真のキリスト・ニューエルサレムコミュの説教集７　日常の祈り

『日常の祈りについて』　 Ｄ・ローズ牧師

テーマ聖句『しかし、聞いているあなた方に言う、敵を愛し、憎むも者に親切にせよ。』（ルカによる福音書6・27)

黙示録講解１１４８は、祈りについて述べてます。
要約すると、『祈りの中では天界からの流入があることを、私たちは殆んど気付いていません。････････しかし、そのなかで、主がわたしたちの心を照らしてくださり、どのように祈るべきかを教えてくださると言うこと、しゅがわたしたちの方に顔を向けてくださること、また自分では何一つ良い事が出来ないから、主にお助けを願わねばならないことを、私たちは知っているのです』と。

新約聖書のなかには、祈りについてギリシャ語で｢請い願うこと」を意味する言葉を使ってます。祈りは請い願う事なのです。聖なる著作は、いのりとは神との語り合いであると言っていますが、祈りの中でわたしたちは神に目を上げ、神と語り合い、神に何かを願うわけです。

その他、罪を悔い改める祈りがあります。神のみ前で自分の罪を告白する祈りです。悪を避けて、善に向かって前進することが出きるように力を求めます。(真のキリスト教５３９)
今日は特に、日常の祈りについて考えましょう。「主の祈り」や「食前の祈り」また「寝る前の祈り」などです。祈りは願いであると共に請い求めです。　　食前の祈りにしても、やはり主の祝福を願っています。

ダニエルは一日のうち３回祈りました。それは彼が、いつも神に求めている事を願っての祈りでした。だから一生懸命祈ったのです。
スウェーデンボルグも言っているように、祈りは神と人との交流であると共に、人が神に何かを請い求める事です。　　それは主なる神と人間との間の交流です。日曜日の礼拝も食前の祈りも、神との交流であり請い願いです。それにたいし、神からの答えが得られます。　実は、神との交流こそ、その応えであり、その中で願っている事が適えられるときなのです。
私たちが戸を叩く事によって、神は交流の扉を開いてくださいます。『戸を叩きなさい。そうすれば開かれるであろう。』と言うことは、主からのおん約束です。祈りを通して交流が開かれ、流入が行われます。その中で私たちは、神からの応え感知するのです。(天界の秘儀２５３５)

全ての交流の始めは種からです。　　　主が交流の扉をお開きになります。そこで神が与え、人はそれを受けます。

スウェーデンボルグは、｢主の祈り」をするとき、どのような流入が起るかを書いています。　わたしたちは「主の祈り」で、どのようなことが起っているかを気が付いていませんが、彼スウェーデンボルグにはそれが分かりました。　「主の祈り」のあいだ、その心は天に向かって大きく開かれました。そこから数え切れないほどのいろいろな流入がありました。
祈る人が感知できる以上の流入が行われているのです。(天界の秘儀６４７６)

スウェーデンボルグは、自分は一般的な流入を受けているに過ぎないと言っていますが、わたしたちは、流入の内容についてはほとんど知りません。　喜び、なぐさめ、希望など、ときとして感じる事もありますが、それは本当に僅かです。(天界の秘儀２５３５)
主に向かって「主よ、ありがとう御座います。」と感謝すときですら、わたしたちの感謝は神よりの恵です。
聖なる著作は、太陽に向かって開いているひまわりの花にたとえます。いつも太陽に向かって感謝を捧げています。　それと同時に太陽からの光と熱をいただいているのです。　　感謝は同時に恵みなのです。

食事のとき僅か20秒程度ですが、その祈りのなかで神に対し心の中に１つの状態を求めています。　すべては神からの恵であるということを、悟る心の状態を求めています。
神を信じない人とはまるで反対の心の状態です。
かれは自分の手、自分の能力がそれをやったと考えています。　自分で働いて食べているのだから、誰にも感謝する必要が無いと考えます。しかし感謝を忘れたら、それは動物の状態に落ち込み眠り込んでしまう事を意味します。　神に依存していることを忘れてしまうことは容易い事ですが、主はそれに対し言われます。　　『なぜ眠っているのか。起きて祈りなさい』と。

祈りを通してわたしたちは、しゅへのまったき依存関係を意識します。神に心を上げると、髪はわたしたちの心を照らしてくださいます。朝夕の礼拝、食前の祈り、日曜日の礼拝の祈りなどは、絶望に貧した時の祈りのような特殊なものではありませんが、その日常の祈りが大切なのです。

主が『私の家は祈りの家である』と言われたとき、しゅはひとりひとりの人間の心のなかを考えておられたでしょう。　主に向かって祈るとき、ひとりひとりが教会となります。
主は祈りを通しておあたえになる流入を持って、ご自分と教会を連結なさいます。(真のキリスト教１２５)

私たちは眠りにつく前に祈ります。わたしたちの心は祈りの家であるにもかかわらず、いろいろな思い煩いで乱されます。つまらない出来事への執着を持っているのです。　夜寝る前に、このような思い煩いからの開放を祈り求めます。　　　　詩篇作者は、
『わたしはあなたに向かって祈ります。私の声が、朝に夕に聞こえますように。わたしは心を高く上げて、あなたに向かって祈ります』と。
『夕べの供え物のように、私はあなたに向かって、手を広げます』。
また、
『わたしは朝に夕に、あなたに向かって声をあげ、あなたは私の声を聞かれます』とあります。
わたしたちの心の中に謙遜な思いが無い場合は、天使達はそれに注意を向けないとスウェーデンボルグは言っています。　　心の願いがあるなら、謙遜に願うのは当然です。　これは神のみまえに出ていくまえに最も大切な心構えです。　　　　わたしたちは跪まずいて心を低くし、繰り返し祈る習慣を身につけておく必要があります。　聖なる著作にもありますように、謙遜に祈らなければ、ただ空中に響くだけで天使たちの耳に入らないのです。(天界の秘儀７３９１)
天界にあって幼児たちは、最高の天使から謙遜に祈ることを教わります。
祈るあいだ、悪霊が怒り、憎しみ、復讐心など、悪い考えを与えないように祈りましょう。　悪霊たちはいつも、わたしたちの心に入り込もうとし、わたしたちの心の中に不満、いらだち、軽蔑、その他のいろいろの悪い考えを吹き込むのです。そして人々の心を地獄に向けるのです。　このような悪霊の流入を、主が防いでくださるように祈らなくてはなりません。　主は『誘惑に入らないよう、目覚めて祈りなさい』と言われます。わたしたちは、「目覚めて」「祈る」という二つのことから、たやすく離れ、「眠って」「祈らない」状態におちいります。
「主の祈り」は、文字通り、『主の』『祈り』です。主が教えてくださった祈り、主がなさった祈りです。　　この祈りは、祈りの中で最も感動的な祈りです。天使たちもこの「主の祈り」を、毎日この地上で信じるものが祈るように、祈ってます。
来世にあっては、天使たちの霊的な程度と姿は、「主の祈り」に対する反応で、すぐ現れます。　　　スウェーデンボルグは、この「主の祈り」自信が持っている意味から、いろいろなことを教わりました。　「主の祈り」のなかには、天界の全ての知識以上のもの、天使や人間が考え得る以上のものが、含まれていると言われます。
「主の祈り」の中でわたしたちの心は、主に向かって高く引き上げられます。　　ここに、私たちの想像を絶するような意味と内容があるのです。
人がこの｢主の祈り｣を唱える時に、主は祈る人共にいらっしゃいます。
｢主の祈り｣をとなえるたびに、天界から種々様々な流入があるとスウェーデンボルグは書いています。　毎日、｢主の祈り｣をとなえるたびに、いろいろいな違った流入があります。いまここで｢主の祈り」をゆっくり、噛みしめて味わいましょう。

『天界にいらっしゃる　　わたしたちのおとうさま、
　　あなたのお名前が　　　　　敬われますように、
　　あなたの　　み国が　　　やってきますように
　　あなたの　　み心が　　天界で行われているように、
　　　　　　　　　　　　　　この地上でも行われますように。
　　わたしたちの毎日の食べ物を　きょうもわたしたちに　
　　　　　　　　　　　　　　　　お与え下さい。
わたしたちに悪いことをする人を許しますから、わたしたちの悪いことを
許してください。
わたしたちを試練にあわせないで下さい

わたしたちを悪から救ってください。
あなたの　み国と　み力と　み栄えが、いつまでも限りなく続きますように。』　　　　アーメン。

もちろん、祈りの姿や時間それ自身は、外面的なのであり、内面的な意味はありません。祈りそれ自身に愛がなかったら、内的な意味は何もないのです。
ニューエルサレム教会では、祈りについても「役立ち」を教えています。
愛の心を持ってお互いに集まって祈ることを勧めます。　　愛なくしては、集まって祈っても意味がありません。

神を愛し、人を愛して祈るのです。
愛があってこそ、全ての中に意味が生まれてきます。　愛こそ全てのはじめであり終わりです。　　　　　　　　　　　　　アーメン。