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気になる mixi ニュース 保存版コミュの2018年08月20日 児童虐待は未然に防げないのか? 児童相談所が抱える根本的な課題とは

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http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=5251238&media_id=173

 東京目黒区の船戸結愛ちゃんが父親から暴行を受けたとして死亡した事件をはじめ、虐待で命を落とす子どもが後を絶たない。虐待死事件が発生すると、批判と非難の矢面に立たされるのが児童相談所だ。しかし、向き合う仕事の実態はあまり知られていない。朝日新聞記者・大久保真紀が『ルポ 児童相談所』で明らかにした虐待対応の最前線とは。

*  *  *
「担当を振ろうとすると、最近みな目を伏せるんですよね」

 虐待の初期対応チームのトップを務める課長の上原民子はため息をついた。

 午後6時20分。警察官が16歳の女子高校生を連れて、児童相談所にやってきた。子どもが警察に自ら足を運んで助けを求めたケースだ。

 すでに、30分ほど前には警察から電話連絡が入り、児童相談所は女子高校生を一時保護する方向で動いていた。上原の指示で、女子高校生が暮らす自治体に連絡して家族状況を確認。同時に、本人が通う高校に電話し、それとともに、きょうだいの通う小学校にも連絡して、きょうだいへの虐待の兆候がないかどうかなどについても、職員が手分けして情報収集に動いていた。

 そんな中で、女子高校生本人が児童相談所に到着したのだ。すぐに話を聞かなくてはならない。

 だが、初期対応チームのワーカー(児童福祉司)はみな手がふさがっていた。数日前に一時保護した子どもの保護者と電話で話しているワーカー、一時保護中の別の高校生が通う学校と打ち合わせ中のワーカー、一時保護した子どもの親と面接室で面談中のワーカー……。

「人がいない!!」

 上原は思わず声をあげた。「自分が対応するしかない」と思ったが、数日前に一時保護したケースについて地元の自治体から相談の電話が入ってきてしまった。取り次ぎの職員によると、急いでいるとのことだ。この電話には出ざるをえない。

 電話に手を伸ばそうとしていると、ほかの職員から、受付に「課長に会いたい」と予約なしで来た別の親が待っているとのメモが差し出された。上原は受話器を取りながら、受付の職員に向かって言った。

「いま緊急対応中です。今日は対応することは難しいので、こちらから連絡すると、待っているその親御さんを説得してください」

 複数のケースにわたる、さまざまな対応が同時進行している。初期対応チームはてんてこ舞いだ。

 自治体との電話を終えた上原は、

「だれか彼女(一時保護する女子高校生)のために(夕食用の)弁当を買ってきて!」

と叫び、手の空いていたほかの課の職員と2人で面接室に向かった。

 約40分後、女子高校生と警察からの聞き取りを終えた上原は、自席に戻り、今度は女子高校生の母親に電話を入れた。

「娘さんを一時保護させてもらいました。しばらく保護することになるので、洋服などを持ってきてもらえないでしょうか」

 しかし、母親からの返事は、

「車がないから、行けない」
「こちらから一度担当ワーカーが行きますから。用意をお願いします」

 と上原は電話を切った。

 親とのやりとりに、苦労することは少なくない。生活保護世帯だったり、養育困難家庭だったり、精神的な疾患があったり、保護者自身がしんどさを抱えているケースが大半だ。いらだちや不安、不満が刃となって児童相談所に向けられる。その対応が、ワーカーたちの忙しさに拍車をかける。

 翌日、女子高校生の洋服や身の回りのものを取りに、担当のワーカーが母親のもとに向かった。

 その数日後、今度は母親が児童相談所に電話をしてきた。

「いま○○駅にいる。娘の携帯を解約したいから、いますぐ携帯を持ってきてほしい」

 担当ワーカーの加藤優子が丁寧な口調で「うかがうことはできません。児童相談所に来てもらえば対応できます」と伝えた。納得しない母親に何度も同じ言葉を繰り返した。

 その横では、ワーカーの山田愛が受話器を握って、懸命に話しかけていた。相手は、一時保護中の保育園児の母親だ。

「お母さん、めぐちゃんの髪を切ってもいいですか。とても長くなっていますから」

 子どもを預かる一時保護所で髪の毛を切ることを承諾してもらうためだ。子どもの様子を丁寧に説明し、納得してもらった。

 電話の後で、山田はため息を漏らした。

「めぐちゃんは、母親に暴力を振るわれて一時保護したんですけどね」

 気むずかしい親たちにはワーカーたちは特に気を遣って対応している。散髪や予防接種など、子どもにかかわることは手間がかかっても事前にこまめに連絡する。勝手に何かをやったとなって親との関係がこじれてしまえば、親は児童相談所の言うことに反発するだけになってしまうからだ。

 そうなってしまえば結局、子どものためにはならない。すべては子どものため、ワーカーたちは親にも気を配り、対応を続けている。

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