ド素人の映画と音楽のお勧め。コミュのパラノイドパーク

ガス・ヴァン・サント監督らしい、甘酸っぱい映画でした。

「エレファント」で、２００３年カンヌ国際映画祭のパルムドールと監督賞をＷ受賞するなど一躍高い評価を得たガス・ヴァン・サント監督。本作では自分の犯した過ちの重大性をなかなか実感できず、漠然とした不安を抱きつつまったりとした日々を送る少年主人公の空虚で統一性を欠いた心の内面を、クリストファー・ドイルの滑走するようなカメラワークを通して鮮やかに表現しました。２００７年カンヌ国際映画祭では、６０周年記念特別賞の栄誉に輝きました。

オレゴン州ポートランド。16才の少年アレックス（ゲイブ・ネヴァンス）は、最近始めたばかりのスケートボードにすっかり夢中となり、カッコいいスケーターたちが大勢集まることで知られる“パラノイドパーク”へ足繁く通うようになる。そんなある日、彼はパークをたまり場にしている不良グループの連中に誘われ、走行中の貨物列車への飛び乗り遊びに参加する。ところがそれに気づいた警備員が警棒を持って近づいてきてアレックスともみあうこととなり…。

一見ごく普通の１６才の少年が送る不安定な日常を追う中で次第に浮かびあがる衝撃の真実を、ガス・ヴァン・サント監督が独特の浮遊感漂う映像を通して新たに放った異色青春映画です。

スケートボードに夢中の１６歳の少年ゲイブ・ネヴァンス演じるアレックスは友人ジャレッドと行った、スケートボーダーたちの憧れのスケボー公園通称“パラノイドパーク”で遊び好きな少年たちと遊ぶ毎日ですが、ある日“パラノイド・パーク”近くの貨物列車の警備員が殺されて学校に刑事が来てアレックス達を尋問。
アレックスと事件を結びつける証拠はないがどうやらアレックスは疑われている様子、果たしてアレックスは警備員を殺した犯人なのでしょうか・・・。

「ミルク」で第８１回アカデミー賞にノミネートされた『ミルク』や「エレファント」のガス・ヴァン・サント監督が、思春期の少年の揺れ動く内面をリリカルに見つめた青春ドラマでしたが「エレファント」に似た、少年期特有の甘酸っぱさや青臭さやがいっぱい漂うなかなか面白い作品でした。

「エレファント」と同じように乾いた目線と甘酸っぱい映像で描かれていましたが、恋人ジェニファーや友達ジャレッドに新しい恋人メイシーが登場するなど現在と過去が交錯する作品のつくりになっていました、「エレファント」も少年たちの瑞々しいばかりの日常が綴らていましたがドキュメンタリー・タッチだったので少々面白みには欠けていましたが、今回の「パラノイド・パーク」はドキュメンタリーに近い感じでしたがドラマ性もあって面白かったです。

不良の少年たちに誘われて遊びの最中彼はつい誤って警備員を死なせてしまうアレックス、事件とアレックスを結びつける証拠はないが罪の意識を強く感じながらも普通に装うとするアレックスの姿が若者らしくて良かった、何をしていても事件のことで頭がいっぱいのアレックスですがローレン・マッキニー演じるメイシーから『自分の謝りたいことを手紙に書いて私に送って』とアドバイスされ、彼は自分の胸の内を手紙にしたためるのでしたが・・・。

ラストもあれで良かったと思いますしリベラルな新しい恋人メイシーのアドバイスも良かった、『グッド・ウィル・ハンティング　旅立ち』や『小説家を見つけたら』程ではありませんでしたが合格点の映画でした、お勧めします。