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ピークオイルコミュのピークオイルとは

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[画像]ASP0 より

【主要な研究機関による、ピークオイルの時期の予想】

'いわゆる'悲観的なケース
2010年  ASPO(独ピークオイル研究協会)2005年発表
2017年  IEA(国際エネルギー機関)2004年発表

"いわゆる"楽観的なケース
2020-30年  J.D.Edwards(コロラド大) 2005年発表
2027-35年  IEAの "Altenative Case" 2004年発表
2037年    EIA(米エネルギー省)2000年発表

※楽観ケースは、オイルサンドや重質油などを過大評価していたり、将来における莫大な投資、技術開発、大油田の発見等を仮定している。諸外国の対応を遅れさせるための政治的な数字ともいわれている。
また、このケースではピーク後急激に生産量が落ちるシナリオであり、必ずしも楽観的とはいえない。
→詳しくはこちらの参考資料を
http://mixi.jp/view_enquete.pl?id=13355584&comm_id=1322211
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【まだまだ石油時代は続く】

20世紀は石油が支配した世紀といって過言ではない。多くの国家や人々が石油の生む金と力を求めて情熱を傾けてきた。

ごく少数の者は巨万の富を得た。先進国となりえた国の人々は石油を基盤とした'いわゆる'豊かな生活を得て、残りの多くの人々はその恩恵をいまだ受けないでいる(15億人以上が電気の無い暮らしをしていると言われる)。その裏で、魅惑的な石油利権に絡む戦争に世界中が巻き込まれ、多くの人々がその命を落とした。そして、その争いは現在もなお続いているといってよい。

人類はいったいいつまで石油に振り回され続けるのだろうか。

(参考:「石油の世紀(上)(下)」ダニエル・ヤーギン著)



【石油はあと何年?】

石油はあと何年持つか?という問いはよくされる。
いわゆる可採年数(R/P)はあと30年、いや50年だ、などとよく言われる。しかしこれは単に埋蔵量(Reserves)を年の生産量(Production)で割っただけに過ぎない。消費量も増加しているが埋蔵量も年々増加している為、結果としてここ40年程はR/Pの値はあまり変わっていない。このことが楽観論者の一つの根拠となっている。(以前産油国の一部が不自然に水増しした埋蔵量を発表をするなど、情報操作とも言える行動をしたため、結果埋蔵量評価に不信感を持たれることとなった。)

しかし最後の一滴まで同じ生産量をキープ出来るわけはなく、あと50年安定供給が続く事はありえない。だいたい枯渇するまで使うことがありえない。後になればなる程、安価に採れる石油は減り、お金・エネルギーのコストパフォーマンスはますます悪化し、商品価値が下がると投資が減る。生産量は減少し、価格は高騰の一途をたどる。
(参考:http://oilpeak.exblog.jp/4571825#4571825_1


【ピークオイル論とは】

石油のような有限資源は、いずれは必ず生産量が減退に向かい(ピークオイル)、採算(というより寧ろエネルギー収支EPR)が合わなくなった時点で枯渇を前に生産がストップする。そこで、埋蔵量、需要、変曲点などの要素から、いつ生産の増加が頭打ちになり減退に向かうのかを予測するのがそもそものピークオイル論である。

1956年シェル社のDr. Hubbertはアメリカ48州の石油の生産挙動の傾向を分析した結果、生産量カーブは釣鐘型となり、埋蔵量の半分を使い切る頃に生産量のピークが来ると予測した。これが最初のピークオイル論であり、一般にハバートモデルと呼ばれる。

よく、ハバートカーブは理論的に間違っているなどと揶揄する人がいるが、彼は単に傾向分析をしたに過ぎず、原理計算によるモデルではないので、正確にはその指摘はおかしい。実際ハバートモデルには、採掘方法・投資量・価格などのファクターすら一切ない。言い換えれば彼は、ある有限資源があった場合の、人間のその使い方の行動傾向を示したといえる。

彼は、1970年代前半にアメリカの石油生産量はピークになると予想し、大きな批判を浴びるのだが、実際この予測は的中し、およそ1971年を境に生産量は減少に転じたため、世界中で注目を集めた。

確かにこれは、行動経済学的な非常に単純なモデルである為、単なる偶然だったのか、それとも的を得た予測だったのかは解らないが、現在もピークオイル論者の基本モデルとなっている。
(参考:「石油の生産量はピークに来たのか?」根岸敏雄著、「ピーク・オイル」リンダ・マクウェイグ著)


【なにが起きるのか?】

もちろん生産ピークは即枯渇ではない。そもそもハバートは枯渇までの準備期間がまだあるという観点に立っていた。しかし、今日価格流動性の強い商品となった石油が、生産ピークの訪れにより価格高騰することは避けられない。そしていずれ生産曲線が需要曲線を下回る。

また、国家戦略として油田利権の獲得に燃えている国々にとって、出来るだけ多くの安い石油を自国の為に確保する戦いが過熱することも容易に想像できる。

そのような経済的混乱や国際的緊張の中、高い石油依存率で、そのほとんどを中東から輸入していて、さらに食料自給率が低いという脆弱な社会基盤をもつ日本は大丈夫なのだろうか。
(参考:「知られていない原油価格高騰の謎」芥田知至著)


【代替エネルギー】

"代替エネルギーが仮に十分あったとしても、石油を欲しがる人は簡単にはなくならない。"

第一次的な懸念は、石油価格が異常に高騰したり、生産量が需要を大きく下回るような事態になった場合、訪れる経済不安がもたらす影響と、石油の代わりを何が務めるのかという問題である。それは結局のところ、石油生産の減少スピードに代替案の技術開発が間に合うのかという事に尽きるのである。

発電の多くをまだ石油に頼っている日本などの国々は原子力や天然ガス(供給量を急激に増やすことは困難だが・・・)等の別のエネルギー源にシフトせざるを得ない。

しかし自動車のガソリンなど輸送燃料としての石油を見ると、その代役はそう簡単に見つかりそうにない(輸送燃料の9割が石油)。未来の車として燃料電池車が提案されているが、肝心の水素源に関して全く解決さていない。バイオエタノールを用いる計画もあるが、現在の日本の計画では2030年頃までに10%のエタノールをガソリンに混ぜるというものだ。アメリカやブラジルでは大規模なバイオエタノール生産が行われていていて、自動車燃料の15%ほどを占めている。しかし、食糧と燃料の競合の問題が顕在化し始めていて、実際にトウモロコシなどの値段が急騰している。また、生産に伴う石油消費も考慮に入れると、それほど石油消費量の削減に役立っているのか懐疑的な見方も多い。実際、経済成長の効果もあるにせよ、エタノールの使用量は増えていても、石油消費量が減るどころか増加しているのが現状である。セルロースベースのエタノールが注目されているが、やはり精製に必要な投入エネルギーが、生産されるエタノールのエネルギーを上回っているのが現状である。つまり、安価に作る事ができたとしても、それは安価な石油の上に成り立っているに過ぎないのである。

航空機のジェット燃料は深刻で、現在の技術では石油以外でジャンボを飛ばすことは不可能である。海外旅行の概念に大きな変化が迫られるだろう。

今のところ石油を上回るエネルギー終始とエネルギー密度、輸送性を兼ねたエネルギーは見つかってすらいないのだ。今研究されている代替エネルギーが技術的問題を克服したとしても、安価な石油全盛期の現在のような高効率な社会は手に入らない。

代替エネルギーは確かに豊富に存在するが、石油の特殊性は、その驚くべきエネルギー収益比(EPR=Energy Profit Ratio)にある。そのエネルギーを得る為に投入されたエネルギーの何倍を得ることが出来るかという値で、これが1よりどれだけ大きいかがそのエネルギーの質である。現在の石油や天然ガスのEPRは30程度と言われている。自動車燃料の有力候補として挙げられるバイオエタノール(サトウキビorトウモロコシ)の場合EPRは0.7〜1.3程度※。これでは、生産にかかるエネルギーでその殆どを消費してしまっている。現在研究がなされているどの代替エネルギーよりも(例え値段が石油より安価であっても)、石油の効率性はダントツで魅力的である事は変わらず、供給が減少に向かった場合の争奪戦は激化の一途をたどる。そして、その混乱の先にも現在のような生活は待ってはいない。

※ブラジル当局はサトウキビエタノールのEPRを約8であるとしている。EPRは定義の仕方が難しく、研究者の間でも評価の値に幅がとても大きい。投入エネルギーをどこまで含めるかで、いくらでもEPRを大きくすることが出来てしまうのである。

また石油を材料にして作られるプラスチック製品や医薬品も、代わりはそう簡単には見つからない。

さらに重要なのは食料生産やその輸送にも石油は多く消費されていて、その多くは農業器機や船舶など、代替エネルギーの使用があまり考慮されていない。石油のほとんどと食料の多くを輸入に頼る日本において、そのような社会システムの急激な変革はスムーズに行われるのだろうか。


【石油戦争の懸念】

ピークオイルのもたらす市場不安が、覇権国家を目指す国同士の、利権を争う利害衝突の激しさを増大させるという可能性もある。

急速に経済発展を続ける中国は、現在異常なほどの熱意で世界中の油田を確保し始めている。自国の生産量が枯渇に近づいている軍事大国アメリカとの対立はますます深まり、台湾有事やイラン情勢を発端とした米中戦争、または石油をめぐる次の世界大戦の懸念すらある。石油の供給量がある程度あったとしても、自国の欲しい分が他国のせいで手に入らない状況という事が、現代と致命的に違うのではないか。
→【中国の石油戦略】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12079785&comm_id=1322211

また、憲法改正などの壁はあるものの、アメリカは現在日中戦争のシナリオも描いているといわれる。実際、日本を見放すような米軍再編や、北朝鮮との対立を黙認するような態度に出ている。北朝鮮が核実験を行ったお陰で、迎撃ミサイル配備計画は前倒しされ、これによってアメリカ側は5兆円の儲けがあったそうだ。石油の出る見込みの少ない北朝鮮は基本的に興味が無い。日本には協力して戦ってくれた方が何かと(お金的にも)都合がいい。これは、アメリカのしたたかな外交戦略の一環なのではないか。
(参考:「米中石油戦争が始まった」日高義樹著、「SHOWDOWN」ジェド・バビン著、「石油と戦争」中堂 幸政著)


【日本はなにができる?】

戦争とまでいかなくも、やがて来るであろうピークオイルという現象に備えて、我々は、日本は今何をすることが出来るだろうか。


【人類の将来は?】

生産量を出来るだけ長くキープしようとすればするほど、ピークオイルを過ぎた後の生産量の減衰は急になる。つまり技術開発を進めて高効率で採掘すればするほど、ソフトランディングが困難になるというジレンマである。

人間の”出来るだけ良い暮らしがしたい”という欲望と、先進国の石油消費社会を目指し急成長を続けていく途上国の人々の思い、がすべての根底にある以上、自然な発展に任せては結果は見えている。

理性あるコントロールと新たな生活概念が、これからの人類に求められているのではないだろうか。
(参考:「成長の限界 人類の選択」ドネラ・H・メドウズ他著)


石油生産の頭打ちによって、世界の混乱がおきないといいな。


【ぼやき】

結局わたしがいいたかった事って、今後の米中間の資源をめぐる対立は必然的に避けられず、ピークオイルのタイミング如何によっては、最悪の場合軍事力を伴った戦いすら起こりうる。恐らくその時は資源争奪戦争としてではなく、名目上は台湾問題や中東情勢などの国際情勢上の問題と絡めてくるだろう。そんな中で日本が出来るだけ穏便に生き残るには、早急な石油脱却社会の構築か、革新的なエネルギーの開発が必要ではないか、と言うことです。
上でその理由をえいえん説明して、その対策をみなさんと考えたいということです。

かなり思い込み入っちゃっています?・・・。そこはすいません。寧ろご指摘願いたい。

とはいいつつ、いつか枯渇してしまえばこの問題も環境問題も自然になくなる。んなもんなるようにしかならん。ウン億年、ウン百万年、ウン千年、もしかするとウン百年かウン十年先、人類はいつかどうせ滅びるのだから、そんなことたいしたことじゃあない。宇宙の歴史や大きさから考えりゃかすみたいなもんさ。

なんてな風に元も子もないことも思ったりもする事もできますが。

好奇心を持つ存在として生まれてきて、今この問題に着目し、何かに生き甲斐を見出し、自分の大切な家族や友人、子供の世代や後進達を想い、自分が信じるより良い未来の為になにかを残そうと努力すること。世界とは言わなくても、せめて日本だけでも。それぐらいしか、我々に残せるものはないような気がする今日この頃です。

コメント(148)

半減まであと 22年あるかもって ? お、少し安心。

‥‥ と思ったら、輸出量の、先行して減少する問題を思い出させられてしまった。
頑張って楽観視すれば、需要減の殆どは先進国ですので、輸出減が先行するのはそういう形になるのではないでしょうか?
投資があったとして、減産率は年 6.4%
なければ、9.1%

さて、この 2.7ポイントの差と、必要投資 3,600億ドル/年。
この経済合理性がどこかで失われるというようなことがあれば、その時点から減耗率がグッと大きくなるの、か ?

とりあえず信用収縮により、投資のインセンティブは当面失われるので、何年か後に世界恐慌を脱したとしても、そこに残されているのは減耗した油田だけ、とか。
経済が再び芽吹いたとしても、需給ギャップが大きくなって原油価格が上昇し、成長は抑えられるの悪循環。

題して、” 二度と立ち上がれないシナリオ “。


しかしこれって、減耗曲線をなだらかにするとか ?
Nine Percent
http://postcarbon.org/nine_percent
R.ハインバーグ 
October 29, 2008 - 10:55am.

"・・・if the $12 trillion that vanished from the world stock markets last week were invested in new tarsands projects, then theoretically a few more years of total oil production growth could be eked out(実におもしろい推理だ!)・・・

・・if nine percent is even close to being the final figure(FTのすっぱ抜きに近い値をIEAが11月の報告に示したら), then it's absolutely clear: July 2008 was the all-time peak in world oil production. ・・・

Peak oil is history. "
原油の生産量が現在の80%になった時、(2年後?)
価格が数倍になったと仮定します。

生産量が半分でも一バレルあたりの収益は大きくあがるから
トータルすると産油国の収益は現在より増えますよね?(お金ベースで)

その収益が再び投資に向かう、って事はないのですか?

まあ投資されればますます終わりが近づくだけなのですが・・・
JOGMECにこんなレポートが出ていたのを発見しました。
09/19 ピークオイル説とエネルギー生産予測
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200809_001a%2epdf&id=2111


気づかなかった。
典型的なピークオイル批判でしたね(笑)。
大変参考になりました。(笑)

「何でも鵜呑みにしてはいけませんよ。」
↑ここには同意。
Fading Oil-Field Production Threatens Supply, IEA Says

Production at the world's oilfields will decline faster in coming years, putting more pressure on future oil supplies, the International Energy Agency said on Wednesday.

As current fields fade with age and the industry moves offshore and into smaller fields, decline rates will accelerate, the agency found, and more investment will be required to make up the shortfall.

The Paris-based watchdog, which represents the interests of energy-consuming nations, made its prediction in a detailed analysis of 800 of the world's oil fields -- the first report of its kind. Its conclusions are likely to deepen the pessimism about long-term oil ...

http://online.wsj.com/article/SB122653421496622523.html?mod=djkeyword
ASPO会議@バルセロナのプレゼン資料が見られるようです。

http://aspo-spain.org/aspo7/presentaciones.html
ASPO-USA カンファレンスも然り

http://www.aspo-usa.org/aspousa4/proceedings/

http://www.getreallist.com/notes-from-the-2008-aspo-usa-peak-oil-conference.html
Peak Oil: Get Ready for the Oil-Supply Crunch, IEA Says
  Wall Street Journal Blogs - New York,NY,USA
http://blogs.wsj.com/environmentalcapital/2008/11/12/peak-oil-get-ready-for-the-oil-supply-crunch-iea-says/

IEA doesn't see peak oil by 2030
 MarketWatch - USA
http://www.marketwatch.com/news/story/iea-doesnt-see-peak-oil/story.aspx?guid={C844CC20-F5BC-4627-987A-7CBF7FE50923}


同じIEAに対する評価でも、書く人によって、見出しがえらく違いますね。

[121]
コメント欄が盛り上がってますね。
かなり。本当は我々も参戦すべきなんでしょうが、言語の壁を感じますね。
BP:米デラウェア州のLNG基地建設計画棚上げ(5億ドル)
ペトロブラス:ブラジル沖の深海油田開発計画(5000億ドル)先送り
少し古いですが、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のピークオイル関連のレポートです。

井上正澄氏は、日本で最もディープなピークアナリストだと思います。彼はプラトー論者ですが、分析は面白いです。

■石油の資源量と寿命(2005年)
フラクタル理論とダブルタンクモデルが明かす真の姿
ピークオイル論もチープオイル論も正しくない
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200505_001a.pdf&id=608

■石油の過去・現在・未来(2006年)
〜目から鱗の新資源論〜
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200607_081e.pdf&id=679

■ピークオイルの資源論的概念とその対応策について(2007年)
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200707_017a.pdf&id=1756

■ピークオイル説とエネルギー生産予測(2008年)
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200809_001a.pdf&id=2111


ぬりさん

 私は「なんとなくプラトーな気がする」レベルですが、こいう理論的プラトー論があるんですね。勉強になります。
daiさん

理論的というか、井上氏の理屈を大雑把にいえば、

生産能力の限界値は、埋蔵量成長の平均値で決まる(等しくなる)

というものです。

毎年の平均埋蔵量成長を、1945年頃から最近まで平均すると300億バレル/年と仮定し、仮にこの水準の新規埋蔵量発見を21世紀中も保つ努力をすれば(どんなにコストがかかろうとも)、入出のバランスが均衡する年産300億バレルのプラトー生産に落ち着くだろうというものです。

つまり、プラトー生産をするには、その生産を行っている間も生産量に匹敵する埋蔵量を毎年発見しなければならない。まあ、当然といえば当然ですが、問題はそれが出来るかどうか。

生活費におけるエネルギーコスト(広い意味で)の割合には、どこかで限界が来る気がします。


井上氏とは、何度かディスカッションいたしましたが、地質学者として、「ピーク生産をキープすることが(無理な増産や、経済に悪影響を及ぼす減産よりも)理想」という思いがあるように私には思えました。つまり、予想というよりは、自分としての理想的シナリオですね。

本人も、「地質学的には生産可能」とはいいつつ、かなり高い石油価格を想定しているという意味で楽観的だということは認識しているようでした。
ぬりさん

 補足トリビア(^^)ありがとうございます。

 比較的単純なモデルで全体像を掴む、というのは重要な作業だと信じています。資源発見ペースを一定と仮定してダブルドラム型モデルを作ればプラトー型の結果が得られることや、そのモデルでどこをいじるとどういう変化が生じるかといったことが全体像として把握できる。そしてそのモデルに実証性があれば、ものを考える上で役に立つわけです。

 一方、モンテカルロ法を使ったどこぞの論文のようなのは、好みではないです。 (^^)
daiさん

ダブルタンクモデルですね。発見量と生産能力が均衡するという考えは一理あると思います。

おっしゃるとおり、井上氏の考え方はとても意義のあるものだと思います。井上氏のプラトーシナリオを、単純に未来予測と捉えてしまってはその意義も薄れてしまうかと。

モンテカルロ法使った論文ってありましたっけ?
ああ、埋蔵量の評価ですね。ピークかと思いました。
これですね。USGS2000。
油田のサイズ分布などから、モンテカルロシミュレーションで計算したとあります。
Uppsala大 Global Energy System のKristfer君の最新論文が出ました。

How reasonable are oil production senarios from public agencies?
http://www.tsl.uu.se/uhdsg/Publications/MDRM_article.pdf


IEA、EIAのシナリオに対する批判論文です。
参考まで。
石油監査人さんが、TOD(The Oil Drum)のGail the Actuary氏(Gail E. Tverberg)の先月のエントリーOil Production is Reaching its Limit: The Basics of What This Means
http://www.theoildrum.com/node/5969

を、日本語でわかり易く説明してくださっていました。

ピークオイルの考え方の基本 第一回
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/56929956.html
ピークオイルの考え方の基本 第ニ回
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/56949566.html
ピークオイルの考え方の基本 第三回
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/56970996.html
There is plenty of oil but . . . -The Oil Drum-
http://www.theoildrum.com/node/6041

There is plenty of oil but ... lots of data on the fact that much of the cheap/easy oil has already been removed.
石油を採りたくても取れないの?(peak oilについて) 2009/10/27 20:00
http://blog.livedoor.jp/bioenergyken/archives/51449191.html

石油枯渇問題に関する簡単な誤解
2009/12/25 09:42
http://blog.livedoor.jp/bioenergyken/archives/51481234.html

ブログ
「バイオマスからエネルギー」より

再生可能エネルギーの一つであるバイオマスとバイオエネルギーの駆け出し研究者です。 基本的な知識や最新の動向、周辺情報などをまとめていこうかな、と思います。 気軽にコメントや質問してくださいね。間違ってることもあると思うんで、指摘も大歓迎です!
ウォール・ストリート・ジャーナルの最新ピークオイル記事

The Next Crisis: Prepare for Peak Oil
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704140104575057260398292350.html?mod=djkeyword

As Europe's leaders gather in Brussels today, they have only one crisis in mind: the debts that threaten the stability of the European Union. They are unlikely to be in any mood to listen to warnings about a different crisis that is looming and that could cause massive disruption.

A shortage of oil could be a real problem for the world within a fairly short period of time. It was unfortunate for the group which chose to point this out yesterday that they should have chosen to do so on the day the Organization of Petroleum Exporting Countries, or OPEC, reported that the effects of the financial downturn had led to a slight downgrade in its forecast for oil consumption this year.

[Image]
Reuters
The North Sea Shearwater platform was producing years beyond expectations.

Against the gloomy economic backdrop that Europe currently provides, siren voices shrieking that a potential energy crisis is imminent and could be worse than the credit crunch are liable to be dismissed as scaremongers. Since they are led by Sir Richard Branson, whose Virgin group runs an energy-guzzling airline, and include Brian Souter, who runs Stagecoach, another energy-hungry transport business, they are also at risk of being seen as self-interested scaremongers.

But the work of the Industry Taskforce on Peak Oil and Energy Security shouldn't be disparagingly dismissed. Its arguments are well founded and lead it to the conclusion that, while the global downturn may have delayed it by a couple of years, peak oil―the point at which global production reaches its maximum―is no more than five years away. Governments and corporations need to use the intervening years to speed up the development of and move toward other energy sources and increased energy efficiency.

In the first report from the task force, Lord Ron Oxburgh, a former chairman of Shell, wrote that "It is pretty clear that there is not much chance of finding any significant quantity of new cheap oil. Any new or unconventional oil is going to be expensive." He went on to quote King Abdullah of Saudi Arabia commenting on a new oil find: "Leave it in the ground...our children need it."


The latest report from the Taskforce points out how much modern economies depend on oil, whether for transport, heating or even fertilizer. Demand may have peaked in the developed world but any shrinkage there, is likely to be more than outweighed by the developing countries, with their rapidly expanding appetite for energy to fuel industry needs and consumer aspirations. The International Energy Agency, in its World Energy Outlook report last year, estimated global oil demand, currently running at just over 85 million barrels a day, could reach 105 million barrels a day by 2030. The Taskforce, assimilating various opinions, believes 92 million barrels a day will be the most that global supplies will be able to generate, "unless some unforeseen giant, and easily accessible, finds are reported very soon."
It may be that the oil companies are keeping some giant secrets from us but that seems unlikely. So what lies ahead is a mismatch between supply and demand. According to Chris Skrebowski, of the Peak Oil Consulting firm, mid-2015 is when the crunch hits. "This is when capacity starts to be overwhelmed by depletion and lack of new capacity additions."

Where that would take oil prices, who can tell? In recent times they have been extremely volatile, hitting $147 a barrel in July 2008, plummeting to $32 at the end of that year and hovering between $70 and $80 since August last year.

At these levels, it is economic for some of the oil that is harder to get at to be extracted from deepwater developments such as the Gulf of Mexico or the Canadian tar sands. A higher price might encourage more of this difficult production.

But a higher oil price brings with it dangerous knock-on effects for oil-dependent economies with little in the way of their own oil resources. Europe has reason to be concerned. According to Philip Dilley, the chairman of Arup, the consulting engineers: "We must plan for a world in which oil prices are likely to be both higher and more volatile and where oil prices have the potential to destabilize economic, political and social activity."

Not everyone involved in the energy business takes such a pessimistic line. BP, for instance, has been more optimistic about the prospects for tar sands, although it is also pursuing wind, solar and biofuel investments. Gas is also becoming a much more important part of the energy mix.

Yet even if the gloomsters should turn out to be wrong, the core of their message surely deserves attention. Governments should be doing all in their power to encourage developments that lessen oil dependency. That will also enhance their energy security for, as Russia's Vladimir Putin has demonstrated with use of the on/off switch on the pipeline to Ukraine, it can be uncomfortable being dependent on other countries for energy.

Wind and sun and wave can all make their contributions, but nuclear is where the biggest strides can be made. The U.K. gave up an early lead in nuclear and only in 2008 gave the go-ahead for a new generation of reactors, though funding remains an issue. France is the most enthusiastic devotee of nuclear, with around 60 working reactors. Whatever progress can be made in turning crops into power, scale will make nuclear the fuel of the future. But governments need to wake up to the urgency with which it may be required.

Some dubious emails and slightly dodgy dossiers have cast a new, and unflattering, light on the global-warming debate, raising the risk of a return to the belief that we can go on consuming oil with impunity. Being a "climate-change denier" is in danger of becoming almost fashionable. But whatever the risk to the climate, scarce and expensive oil would be a threat to established economies.

We need alternatives.
ざっと読みましたが、普通の事が書いてありますね。

これまで、ピークオイル論が無視されてきたこと。

イギリスのIndustry Taskforce on Peak Oil and Energy Securityの新しいレポートが2年ぶりに出たので、

http://peakoiltaskforce.net/download-the-report/2010-peak-oil-report/

それの引用をしつつ、IEAの言うように2030年に105mbpdまではいかず、92mbpdでピークだろうということ。

シェルのトップも、イージーオイルはもうみつからず、タールサンドは高くつくというコメント。
サウジの王子が石油は将来に取っておくと言った数年前の発言。

スクレボスキー氏の2015年頃の石油危機説。

BPのタールサンド楽観論と、ガスシフト論。

英国の原子力回帰。


これまでの簡単なレビューとしては、よい読み物でしょう。
日本にも、このレベルの記事が主要紙に出てくるべきだと思うんですけどね。
皆様

 ピークオイルを説明する簡単なプレゼンを作ろうかと考えたところです。

 先日のペトロブラスのプレゼン(「石油メジャーの見解」トピ16)をベースにするとわかりやすいと私は考えています。
 ピークオイルを示す図表の多くは生産量「予測」を描いており、その予測の背景には需給と価格がどう変動するかの予測が不可欠なわけですが、これだと、「ピークオイルの説明」というよりもむしろ「石油需給の予測」という側面が目立ってしまい「その予測は妥当か」という話しに逸れてしまう危険があるからです。

 その点、ペトロブラスのプレゼンは、人類の今手許に今ある計画の延長なので、「予測」という側面は薄く精度が高い。
 そしてこれを出発点にして、

○ 消費量が減らなければ、価格は上がり続ける
○ 価格が一定なら、生産量は下がり続ける

ということがピークオイルなのだ、という説明にまとめようとしたものです。

 次の書込みにプレゼンの概要(案)を書きます。ご意見を頂戴できれば幸いです。
ピークオイルを説明するプレゼン4枚組 #1(案)(上記#140に説明があります)

まず最初に、ペトロブラスのプレゼンを示し、その意味を説明する。(この図は「石油メジャーの見解」トピ16)

 この図は、現在生産が行なわれている油田の今後の生産量と、増進法によりさらに増産する既存計画の
追加的生産量、そして探査が完了し生産を開始する計画が立てられている油田の今後の生産計画を示したものです。
 つまり、現在具体的な生産計画がある原油の生産総量の推移を示したものです。
ピークオイルを説明するプレゼン #2/4

 最初の図からわかるように、現存する石油生産計画を維持するだけでは、生産量はどんどん減ってしまいます。したがって、石油生産量を維持するためには、次々に油田を開発し続けなければなりません。
 ところが、比較的安価に開発できる油田は残り少なくなっているため、次第に費用のかかる油田を開発しなければなりません。
 今の石油価格で開発できる未開発油田のグループを「追加分A」としましょう。仮に「追加分A」に属する油田の生産量上限(経済合理性のある)が日量1千万バレルだったとします。
 次に、少し高い石油価格なら開発できる油田グループ「追加分B」を想定します。これも、日量1千万バレルの生産力があるします。
 さらに開発・生産コストの高い油田グループを、安い方から順に「追加分C」「追加分D」、、、のように名付けてみました。どれも、日量1千万バレルの生産量を想定しています。

 このような前提で、今の石油生産量を一定に維持しようとすると、この図のような開発を行わなければなりません。
 追加分B・C・・・・がどの程度の価格になるかはわかりませんが、アクセスが不自由で、探査にコストがかかり、生産効率も良くない油田を次々に開発し続けないと、生産量を維持することができません。
ピークオイルを説明するプレゼン(案) #3/4

 では逆に、石油価格が今と同じ水準を今後も続けるとしましょう。
 その場合には、「追加分A」の油田しか開発することができません。したがって、今後の石油生産量は図のよな推移を辿ることになります。
ピークオイルを説明するプレゼン(案) $4/4

 最後に、中間的なシナリオのグラフを示します。
 「追加分A」の生産がすぐに始まり、その後5年ごとに「追加分B・C・D」を追加させています。

 今後、石油価格の緩やかな上昇を受け入れつつ、省エネや代替エネルギー開発を進めることに成功すれば、石油需要も緩やかに減少し、このような道筋を辿るかもしれません。
daiさん

ご要望をいただいたので、コメントしますね。

わかりやすい資料だと思います。
なお、これまでの生産量に関しても、できれば主要油田の生産履歴が多少なりとも入っていると、将来の仮定が現実離れしたものではないことを納得させやすいのではないかと思います。

また、油価推移も合わせてプロットしては如何でしょうか。油価との相関が見えやすいかも。
油価によって開発が進む/進まないという点については、一般の方にはわかりにくいかもしれません。もうひとつこの点の説明シートがあった方がいいかも。具体的なイメージはありませんが。。。
ひろ☆(^o^)/~ さん

 お忙しい中、コメントありがとうございます。

 基本的にはOKということですね。安心しました。
 主要油田の生産履歴データが入手できるサイトをもしご存じでしたら、教えていただけると助かります(甘えついでに)。
 油価推移も、ですか。なるほど。検討してみます。

他の皆さんも、もし何かお気づきでしたら、ぜひコメントお願いします。
まとまったらマイブログで公開して、皆さんにもあらためてお知らせします。
#140を補足する、自分自身の覚書

○ 「2兆バレルあった原油が1兆バレル掘ってしまったので、ピークの折り返し点に到達した」と主張すると「まだ2兆バレルあるから大丈夫」「いや、3兆バレルある」といった反論が返ってくることが予想される。その議論にはまってしまうと、私のようなシロウトには手が出せない。

○ 「石油無機起源説」という、無意味な議論をふっかけられるかもしれない。こういう無意味な議論に対しては、絶対にまともに議論してはいけない。簡潔な論理で「無意味だ」という印象を人々に与える言い方が大切。
 「専門外なので石油の起源はわかりません。無機起源だというなら、地球深部から今まさに湧き出していて、バレル数十ドル以下のコストで生産できる油田がどれくらいあり、その生産量を合計すると日量何バレルになるのでしょうか?」
 といった論理はどうだろう?
犬谷先生の某つぶやきから

いわゆるマルチサイクルのハバートモデルですね。
ちょっと検証してみます。


Peak Oil in 4 Years?
http://bit.ly/beEbYI


原論文
Forecasting World Crude Oil Production Using Multicyclic Hubbert Model
Ibrahim Sami Nashawi,*,† Adel Malallah,† and Mohammed Al-Bisharah‡
†Department of Petroleum Engineering, College of Engineering and Petroleum, Kuwait University, P.O. BOX 5969, Safat 13060,
Kuwait, and ‡Kuwait Oil Company, P.O. Box 9758, Ahmadi 61008, Kuwait
Received October 29, 2009. Revised Manuscript Received December 31, 2009
http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/ef901240p

http://pubs.acs.org/stoken/presspac/presspac/full/10.1021/ef901240p

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