気になる mixi ニュース保存版コミュの2018年08月01日西日本豪雨：原爆関連行事の中止相次ぐ　広島

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　西日本豪雨で死者１０８人、行方不明者６人と甚大な被害が出た広島県。６日の広島原爆の日に向け、自治体や住民が例年営んでいる慰霊行事やイベントが、今年は相次いで中止されている。行方不明者の捜索や復旧活動が続き、避難も長期化しているためだ。一方で、戦争犠牲者の追悼、平和への祈りの場を守り続けようと、規模を縮小して開催する動きもある。

　豪雨で８人が犠牲になった三原市では、８月４日に計画していた原爆死没者の追悼式が中止になった。市と市教委による共催で、毎年４００人ほどの市民が集まる式典だが、市職員が災害対応に追われて準備に手が回らなかったという。

　呉市は、７月末から開催する予定だった原爆被害を紹介するパネル展を取りやめた。会場となる市役所１階のスペースを急きょ、罹災（りさい）証明書の受け付け業務などに使用しなければならなくなった。同市の小山成則総務課長は「少しでも原爆について知ってもらう機会としたかったが、この状況では仕方ない」と肩を落とした。

　一方で、被爆者の慰霊の場だけは設けようという地域もある。土砂災害が相次いだ広島市安芸区の瀬野川地区では豪雨の後、１９９４年から毎年続く追悼式の中止が検討された。しかし、被爆者らでつくる実行委員会の中から「平和への思いを途切れさせてはいけない」との声が上がり、先月２３日に例年よりも簡素化して実施した。

　会場となった公園は土砂やがれきの仮置き場となっており、式典では豪雨の犠牲者に対しても黙とうをささげたという。被爆２世で実行委メンバーの山野井恵子さん（６７）は「四半世紀の取り組みを途絶えさせたくなかった」と振り返った。

　江田島市では先月２８日に予定していた慰霊祭が中止となった。しかし、「何もしないのは申し訳ない」と数人の有志が慰霊碑の前に集まって供養したという。【佐藤英里奈】