビアの重要な変化についてちゃんと指摘していますね。OPEC諸国は2つに別れていて、ハイ・アブソーバー(国内市場がある)諸国とロー・アブソーバー諸国のうち、湾岸の首長国とサウジはかつてはローアブソーバー諸国だったのが、サウジが国内人口の急激な増加に伴いハイアブソーバー諸国になりつつあり、このことがOPECの意思決定の変化要因となっていると指摘しています。
 これはある意味輸出ピークの一つの現われにもなるのですが、価格政策に与える影響というのは初耳でした。

 この本の説を延長していけば、現在の石油関係の苦境はひとえに、米国の誤った中東の情勢分析に基づく不注意な政権運営と、軍産複合体および国際石油資本の独立した動きの相互作用により引き起こされた政治的な危機だ、という論になり、早期ピークオイル論の出番をなしでも現状を説明できるかもしれません。

(なお、副題には イラン戦争は勃発するか とありますが、そのような先の話を予想した予想ものでは全然ありません。)
6日にペルシャ湾でアメリカ海軍の艦隊とイラン革命防衛隊の高速船が接近したニュースで、

国防総省はビデオを公開、イラン側はでっちあげ(昔のビデオだ)と文句を言っています。

http://www.youtube.com/watch?v=jRbYKKM5cAE

NIE(National Intelligence Estimate)の12月の発表でアメリカの対イラン政策は軟化するのかと思っていましたが、まだまだ色んな事が起こりますね。
なんかきなくさいな。


ガザの壁が一部破壊されてたみたいですね。
今情報を集めています。
米中関係トピックより

犬谷先生、イランネタはこちらになりますm(_ _)m
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=9045

Report: U.S. Will Attack Iran
by Newsmax Staff  Newsmax http://newsmax.com/
Global Research, May 21, 2008

Israel’s Army Radio is reporting that President Bush intends to launch a military strike against Iran before the end of his term.


リークがあったら中止とかだったりして。
去年もずいぶんこんな報道がありましたよね。
イスラエルArmy Rarioがブッシュは任期中にイランに攻撃すると報じた。
ファクトはおそらく
ホワイトハウスは火曜日にこの報道を否定
チェイニーの3月中東訪問はその準備では
B−2爆撃機が2月の事故以来飛行可能に
バンカーバスター搭載のステルス修理が終わった
空母配備増強

他に関係者からのリークがいくつかあります。

FBIは米国内(日本も)テロの発生を防ぎきれないので反対しているようです。
ぬりさん

ASPO-USAがオーウェルを持ち出すように、「戦時下だという、従って危機に在るという意識は、少数の特権階級に全権力を委ねることが如何にも自然であり、生存の不可避的な条件だと思い込ませるのである・・・・戦争が実際に発生しようとすまいと問題ではない。また決定的な勝利の可能性が無い以上、戦争が好転しようとすまいと問題ではないのだ。必要なのは戦争状態を存在させるということだけである」(オーウェル「1984」)という見方も片隅に留めておきましょか。
犬谷先生さん

 2-3日前の日経で、ジョセフ=ナイだったと思いますが、リーダーシップと危機について論説を書いていましたね。
 彼の論旨は、危機にもいろいろ種類(長期/短期、構造的/表層的)があるので、種類に応じてリーダーの資質を検討しなければならない、ということだと理解しました。危機だからといって単純に「委ねる」思考停止は誤りだと。
米・イラン関係はレッドゾーンに接近
* 2008年5月29日 木曜日
* 菅原 出
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080528/159480/

過去の記事と比較しても面白いです。

以前犬谷先生が紹介された、最近のイラン戦争の噂の話はこちら
Report: U.S. Will Attack Iran
by Newsmax Staff
Global Research, May 21, 2008
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=9045
ジョセフナイJr.によれば、最後は戦争しかないというわずかな考えが戦争に向かわせるとの事ですが。


私の得た情報と分析では去年の6月以降、アメリカ主導による今年の対イラン攻撃の可能性はかなり後退していると考えています。
やはりFBIの分析は正しく、テロの脅威(日本も含め)を取り除けない。
イラク南部の油田地域は事実上イランの支配下にあり、アメリカは今後これを少しでも手に入れるために取引をしようとしているのではと疑っています。
今回のリークは、本当なら情報規制が不十分であることの証左で、なおさら開戦出来ない。故意のリークなら石油価格吊り上げ工作かも。



オバマの勝利が6月第一週あたりに決まって、ヒラリー支持でこれまで選挙に興味なかった層や年配で長年女性差別の怨みがたまってる層が民主党に票をいれないと予想されればマケイン有利ですが、オバマ有利となれば、オバマ暗殺のリスクだけでなくテロの可能性もあがります。


次のイランのポイントは初臨界頃でしょうか。


注:個人的見解です
イスラエルーイラン間の緊張が、対ユーロ ドル安 → 原油価格高騰とか。

http://www.businessandmedia.org/articles/2008/20080606112914.aspx

イラン核施設への攻撃は、" 避けられない " とも。
副首相が言えば、反応するわな。
ブッシュ大統領、北やイランの核問題で「武力行使もあり得る」

* 2008年07月03日 11:35 発信地:ワシントンD.C./米国
【7月3日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は2日、北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)を前に日本メディアと会見し、北朝鮮やイランの核問題で「武力行使の選択肢は残されている」と述べる一方、外交による解決を希望すると強調した。
http://www.afpbb.com/article/politics/2413305/3098278

そういうこと言うからまた上がる。
UK Report - President Bush Backs Israeli Plan For Strike On Iran

July 13, 2008
http://www.nationalterroralert.com/updates/2008/07/13/uk-report-president-bush-backs-israeli-plan-for-strike-on-iran/

対イラン経済制裁の代償
期待の天然ガス田、開発に大きな遅れ

* 2008年7月14日 月曜日
* FINANCIAL TIMES
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080710/165068/

チェイニーが対イラン秘密工作を仕掛ける理由

* 2008年7月11日 金曜日
* 菅原 出
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080709/164956/
米がイスラエルに、1000基のバンカーバスターを売ると決めたようです。
この写真はGBU-28かな。売るのはB61-11かな。


U.S. to Sell Israel 1000 Bunker-Busters, May Be Used in Strike on Iran
http://www.foxnews.com/story/0,2933,422443,00.html

リーマン破綻はイラン開戦の布石という見方も。
ぬりさん

 ちょっとつながりがわからないんですけど、、、
daiさん

わかりにくくてすいません。
早期(ブッシュ政権内)に(イスラエル)対イラン開戦をするには、打開せざるを得ない口実となる危機が、陰に陽に必要になるという意味です。
最近ドル高気味かつ、ユーロが下がり始めましたし、開戦すれば軍需増えますからね。損得勘定まではわかりませんが、FRBの身内のリーマンならば、そういう手打ちをすることもあえてあるかなと疑ったり。
ぬりさん

 田中宇さんは最近、イラクが中ロ寄りに立ち位置を移しつつある、という趣旨で書いています。
http://tanakanews.com/080914iraq.htm

 何だか難しいですねぇ。焦点のはっきりしない碁で手番が回ってきたときのような気分。

 インペリウム・アメリカーヌム(アメリカ帝国)が終わりつつある、というのが、現在に対する私の歴史観なのですが
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b808.html
終わり「つつある」であって、終わってしまったわけではないのが悩みどころ。
 アメリカにくっついていくとひどい目に遭いそうだし、かといって距離を置くと当面アメリカから叩かれる。

 そう考えると、「政局が混乱していて何も決められません」というのは、無難な立ち位置かもしれません。今のアメリカから「役に立たないやつ」と見られること自体は、大きなマイナスにはならないでしょうし。
ぬりさん、daiさん

第一次世界大戦と言えば、サラエボ事件を契機に云々と教えられましたが、
William Engdahl著 “A CENTURY OF WAR”によれば、
「1914〜1918年の世界大戦に関する秘密の一つは、英国がドイツ帝国に宣戦布告した1914年8月の直前に、英国財務省と英国の金融界が事実上破綻していたということだ」とのことで、英国財務省の高官だったジョージ・パイシュ卿はドイツとの開戦3日前に財務長官宛に戦争資金がない旨の手紙を書いていたくらいだった。
それで急遽、正貨(金・銀)の支払いを停止して、法貨(銀行券)を流通させ、戦争に踏み切った。ただし、これにはモルガン(米)の後ろ盾があり、軍需は米国頼み、戦後、戦利品にてペイする目算だった。結局、覇権は米国に渡ったが。

前の覇権国の末期同様、米国が足掻いているのはわかるけど、しかし、911事件を契機としてイラク戦争に協力して、私たちに何かリターンがあったか? 次の対イラン戦争は火星人からの出資で賄うつもりなのだろうか?

「政局が混乱していて何も決められません」という口実も時勢には逆らえない。
米国に5000万人分の食糧を依存し、中東を主たるエネルギー供給源とし、その対中東赤字をドルで決済している日本は、米国がイランと開戦しても(ホルムズ海峡封鎖・インフレ加速下手すりゃハイパーインフレ)しなくても(サムおじさんの老衰)、やがて大変な苦境に立たされるでしょう。
犬谷先生さん

 イギリスの話し、興味深いですね。イギリスからアメリカへの覇権の移り変わり、金融立国その他の両者のアナロジー、等々。

 大変な苦境に立たされることはわかっているわけだけれど、あらかじめ取るべき対策、あるいはプロセスの中で持つべき方針、といったことを考えているつもりです。

 開戦ケースに関しては、私にはなぜ開戦するかがわからないので、事前に考えられることはあまりありません。あえて言えば、田中宇さんとか読みながら、なぜ開戦するのかについて勉強しているくらい。
 日本の針路、という意味では、開戦直前の情勢から適格に判断できる指導者がその瞬間に指導的地位にいることを祈る、くらいでしょうか。

 基本的には「サムおじさんの老衰」シナリオを想定してるので、外向的には右を見て、左を見て、あいまいな態度を続けるのが一つの戦略かなぁ、と。
 一方国内的には、エネルギーインフラの改革に断固として強力な政策を遂行する。また食糧自給率の向上を進める。そして危機シナリオをまじめに検討し、対策を講じる。まあ、そんなところでしょうか。
 サムおじさんとの決定的な決裂は、もしかすると食糧自立の過程で発生するかもしれませんね。
■イスラエルの攻撃は承認しない

二十六日付の英紙「ガーディアン」が欧州外交筋の話として以下のようなこと
を伝えています。

1.イスラエルのオルメルト首相は今年五月、米のブッシュ大統領に対しイラ
ン核施設攻撃承認を要請した。

1.これを受けたブッシュ大統領は「自らの在任中に承認することはない」と
拒否した

⇒これについては以前「イスラエルと米は、イラン空爆を押し付けあっている
のではないか?」というヨーソロ様のご高見、「米が民主党政権になれば空爆
が行なわれるのではないか?」というおき軍事の見方をお伝えしたことがあり
ます。

イラク領空を実質的に管轄する米の承認なしに、イスラエルがイランを空爆す
ることは事実上不可能といわれます。

「年内空爆はなくなった」とする安心した見方が一般的のようです。

おき軍事はそれとは逆で、ブッシュさんが「自分の任期中は」とわざわざ口に
しているところ、イスラエルやIAEAなどが伝えるイランの濃縮ウラン情報
などに引っかかりを覚えています。

米の次期政権が実施(承認)に踏み切る可能性が高くなったのではないか?
との印象を受けています。

OKIGUNJI
http://okigunnji.com/
米軍のシリア攻撃報道、米国防総省は沈黙

 【ワシントン=大石格】イラク駐留米軍が国境を侵犯してシリアを攻撃したとの報道について、米国防総省は26日夕の時点で、沈黙を守っている。米メディアは偶発的な出来事と冷静に受け止めており、11月4日投票の大統領選に影響する「オクトーバー・サプライズ(10月の驚き)」には発展しないとみている。(11:24)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081027AT2M2700G27102008.html

イランじゃないけど。なんだこれ、あやしいな。
10/26、イスラエルの次期首相・リヴニ外相は、
連立交渉に失敗。
(AFP: http://www.afpbb.com/article/politics/2532320/3469035 )
対イラン主戦派のオルメルト元首相、モファズ副首相らが
総選挙に向けどのような動きを見せるのか、要注目の展開に。

by 原田武夫


U.S. Military Helicopters Launch Attack Inside Syria
Sunday, October 26, 2008
http://www.foxnews.com/story/0,2933,444101,00.html

やっぱ英語ニュースの方が詳しいなあ。
インドのムカルジー外相、31日イラン訪問
2008年11月04日 18:36更新

【ニューデリー】インドのプラナーブ・ムカルジー外相は、インドとイランの関係を深め、貿易・ビジネスなどのプロジェクトを促進する目的で31日から3日間イランを訪問する。

 ムカルジー外相はイランのモッタキ外相と会談を行い、マフムード・アフマディーネジャード大統領とも会談する。費用の負担問題や安全性に対する懸念により計画が行き詰まっているIPI(インド、パキスタン、イラン)ガスパイプライン計画(74億ドルをかけペルシャ湾の天然ガスをパキスタンとインドへ供給する計画)を再び軌道に乗せるべく交渉を再開する予定。

 インドは、パキスタンが要求するパイプの通過料に合意せず、2007年8月以来パイプライン・プロジェクトについての話し合いを拒否してきた。シン首相が今年4月30日にアフマディーネジャード大統領と会談した時は、両国は45日以内にプロジェクトについて決定すると明言していたが、未だに問題の進展が見られないままだ。

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/081104/23713.html

なかなかすすまねえなこれ。
5日の関西テレビニュース「アンカー」で、青山繁晴氏が再びイスラエルによるイラン空爆の準備に関する話しをしています。


107でもほぼ同様の内容を引用しましたが、青山氏によれば、五月にオルメルト首相がブッシュ大統領に「大統領選後から就任までのタイミングでのイラン空爆を承認して欲しい」と打診した。七月にはその話しをブラウン英首相にも伝え、その二つの話しが周りまわって青山氏にも届いたので、イスラエルは選挙後のイラン空爆を準備していると考えて間違いないのだという。
仮に実行に移れば、イランはホルムズ海峡を閉鎖、米艦隊は紅海を通ってイランと戦わざるを得ない。日本からも第七艦隊が派遣?すると日米はテロの恐怖にさらされると。

リーマン破綻の容認が、この布石ではという事を101に書きましたが、この話はとある事情通の方から聞いた話しで、彼は当時からブッシュ任期中の空爆の可能性が高いのではと危惧していました。
Iran Said to Have Enough Nuclear Fuel for One Weapon

Posted: 19 Nov 2008 11:10 PM PST

Iran has now produced roughly enough nuclear material to make, with added purification, a single atom bomb, according to nuclear experts analyzing the latest report from global atomic inspectors.

The figures detailing Iran’s progress were contained in a routine update on Wednesday from the International Atomic Energy Agency, which has been conducting inspections of the country’s main nuclear plant at Natanz. The report concluded that as of early this month, Iran had made 630 kilograms, or about 1,390 pounds, of low-enriched uranium.

Several experts said that was enough for a bomb, but they cautioned that the milestone was mostly symbolic, because Iran would have to take additional steps. Not only would it have to breach its international agreements and kick out the inspectors, but it would also have to further purify the fuel and put it into a warhead design ― a technical advance that Western experts are unsure Iran has yet achieved.

“They clearly have enough material for a bomb,” said Richard L. Garwin, a top nuclear physicist who helped invent the hydrogen bomb and has advised Washington for decades. “They know how to do the enrichment. Whether they know how to design a bomb, well, that’s another matter.”


By WILLIAM J. BROAD and DAVID E. SANGER
The New York Times
イラン政府、国営テレビを通じ新型長距離ミサイルの発射実験を行ったことを公表
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00150816.html


北朝鮮はわかるのに、イランは事前に発射の兆候わからないのか?


「ザ・シンプソンズMOVIE」(2007)にも、非効率な諜報活動をお笑いネタにしたシーンがありました。
イランの大統領戦が終わりましたが、勝利したアハマディネジャード以外の候補が、不正を訴えていますね。今回の選挙は、選挙活動の情報のやり取りに Twitter(mixiエコーのようなサービス)やYoutubeが活用され、米国国務省がTwitter社に接触したり、イランがトラフィックを遮断するなど、米国大統領選挙に増して21世紀型選挙だなと感じます。Google翻訳やFacebookが急遽ペルシャ語を提供するなど、影響力は大きいです。

それに引き換え、日本の選挙制度は旧態依然として、時代に取り残されているような気がします。

情報の自由化は、民主主義のプロセスを円滑にする一方、衆愚政治やポピュリズムに陥りやすいので、流されやすい日本では危険が伴いますが、マスコミよりはましだったりもします。


意思決定者の高齢化による、高齢者既得権益の硬直が、日本を立ち行かなくしている元凶になっていると思います。お願いしますよ、マジで。

インターネット選挙の解禁が日本を救う
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT12000021062009&landing=Next

しかし、この記事は概念だけで、もう少し具体的かつ魅力的な案も提示して欲しいもんだ。
●Twitter の活用が広がる 日本の政治家が国会生中継も
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/18/news019.html
つぶやき程度の短い文章で更新されるミニブログ「Twitter」の活用が広がっ
ています。日本の国会議員も使い始めており、国会での議論の様子や、政治動
向についてコメントをリアルタイムで更新。国会議員の日常や考えに触れられ
るとして、利用者の注目を集めています。

・逢坂誠二さん(民主党)の twitter
→ http://twitter.com/seiji_ohsaka/
・橋本岳さん(自由民主党)の twitter
→ http://twitter.com/ga9_h/


日本上陸は2007年だが、日本じゃなかなか盛り上がらんな。
携帯メール文化が咲きすぎているのかな。携帯メールとTwitterの間くらいが流行るかもしれない。
iPhoneのインターフェースや機能拡張性はすばらしいし、WSJなどが無料で読めるのはとても魅力的だが、文字入力に弱いのがどうも気になる。

2004年ごろ、バーチャルキーボード(写真)というものが発売され、関心したものだが、多分使いにくいのだろう。こんな感じで、新しい入力装置が出てくれば、人間と情報の関係も変わり、政治も変わらないかと思ったり。
■北鮮のイランへの武器輸出が発覚

29日の複数報道によれば、

1.北鮮からイランに向けて武器を運んでいたバハマ船籍の船「ANL─オー
ストラリア」が7月下旬にUAE当局に拿捕されていたことが28日に明らか
になった。

1.UAE当局は、8月初旬に国連安保理に報告していた。

1.北鮮の武器輸出は国連安保理決議1874(※)に違反する行為で、決議
に基く船舶拿捕はこれがはじめて。UAEはこの事実を安保理に付属する北朝
鮮制裁委員会に報告した。制裁委員会は、北鮮、イラン両政府に対し、この行
為が同決議違反であるとする書簡を送った。今後、同委員会が輸出先のイラン
にも経緯を問い合わせるなどして対応を協議する。

(※)国連安保理決議1874
今年5月の北朝鮮による2度目の核実験を受けた制裁決議で、6月12日に
採択された。貨物検査と武器禁輸、金融制裁の強化を柱とする。武器に関して
は、輸出入に加え金融取引や技術訓練も禁止。貨物検査については、禁輸物資
を積んでいると疑われる情報がある場合、全加盟国に自国領内で実施するよう
求めている。

1.UAEの港に投錨した貨物船の調査を行なったところ、ロケット弾、信管
や弾薬など数種の通常兵器が、油田掘削機器と偽装されたコンテナ10個に
積まれていたとのこと。

1.今年6月下旬、ミャンマーに向かった北鮮貨物船「カンナム」が大量破壊
兵器関連物資を積んでいる疑いがあるとして南シナ海等で米軍艦の追跡を
1週間以上受け、尻尾を巻いて途中で引き返した。このとき積荷検査は行なわ
れていない。

1.国連安保理決議1874では、押収した武器の処理はUAEに委ねられる。

1.この貨物船はバハマ船籍で仏企業の豪州子会社が保有。積み荷は、シナに
事務所を持つイタリア企業が輸出元になっていたとのこと。

1.船の出港地は不明

1.荷受人はイラン革命防衛隊とつながりがあるとされる企業「TSS」だった

1.2006年に採択された安保理決議1718は、北朝鮮の武器輸出禁止の
対象を大型兵器に限定していたが、決議1874は北朝鮮の資金獲得源を断つ
狙いから「すべての武器」に拡大している。

⇒おそらく国連は次の手を打てないでしょう。
中共と米が北鮮攻撃を押し付けあっている状況にある気がします。
わが国の政変を受け、米がここで中共とヘンな妥協をしなければいいのです
が・・・ ここで、駐日大使が政治家でなく弁護士というのが、気になって
きます。

いずれにせよ、わが国はこういうことに振り回されることなく、
自立への道を着実に進めることです。北鮮の存在はわが脅威ではありません。
わが脅威はシナです。

わが周辺地域の紛争において鍵を握りうる大国としての力を涵養しておくこ
とです。核武装・原潜配備が求められます。それが21世紀のわが生存と平和
を確保する唯一の手段です。強さを維持しておけば襲われません。弱くなれば
襲われます。これが国家が権益をむさぼり食らう国際社会という野獣の世界
のルールです。

近い将来、痺れを切らした誰かが北鮮を攻撃するときがくるかもしれません
ので、その時に備えた「こころある政治と軍の真剣な対話」と「法整備」も
極めて重要です。

おき軍より
オウム真理教のこと(選挙に負けたのは民主主義制度が間違いだとしてテロに走った)を思い出し、幸福の科学の今後を心配しています。今回の「政権公約」を見て、

> 近い将来、痺れを切らした誰かが北鮮を攻撃するときがくるかもしれません

幸福の科学がこれをやらかすのではないか、危惧しています。
daiさん

今の日本に民主主義が悪いほうに出ていることは間違いないと思います。
それを打破する手段が難しいのが問題ですね。

現在のところ、幸福の科学は公明党の4%程度の集票率のようです。総裁の大川氏も落選してしまいました。渋谷での演説動画を見ましたが・・・、ある意味すごいですね。
カルトまではいかない(オカルトですが)と思うので、そこまではいかないとは思うのですが。
一応注視しています。どうなるのかわかりませんので。

今回の出馬は、教団内の不満の矛先を解消させることで結束をかため、さらに宣伝を兼ねた、大きな賭けだったのだと受け止めています。こうでもしなければ、教団内は分裂していたかもしれません。
しかし、あまりに不毛な結果に終わり、さらに不満や不安が高まってしまったかもしれません。

経済政策が無駄にまともなのが残念です。しがらみがないって大切。
・・・The Obama administration is accelerating the deployment of new
defenses against possible Iranian missile attacks in the Persian Gulf,
placing special ships off the Iranian coast and antimissile systems in
at least four Arab countries・・・
 ・・・the countries that accepted the defense systems were Qatar, the
United Arab Emirates, Bahrain and Kuwait. ・・・“eight Patriot missile
batteries, two in each of four countries.”・・・
 Saudi Arabia and Israel have long had similar equipment of their
own.・・・
 ・・・the United States was now keeping Aegis cruisers on patrol in
the Persian Gulf at all times. ・・・
 Gulf countries are also taking steps of their own to harden their
defenses. Saudi Arabia and the United Arab Emirates have bought more
than $15 billion in American arms in the past two years, including
missile defense systems. The United States is helping support a plan by
Saudi Arabia to triple the size, to 30,000 people, of a Saudi force that
protects the kingdom’s ports, oil facilities and water-desalinization
plants・・・
http://www.nytimes.com/2010/01/31/world/middleeast/31missile.html?hp=&pagewanted=print


まだ準備してるみたいですね。
石油開発の既存契約見直しを=選挙前に外資排除論強まる−イラク -時事通信社-
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010022500001


イラクのイスラム教シーア派強硬指導者ムクタダ・サドル師が率いる政治勢力幹部は、24日までのロイター通信とのインタビューで、イラク政府が外国の石油会社と締結した既存の契約の有効性を疑問視する見解を表明した。
 同幹部は「マリキ政権の人々は党利党略で動く政治家だ。(外国石油)会社と政党の契約であり、会社と国家の間のものではない」と述べた。サドル師派は、次期政権で影響力を持つとみられており、3月7日投票の連邦議会選後に石油政策をめぐる論議が活発化しそうだ。
 マリキ首相も先に、外資とは契約せずに自前で油田開発を進める方針を表明している。
 埋蔵量世界3位のイラクの原油資源獲得に関心が集まる中、日本の石油資源開発も南部のガラフ油田の開発で正式契約を結んでおり、指摘されてきた政治の不安定さが外国石油会社にとって足かせとなる可能性が出てきた。
Financial Timesによれば、Royal Dutch Shell、フランスのTotal、ロシアのLukoil、マレーシアの Petronas社などがイランへの ガソリン輸出を停止していると伝えている。

同記事はまた、スイスのVitol、Glencore、およびTrafigura社 などのトレーダーも、「政治的・財政的リスクの高まりを受け て」、すでにイランへのガソリン供給を停止したと報じてい る。また、3月1日付PIWは、同じくクウェートのIPG社 (民間商社)も、対イラン・ガソリン輸出を停止したと報じた。
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 国際戦略コラム NO.3718       
             発行部数 4000部    
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/
         2010.08.14        
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        イラン攻撃で世界は混乱へ
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イスラエルのイランへの攻撃は50%の確率とウォルトが述べている。          Fより

イランの核開発は、欧米諸国の批判があっても続行している。このため、2月に中東を歴訪中のヒラリー・クリントン米国務長官は、「イランの核開発やイラン革命防衛隊の台頭を中東全域が脅威と感じているのも無理はない」と述べた。イラン核開発は、サウジなどスンニ派諸国などの非シーア派国も脅威を持っているのだ。

サウジなどの懸念がロシアにも伝わり、対イラン制裁の「検討の用意」があるとロシアのメドベージェフ大統領は3月に表明した。

しかし、欧州企業にイランビジネスを手控える中、中国はチャンスとばかりに、対イラン輸出を4年で3倍超に増やすなど急速に貿易を拡大している。しかし、サウジなどから説得されて、対イラン制裁に中国も、4月には決議案交渉を受け入れる姿勢を示し、イラン制裁討議が一気に本格化した。

このような動向から、イランの最高指導者ハメネイ師は、4月に軍関係者の前で演説し、オバマ米大統領が核兵器開発疑惑を理由にイランに対する核攻撃の余地を残す考えを米紙とのインタビューで示したことについて「無視できない」として、イランへの軍事攻撃に備えるよう指示した。ここから臨戦態勢にイラン軍は入っている。

一方、米国の対イラン制裁が遅々として進まず、イランが核能力を着実に高めているとみられるなか、イスラエルが苛立ち、イスラエル軍・政府は、イランへの攻撃をどうするか、そのとき米国の対応などを協議し、攻撃の準備を始めたということである。

勿論、米軍マレン統合参謀本部議長もイランに対する攻撃は「最後の選択肢」の一つだとする立場を繰り返し表明している。

このような雰囲気の中、NPT再検討会議が5月に開催され、イランのアフマディネジャド大統領も参加した。このNPT再検討会議で「核兵器のない世界」の理念が米主導で難産の末に最終文書採択に反映された。

一方で、イランは不規則発言を繰り返す中で孤立して、国連外交官は「最後は非同盟諸国からも見放された感があった」と。

しかし、5月末にイスラエルは、地中海上でパレスチナ支持の人権活動家らが乗った船団を拿捕する作戦を実施、船団の9人を死亡させたことで世界的な非難を浴び、かつ直前には核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書で名指しで加盟を求められるなど、イスラエルの孤立感が深まってしまった。

このような中、6月9日国連安保理でイラン追加制裁決議を採択した。しかし、イランのアフマディネジャド大統領は、「この決議はイラン国民にとってこれっぽっちの価値もない」と述べ、無視する構えを示した。このため、さらに圧力をかける狙いで米財務省は6月16日、イランの核開発に関連しているとして、銀行や海運会社などを新たに金融制裁の対象にしたと発表した。

7月1日には、その上に米国のイラン独自制裁法を成立させている。オバマ大統領は、「この制裁によって、イラン政府が核計画の資金を調達し、進展させる能力の心臓部を直撃する」と述べ、効果に自信を見せた。8月3日には、イランの制裁逃れへの取り締まり強化措置の一環として、日本を含む6カ国の21企業がイラン政府の管理下にあるとして、社名を公表した。
そして、北朝鮮をテロ指定国にはしないと6月28日に米政府は表明した。これの理由は米国は北朝鮮を攻撃しないし、二正面作戦はしないということである。攻撃対象はイランに絞っている。

緊迫した状態の中、イランに近いロシアのメドベージェフ大統領までも7月12日に「イランは核兵器製造に利用できる能力の保有に近づいている」と述べた。この発言でイランとロシアの「友好関係」に亀裂できたようだ。イランのモッタキ外相は翌13日、「事実に反する発言で、どんな狙いで言ったのか理解できない」と非難した。

戦争ムードが高まる中、イスラエルは7月19日、短距離ミサイルやロケット弾を迎撃する新開発のミサイル防衛システム「鉄のドーム」を早ければ11月に配備するとした。

このような雰囲気の中、7月28日に日本の商船三井タンカーが攻撃された。イランに支援されているアルカイダ系が犯行声明を出した。
イラン革命防衛隊のジャファリ司令官は、イランが他国から攻撃を受けた場合、原油輸送の動脈であるペルシャ湾のホルムズ海峡を「簡単に封鎖できる」と述べているが、別働隊を出してきた可能性がある。

しかし、国際社会が制裁を強めているなか、中国は逆にイランとの経済関係強化に動き出している。イランのミルカゼミ石油相は8月4日から訪中し、中国側と製油場建設を含むエネルギー開発に関する合計150億ドルの投資について協議を開始。しかし、米国がイラン政府の関連企業21社への経済制裁を発表した翌日にイランの石油相の訪問を受け入れたことは、「イランに助け舟をだした」と批判する声が国際社会からあがっている。逆に中国は、8月3日に発表された米国の追加制裁そのものについて不快感を持っているようだ。

また、ロシアが建設を支援しているイラン初のブシェール原発について、ロシア国営原子力企業ロスアトムは8月21日から稼働段階に入ると発表したが、これに対して、米国は容認する姿勢を示した。

今年の主な動きを追ったが、ここで分かることは、イラン核問題でも中国がイランを助けて、ロシアが米国と組む方向であり、イランを攻撃した場合、中国が投資した施設を欧米露は破壊するであろうということである。中国の支援でイランが追加制裁も無視しているので、制裁が無効化している。このため、イスラエルのイラン攻撃は米国の了承を取れると見ているようだ。米国国内でも容認の方向になっている。

しかし、これは中国と米国の代理戦争または、直接戦争に発展する可能性も見ておくことが必要な事態だ。

このコラムは預言も当初にしているが、その予言に出てくる事態になる可能性もあると警告するしかない。

さあ、どうなりますか??
チュニジア・エジプトで起こったデモの流れが、イランを始めとする中東諸国にも飛び火してきているようです。

【デモ、中東各地に波及 原油市況に影響も −イラン、改革支持が再燃 バーレーン、統治構造に危うさ−】 -nikkei-net-

http://s.nikkei.com/gMUgHO


“チュニジア、エジプトの政変をきっかけとする民主化要求の波がペルシャ湾岸諸国に及び始めた。バーレーンではデモ隊と治安部隊が衝突、死者が出る異例の事態に発展した。背景にはバーレーン固有の統治構造の危うさがあり、今のところサウジアラビアなどの不安定化には直結しないとみられる。ただ、イランで抗議デモが再燃するなど世界最大の産油地帯の動揺は、原油市況にも影響を及ぼしかねない。”
中東諸国の政変:アルジェリアとモロッコへの影響
白谷 望(2011/02/09)
http://jime.ieej.or.jp/htm/sidoku.htm

モロッコはそうでもないみたいですが、アルジェリアもくすぶっているようですね。

チュニジアはまだまだおわっていません。


エジプト革命は『文明の衝突』を超えた
http://miu.ismedia.jp/r/c.do?4Np_4As_5Z_sds
私市正年・上智大学教授に聞く
旧来の政治観では有り得なかった中東地域の革命連鎖。この地域の民主化運動を研究してきた私市教授は、革命後のステップをどう見るか。

チャイナ・ウォッチャーの視点 2011年02月15日  (石 平)
中国は次なるエジプトとなるのか
http://miu.ismedia.jp/r/c.do?4Nq_4As_5Z_sds
エジプト革命を受け、世界最大の独裁国家・中国が情報隠しに躍起になっている。その一方で、中国鉄道相を解任するとの奇妙な事件が起きた。

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