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『実用日本語文法研究会』コミュの「ことができる」と可能動詞との違いについて

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久しぶりにトピックを立てさせてください。

以下の【問い】は、先日、あるところで目にした設問です。

--引用始め----------------------------------------------
【問い】 多くの初級日本語教科書で、?「歌うことができます。」と?「歌えます。」の2つが提出されるため、その異同について疑問を抱く学習者が少なくない。代表的な初級教科書は、どのような配慮をして、その2つを提出しているだろうか。具体例(例文・会話文)を紹介しながら、説明してください。
--引用終わり----------------------------------------------

可能表現「ことができる」と可能動詞との違いは、以前から気になっていたのですが、上記設問に触発され、”代表的な初級教科書”を調べてみました。少し長くなりますが、お付き合いください。


★代表的な初級教科書:
(a)『みんなの日本語?・?』スリーエーネットワーク
(b)『新文化初級日本語?』文化外国語専門学校編

それぞれに提出されていた2つの表現は、以下の通りです。

★(a)『みんなの日本語?・?』
 この教科書は、<第18課>で「ことができます」、<第27課>で可能動詞を提出しています。
【抜き書き】
<第18課>
[文型]
・「ミラーさんは、漢字を読むことができます。」
・「わたしの趣味は映画を見ることです。」
[例文]
・「マリアさんはパソコンを使うことができますか。」「いいえ、できません。」
[会話]
・「日本へ来てから、馬の写真を撮りましたか。」「いいえ。日本ではなかなか馬を見ることができません。」
[練習A]
《動詞(マス形)から(辞書形)への変換+「こと」の練習》

<第27課>
[文型]
・「わたしは日本語が少し話せます。」
・「山の上から町が見えます。」
・「駅の前に大きいスーパーができました。」
[例文]
・「日本語の新聞が読めますか。」「…いいえ、読めません。」
・「パワー電気では夏休みは何日ぐらい取れますか。」「…そうですね。3週間ぐらいです。」
 「いいですね。わたしの会社では1週間しか休めません。」
以下、
「ペットが飼えますか/飼えません」
「富士山が見えますか/昔は見えましたが、今はほとんど見えません」
「聞こえますね」
「空港はいつできましたか」など。
[会話]
・「明るくて、いい部屋ですね。」「ええ、天気がいい日には海が見えるんですよ。」
・「へえ。じゃ、あの本棚も作ったんですか。「ええ。」「すごいですね。ミラーさん、何でも作れるんですね。」
[練習A]
  《動詞(マス形)から(可能)への変換》

【私なりの説明】
 この教科書の第18課では、同課の[練習A]を見てもわかるように、形式名詞「こと」に係る動詞(辞書形)の作り方に重点を置いています。したがって、「ことができます」「ことができません」は、いわば「こと」と「できます」との組み合わせからできた可能表現であり、次の第19課で提出される経験表現「ことがあります」へとつなぐ役割を兼用しています。
 そして、可能動詞は第27課で提出されます。ここでは通常の可能表現のみならず、「見える」「聞こえる」の自発表現も同時に提出されています。
 両者混同への配慮は、これらを同時に提出しないことが第1点。さらにもう1点は、「ことができる」が行為的な可能表現である一方、可能動詞は状態的な表現として提示しているところにあると言えるでしょう。(教師用指導書にもそのような記述が見られます)。

★(b)『新文化初級日本語?』
 この教科書は、第22課で可能動詞と「ことができる」両形を同時に提出しています。
【抜き書き】
<第22課>
[本文1](新聞・雑誌の広告)
・(翻訳アシスタント募集)「英字新聞が読める方/パソコンができる方歓迎」
・(中国語会話教室)「中国人で日本語が話せる方/週3日以上できる方」
・(プール監視員)「1,000m以上、泳げる方」
・(パソコン教室)「パソコンが覚えられます」
・(引っ越しスタッフ募集)「車の運転ができる方/来週から始められる方」
・(結婚式場)「ピアノが弾ける方/土日に来られる方」
[1](「ピアノが弾けます。」)
《可能形(肯定・否定)の作り方》
・辞書形での肯定・否定の変換表
・例文はマス形:
 「読めます」「作れます・ません」「覚えられます」「運転できます・できません」「乗れます・ません」など
[本文2](アルバイト募集先と応募者のやりとり)
・「結婚式場でアルバイトをしたことがありますか。」
 「いいえ、ありません。」
・「エレクトーンは弾けますか。」
 「いいえ、ピアノなら弾けますが、…。」
・「平日は学校が忙しいので、あまり行けないんですが…。」
 「1週間にどのぐらい来られますか。」
 「週3日…、水、土、日なら行けます。」
[4](「練習すれば、弾けます。」)
《条件形(バ形)の作り方》
[練習a]
・A:「漢字を勉強したことがありますか。」
 B:「いいえ。漢字は勉強したことがないんです。」
 A:「そうですか。でも、だいじょうぶです。毎日勉強すれば、覚えられますよ。」
[本文3]
・「ここは社員の休憩室ですが、アルバイトの方も使うことができます。」
・「自由に使ってください。あ、でも、ここでたばこを吸うことはできません。」
[6]
・「無料でバスに乗ることができます」「動物を飼うことはできません」
 「観光ビザで働くことはできません」

【私なりの説明】
 この第22課で示される、2つの可能表現の異同については、可能動詞を用いた例文には情意的な気持ちを表すものが多く、「ことができる」を用いた例文には、規則・規律といった事務的な表現が占めているようです。(この方向が正しいかどうかはもう少し検討する必要があります)。
 また上の[6]では、「ことができます」の否定表現として「ことはできません」が提示されており、これは対比の「は」の学習もねらっているようです。
 なお、「見える」「聞こえる」といった自発表現は、この教科書では第31課で扱われます。



【要点】
『みんなの日本語?(教師用指導書)』(p.28)には以下のような説明が見られます。
・可能動詞を使う際には対象を示す助詞「を」は「が」に変わる。
・「可能動詞になると、元の動詞の意志的な意味が失われ、状態を表すものとなる。

私は『新文化初級日本語?(教師用指導手引き書)』を持っていませんので、よくわかりませんが、
手元の『文化初級日本語?(教師用指導手引き書)』には、2つの違いに関する説明は一切ありません。


そこで、今回の話題です。
私たちは、学習者から2つの違いについて質問を受けたとき、どのように答えればいいのか。
『みんなの日本語?(教師用指導書)』にあるように答えればいいのか。(つまり、このように説明してもいいのか)。その場合の典型的な例文として、どのようなものを示して異同を教えればいいのか。
というのが私のテーマです。

みなさんへのお願いは、この2つの可能表現について、

(1)みなさんが直感的にどのような違いを感じておられるか
(2)もし、みなさんが質問を受けた場合、どのように答えられるのか、
(3)「だいたい同じです」と答えてもいいのか、またそのほうがいいのか、

以上のいずれにでもけっこうですから、思いつくコメントを何でも書き込んでください。よろしくお願いします。

【補足】
この問題を考えている最中に、下のコミュニティでも同じトピックが上がっていました。しかし、先ほどのぞいてみたのですが、まだ、解決には至っていないようです。

[☆日本語教師☆] 2007年05月30日10:16
「遊ぶことができる」と「遊べる」の違いは?
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19005306&comment_count=8&comm_id=19124

コメント(4)

お久しぶりです。こちらは、前期の授業が終わり、期末試験だけを残していて、少し余裕がでてきました。

さて、動詞の可能形と「することができる」の違いについてですが、
(1)直感的にどのような違いを感じるか
  :直感を言ってはならない(?)立場なのでこれはパス


(2)もし、質問を受けた場合、どのように答えるか
  :?可能表現としての生産性の違い
   動詞の可能形−形式的に可能形を作ることができるにし
   ても、実際「動詞の可能形」で<可能>を表現するのは
   身近なことを表現する動詞に限られる。
   ・再犯を防ぐ → ?再犯が防げる
             再犯を防ぐことができる 
   ・相手のゴールを攻める 
     → ?相手のゴールがせめられる 
       相手のゴールを攻めることができる 
  
  ? 文体差
   公式的な発言および書き言葉では「することができる」
   を使用する。

  ?「漢語+スル」の形をとる動詞は、当然のことだが、
   「することができる」しか使えない。

  ?一段動詞の場合、可能形は受身の形と同じカタチになる
   ので注意が必要である。
  
両者の違いについて、私の場合以上のようなことを指摘してきましたが、皆さんの意見・指摘・叱責等をお願いします。

(3)「だいたい同じです」と答えてもいいのか、またそのほうがいいのか
 :「だいたい同じです」という答えはよくないと思います。
  今回のトピックを機に、もっと両者の違いが明確になれば
  と思います。

PS. 久しぶりの新しいトピック、とても嬉しかったです。
  
そんじんさん:

ご丁寧なコメントに感謝いたします。これをいただいてから、すでに1週間が経過しようとしています。お礼を申し上げるのが遅くなってすみませんでした。他の方からのコメントもいただけるかと思いつつ待っていたのですが、ソンジンさんからのものがほぼ完璧と感じられたのか、どなたのコメントも入ってこないようです。(言い訳はこのくらいにします)

さて、その内容に関してですが、
>(1)直感的にどのような違いを感じるか
>  :直感を言ってはならない(?)立場なのでこれはパス
ネイティブ顔負けのソンジンさんらしくないと思います。是非とも直感をお聞かせください(笑い)


>(2)?可能表現としての生産性の違い
のところで、

>   動詞の可能形−形式的に可能形を作ることができるにし
>   ても、実際「動詞の可能形」で<可能>を表現するのは
>   身近なことを表現する動詞に限られる。
>   ・再犯を防ぐ → ?再犯が防げる
>             再犯を防ぐことができる 
>   ・相手のゴールを攻める 
>     → ?相手のゴールがせめられる 
>       相手のゴールを攻めることができる 
のように述べておられます。

たしかに、「生産性」という面から見れば、(特に学習者の立場に立って考えれば)、

「ことができる」は、
 「〜を〜スル」→「〜を〜スルことができる」
 のように、ヲ格の変換も必要ないし、動詞も辞書形をそのまま使って可能表現ができる。

という点で、非常に便利で無難な方法だという気がします。ただ、上記に挙げられている例の中で
>   ・相手のゴールを攻める 
>     →?相手のゴールがせめられる 
>       相手のゴールを攻めることができる 
の適否判断については同意できるのですが、

その前にある
>   ・再犯を防ぐ →?再犯が防げる
>            再犯を防ぐことができる 
につきましては、「再犯が防げる」でもいいような気がするのです。となると、これは一体何を意味するのかについて説明する必要があります。(今は、かいもく、見当がつきません)


それから、<?文体差>については、全くの同感です。


次の
>  ?「漢語+スル」の形をとる動詞は、当然のことだが、
>   「することができる」しか使えない。
については、

・勉強することができる。/勉強できる。
・反対することができる。/反対できる。
・料理することができる。/料理できる。
のように、スル動詞の語基に直接「できる」を付加すれば、問題なく可能動詞を作ることができると思います。
じつは、先日来、手持ちのデータベースで検索した用例(検索語「ことができ」の約56,000件)を順次眺めているのですが、この種類の用例がふんだんにあり、そのいずれを見ても上記変換が違和感なくできるのです。


つぎに、
>  ?一段動詞の場合、可能形は受身の形と同じカタチになる
>   ので注意が必要である。
についてですが、

これは、おっしゃるとおり、(学習者のためにも)何とかしてほしいと思っている現象です。
世間でときどき話題になる、いわゆる「ら抜き言葉」がもっともっと普及してくれれば、
<可能形は「れる」、受身形は「られる」ですよ>
と"教えれる"のにと思っているくらいです。


最後に、
>(3)「だいたい同じです」と答えてもいいのか、またそのほうがいいのか
>  :「だいたい同じです」という答えはよくないと思います。
についてですが、

現時点では、先にご指摘のあった
<「ことができる」は、書き言葉・改まった表現・かたい表現・公式な言葉・公的な言葉などなど(いつもどう言っていいか迷いますね。学会で統一する必要がある!!)に使われる>
という説明が唯一のような気がします。



ただ、先の
>     →?相手のゴールがせめられる。
>       相手のゴールを攻めることができる。
などを見ていると、やはり<かたい表現>だけでは、『実用日本語文法研究会』の価値がなくなってしまいますから、何とかすっきりさせたいですね。

また、私が最初のトピックの所に挙げた
>【要点】
>『みんなの日本語?(教師用指導書)』(p.28)には以下のような説明が見られます。
>・可能動詞を使う際には対象を示す助詞「を」は「が」に変わる。
>・「可能動詞になると、元の動詞の意志的な意味が失われ、状態を表すものとなる。
のうちの<可能動詞は…状態を表すものとなる>もきっちりした例文付きで検証する必要があると思います。


もう少し、いろいろな用例をあたりながら、考察を深めていくつもりですので、よろしくお願いします。
問題(1)みなさんが直感的にどのような違いを感じておられるか

「直感的」という文字に甘えて、感じたことを書きます。

可能動詞とスルコトガデキルは、(1)のような慣用化した表現を除けば、基本的にはほぼ入れ替え可能であり、どちらかを使わなければ非文法的になるというようなことはないように思います。←内省のみということでお許しください。

(1){いける/×いくことができる}口ですか?じゃあ、今度いっぱいいきましょう。
(2)マリアさんはパソコンを{使うことができますか/使えますか}。

ただし、文法レベルで置き換え可能な場合も、自然さや使用率のレベルでは当然違いがあると思います。そこが、今回の問題ですね。それで、その要因ですが、

1. 文体差
みなさんが書いていらっしゃるように、「書き言葉・改まった表現・かたい表現・公式な言葉・公的な言葉などなど」は確かに結構大きいと思います。

2. 可能の種類

(3)テレビをご覧の皆様にもクイズにご参加いただけます。(TBS「世界不思議発見」)
(3’)テレビをご覧の皆様にもクイズにご参加いただくことができます。
(4)(魚がやや古くなっている)この魚、まだ{食べられる/?食べることができる}でしょうか?

ichaさんの説明に「規則・規律といった事務的な表現」とありますが、(3)のようなルール説明ではコトガデキルのほうが落ち着くように感じます。一方、(4)は「食べる」という動作の対象である「魚」の状態(属性)を述べたもので、この場合は可能動詞のほうが落ち着くのではないでしょうか。
状況可能・能力可能なども含めて、こうした可能の種類も使い分けに関わっているような気がします。

あと、ちょっと疑問に思うことなのですが、可能動詞の場合、対象を「ヲ」で表示することもできますよね。ソンジンさんの例文も次のようにすればかなりよくなるのでは?

・?再犯が防げる/再犯を防げる
・?相手のゴールがせめられる/相手のゴールをせめられる

ちなみに、私は「再犯が防げる」は「相手のゴールがせめられる」ほどではないにしても、やはり少々しっくりこない感じがします。
いずれにしても、可能動詞の対象を示す格も今回の問題に関わってくるようですね。
[3:tintin]さん:
コメントありがとうございます。
10日間ほど間が空いてしまいましたが、お許しください。

決して、忘れていたわけではありません。兄弟トピックの
「可能動詞+ている」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19401966&comm_id=1243991
と共に、

この際、自動詞・自発・可能・受身などについてちょっとばかり整理してみようかと考えていたのです。

先日、大阪の誤◎◎研究会の例会でもその話が出ました。そして昨日、同会の世話役の方がメールにて
雑誌(日本語教育学会『日本語教育』93号)に、そのものズバリの論文が出ているとの情報をくださいました。

当該の論文は
青木ひろみ(1997)「自動詞における《可能》の表現形式と意味」
という題名です。今朝ほど、その論文にざっと目を通し、かなり核心を突いているものと感じました。

これをもう少し、じっくり読んで、われわれの目指す『実用日本語文法』のレベルにまでもっていきたいと考えているところです。

先ほど、この論文のコピーを取り、ファイルを作成しました。著作権の問題もあり、この場に公開することはできませんが、これをご覧の方で、ご希望の方がいらっしゃいましたら、私宛の<メッセージ>にてお知らせください。

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