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透析らいふ ミクシイ支店コミュの「第31回南大阪透析スタッフ談話会」レポート

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11月27日(土) 17:00〜

国際障害者交流センター(ビックアイ)

【プログラム】
一般演題 
1.「掻痒を訴える透析患者に関するアンケート調査」結果分析
医療法人宝生会PL病院 臨床工学技士室 児玉健一郎 先生

2.「血液透析患者におけるナルフラフィン塩酸塩製剤効果
〜かゆみの改善とQOLの向上を得られた1例〜」
かっぱちゃん

特別講演
「痒みの臨床」
ちとふな皮膚科クリニック 江畑俊哉 先生

つたない私ですが、レミッチカプセルの効果を得られた症例を発表しました。

内容はこちら↓

【はじめに】
透析患者は高い頻度で全身のかゆみを生じます。透析患者にとってかゆみは苦痛であり、掻破や睡眠障害などQOLに悪影響を及ぼします。透析患者のかゆみの原因は明らかではなく、皮膚の乾燥、透析不足、血清カルシウム×リン積の上昇、PTH値の上昇など原因は多岐にわたり特定できないのが現状です。

かゆみは、伝達経路から「末梢性」と「中枢性」のかゆみに分類されます。末梢性のかゆみは、皮膚に分布する知覚神経を介して大脳で認識されます。中枢性のかゆみは内因性オピオイドとその受容体を介して起こります。

透析患者のかゆみには、ヒスタミン反応に特有の紅斑(こうはん)、膨疹(ぼうしん)、紅暈(こううん)はみられなく、さらに透析患者では、オピオイドペプチドのひとつであるβエンドルフィンの血中濃度が高い。このβエンドルフィンがオピオイドμ受容体に結合するとかゆみが誘発されます。したがって、透析患者のかゆみの主たるものは中枢性のかゆみである可能性が高いとされています。

また、透析患者のかゆみには乾燥肌を伴っていることが高く、一次求心性ニューロンC線維の自由終末が皮膚表層まで伸長していることから、軽度の刺激によっても容易にかゆみが生じるようになります。このことから、透析患者のかゆみには中枢性の関与に加え、乾燥肌による末梢性のかゆみも関与していると報告されています。

内因性オピオイドが関与するかゆみでは、ダイノルフィンがオピオイドκ受容体に結合するとかゆみが抑制されます。透析患者では、μ受容体系がκ受容体系に対し優位であるため、かゆみが起こると言われています。

2009年3月から選択的にκ受容体を活性化させるナルフラフィン塩酸塩(以下レミッチカプセル)が発売され、血液透析患者のかゆみ改善に期待されています。

【目的】
全身のかゆみを訴える血液透析患者1症例に対し、レミッチカプセルの効果を評価したので報告します。

【症例】
70歳 男性
透析歴10年

透析条件は、HDFで置換量10ℓ、透析時間は5時間 血液流量は250ml/minです。
血液検査では、レミッチカプセル服用前で血清カルシウム値が9.5mg/dl リンが4.0mg/dl PTH−I が164pg/mlでした。

ADLは特に障害はなく、活動性が高い患者です。

皮膚は乾燥肌で、血液透析導入当初からかゆみはあったそうです。

【方法】
評価期間は平成22年7月28日〜11月19日の約4か月間です。
レミッチカプセル服用前後のかゆみの状況を鳥居薬品株式会社のかゆみ日誌を用いて聞き取り調査を行いました。また、かゆみの程度を、ビジュアルアナログスケール(以下VAS)を用いて評価しました。

頭部を除いてほぼ全身にかゆみを感じており、内服薬では、ヒスタミンH1受容体拮抗薬であるロラタジン、商品名で「クラリチンレディタブ」を服用。
外用薬として、ステロイドであるアンテベート軟膏や、尿素であるウレパールローションなどを使用しています。

VASは、55mm でした。

患者は、1日のうちに頻回かゆみを感じており、それらのかゆみは5分くらい続いているそうです。
空気の乾燥や、汗をかいた後、ストレスを感じたときにかゆみが出現することが多く、外出時より、家にいるほうがかゆみがあるという回答でした。

自宅では孫の手が欠かせなく、かゆみで夜間の熟睡ができない。
お風呂で麻のタオルで体を強く擦りすぎて傷を造ってしまったり、椅子の背もたれでかゆいところを擦りつけるなどの行為があったようです。
また、かゆみがあるため透析中もじっとしていられない状態でした。

ヒスタミン拮抗薬の内服と、ステロイドや保湿剤などの外用薬で効果があまり得られていなかった中、今年7月28日からレミッチカプセル2.5μgの内服を開始しました。

純粋なレミッチカプセルの効果を評価するため、かゆみが強い場合を除き、外用薬は使用せず、レミッチカプセルの内服のみで評価を行うことを患者に説明しました。

毎透析時にかゆみに対する聞き取りと、VASの評価を行っていきました。

【結果】
レミッチカプセル服用前である7月28日のVASは55mmありましたが、レミッチカプセルを内服して5日目の8月2日には、VASは35mmで昼間のかゆみが減った気がするとかゆみ軽減の効果が現れてきました。
服用約1か月後の9月1日には、昼間夜間ともにかゆみの出現がなくなりました。
10月22日時点でもかゆみはなく、VASもゼロで経過しています。
この間、外用薬の使用はなく、レミッチカプセルの内服のみの効果となります。

かゆみの感じる部位においては、レミッチカプセル内服14日目にはシャント肢のテープ固定部のかゆみのみとなり、服用早期から全身のかゆみ軽減の効果が現れています。

レミッチカプセル服用前では孫の手が欠かせなかった状況が、現在では孫の手がいらなくなり、かゆみで夜間の熟睡ができなかった状態がかゆみで起きることなく熟睡できるようになったそうです。
また、麻のタオルで体を強く擦りすぎて傷を造っていましたが、現在では普通に洗えるようになり、椅子の背もたれでかゆいところを擦りつけるなどの行為もなくなりました。

そして、かゆみで透析中もじっとしていられない状態でしたが、かゆみがなくなったため、透析中に読書が集中してできるようになりました。

尚、レミッチカプセル服用による不眠や便秘といった副作用の出現は、現在までありません。

かゆみの効果が継続していましたが、レミッチカプセル服用約4か月の11月に入り、背中を中心としたかゆみが出現しました。
かゆみは夜間に感じることが多く、入浴後にはかゆみが軽減するかたちをとっています。背中の肌は全体的に乾燥しており、VASは50mmありました。

現段階では、かゆみによる透析中の睡眠や読書に支障は起こっていません。

対処として、ウレパールローションなどで肌の保湿を促し、室内を加湿し空気の乾燥を予防することをアドバイスしています。

【考察】
VASによるかゆみの評価や、かゆみの感じる部位、かゆみの状態などの、かゆみの総合的評価は、レミッチカプセルの服用後から明らかに改善がみられました。
レミッチカプセル服用後から、入浴時のかゆみによる擦りすぎはなくなり、皮膚へのダメージも抑える結果となりました。

また、夜間の熟睡ができるようになったことや、かゆみでじっとしていられないほどだった透析中も読書に集中でき、快適な治療を受けられるようになったことはレミッチカプセルの服用によってQOLの改善が得られたものと考えます。

しかし、空気が乾燥する時期に合わせ背中のかゆみが出現しました。そのかゆみは入浴で軽減がされていることから、空気の乾燥に伴う乾燥肌の増強によって、かゆみが出現したものと考えられます。このことからも、レミッチカプセルの服用と平行し、従来の保湿剤や加湿などの末梢性のかゆみに対するアプローチも必要であると考えます。

また、不眠や便秘といったレミッチカプセル内服による副作用の出現もなく、患者にとって安全に使用ができたと考えます。

しかしながら、処方のしばりやコストが高く、処方条件の緩和や医療経済面から考えても改善の余地があると考えます。

【まとめ】
今回、透析導入時からかゆみに悩まされていた患者が、レミッチカプセルの内服によって明らかなかゆみの改善と、それに伴うQOLの向上を得られた症例を経験しました。そして、深刻な副作用もなく安全に使用可能でした。
また、従来の乾燥肌に対する保湿や、加湿などを上手に組み合わせれば、よりかゆみの抑制とQOLの向上につながると考えます。

こんな感じの発表をしました(笑)

私は透析に従事して13年くらいになるのですが、昔は透析患者さんは痒いもので、かゆみは仕方がないという認識でいました。同じような認識だったスタッフも多いと思います。(←私だけだったりして)

しかし、レミッチカプセルが発売されこの薬に興味を持ち勉強していくことで、透析患者さんの痒みに対しての考え方が変わっていく自分がいました。

腎移植をして痒みが消失した患者さんもいます。そのことからも、移植医療の増進と、人体の腎臓の性能により近い透析医療を我々は目指していかなければならない。

今回の研究の中で患者さんのインタビューから、痒みで夜間起きてしまい、背中に塗り薬を塗るために妻をたたき起こして塗ってもらっている。それも毎晩のように・・・・それが現状・・・・

当別講演の江畑先生の講演の中に、「かゆみは患者の予後を悪くする」というような内容がありました。
私は、かゆみは患者自身とその家族の予後をも悪くすると感じています。

そう考えたら、透析患者さんの痒みへのケアに対する意識も変わってきますよね。

透析患者さんのベースには乾燥肌があります。高いレミッチカプセルを使わなかったとしても、乾燥肌のケアを熱心に行うだけでもかなりのかゆみは軽減します。
もちろん、良質な透析やカルシウム、リンの管理も必要ですけどね。












        

コメント(3)

発表お疲れ様でした。
新薬に関する症例発表は難しかったかと思います。

私もレミッチを内服している患者さんを受け持つ機会があり、
はじめてVASの使用方法/白鳥の評価方法を
業者さんから教えてもらいながら
ケアしてきました。

かゆみの発生原因とても分かりやすかったです。
透析患者さんは内側から湧き出るようなかゆみと戦っていると聞きます。
内服だけでなく 普段のスキンケア(保湿・入浴方法・食生活・衣類など)も含め
総合的に看護していかなくてはならないので
かゆみ対策はスタッフにおいても難しいですよね。

そこで かっぱちゃんに質問です。

1.レミッチの内服時間は朝・夕どこでしたか?
  (透析前には除去され効果が落ちると聞きました。
   でも不眠という副作用があるので悩むところです。)

2.VASの評価はどの時点のかゆみを基準に測定しましたか?
  (かゆみはその時々で感じ方が変わるそうでして、
   一度落ち着いたかゆみが再燃するとその時がMAXにかゆく感じるそうです。
   そこがVAS評価のむずかしさだと業者さんが言ってました。)
  また、VAS評価は数字のある方/ない方を使用されましたか?


実際にVAS評価がかゆみのケアの中では難しく、
他のスタッフに依頼したくても
VAS評価自体をスタッフが知らないのが現状でした。

今後の参考にしたいので
ぜひぜひ教えてください<m(__)m>
あゆぽんさん>

基本的には、用法に夕食後か寝る前となっているはずです。副作用に不眠がありますが、今のところ出ている患者はいませんよ。

VASの評価は、あまり厳密にはこだわらず、昨日のかゆみは(全体的に)どのくらいでしたか? みたいに聞いたらよいと思いますよ。
数字のない方で患者さんには示してもらい、我々が数値側を使用します。

VASはとても簡単な評価方法ですよ。数名のスタッフでVAS評価の統一した手技を決めて始めたらどうでしょうか?
みんなは難しくても3名程度で専門的にやっていけばイイ感じになるんじゃないかな〜。

鳥居薬品にVASの勉強会を再度してもらうとかもイイのかもね。
レミッチ関連の資料も結構勉強になるから、鳥居薬品にもらったらイイと思います。新聞みたいなやつ。

必要なことは、スタッフが興味を持つことです。

かっぱちゃん ありがとうございます。
レミッチはアトピーにも効くかもしれない
肝炎(HBV・HCV)の患者さんに さらに効果を発すると聞きました。
昨年度の甲信越のJANNの研修でかゆみのケアを聞いてきたときに
5μgであれば朝夕で(2.5μgと2.5μg)試すのもどうでしょう
なんて 話も出ていたので質問してしまいました。

患者さん副作用って聞いただけで
反応が出てしまう方もいるので
軽く説明する程度が良いのでしょうか。
業者さんに聞いたところ 
目がさえるというよりは カフェインっぽい作用だそうです。

VASは使いやすいですね。
VASさえも知らないスタッフがいるのがうちの現状です。
私は ”一番かゆかった時をMAXとして今どれくらいか”
という質問をしていました。

多くの症例がでて、
今後の新薬の活用と透析患者のQOLの向上につながると良いですね。

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