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気になる mixi ニュース 保存版コミュの2018年08月21日メルカリなどで話題の中高生用の読書感想文を買ってみた! 現役教員が採点するとまさかの…

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http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=5253498&media_id=173

 熱戦が繰り広げられた高校野球。その「甲子園の土」がフリーマーケットアプリ「メルカリ」で出品されていることが判明し、日本高野連事務局長も「けしからん話。誠に遺憾」と憤慨した。だが、けしからん出品物は土だけではない。フリマアプリやオークションサイト「ヤフオク!」などでは、なんと「夏休みの宿題」の出品が横行している。今回、実際に売りに出されている、ある「読書感想文」を購入。現役の国語科教員に「採点」してもらい、昨今の読書感想文事情についても話を聞いた。

 メルカリやヤフオクを開いて「読書感想文」で検索するだけで、商品がずらりと表示される。内容は太宰治『走れメロス』、ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』など文学作品の王道から、村田沙耶香『コンビニ人間』、森絵都『カラフル』といった芥川賞・直木賞作家の作品まで幅広い。さらに商品を詳しく見ると、丁寧に「枚数は5枚程度」なる情報が書かれているものが多く、原稿用紙に手書き、もしくはワードで打ち込んだものをプリントアウトした商品が目立つ。少数派ながら、ルーズリーフに手書きしたものもあった。

 価格は500〜1000円の商品が多く、商品説明には「高校生の頃に書きました」「文学部卒業です」といった記述も。かつて自分が書いた宿題を売りに出す人もいるようだ。単行本が1冊1000円前後かかることを思えば「本を買うより安上がり」に感じるのか。さらに「急ぎの場合はメールで」などと手厚い対応を匂わす出品者もいた。

 記者が購入したのは太宰治『走れメロス』。教科書にも採用されており、いわば小中高と読書感想文の「ド定番」。400字詰めA4サイズの原稿用紙5枚で価格は800円。印字された文字は枠からはみ出すことなく読みやすい。その仕上がりの高さからも、出品にこなれた印象さえ受ける。実際にこの出品者は「オリジナル」として、他にも複数作品の感想文を出品していた。


 メルカリ、ヤフオクともに出品者・落札者ともに個人情報を開示せず取引できる匿名配送の機能もある。宿題を「売買」するなど、一見道義に反しているような行為だが、こうした個人情報の有無などが背徳を感じさせることがなく、販売の助長につながっているのかもしれない。また、メルカリはクレジットカードがなくても売買できるため、学生にとっても利用の敷居が低いのかもしれない。

 今回、感想文を見てもらったのは現役の高校国語科教員。800円のメロスの価値はいかほどか。

「正直、絶妙な作文だと思います。作品名にカギ(『』)を付けていない箇所があるのは気になりますが、コンクールに出品するような内容でも段落のミスや誤字脱字はつきもの。この作文の場合、あらすじは簡潔で感想とのバランスが良い。自分の経験が書いてあるのも高評価です。でも、ところどころ主語が抜けていたり、理由表現の物足りなさもある。『ここがもったいないな』と思わせてくる完璧じゃない感じ。この拙さがリアルですね」

 仮にこの作文が提出されたとして、読書感想文コンクールに出品する可能性はあるのか。

「内容はまとまっているので、細かいところを指導して、出品する可能性は高いですね。出品の際に本人が書いたかどうかを確認するわけにもいきません。『疑われてしまった』と生徒が傷ついてしまう可能性もありますし……」

 価格帯についても「1時間程度のアルバイトで買える金額なので、購入する生徒が出るのもわかる」と困惑する。

 実は、「宿題代行」を謳う業者は10年前ほど前から存在している。こちらは完全なプロ集団。ある業者では有名大学・大学院卒業者や塾講師経験者がスタッフとなり、依頼者のニーズに合わせて感想文を作成しているという。ウェブページを見ると書籍の指定もでき、柔軟・迅速な対応が人気のようだ。しかし、その分値段は少々お高め。例えば、記者が購入した感想文(5枚、800円)と同じ枚数で依頼すると代行業者Aでは16,000円と約20倍。クオリティは高いといえ、大人でもためらう高さだった。


 一方、メルカリ対策に乗り出す学校もある。

 関西圏のある高校では提出された読書感想文は返却せず、校内で処分するようになった。

「生徒には『コンクールに出す作文は返せないので、返却と未返却があるのはフェアではない』と説明しています。ただ、それは建前。実際はメルカリへの出品が問題になっているから、対策として返却しないことになりました。とはいえ強制はできないので、手元に残したい人には後から言うように呼び掛けています。今のところ返却を申し出た生徒はいません」

■困難校では読書感想文ではなく「読書感想画」の提出も

 前述の高校教員によると、今求められている国語力は「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つ。適切なコミュニケーションを取り、日本語で自分の考えを落とし込めるかどうかが問われているという。その中で、読書感想文は「正しく読み、考えを落とし込み、表現する」という創造的な力を見る指標にもなっている。

 しかし、学校によっては学力が届かず、感想文を書かせるまでに至らないこともあるという。

「いわゆる困難校と呼ばれる学校では文章を書くことへの指導が追い付いていません。そんな状態で書かせるのは酷なので、『読書感想画』を導入しているところもあります。これも、ネットで購入したり、盗作の可能性もあるので、提出時に『主人公は誰か』『このシーンはどうだったか』という質問をして、読んだかどうかの裏付けをしています」

 美術課題ではないため画力は問わず、文章から情景がイメージできているかがポイント。また、任意課題のため成績が悪い生徒にとっては救済措置的な扱いにもなっているという。

 そこまでして読書感想文を課す意味はあるのか。

「そこが難しいところです。ただ、感想文自体が慣習化してしまっている。正直、忙しすぎて読書感想文を見切れないこともあるので、出したか出していないかの確認でとどまることも。以前いた高校では生徒同士で輪読させて、投票が多かったものを教員が読み、コンクール出品作を選んでいました。今の状態では生徒も教員もお互いに負担になっている」(前出・高校教員)

 教員の長時間労働が問題になっているが、読書感想文のネット販売なども含めて「夏休みの宿題」も見直しが必要なのかもしれない。(AERA dot. 編集部・福井しほ)

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