TBS系の日曜劇場(日曜夜21時)で放送されている戦時下の呉を舞台としたドラマ。2016年に上映されたアニメ映画がロングランとなっている中でドラマ化された本作は「special thanks to 映画『この世界の片隅に』制作委員会」というクレジットに対して製作委員会サイドが「一切関知しておりません」というコメントを出したり、原作者のこうの史代が「『六神合体ゴッドマーズ』よりは原作に近いんじゃないかな!?」とコメントを出したことが場外で話題となっているが、作品自体は、朝ドラ的なホームドラマに特化したことで、完成度の高い仕上がりになっている。役者陣も尾野真千子や二階堂ふみといった力のある女優を揃えているので、演技の応酬だけでも楽しめる。もちろん主演の松本穂香も北條すずを的確に演じており、内面描写も原作とは違う踏み込み方をしている。ただ、良くも悪くも日曜劇場という枠に特化しており、わかりやすくしすぎているところは評価が割れるところだろう。正直、説明過多に感じるところはあるのだが、それは今期のドラマ全般に感じることで、民放のプライムタイムで連ドラを放送すると、今はこうならざるを得ないのかもしれない。