ド素人の映画と音楽のお勧め。コミュの無ケーカクの命中男／ノックトアップ

期待通りの面白さではありました。


監督した「４０歳の童貞男」や製作した「スーパーバッド　童貞ウォーズ」など、米国でヒット作を連発するジャド・アパトーが監督・脚本などをつとめ、やはり全米で大ヒットしたのがこの「ノックトアップ」です。
大人になれない青年(お馴染みセス・ローゲン)とキャリアウーマンの女性（映画「幸せになるための２７のドレス」のキャサリン・ハイグル）が、たった１度のセックスで２人の間には子供ができてしまい、そんな彼らはパパとママになれるのでしょうか・・・という物語。ありがちなようで人生に重要なテーマを等身大の視点から描いた佳作、日本では０８年末に「寝取られ男のラブ♂バカンス」と２本立てで公開されました。


　23歳のベン（セス・ローゲン）は仲間たちとネットビジネスを立ち上げようと夢は語るが、現実には何もしない無職の青年。一方、24歳のアリソン（キャサリン・ハイグル）は TV局で熱心に働く前途洋々な女性だが、そんなベンとアリソンはある夜、バーで出会ってベッドを共にし、翌日に別れる。しばらくしてアリソンは自分がベンの子供を妊娠したと気づき、それをベンに伝えるが、彼は自信もないのに誠意をもってアリソンの出産を支援すると約束。だがそんな関係は続くのか・・・・！？



「４０歳の童貞男」のヒットメイカーのジャド・アパトー監督によるハートフルなドタバタ・セックス・コメディです、気ままに生きる甲斐性なしのダメ男が酔った勢いで一夜を共にした相手の予期せぬ妊娠を機に、大人の自覚と本当の愛に目覚めていくまでを男女の心の機微をリアルに見つめつつおバカな下ネタ満載で描きます。

２３歳のセス・ローゲン演じるベンはおバカな仲間たちと共同生活をしながら自堕落な日々を送る無職のダメ男、一方ＴＶ局で働く２４歳のキャサリン・ハイグル演じるアリソンは番組のレポーターに抜擢され昇り調子のキャリアウーマン。
そんな２人はバーで出会い酔った勢いでそのままベッドイン、翌朝我に返り一夜の過ちとさよならした２人だったが８週間後アリソンの妊娠が発覚、思わぬ展開に混乱しつつも出産を全力でサポートすると誠意を示すベンだったが・・・。

天才ジャド・アパトー監督がセス・ローゲンと今やトップ女優に上り詰めたキャサリン・ハイグルを主演に招き、酔っ払って思いがけずセックスしてしまったテレビのインタビュアーのアリソンと無職のドーしようもない脳天気男が、女性の妊娠で対照的な２人が大人への階段をどこかぎこちないですが確実に歩んで行く姿を見事に描いていましたね。

セス・ローゲン演じるベンが下らない仲間達と立ち上げた“好きな女優がどの映画のどの時点で胸を見せているか”というサイトが笑えました、実は“ミスター・スキン”という彼らと似たサイトが既にありますが『似たものは流行る』と『「ボルケーノ」と「ダンテズ・ピーク」』、『「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」』『「パンダエキスプレス」と「吉野家」』を例に挙げていたのは可笑しかったです、また姉デビー夫婦と談笑している時に『ドク・ブラウンの“デロリアン”で妊娠前に戻って、コンドームをつける』と義兄のピートと盛り上がるのも面白かった。

その義兄の監督お気に入りのポール・ラッド演じるピートが浮気しているとアリソンの姉のデビーが疑い浮気現場と思しき地下に乗り込むと、デビーに内緒でバーチャル野球ゲームのドラフト会議をしていて“マツイ”の名前が出てきたのが嬉しかったです、それでギクシャクしたデビー夫婦とアリソンとベンですがデビーと黒人のクラブの“ドアマン”とのやり取りも最高、ベンがカナダ人で高校生の時に郵便局のトラックに引かれて州政府から１万４０００ドルもらいそれでなんとか暮らしているという設定も楽しかった。

ベンやジョナ・ヒルらベンの仲間達がドーしようもないくらい“大人になりきれない大人”を好演、キャサリン・ハイグルも『幸せになるための２７のドレス』でも誉めましたが“風格”のようなモノも感じられて良かったです、本当に『何時の間にこんなに主人公をチャーミングに演じられるようになったんだ』と思わせてくれる女優さんになりましたね。

ノン・クレジットでジェシカ・アルバにエヴァ・メンデスやジェームズ・フランコ、スティーヴ・カレルなんかが本人役で何気ないシーンでさり気なく出演していて良かったです、やっぱりアメリカは “マリファナならいい”といった感じだったのは残念でしたが良かったかな、でも段々と真面目男に変貌していくセス・ローゲン演じるベンが良かったです、お勧めします。