(以下に一部を抜粋引用)
海水の比熱は4200J/kg・Kであり、液体窒素を除いて、物質中最大の比熱をもつ。すなわち、莫大な熱量を、ごくわずか温度を変化させるだけで貯えることができる。地球温暖化に伴う気温上昇は、同時に海洋への熱の移動を伴っており、じっさい海洋は昇温している。図は過去50年間の海洋の貯熱量の変化を示している(Levitus et al.,2005)。この研究では、20世紀半ばからの50年間で、海面から3000m深までの海洋は、14.5×10の22乗ジュール分の熱を吸収したと見積もられた。しかし、海面から3000m深まで平均した水温の上昇は、この間たった0.037℃である。仮にこの海洋が吸収した熱量で大気を加熱させたとすると、全球の大気は35℃も高くなると見積もられる。
(以上、引用終わり)
(添付したグラフは、Levitus et al.,2005による。赤線が300m深まで、青線が700m深まで、グレーが3000m深までの海洋の貯熱量の変化を示す。縦軸の単位は、10の23乗ジュール)
グラフは、10で添付したものと、ほぼ同様ですが、2003年頃から貯熱量が減少しています。黒線がLevitus et al (2005)、赤線がIshii et al.(2006)、緑線がWillis et al.(2004)によるもの。いずれも海面から700m深までの貯熱量です(Willis et al.は750m)