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地球温暖化について知りたい!コミュのたんに放射だけでない観点で考察してみる

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的を絞った議論が行われるように、このトピックを立てます。ここでは、できるだけ温室効果や放射平衡とは違う観点での考察を試みようと思います。いったいどんな考察ができるかトピ主の僕も分からないのですが、「放射」に漬かってる頭を柔らかくしてみるということで。

地表・海洋・大気の熱容量、日周期や年周期と応答時間、大気や水の対流、水の潜熱と雲生成・降雨、海流・気流、といった観点でしょうか。

はたして、こんな議論が成り立つか?

なお、おもに放射平衡の観点でのエネルギー収支についての議論は、こちらにあります。
「地球のエネルギー収支について」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=33910280&comm_id=1248569&page=all

コメント(33)

 地球の気温を決定しているのはなにか? この点について、本当に全部のことが分かっているとは思えません。
 よくいわれている温室効果だけで、地球の平均気温が15℃程度になることを説明するから、温室効果ガスがわずかに増えただけで、急激な温暖化が起きてしまうという話になるのではないかと思います。
 今一度、地球の平均気温が、どうして15℃程度で安定しているのかを考えてみるのも良いかも知れませんが…
【海水について】
 全海洋の海水の体積は、約1.4×10^9立方km
 塩類の複雑な水溶液である。
 海水は弱アルカリ性で、pHは8.0〜8.3。
 海水の密度は、水温、塩分、圧力によって決まり、海水の運動を決める大切な量で1.02000〜1.03100ほど。
 海水には、酸素、窒素などが溶解している。酸素は大部分大気から供給され、水温と塩分が低いときに多く溶け、海面より少し下で植物性プランクトンの同化作用で付加されて過飽和の状態になることが多い。
 海水は、純水に比べて可視光線の赤や黄など長波長の部分および紫外部をよく吸収し水分子自身も短波長の光をよく散乱するので海水は全体として青く見え、またプランクトンなど浮遊物が多いときは緑色を帯びて見える。
> 1  心如さん

このトピでは、
温暖化の原因が人為的CO2でないとCO2による温暖化を否定することを目的とした論調になったり、
温暖化の原因ははたしてCO2による温室効果か否か?といった切り口の議論をするのではなく、
大気循環や海洋循環といった熱移動が気候にどのような影響を及ぼしているか? というような切り口で考察をしてはどうかと思います。
【水について】
 化学式はH2O。
 酸素と水素の化合物で、常温では無色無臭の液体。
 1気圧での融点0.00℃、沸点100.00℃。
 3.98℃で密度最大(0.999973g/立方cm)。
 固体の水は氷、気体の水は水蒸気という。
 水分子は二等辺三角形状の構造をもち、気体分子での酸素原子と水素原子の結合距離(O-H)は0.958オングストローム、結合角(∠HOH)は104度。
 比熱はあらゆる液体中液体水素に次いで大きい(水素結合の存在による)。
 きわめてよい溶媒で多くのものをよく溶かす。
 純粋な水では伝導性はほとんどなく、わずかにH3O+とOH−に電離。
 地球上に海水、河川水、湖沼水、地下水などのほか、極地や高山では大陸水、大気中では水蒸気などの形で存在し、また岩石、鉱物、土壌、生物体などに結晶水その他の形で含まれる。
 これらの水は蒸発、蒸散、凝縮、流動などの過程を通して自然界を循環し、これらのうち約98%は海水で占められる。
 純粋な水を得るには蒸留法、イオン交換法などによるのが普通。
【水温について】
 海洋、湖沼、河川などの水の温度をいう。
 海水の場合には、塩分と並んでその物理的性質を定める基本的要素となる(水塊)。
 海水の表面水温は外洋では30℃を越えることはまれだが、内湾では、たとえば紅海で35℃まで上がる例がある。
 太平洋では、表面水温の極大は北緯10度と赤道の間にあり、南・北緯40度付近で両極に向かって急速に低下している。
 塩分の存在により海水の氷点は低く、約−2℃まで下がりうる。
 海では水温は一般的には深層に向かって次第に低くなる。
 日射や蒸発などによる熱の出入の影響は表面近くに限られる。
 水温の日変化の及ぶ深さは数十m程度。
 熱帯・温帯海域についていえば、水温の年変化を示すのは深さ200mくらいまで(高緯度海域では10〜75m)で、またこのくらいの深さまでは水温は比較的一様に保たれ、かく乱層と呼ばれる。
 その下に水温が急に下がる不連続面があり、これを躍層という。
【大気について】
 天体の表面をとりまいている気体。
 地球以外の惑星にも存在するが、地球大気を意味することが多い。
 大気の全質量は約5.3×10^21g、密度は地上の標準状態では1立方m当り1.225kg、高さとともに減少し、地上100kmでは地上の約100万分の1程度。
 多くの気体の混合物で、地上約70kmまでの水蒸気以外の主要成分の組成は不変(空気)。
 水蒸気量は場所や季節により変動が激しく、空気1kg中1g未満から数十gまでの開きがあり、また高空では急激に減少し、成層圏では1kg中0.01g以下である。
 成層圏では太陽紫外線の作用によりオゾン層が形成され、その分布や変動は気象学上重要である。
 気圧は上空ほど低く、高度5kmで約500Paで、以下5kmごとにほぼ半減していく。
 気温の3次元的分布は季節により異なるが、中緯度の平均的垂直分布は標準大気により知ることができる。
【海洋について】
 海洋の表面積は3億6105万8000平方kmで地球表面積の70.8%そ占め、特に南半球に多く分布。
 連続した全海水の体積は13億7032万3000立方kmで、平均の深さは3795m。
 大洋と付属海に分類される。
 面積が広く、自身の海域に起源する強い海流系をもつのが大洋で、太平洋、大西洋、インド洋の三者合わせて海洋全面積の89%を占める。
 面積が小さくて、ほとんど独自の海流をもたないのが付属海で、付属海はさらに地中海、縁海、湾、海峡に分けられる。
 地中海とは、大陸内に入り込み、一つまたは数個の海峡によって大洋と連なった海で、たとえばヨーロッパ地中海等。
 縁海とは大陸の外縁にあり、島や半島によって不完全に区画された海で、たとえば日本海等。
 太陽の放射エネルギーは、全海洋を平均して1平方cmの海面から熱にして毎分約0.22calの割合で海中に透入し、これは海面から数mの深さまででほとんど全部熱に変わる。
 この熱の一部は海水の温度を維持したり、対流その他で深層にまで伝えられたりするが、他の大部分は海水を蒸発させるのに用いられ、全海洋を通じて1年に約33万4000立方km、厚さにして平均約1mの海水層が蒸発する。
 蒸発した水は雨水または川の水となって岩石を溶かし、各種の塩類を海に運び、海水の塩分を濃くしていく。
 一方、海底でたまった各種の堆積物は堆積岩となり、プレート運動や地殻変動によって海底から取り除かれていく。
 この過程で海水中の各種溶残物(塩類等)は海水から取り除かれ、その結果海水中の塩分量は現在ではほぼ一定となっている。
【気温について】
 空気の温度。
 普通、地上気温と呼んでいるのはある地域を代表するような気温のことであり、地上約1.5mの高さに設けた百葉箱の中で測定した気温をいう。
 気温の日変化のうち日較差(1日の最高気温と最低気温の差)は季節、緯度、土地の高低、地形などによって違い、特に雲量や海陸風の影響が著しい。
 たとえば北海道内陸部の帯広と旭川では年平均の日較差がそれぞれ13.0℃、11.6℃と大きいが、海岸部の寿都(すっつ)や浦河では6.1℃、6.8℃と小さい。
 また筑波山麓の館野では11.3℃と大きく、山頂では7.5℃と小さい。
 気温の水平分布は海陸分布に著しく影響を受け、冬に最も気温の低いのはシベリア東部で、一般に冬は大陸が海洋に比べて低温になる。
 夏はこの逆になり、最も気温の高いのはアフリカ北部、アラビアからインド、北米南部である。
心如さんは、以前、海洋の熱容量について書かれたことがありましたが、海洋の貯熱量について書かれた論文があったので紹介します。

海洋大循環と気候変動(地学雑誌114 2005)
(花輪公雄/東北大学大学院理学研究科)
http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf114-3/p485-495.pdf

(以下に一部を抜粋引用)
海水の比熱は4200J/kg・Kであり、液体窒素を除いて、物質中最大の比熱をもつ。すなわち、莫大な熱量を、ごくわずか温度を変化させるだけで貯えることができる。地球温暖化に伴う気温上昇は、同時に海洋への熱の移動を伴っており、じっさい海洋は昇温している。図は過去50年間の海洋の貯熱量の変化を示している(Levitus et al.,2005)。この研究では、20世紀半ばからの50年間で、海面から3000m深までの海洋は、14.5×10の22乗ジュール分の熱を吸収したと見積もられた。しかし、海面から3000m深まで平均した水温の上昇は、この間たった0.037℃である。仮にこの海洋が吸収した熱量で大気を加熱させたとすると、全球の大気は35℃も高くなると見積もられる。
(以上、引用終わり)

(添付したグラフは、Levitus et al.,2005による。赤線が300m深まで、青線が700m深まで、グレーが3000m深までの海洋の貯熱量の変化を示す。縦軸の単位は、10の23乗ジュール)
10で紹介した論文から、もう少し引用します。

容易に想像できるように、地球に吸収される短波長放射は低緯度で多く、高緯度では少ない。いっぽう、地球が宇宙空間に放出する長波放射は低緯度域で多く高緯度で少ないという短波放射と同じ傾向をもつものの、その差は短波放射の差に比べてずっと小さい。すなわち、低緯度域では、その場で失う放射よりも過剰に短波放射を得ており、逆に高緯度域では、その場で得る放射よりも過剰に長波放射を出しているのである。しかしながら、低緯度域で年々気温や海水の温度が上昇し、高緯度域で年々気温や海水の温度が下降することはない。これは、流体である大気や海水が、その運動により、低緯度域の過剰な熱エネルギーを、不足している高緯度域に輸送しているからである。これを南北熱輸送、あるいは子午面熱輸送と呼ぶ。

南北両半球で、緯度30度から45度付近が輸送量の最大で、北半球では北極向き、南半球では南極向きに輸送されている。その大きさは、およそ6ペタワット(1ペタワットは10の15乗ワット)である。北半球における大気と海洋の熱輸送量はほぼ同じ大きさで、海洋は中でも低緯度側で大きな輸送を担っている。
>10
 液体窒素は沸点が低いという特徴がありますが、物質中で一番比熱が大きいのは、>>4に書かせて頂いたとおり、液体水素ではなかったかと思いますが…
>TSUNEさんへ

 ご紹介頂いた論文に目を通していますが、

(頁-492-の左段下部5行)
> 地球表面の約71%は海洋に覆われているが,
>大陸は北半球に偏在している。実際,北半球の大
>陸と海洋はそれぞれ39%と71%であるが,南半
>球は19%と81%と,ほとんどが海洋である。…

という記述があります。

 単純なミスですが、39%と71%を足すと110%になってしまいます。
 こういう簡単なミスすらチェックができていないという事実に驚きます。

 この論文は、本当に査読されたものでしょうか?
 科学万能教の信者が、論文を有り難がるのは勝手ですが、素人が一読しても気づくようなミスが残っているのも事実のようですが…
この論文、単純なミスが多いみたいですね。
とても分かりやすく書いてあるので紹介しました。査読済みかどうかは分かりませんが、これは論文というより、記事といったほうがいいかもしれません。

執筆者の花輪公雄氏といえば、IPCC第4次評価報告書第1作業部会において、日本から執筆者として選ばれた6名のうちのお一人です。(氏が参加したのは5章) この分野では世界レベルの科学者と言えるような方のようですが。

AR4 WG1 第2回執筆者会合報告
http://www.gef.or.jp/ipcc/AR4/meetings_paper/WG1_2ndLA05May_Beijing/WG1_LA2_report.pdf
>15 TSUNEさんへ

 論文の内容自体は、仰る通り分かり易く述べらており、言わんとすることは尤もな事ばかりでした。

 元の論文には正しく書かれていても、雑誌に掲載される過程で、単純ミスが生じた可能性があるかも知れません。問題なのは、『地学雑誌』という雑誌の編集者が、こういった誤記あるいはタイプミスを見落としていることでしょうか?
地球の陸地面積は、29%というのが正しいようです。地球の表面のおよそ3割が陸地で、7割が海洋ですね。

10で添付したグラフをみると、0〜300mと0〜3000mでは体積がざっと10倍で(深さ3000m以下の海域もありますが)、1970〜1997年の貯熱量の変化が1.4倍ぐらいですから、300〜3000mの昇温は、おおざっぱに見積もって0〜300mの昇温の4%ぐらい。つまり、過去50年間の海水の昇温とは、そのほとんどが0〜300mの深さで起こっていることが分かると思います。

0〜3000mの貯熱量の変化が全球の大気を35℃昇温させる熱量に相当するとすれば、おおざっぱに見積もって、0〜300mの貯熱量の変化は、全球大気を25℃昇温させる熱量に相当します。

以前、心如さんが指摘されたように、海洋の熱容量というのは、大気とは比べものにならないぐらい大きいのですね。

グラフをみて気になるのは、海洋の貯熱量とは、50年間恒常的に増加したのではなく、1970〜1980年頃に増加し、1980〜1987年頃に減少して、1987年頃〜に増加していることです。貯熱量の増加は、その間海洋が正味で熱を吸収したことを、貯熱量の減少は、海洋が正味で熱を放出したことを意味しますよね。

海洋の0〜700mにおいて、1980〜1987年のわずか7年間に、6×10の23乗ジュールの熱量が減少していますが、これは全球大気を14℃上昇させるに匹敵する熱量です。つまり、1年間に全球大気を2℃昇温させるほどの熱量が、海洋から正味で放出されていた、ということだと思います。

もちろん、これは、その熱がすべて直接大気を温めたわけでなく、ほとんどが赤外線として空に放射され、その多くが水蒸気や二酸化炭素など温室効果ガスに吸収されて温暖化に寄与したでしょう。

では、どうして海洋の水温や貯熱量が経年的に変化するのか? と考えたとき、海洋の熱容量が大気の1000倍以上も大きいことを想像すると、大気が海洋温度をドライブすると考えるのは理にかなっているのだろうか? と思います。

1980〜1987年は地表面気温や海面水温は下降していませんでした。なのになぜ、0〜700mの水温は下がったのかが不思議です。また、7年間の正味の熱放出は、その多くが温室効果ガスに捕捉されたにせよ、地球全体のエネルギー収支としてみれば、海洋の貯熱量の減少とは、地球の冷却を意味するような気がします。
>18 TSUNEさんへ

 南半球の陸地と海洋の割合が正しいとしたら、北半球の陸地と海洋の割合は、39%と61%になるのが正しいと思います。これは、北半球では地表の約六割が海洋で、南半球では約八割が海洋であることを意味します。

 地球の気温に大きな影響を与えているのは水であり、そのメカニズムはまだまだ未解明な部分が多い。ということは、気象の専門家であれば解っていると思いますが…
引用した記事の著者は、北半球の陸地の39%と、全球の海洋の71%をうっかり混同して書いてしまったんでしょう。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・
海洋への熱の蓄積について(気象庁 気象等の知識 海洋内部の知識)
http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/climate/knowledge/glb_warm/ohc.html
から、画像をお借りして添付します。いずれも出典はIPCC第4次評価報告書です。

グラフは、10で添付したものと、ほぼ同様ですが、2003年頃から貯熱量が減少しています。黒線がLevitus et al (2005)、赤線がIshii et al.(2006)、緑線がWillis et al.(2004)によるもの。いずれも海面から700m深までの貯熱量です(Willis et al.は750m)

興味深いのは、もうひとつの画像のほうで、これは1955年から2003年までの、海面から700深までの海洋貯熱量の変化傾向です。海洋貯熱量の変化は一様ではなく、海域によってかなり異なります。とくに北大西洋西部の貯熱量の増加が大きく、この海域がとくに温暖化していると言えます。

これについては、海流についての考察が必要だと思います。
 熱容量が1000倍も異なる物体が接している場合、どちらがどちらにより大きな影響を及ぼすかということは、議論するまでもありません。
 実際、エルニーニョやラニーニャという現象が、異常気象を引き起こすことは広く知られています。しかし、その原因がなにかという話になると、まだ解らないことが多いのではないのでしょうか?
訂正です。

10で引用したグラフの縦軸の単位は、10の23乗ジュールでなく、10の22乗ジュールです。

画像が粗かったので、読み間違えました。お詫びして訂正させていただきます。
海洋の表層での見かけの熱流量(正味の熱流量)や、深度に応じた海中での見かけの熱流量は、10で引用したグラフを注意深く読み取れば、ある程度推測できると思います。

例えば、1988〜1997年でみますと、貯熱量の変化は、0〜300m深が2×10^22J、0〜700m深が4×10^22J、0〜3000m深が5×10^22Jなので、深度700mでは1×10^22J、深度300mでは3×10^22J、海面では5×10^22Jの熱流量があったと推測できます。

ちなみに、5×10^22Jの熱量は、全球大気を12℃上昇させる熱量に相当します。

海洋が吸収した熱量は放出した熱量よりもこれだけ多かった、ということが言えると思います。この海洋の正味の熱吸収すなわち貯熱量の増大は、まさに地球の高温化を意味すると思います。しかし、この海洋の熱吸収が、大気から熱伝導により吸収した熱であると単純に考えるのは、早とちりだと思います。

ただし、Levitus 2005によるグラフは、50年も前からの継続的な観測にもとづいているとは思えず、これは、近年の観測にもとづくシミュレーションつまり推定値ではないかな、と思います。しかし、シミュレーションによるグラフだとしても、それなりに根拠のある資料であることには違いないと思います。

海面から深度300mの間の貯熱量や熱流量を記述した論文があるといいのですが・・。

ただし、20で書いたように、この50年間の海洋の貯熱量の変化は、海域によって異なり、貯熱量が減少している海域もあります。つまり、海水温の変動は一様ではない。このことが重要だと思います。
ただ、10で引用したグラフをみて気になるのは、18で書いたように1980〜1987年に貯熱量が減少していることもそうなのですが、0〜300深、0〜700m深、0〜3000m深の、変化のタイムラグがほとんどない、ということです。海面での温度変化に対する応答ならば、700mの深さまで到達するには何年もかかると思うのですが・・(そうでもないのかな?)

(700mを越える深さの温度変化は僅かなのでグラフに現れにくいのかもしれません。あるいは、そもそもそのような動的な解析をしていないのかもしれませんが・・)

それと、低温で水圧が高く塩分濃度の高い深層海水では、表層海水とは比熱が異なると思うのですが、その辺は計算に考慮されているんだろうか? とちょっと気になりました。

ただ、1980〜1987年の変動については、20で引用したグラフの3人の科学者による見解がほぼ一致しているので、この時期に貯熱量が減少したのは確かなのでは、と。

なお、近年巷で流行している「深層海水」は300m深を越える海水を言うそうですが、海洋学では、1000m深を越える海水を言うようです。
20で、海洋の貯熱量の増大は、北大西洋西部海域が著しいことを書きましたが、メキシコ湾流について書かれた記事を見つけたので紹介します。

メキシコ湾流から対流圏全層への影響を発見!
(海洋研究開発機構+北海道大学 2008/3)
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20080313/index.html

これは2008年3月にNature誌に発表された論文のプレリリースです。
一部を抜粋して引用します。

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回得られた一連の結果は、メキシコ湾流(以下湾流)が運ぶ膨大な熱が鍵となって、表面付近から対流圏上層にいたるまでの大気に強い影響を及ぼすことを示しています。

湾流によって暖められた大気は軽いために、大気の重さによって生じる気圧が相対的に低気圧となり、それよりも内陸側では比較的冷たく重いので相対的に高気圧になることを意味しています。この気圧の勾配に押されて空気が動くことで、収束と発散が形成されます。

湾流とともに蛇行する狭い降水帯が生じていることが、衛星降水量データの解析で明らかになりました。この特徴もやはり、湾流からの熱放出の一環です。海から大気への熱供給の大部分は、水が水蒸気になることによってなされます。その水蒸気が大気中で凝結して降水となるのです。

急な水温勾配は、そこに低気圧を集中させる効果があることも、シミュレーションで示されました。これらの結果は、湾流が降水量および低気圧の分布に重要な影響を与えていることを示しています。

凝結に伴う大気加熱は,湾流の影響が大気境界層を越えて自由大気にまで到達していることを示唆しています。実際に、湾流上では、対流圏上層にまで及ぶ上昇気流が生じていることが明らかになりました。さらに、湾流に沿って対流圏上層での雲の発生頻度が高いことが、衛星計測による外向き赤外放射の解析から示されました。
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

海流によって運ばれた熱は、降水に伴う水蒸気の凝結熱として大気に供給されるようです。なかでもヨーロッパの気候は、メキシコ湾流の影響を受けているのですね。
> 27

> 24は、海から外部への熱の移動全体の話ですよね。22で書いたのは、そうではなくて、海から大気、またはその逆方向の熱の移動、というか、海と大気の間の熱のバランスの変化についてです。

仰るとおり見かけの熱流量(正味の熱流量)です。書きましたように「海洋が吸収した熱量は放出した熱量よりもこれだけ多かった」という意味ですね。

いうまでもなく、海面で放出する熱量は、吸収する熱量から見かけの熱流量を差し引いたものです。海面で吸収する熱は、大気から海水への熱伝導もあるでしょうが、多くは日射と大気放射ではないでしょうか。海面で放出する熱は、赤外線射出と気化熱、それに大気への熱伝導でしょうか。

> 海からの5×10の22乗Jの熱で大気全体が12度上昇というのは熱が大気どまりになればの話であって、熱量の喩えという以上の意味はないですね。

そうですね。「5×10^22Jの熱量は、全球大気を12℃上昇させる熱量に相当する」と書きましたのは、その熱量をすべて大気が受け取れば、ということで、比熱や熱容量の違いを直感的に理解するための例え話です。
ヨーロッパの気候については、北大西洋西部海域に熱が蓄積され、高い海面水温を保つかぎり、温暖な気候が続くだろうと思います。この海域の貯熱量が減少し海面水温が下がれば、ヨーロッパは寒冷になるだろうと思います。

問題は、この50年間に、なぜ海洋の貯熱量が増加したのか? なかでもこの海域が著しく増加したのはなぜなのか? ということだと思います。

(「1955年〜2003年の海面から700深までの貯熱量の変化傾向」の図を再掲します。出典はIPCC第4次評価報告書です)
気象庁の報道発表資料から、最近(1993〜2008年)の海洋の貯熱量を示すグラフを添付します。
(気象研究所のほか、米国海洋大気庁(NOAA)、米国航空宇宙局(NASA)、英国気象庁、ドイツのハンブルク大学による)
http://www.mri-jma.go.jp/Topics/press/20100520/press20100520.pdf

1998年頃から〜2003年頃まで上昇しており、2003年以降は、横ばい(もしくは若干の上昇)に推移しています。1998年から2003年にかけて地球が「温まっていた」ことは間違いないですね。

1998〜2003年の5年間に増大した熱量は 11×10の22乗ジュールですから、5年間は 60×60×24×365×5=1.58×10の8乗(秒)なので、6.96×10の14乗ワット、これを地球の表面積 5.10×10の14乗平方メートルで割ると 1.36W/m^2 という計算になります。

1998年〜2003年は、海面でのエネルギー収支は、放出よりも吸収のほうが 1.36W/m^2 上回っていたことになります。これは、大気圏に入射する太陽放射(海洋面に到達する日射とは異なるので注意)の 0.4%にあたります。5年の間、太陽放射エネルギーの0.4%が海洋に溜め込まれていたんですね。
1998年〜2003年に正味で海洋に吸収された1.36W/m^2という熱がどれほどなのか、大気圏に入射する太陽放射の0.4%と計算しても、まだピンとこないですね。

思考実験をしてみます。

海水への貯熱がゼロ、つまり貯熱しないでこれだけの熱を海面から放熱するには、海面温度がどれだけ高くなればよいか?、を考えてみます。熱伝導や気化熱は考慮せず一定として放射のみで考えてみます。

海面水温をT(K)、初期値を288Kとすると、ステファン=ボルツマンの法則から、σ×T^4 - σ×288^4 = 1.36 なので、Tは1.36/σ+288^4の4乗根となります。σ=5.67×10^-8として、T=288.25

これは、海面が0.25度高ければ貯熱量増減が無くなる。つまり、温度差にして0.25度相当分、海面での熱平衡がずれた、といえると思います。

次に、貯熱しないで海面から放熱するには、気化熱がどれだけ増せばよいか?を考えてみます。
地球の海面から蒸発する水の気化熱は3.6×10の16乗ワット、というデータがあります。これを地球の表面積で割ると、70.6W/m^2 。 1.36W/m^2は、これの1.9%になります。

これは、気化熱が1.9%多ければ貯熱量増減が無くなる。つまり、蒸発量にして約2%相当分、海面での熱平衡がずれた、といえると思います。

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