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透析らいふ ミクシイ支店コミュの「第7回南大阪透析ナースセミナー」 レポート

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5月21日(土) 和泉シティプラザにて「第7回南大阪透析ナースセミナー」が開催されました。
以前にも話しましたが、私はこのセミナー世話人のひとりでございます。そろそろ引退なんて声も聞こえてきそうですが(笑)

このセミナーは年に2回ありまして、その準備に2か月ごとくらい世話人が集まって話し合っています。

今回のセミナーの内容は、2部構成で、第1部は基礎講座として「内服・注射」をテーマに、
済生会富田林病院透析室看護師 堀川先生の「薬のたどる道」というタイトルで講演していただきました。参加者は82名くらいだったかな。いつもよりちょっと少な目。

堀川先生は今年、透析認定看護師を取得されている大変勉強家なお方。私とは飲み友達でもありますので、飲み会でも真面目な話になると、仕事的にも人間的にも勉強させてもらえる尊敬できる方です。

今回の講演も薬というかなり難しい分野にも関わらず、わかりやすく講演していただけました。

透析患者さんにとってのお薬とは、残念ながら腎不全を根本から治したり、透析前の状態に戻すということはできません。しかし、症状を抑えたり重大な合併症を予防するために大切な役割があります。
人間の体には自然治癒能力というものがありますから、薬はその手伝いをするものであり、薬の投与は症状の緩和と解消が目的であると考えてよいでしょう。

薬物動態には、吸収  分布 代謝  排泄という4つの過程があり、この4つの過程の頭文字をとってADMEと呼んだりもする。

経口投与された薬は、おもに小腸から吸収されます。小腸の内壁の粘膜には、腸絨毛と呼ばれるテニスコート1面分の表面積にもなる無数の突起がある細かい毛がたくさんありま、ここから、薬の成分が吸収され絨毛の細胞に入り込んで門脈を経て肝臓に行くと言われています。

注射薬や坐薬などは、投与した部位の末梢血管に入り、そのまま心臓にいき、全身へと運ばれます。
口から飲む内服薬とは違い、肝臓を通らずに直接心臓にいきます。よって注射薬・外用薬は体内への吸収が早いということになります。

また、同じ成分の薬でも吸収のされ方が異なることがあります。吸収されるスピードが速すぎると、
薬の成分に対する血液濃度が高くなりすぎて過剰反応を引き起こします。例を上げれば、グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗剤を一緒に飲むと吸収が増し、作用が増強するということです。
逆に遅すぎると、薬の大半は吸収されずに便と一緒に排泄されてしまいます。
このように吸収が速すぎても遅すぎてもいけないのですが、年齢や食べ物・その他の薬・消化器疾患などによって、薬の吸収が左右されることがあります。

例えば、高齢者では、胃腸の調子から錠剤やカプセルが溶けずにそのまま便として排泄されることもありますし、消化管での食べものの通過を促進する下剤を使ったりすると、薬の吸収が低下する場合があります。
また、消化管の一部を手術で切除した場合も、薬の吸収に影響することがあると言われています。
医師は、くすりの吸収を考慮して処方されていると思いますが、このような要因によって効果が左右してしまうことがありますので、私たち看護師も患者さんの状態をとらえて、薬剤に関する視点を持って観察していくことも必要なのだと思います。

門脈を経て肝臓へ移行した経口薬、投薬した部位の末梢血管から血液中に入った注射薬・外用薬は、血液循環に入って全身を巡り、色々な組織の細胞に入り込んでいきます。これが分布に当たります。
血流速度は大動脈で秒速40〜50?、毛細血管で秒速0.07?といわれているので、心臓から出て心臓に戻ってくるまでの血液の平均循環時間は1分くらいしかかかりません。

薬にはそれぞれ特性があり、成分によってどこの組織の細胞に入りやすいかが決定されています。これを薬の親和性といいます。
薬の分布に影響するものとして、・血流の量と濃度・毛細血管の透過性・血漿タンパク質があります。なかでも、分布に大きく影響するものとしては、血漿タンパクと薬が結合すると組織への移行がスムーズではなくなると言われています。
分布しているときの血液中では、薬の多くは血漿タンパクと呼ばれるタンパク質と結合することになりますが、結合しなかったものが薬として効果をあらわし始めます。
(結合していないくすりが分散し、血液中の薬の濃度が低下すると、タンパク質に結合していた薬が徐々に放出されていくこともあります。)
また、脳、精巣、胎盤など重要な臓器には物質の移行を制限する関門が存在し、必要な物は取り入れ、いらないものを吐き出すというトランスポーターが存在しています。

薬の多くは、化学物質なので体にとってはほとんどが異物です。
そのまま体の中にあると、中毒症状や副作用を起こす危険性が高くなってしまいますので、体に入った薬は、いつまでも体内にとどまっていることはありません。薬を分解して、代謝が行われて血液中の薬の濃度は低くなっていきます。
もっとわかりやすく言えば、体内に入ったくすりが分解(無毒化)されて、効果を失って体外に出ていける状態になるということです。

肝臓は一種の解毒作用として薬の代謝・分解を行います。
肝臓に送られた薬は、代謝酵素により、酸化・還元など、様々な化学反応を受けて代謝されます。
この代謝には第1段階と第2段階があります。

代表的な代謝酵素として(チトクロームPヨンゴウゼロ)があります。まず、第一段階として代謝酵素の酸化還元反応で水に溶けやすい物質に分解されます。
第二段階では、高い水溶性を有する物質(グルクロン酸)と呼ばれるものと結合して、ほう合反応に進みます。それにより、さらに水に溶けやすくなり、排出されやすくなります。

肝臓を通過し、分解されたものは排泄されますが、分解されなかったものは血液にのって、目的の部位で効果を発揮することになります。そして、細胞に分布しきらなかった薬は、再び血液にのって肝臓に戻り、代謝されます。このように、薬は肝臓で代謝・通過を繰り返しながら、徐々に効果を失い、排泄されていきます。

次に、排泄ですが、薬は体にとって異物ですから、体外に排除しようとします。実際には、排泄による消失・あるいは、代謝によって薬という物質ではなくなってしまいます。
体内に入った薬物は代謝あるいは排泄により体から消失します。排泄経路としては腎臓から尿中への排泄、肝臓から胆汁中へ排泄され便と一緒に排泄されるものが主な排泄のルートです。
2つ以外の排泄ルートとして、微量ですが汗や唾液・母乳とか呼気などの中にも排泄されています。

腎臓が薬を排泄するしくみとして、糸球体による濾過では、血漿タンパクと結合していない物質を濾過します。
尿細管での再吸収では、糸球体で濾過された物質のうち、体に必須とされるアミノ酸などを尿中から血液中に取り込みます。
尿細管での分泌では、血液中に不要な物質を尿中に排出しています。
その働きの結果、尿素やリン酸などの代謝老廃物と共に、代謝された薬が尿のなかに入り排泄されます。
大きく分けると、腎排泄性と肝排泄性に分けることが出来ます。
水溶性薬物のほとんどは腎から未変化体の形で排泄される腎排泄性薬物です。腎機能の低下した透析患者では腎排泄性の薬物は蓄積して、副作用発現の危険があると言われています。

脂溶性の薬物のほとんどは、肝臓で代謝され、活性型ないし不活性型となり、腎臓ないし胆汁から排泄される肝排泄性薬物です。
肝排泄性薬物は原則的に減量の必要はないと言われていますが、代謝物が活性型薬剤となる場合や代謝物が毒性を持ち、排泄を腎に依存している場合は中毒作用を発現する危険があると言われています。

本日のまとめですが、透析患者さんにとって薬は、
肝代謝・腎代謝のどちらが代謝の中心であるか考えて行動することは大切である

脂溶性が高くタンパク結合率の高い薬剤は透析されにくい  

看護師は、患者の生活パターンを把握し、医療チームで連携を取り、透析を患者の日常生活の一部と捉え、生活を整えて、ライフステージに合わせた個別的な支援が重要であると考えます。

このようにわかりやすく講演してくれました。

私自身、薬に対する知識が薄く、どのようなしくみで薬は作用しているのか、内服薬の多い透析患者さんの薬の管理の重要性、透析看護師が把握しておかなければいいけない重要性をあらためて今回のセミナーで学びました。

もっと勉強しなくちゃと刺激をうけました。やっぱり勉強会はイイよね〜。

この後、もちろん飲みに行きましたよ。それでも夜中の2時くらいだったかな〜、帰りが(笑)

コメント(3)

shurika(しゅりか)さん>

早速のコメントありがとうございます。5月にあった勉強会なのに今更のレポート・・・

カレンダーから勉強会のスケジュールがわかりますので、もしよろしかったら参加してみてください。声をかけていただければ詳細を教えます。

DLNをお持ちなんですね。同じ仲間として頑張っていきましょう!!
私もできれば認定を取得したいところですが、知人に透析認定看護師が3名いますが、皆かしこく私にはちょいと卒業が無理なように思えます。といっても現状行けないですけどね。

ほんと、薬に関してはもっと透析看護師として目を向けるべきだと再認識させられました。

刺激は必要ですよね。でも、最近のスタッフは求める人が少なくなったような気がしてなりません。

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