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立川談志(立川流家元)コミュの「ひとり会」  プログラム

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先日の「ひとり会〜冬春三夜〜第一夜」のプログラムが、あまりにも興味深かったので、行かれなかった方に、見ていただきたいと思い、前文を写してみました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

?暮れ?の独演会の「芝濱」のことにチョイト触れる。照れも遠慮も
あるものか、すさまじい芸であった。
神が(芸術(ミューズ)の神か)立川談志を通して語った如くに思えた。
最後はもう談志は高座に居なくなった。 
茫然自失、終わっても観客は動けず、演者も同様立てず、幕を閉めたが、又開けた、
又閉めて、又開けた。
その間、演者は何も云えなかった。
たった一言、?一期一会、いい夜を有難う? としか云えなかった。
聞き手の仲のプロ、我が落語立川流顧問の吉川潮も同様であった。
楽屋に何の偶然か来ていた談春、志らくも同じである。
終わって感想、感謝の弁さえなかった。
打ち上げはいつもの銀座の「美弥」という小さな酒場で、此処でも「芝濱」の話は出なかった。
娘がやっているBARには小生のファンも「芝濱」の感想を思い思い語り合っていたそうだ。
こういう文を書くことに人一倍照れるこの私、家元も己にまけ、芸の神に謝し、この文となった。
書いて置きたかったのである。


もう出来ない、二度と出来まい。
この為に、立川談志を七十数年も生かして置いてくれたのか。
?ハイ、出来上がり?と神は云っているのか。
ならば愚痴愚痴、グチのこの二、三年の総仕上げであったのか。
ならば立川談志生きててよかった。
実は何度?死にたい?と思ったことかよ・・・。
あの「芝濱」は人生、落語家の総仕上がりであったのか。
だとすると、あとは抜け殻 ?談志の抜け殻でござい?と「よかちょろ」のフレーズとなるのかも・・・。
けど?続ける?という他に方法を知らない。どうすりゃいいのさ思案橋。
いや、「談志ひとり会」という名の抜け殻か、次へのつなぎか、時間の処理か。
一応家元 ?落語とは何か?ということに対して結論もある。
加えてこの二、三年の体力の衰え、己の自尊心が、それをどこまで許せるのか。
妥協して、時間を過ごすことでいいじゃないかというお客の慈悲はあってもそれもなァ・・・。
けど、演るなら立川談志、その空間を「老い」という言い訳を通して過ごせるものか。
まだ全くダメではないという気もある。 生来の強気か、ヤケクソか。
でも、でも、あの「芝濱」が・・・よそう、 もう散々云った、 いや書いた。
並みの談志、いや噺家に近い部分から又始めるか、狂いそうな日々なのである。
″助けて呉れぇー? といったとして、何処に救いがあるものか。
いっヤケクソにでもなるか。
そこそこ演れる噺もあるかも知れない。「松曳き」に「堀の内」、 もう「五人廻し」、「居残り」は出来まい。
ならいっそ出来る処まで演るか。 ″ヘイ 「居残り」の中でございます・・・?とネ。


元気な、いや、今まで生きてきた肉体状況にはほど遠い今日。
不快、不安、辛い日々。
元来、酒飲みではない家元は少量のビールと薬でごまかし酔っている。″ナニ、それ程度で気にするな?と
私の信用する医師もいってはくれてるし、それは正解と思えども、くどい様だが不快は不快、狂いそうなのだ。
もうやめる ″お前は「人生成り行き」と常々云っているではないか?と叱られそうであり、己でも反省をしている。
まだ愚痴っているが・・・。

NHKで「立川談志十時間」という私にとってもすさまじいと云える番組が三月にある。
出版、ラジオ、TVのレギュラー、公演もあるし、弟子達の会にふらっと出てもみるか。
やる事はいくらでもある、それなのに・・・。
?ああ、それなのに、それなのにねえ
懐かしの「美ち奴」の唄である。
さあ来い、居直るか、ヤケンなるか。
都都逸に
草に寝て、露に濡れてる
身を持ちながら
何の不足で虫は鳴く

ごめんなァ、ご免よ 、まだまだ世にモテているのに、この始末を、この文を謝る。


                            立川流落語会家元 立川談志

コメント(14)

ありがとうございます。
私は、ひとり会はチケットが取れず、残念に思っていたのですが……「芝濱」は本当によかったです。師匠があの「芝濱」をどう感じているか、一端を知ることができて、嬉しいです。
書き込み 有難うございます。

このプログラムは「芝濱」をご覧になった方々のほうが、読む価値が有ると思い載せてみました。
私は見に行けませんでしたが、評判はあちこちで伺っていましたので、家元本人からの
お話は貴重ですよね。
ありがとうございました。

私は自分が足を運んだ会のひとり会のプログラムは全部、持ってます。
師匠が書く文章は、照れとダンディズムがいい塩梅に混ざった
独特の文体だと思います。
かっこいい。
かっこいいー    はぁー 。。。。

載せて下さってありがとうございます。
なんか、泣けてきたというか、胸が熱くなってきました。
あぁ、本当にその場にいた人が羨ましい。
貴重な文章読ませていただき、ありがとうございます。

あの芝浜を観た者としては、贔屓目なしに家元の仰る通りだと思います。
そして、近年の立川談志であるが故の葛藤も、僕はファン歴が浅いながらも理解できる部分があるので複雑です。
ただ、まだまだ観ていたいですよ。観続けます。

文章掲載ありがとうございます!

実は昨年辺りから生で観るのを避けていました。

その代わり、談笑やブラックなどの弟子を観て、家元の偉大さを実感していました。

3月の特番が楽しみです
貴重な文章を載せて頂き、ありがとうございます。
あの芝浜を見ていた者として興味深く読ませて頂きました。
初心者の私は、最近著書を片っ端から読んでいるところです…。

3月の特番も、今から凄く楽しみです。。
このトピックを開いたqueitaと申します。
この度は、たくさんの方に、書き込んでいただき、有難うございます。

実は、このトピックスをご覧になった方から、本文に一箇所抜けていた部分が
あることを教えていただきました。
改めて、全文を書き写しましたのでご了承ください。
(抜けていた箇所は12行目あたりからです)
大事な家元の文章を間違った形でお伝えしてしまい、誠に申し訳ございません。



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?暮れ?の独演会の「芝濱」のことにチョイト触れる。照れも遠慮も
あるものか、すさまじい芸であった。
神が(芸術(ミューズ)の神か)立川談志を通して語った如くに思えた。
最後はもう談志は高座に居なくなった。 
茫然自失、終わっても観客は動けず、演者も同様立てず、幕を閉めたが、又開けた、
又閉めて、又開けた。
その間、演者は何も云えなかった。
たった一言、?一期一会、いい夜を有難う? としか云えなかった。
聞き手の中のプロ、我が落語立川流顧問の吉川潮も同様であった。
楽屋に何の偶然か来ていた談春、志らくも同じである。
終わって感想、感謝の弁さえなかった。
打ち上げはいつもの銀座の「美弥」という小さな酒場で、此処でも「芝濱」の話は出なかった。
娘がやっているBARには小生のファンも「芝濱」を聴き、その店に参じたが、その話は出なかった、
という娘のハナシで、三日、四日、五日たって、初めてその場で「芝濱」の感想を思い思い語り合っていたそうだ。
こういう文を書くことに人一倍照れるこの私、家元も己にまけ、芸の神に謝し、この文となった。
書いて置きたかったのである。


もう出来ない、二度と出来まい。
この為に、立川談志を七十数年も生かして置いてくれたのか。
?ハイ、出来上がり?と神は云っているのか。
ならば愚痴愚痴、グチのこの二、三年の総仕上げであったのか。
ならば立川談志生きててよかった。
実は何度?死にたい?と思ったことかよ・・・。
あの「芝濱」は人生、落語家の総仕上がりであったのか。
だとすると、あとは抜け殻 ?談志の抜け殻でござい?と「よかちょろ」のフレーズとなるのかも・・・。
けど?続ける?という他に方法を知らない。どうすりゃいいのさ思案橋。
いや、「談志ひとり会」という名の抜け殻か、次へのつなぎか、時間の処理か。
一応家元 ?落語とは何か?ということに対して結論もある。
加えてこの二、三年の体力の衰え、己の自尊心が、それをどこまで許せるのか。
妥協して、時間を過ごすことでいいじゃないかというお客の慈悲はあってもそれもなァ・・・。
けど、演るなら立川談志、その空間を「老い」という言い訳を通して過ごせるものか。
まだ全くダメではないという気もある。 生来のの強気か、ヤケクソか。
でも、でも、あの「芝濱」が・・・よそう、 もう散々云った、 いや書いた。
並みの談志、いや噺家に近い部分から又始めるか、狂いそうな日々なのである。
″助けて呉れぇー? といったとして、何処に救いがあるものか。
いっヤケクソにでもなるか。
そこそこ演れる噺もあるかも知れない。「松曳き」に「堀の内」、 もう「五人廻し」、「居残り」は出来まい。
ならいっそ出来る処まで演るか。 ″ヘイ 「居残り」の中でございます・・・?とネ。


元気な、いや、今まで生きてきた肉体状況にはほど遠い今日。
不快、不安、辛い日々。
元来、酒飲みではない家元は少量のビールと薬でごまかし酔っている。″ナニ、それ程度で気にするな?と
私の信用する医師もいってはくれてるし、それは正解と思えども、くどい様だが不快は不快、狂いそうなのだ。
もうやめる ″お前は「人生成り行き」と常々云っているではないか?と叱られそうであり、己でも反省をしている。
まだ愚痴っているが・・・。

NHKで「立川談志十時間」という私にとってもすさまじいと云える番組が三月にある。
出版、ラジオ、TVのレギュラー、公演もあるし、弟子達の会にふらっと出てもみるか。
やる事はいくらでもある、それなのに・・・。

?ああ、それなのに、それなのにねえ
懐かしの「美ち奴」の唄である。
さあ来い、居直るか、ヤケンなるか。
都都逸に
草に寝て、露に濡れてる
身を持ちながら
何の不足で虫は鳴く

ごめんなァ、ご免よ 、まだまだ世にモテているのに、この始末を、この文を謝る。


                        落語立川流 家元 立川談志
ひとり会にはいけなかったが、よみうりの芝浜にはしびれた。
最初、談志家元の調子は悪かった。
しかし、終盤、家元の姿は大きくなり、気が付けば
ホール中が家元の姿で一杯になっていた。

あの家元の姿を忘れる事が出来ず、また追いかける力、
生きる力をもらった気がしています。

この文章からも、家元の思いが伝わりました。

ありがとうございました。



あぁ、その芝濱は撮っていなかったのですかね?

斯様なトピックがあるので、第二夜のプログラムの文章を転載しておきます。

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『談志ひとり会〜冬春三夜〜』 第二夜  平成20年3月18日(火)

 「ひとり会」という名稱[な]を付けて始めたが、この呼び方も噺家共は皆使うようになった。
 話は変わるが、その昔「落語名人会」が出来たときに「前座名人会」という洒落にもならない名を付けて呆れ返った頃があったのを覚えているが、ナニ、今更今日当たり前で不思議でも気が狂っている訳でもない。
  ――――――    ○    ―――――――
 で、この「ひとり会」、“何か淋しそうだなァ”と言った友人も多くいた・・・ま、いいや。で、例通りで今日まできたのだが、何と不思議、その間、何十年か、五十年は経ったろう、この立川談志のひとり会を聴きにきた噺家は何と一人もいないのだ。まァ、丁度その前を通りかかった奴や、犬小屋ァ覗き込むようにチラッと見た奴ぁいたろうが家元は知らナイ。
 噺家ってなァ、そんなものかネ、そんなもんなんだネ。家元[あたし]は行ったがネ。他人の会は勿論のこと、映画、演劇、見せ物、ショウ、ストリップ・・・ま、いいか。
“面白くねぇから行かねぇ”そうなのかネ。談志の噺は能書きが多くて、第一よく判らねぇからなのかネ。いづれにしても聞きに来ないよ。俺は・・・近頃・・・いや、でも前を通ると覗くときがあるよ。すぐ食べた物を戻したくなって出るがネ。ま、十秒ぐらいは我慢するか。
 何も今更噺家を相手にすることもないが、あのいまだに演っている「笑点」という番組、あれを作ったのは一生の不覚であった。今でも名前を取り上げられないもんかネ。
  ――――――    ○    ―――――――
 話があまりに下品になったので変える。どう変える、あのネ、私達が昔から使った古い言葉、あれ、もっと使わねえかなァ。バカでもいいから噺家なら使う処もあるだろうに。バカは駄目かぁ・・・。
  ――――――    ○    ―――――――
 いい言葉があった。ア・ト・ランダムに並べてみる。
『埒もねえわさ』小吉だネ、『沙汰の限りだ』、『あろうことか、あるめえことか・・・』、『今日様に申し訳ない』、『この辺で手を打とうぢゃねえか』、『馬鹿の大喰い』、『物事限りがあるもんだぜ』、『実の無え野郎だ』、『人前に出す面ぢゃあねえや』、『お天道様はお見通しだい』、『よくああゆう事をして平気で天下の往来を歩けるネ』、『こってだって情けってのがあらあな』、『両親[おや]の面が見てえネ』、これ全然違う意味で週刊誌でやっている。『世の中二ついい事はないもんで』、『犬畜生ぢゃああるないし』、『世の中ほどほどですよネ』、『オイ、勘弁してやれよ、忘れてやれよ』、『慈悲ってものがあるよ』、『謝れ謝れ』、『逃げも隠れもしねえから』
 あるある、探しゃ一日楽しんでられらァ。
  ――――――    ○    ―――――――
 春風がこんなに待ち遠しかったのは初めてだ。そして桃の花の色彩[いろ]が・・・。
 家元、身体が参ってきました。声が出るかなァ。
 『甘えちゃ不可ねえ』か・・・。

             落語立川流 家元 立川談志

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(野暮を承知の上で…)“小吉”とは「勝小吉」のことでしょう。

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