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・・・コミュの ◎700人参加記念の作家紹介その10ロード・ダンセイニ

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小鳥 さんとのリクエストは

 稲垣足穂に大きな影響を与え、訳者で作家の荒俣宏の訳者で活動していた頃のペンネーム団精二(だんせいじ)の由来にもなる20世紀最大のファンタジー作家ともいわれているロード・ダンセイニの依頼があったので載せてみます。


○ロード・ダンセイニ(Lord Dunsany )1878年〜1957年

アイルランド出身のファンタジー・幻想作家で、ファンタジーの古典として現在でも世界中で広く読み継がれているファンタジー界の巨匠。当初は創作神話の作家として活躍していましたが、やがて幻想・ファンタジー作家に転身し、数多くの幻想的な短編や長編を残しました。

1878年7月24日〜1957年10月25日)は、本名をエドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット、18代ダンセイニ男爵(Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron Dunsany)と言う。首都ダブリンの北方ミーズ郡に領地を持ち、1439年から続くアイルランドの名門貴族であるダンセイニ男爵家の第18代当主でもありました。ロード・ダンセイニというのは彼の貴族としての称号をペンネームに用いたものです。
 ミーズにある12世紀に建てられたノルマン風の古城と、イングランドのケントにある屋敷で人生の大半を過ごしたといいます。アイルランド出身のファンタジー小説家、詩人、戯曲家。ダブリン近郊の名門貴族。イートンとサンドハーストに学び、ボーア戦争と第一次世界大戦に出征した。「ペガーナの神々」を代表とする6冊の初期短編集と長編「エルフランドの王女」によって20世紀のファンタジーに決定的な影響力を与えた。ウィリアム・バトラー・イェイツに誘われてアイルランド演劇運動のために一幕劇「光の門」を書き、劇作家としての履歴をスタートさせた。

小説家としてだけでなく、詩人、劇作家、翻訳家、エッセイストとしても活躍し、幅広い分野で文学的な業績を数多く残しています。そしてその一方で身長6フィート4インチという恵まれた体で軍人としても活躍。またスポーツマンで世界漫遊の旅に出るなど、活発的な人物もあったといいます。
 この点、軍人としては元近衛連隊の隊長で射撃の名手でもあり、南ア戦争や第一次世界大戦では負傷しながらも死力を尽くし、またチェスの腕前はロンドンのチェス・トーナメントで当時の世界チャンピオンと対戦して引き分けたほどでした。

 彼の作家活動は大きく分けて3期に分けられ、まず初期の頃は現実とは全く無関係の別世界を舞台にした神話的・寓話的な短編を数多く発表しました。処女作である1905年の「ぺガーナの神々」から1919年刊行の「三つの半球体の物語」までの計8編の短編集がこれにあたります。

 1920年代に入ると今度は長編に力を注ぎ始め、内容も別世界だけを語るのではなく、現実世界とも交錯する異世界を描いた作品を発表するようになります。処女長編である1922年刊行の「影の谷物語」をはじめ、「エルフランドの王女」「魔法使いの弟子」などの傑作がこの時期の作品にあたります。

 その後1930年頃から晩年に至っては、それまでの幻想的・ファンタスティックな要素を排し、リアリズムの手法で現実世界を描いた作品を発表するようになります。

 アイルランドの現実生活を描いた長編「賢女の呪い」や、軽やかなユーモアを交えた愉快なホラ話(tall tales)を多数執筆して人気を集め、1931年から晩年まで続くシリーズとなったジョーケンズものの短編群がこの時期の作品になります。

 第1期・第2期が幻想作家・ファンタジー作家としてのダンセイニを指し、とりわけ第1期の詩的で流れるような華麗な文体で書かれた短編群は、J・R・R・トールキン、H・P・ラヴクラフト、アーサー・C・クラークなど後世のファンタジー、ホラー、SF作家たちに多大な影響を与えています。

晩年のダンセイニは第一次大戦を最後に第一線を退き、大学講師を務めながら旅行と狩猟の趣味を楽しんだ。





邦訳書リスト
*世界の涯の物語 (川出書房新社)
夢見る人の物語 (川出書房新社)
時と神々の物語 (川出書房新社)
最後の夢の物語 (川出書房新社)
ペガーナの神々 (ハヤカワFT)
魔法の国の旅人 (ハヤカワFT)
魔法使いの弟子 (ちくま文庫)
エルフランドの王女 (沖積舎)
*ヤン川の舟唄 (国書刊行会)
風の谷年代記(妖精文庫)
影の谷年代記(妖精文庫)
牧神の祝福 (妖精文庫)

○短編集

*ダンセイニ幻想小説集 ブックスメタモルファス(荒俣宏訳/創土社/1972)
収録内容:ペガーナの神々/黎明を創る海の到来/神々の栄光のために/カイの洞窟/探索の悲しみ/消えた帝王/神々の秘密/人間の復讐/南風/予言者の夢/高利貸/川/ロマンスと人生/妖精のやからに近き者/サクノスを除いては破るあたわぬ堅砦/剣と偶像/ケンタウロスの花嫁/ギベリンの宝蔵/宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命/三人の文士にふりかかった有り得べき冒険/老門番の話/敵はいかにしてトルーンラーナを訪れたか/追剥/ウサギとカメに関する驚くべき真相/オットフォードの郵便夫/エメラルドの袋/ラメシスの娘/すばらしすぎた都市/海を望む峰ポルターニイズ/バブルクンドの崩壊/アンデルスプラッツの狂気/赤道の話/潮の満ち干するところ/彼はいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか/ベツムーラ/カルカッソーネ/ヴェレランの剣/電気王

*妖精族のむすめ 短篇集 ちくま文庫(荒俣宏訳/筑摩書房/1987)
収録内容:妖精族のむすめ/サクノスを除いては破るあたわぬ堅砦/ケンタウロスの花嫁/老門番の話/女王の涙をもとめて/サルニダクの慈悲/三人の文士にふりかかった有り得べき冒険/バブルクンドの崩壊/アンデルスプラッツの狂気/海を望む峰ポルターニイズ/ベツムーラ/ギベリンの宝蔵/宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命/かれはいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか/赤道の話/オットフォードの郵便夫/エメラルドの袋/追剥/ヴェレランの剣/カルカッソンヌ/五十一話集

*ヤン川の舟唄 バベルの図書館(原葵訳/国書刊行会/1991)
収録内容:潮が満ち引きする場所で/剣と偶像/カルカッソーネ/ヤン川の舟唄/野原/乞食の群れ/不幸交換商会/旅籠の一夜

*世界の涯の物語 河出文庫(中野善夫・中村融・安野玲・吉村満美子訳/河出書房新社/2004)
※短編集「The Book of Wonder」「Tales of Wonder」の全訳。
収録内容:ケンタウロスの花嫁/宝石屋サンゴブリンド、並びに彼を見舞った凶運にまつわる悲惨な物語/スフィンクスの館/三人の文士に降りかかった有り得べき冒険/偶像崇拝者ポンボの身の程知らずな願い/ボンバシャーナの戦利品/ミス・カビッジと伝説の国のドラゴン/女王の涙をもとめて/ギベリン族の宝蔵/ナス氏とノール族の知恵比べ/彼はいかにして予言の告げたごとく“絶無の都”へいたったのか/トーマス・シャップ氏の戴冠式/チュー・ブとシーミッシュ/脅威の窓/ロンドンの話/食卓の十三人/マリントン・ムーアの都/なぜ牛乳屋は夜明けに気づいたときに戦慄き震えたのか/黒衣の邪な老婆/強情な目をした鳥/老門番の話/ロマの略奪/海の秘密/アリが煤色の地を訪れた顛末/不幸交換商会/陸と海の物語/赤道の話/九死に一生/望楼/こうしてプラッシュ・グーは“誰も行こうとしない国”にやってきた/チェスの達人になった三人の水夫の話/流浪者クラブ/三つの悪魔のジョーク


○戯曲
*ダンセニイ戯曲全集(片山広子訳/警醒社書店/大正10)

*ダンセイニ戯曲集 (松村みね子訳/沖積舎/1991)
※ 片山広子と松村みね子は同一人物です。
収録内容:アルギメネス王/アラビヤ人の天幕/金文字の宣告/山の神々/光の門/おき忘れた帽子/旅宿の一夜/女王の敵/神々の笑い

コメント(1)

ありがとうございます。
最初に読んだのは、創土社「ダンセイニ幻想小説集」でした。
稲垣足穂の推薦文帯付きで、古いけどきれいなのに
神田古書祭りで捨て値でした。
その時は単純に安いし、稲垣足穂が推薦してるからというだけで
買ってみたのですが、その荘厳で幻想的な雰囲気、すばらしい創造力にひきこまれました。

まだこの世がはじまらぬ前の霧のなかで<宿命>と<偶然>が賽を振り、勝った方が「われのために神々を創れ」などと、とほうもないです。「勝ったのがどちらか知るものは誰ひとりいない ー」と、
この始まりを読んでしびれました。

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