赤、青、紫のジャケットに身を包んだ宇都宮隆、木根尚登、そして小室哲哉が、“母船”からの光に包まれてステージに降り立つ。TM NETWORKの再始動、そして単独公演を待ちわびたオーディエンスからは早くも大歓声が上がる。1曲目は「Fool On The Planet」。TM NETWORKの“特別な日本武道館公演”での「Fool On The Planet」といえば、1987年、初の単独武道館公演となった<TM NETWORK FANKS CRY-MAX>の、一度閉じた幕が再び開いた瞬間を思い出した人もいたはずだ。
実はこれ、4月24日の演出のひとつ。今回のライヴという形で展開された物語に即して考えてみると、1984年から始まった時間の流れの中で世間に発表した作品に、2012年のステージから縦横無尽にアクセスしてみせたTM NETWORK。彼らからの、「技術や科学の力」への警告のひとつだったのかもしれない。もっともそれは、<LOG-ON to 21st Century>のようなIT社会、情報社会への警告、といった深刻なものではなく、「未来といえども、科学技術(コンピューター)にはトラブルはある」といったような。
後半は、今回のライヴを通じてTM NETWORKからの「人間とは、どんな困難も乗り越えることが出来る素晴らしい生き物である」というメッセージに向かって突き進むセットリストが並ぶ。小室哲哉がキーボードに感情を叩きつければ、あの聴きなれたインパクトあるフレーズが問答無用にオーディエンスひとりひとりの中に衝動を引き起こす「Get Wild」。「Wild Heaven」では会場中が明るく照らされて、天井までぎっしりと埋め尽くした1万人が口々に歌いながら、突き上げた手が揺れる。多幸感に包まれたその光景は、まさに壮観の一言(余談だが、同曲を作詞した小室みつ子 氏も、同じようにこの景色を感慨深げに眺めていたのが印象的だった)。そして「Welcome to the FANKS!」という宇都宮の呼びかけからの「Be Together」で、武道館は完全に熱狂(言い換えるなら“エモーションはフォルテッシモ”)。一面が大きなフロアと化したかのような錯覚の中、誰もが心地良い音の粒、ビートの波に体を委ね、声を上げて体の奥底から酔いしれた。
最後、「Electric Prophet」を歌い終わった宇都宮がステージ上で手紙を拾う。横から覗きこむ小室と木根。そして、手紙をしまい、母船へと消えていく3人。24日の前編は、そんな「To be continued...」で幕を閉じた。これが何を意味するのかは、25日の後編で明らかになるのかもしれない。
01. OPENING(Instrumental) 02. Fool On The Planet 03. ACTION 04. 永遠のパスポート 05. Come on Let’s Everybody (Come on Let’s Dance+Come on everybody) 06. Love Train 07. Kiss You 08. GIRL 09. Nervous MC 10. I am MC 11. Just One Victory TK Key Solo 12. BEYOND THE TIME 13. Get Wild 14. Wild Heaven 15. Be Together 16. Self Control 17. Electric Prophet
01. OPENING(Instrumental) 02. We love the Earth 03. ACTION 04. Human System 05. SEVEN DAYS WAR 06. Come on Let’s Everybody (Come on Let’s Dance+Come on everybody) 07. GIVE YOU A BEAT 08. Nervous 09. 1974 TK Key Solo 10. BEYOND THE TIME MC 11. I am MC 12. Just One Victory 13. Get Wild 14. Wild Heaven 15. Be Together 16. Self Control 17. Electric Prophet 18. TIME MACHINE