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アガサ・クリスティーコミュの* 読書クラブ No.15 「オリエント急行の殺人」 *

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いよいよ8月になりました!

毎日焦げそうな暑さですね。

8月の本は私も大好きな「オリエント急行の殺人」です。

初めて読んだクリスティなので思い入れが深い一冊です。
私が持って本は中村 脳三さん訳のクリスティー文庫になります。

☆簡単なあらすじ↓☆
厳寒の季節に似合わず国際列車オリエント急行は世界各国からの乗客でいつになく混んでいた。一癖も二癖もある乗客たちが作る異様な雰囲気のなか、雪で立往生した車内で、老富豪が何者かに刺殺された。名探偵ポアロが腰を上げたが、乗客のすべてには堅牢なアリバイがあった…大胆なトリックに注目の著者の代表作。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

8月16日以降からのミステリネタ解禁でお願いいたします。
読んでいただける方を募っていますので、
どなたでも参加ご自由にどうぞ!


コメント(38)

 ポアロ物が続きますね。私のは新潮文庫「蕗沢忠枝さん」訳の初版が昭和35年のもの古いです。
 さすがの私も初版では持ってません・・・ちょうど映画公開の時期に買ったものですからカバーが映画の写真を使ってるものです。
 内容は覚えていますがじっくり再読したいと思います。
 
読み終わりました〜やっぱりこのお話は好きですねぇ。うずまき貝さんと同じハヤカワ版です。
昔この映画版も見ましたが、この手の映像化には苦手な私が結構楽しく観れたのを覚えてます。
 読み終わりました。結末がわかっていても楽しい作品です。

 ところで、写真に示したように映画公開に合わせてカバーは「オリエント急行殺人事件」と記されているのですが、文庫本体は「オリエント急行の殺人」という題名でした。
 カバー付け替えだけだったんだね!新潮文庫さん!今回久々に読んで気づいたびっくりでした。
あちいですね〜

オリエント急行の殺人
大好きな作品です。何度も読み返しました。
久しぶりによもう
約20年前、母の本で読みました。
今回は、図書館でネットで予約しようと一覧をみていて、
どの訳がいいかなあ、
いっそ、児童図書と表示されてあるのでも読んでみるか
などと迷っていたところ、ふと、
  原書を読もう 
というアイディアが浮かんでしまいました!!
そのときはグッドアイディアのつもりだったので、
勢いで英語のタイトルの本を予約し、
今日、それが手元に届きましたが…。
う〜ん、最後まで読めるでしょうか?
ちなみに、出版社はアメリカだったので、
厳密な意味で「原書」といえるかどうかはわかりませんが、
(イギリス英語をアメリカ英語に表現を
 書き換えているかもしれない??)
とにかく、英語にチャレンジですクローバー
ネタばれ後一番乗りです☆

密室ともいえる列車内が舞台ですから、戯曲とかでも楽しいだろうなぁと思ったりします。
私の本は蕗沢忠枝さん訳です。

真相の可能性を二つあると提示し、一つ目に不満たらたらのブック氏やコンスタンチン博士に
「今にきっと君も、この第一の解決に賛成なさるときが来るでしょう」
というポアロが、なんかポアロらしいなぁと、好きなセリフです。
超有名作品なのに、意外に読んだのは遅かったです。
何の予備知識もなく読んだので、一回目は意味がよくわからなくて、もう一度読み直した気がします。
意表をついたトリックにびっくりふらふら
いつも読んでいても全然犯人とかわからないんですが、これは特に絶対わからないですね悪魔
読み終わりました〜。
7月に1度読んで、
ストーリーをなぞり返すように8月に再度読みました。
雪で列車が止まったという設定が読んでてひんやりした気分になりました。
最初に読んだときは全員が犯人なんて知らなかったので衝撃でした!
何度読んでわかってても、トリックに騙されたい自分がいます。
わたしもてらっこさんと同じで、2つの答えを用意していた
ポアロの優しさが余韻に残りますよね。
実際に起こった事件をモデルにクリスティがペンをとって抗議した姿勢にも時間や国を超えて思うことが多かったです。
洋書で読んでいましたが、ようやく終わりました。
アメリカのBERKLEY社が2004年に出版したものです。
最後まで読めるかどうか心配でしたが、
日本人として平均的な英語力の私でも読めな
いことはありませんでした。
英語を読んでいてびっくりしたのは、
高校生のときに文法で習った「仮定法」が、
会話の中で頻繁につかわれていることです。
あと、この作品では、フランス語が
ところどころ、とびかっていました。

洋書で読んだという満足感はありますが、
読むのに数週間かかってしまったため、
最初のほうで読んだときに感じた手がかりを
忘れてしまったことは不便でした。
そして、「あの文章はどこで出てきたかな、見直そう」と
前のページをぱらぱらめくっても、やはり英語だと探しにくいです。
もしも、次に洋書にチャレンジするとしたら、短編にします。


20年前、和書で読んだ時もそうでしたが、
Princess Dragomiroff  と Mrs.Hubbard
の二人のキャラが、強烈な印象でした。

Princess Dragomiroffは、風格、威圧感があって、
まわりの人は、ははぁ〜と平伏したくなるタイプですよね。
身体が弱っているというのに、
周囲への支配力というのはすごいものがあります。
…とPrincess Dragomiroffのイメージを描写すると、
嫌な性格みたいになってしまいますが、
なぜかとても魅力を感じます。

Mrs.Hubbardは、人がよくておしゃべり好きの、
そのへんにいそうなおばさんキャラで、
実際に自分の近くにいれば迷惑に感じるでしょうけど、
遠くからみていれば、とてもおもしろい人ですよねえ。
でも、あれだけウワ〜とぐっちゃぐちゃに
余分なことをしゃべりまくる性格なのに、
旅行の荷物はきちんとコンパクトに小さく整頓されているというのは
どうにもミスマッチな気がします。
「心理学」が好きなクリスティですから、荷物のまとめ方ひとつから、
Mrs.Hubbardのキャラは、ニセモノだということを
示唆しようとしていたのではないでしょうか…。
あの騒々しいキャラなら、ポワロたちが荷物検査をするのが
うんざりしてしまうほど、安物のこまごましたもので
(現代でいえば、100円均一のアイディア商品とか、
 安いお土産の小物とかで)
雑然となっているほうが、ふさわしいのではないかと思いました。

あと、20年前の子どもの私ではあまりわからなかったのですが、
今回は、アメリカ人とイギリス人の性質の違いが
強調されているのがヒシヒシと伝わってきました。
文章中でも、旅行かばんに対して、
アメリカ人が口にするときは違う単語を使っていました。
こういうところは、がんばって英語を読んだ甲斐があったかもしれません。

もう、9月になってしまって、
私も次の「エヴァンズ…」にいきたいのですが、
せっかくですので、和書のオリエント急行を
読んで比べることにしました。
図書館で予約したのは、新潮文庫です。

長文失礼しました。
最初に書きます、長文になりましたので興味ない方は飛ばしてくださいあせあせ(飛び散る汗)

としちゃんさん、洋書読破すごいです、本当に尊敬します!!
お疲れさまでした〜(*^^)v

私は本気で平均的語学力以下!なので尊敬の念です!
わたしも本が好きなので「原文を読む」ということは作者が伝えたかった、意思・意図にもっとも近づけることではないのかな…。
と思いつつ訳書に甘んじてしまってますけど、
訳者でも訳し方の好みがあるので本当は原文で読む語学力があれば!とよく思います。特にクリスティでは。

Princess Dragomiroffは私は好きなキャラクターです。
風格・威厳もあるけれど、情や思いやり深いところ、がなんだか日本人の島国体質とにてる感じがして(大げさかな)。

Mrs.Hubbardも魅力的な人物ですよね。
最初はおしゃべりにうんざりしましたけど、少し、ミス・マープルの住む村、セント・メアリ・ミードを彷彿させるようで、
魅力的で愛すべきキャラクターだと思いました。

洋書を原文でクリアされたとしちゃんさんにとって、
和書を読み比べることによって、思わぬ訳しかたや訳者の意図が味わえますし、何より日本語で読む安心感があると思います。

読むのはご自分のペースで楽しんでくださいね〜。
今日、図書館でNHKアガサ・クリスティ紀行 
「ミステリーの生まれたところ」という本をかりてきました。
この本によると、乗車券はプレゼントに使われることが多く、往復3万円ほどで、半年ほどの状態は当たり前だというほど今でも人気があるそうですよ。




 はじめまして。今このコミュニティに参加しました。「オリエント急行の殺人」刃ちょうど最近飲んだ作品だったのですが、やはりアガサクリスティのトリックはすごいなあ、という感じでした。「そして誰もいなくなった」「三幕の殺人」などのトリックにも驚かされましたが、「オリエント急行の殺人」も名作といわれるだけあって、素晴らしいトリックでした。
 数多くの登場人物が、それぞれはっきり書き分けられていて、それぞれの人物が想像できるようないきいきした描写も良かったです。老公爵夫人が格好よかったです。
すいません、またしても長文になります。
しかも2回に分けて投稿します。
興味のない人、携帯で読んでいる人、ごめんなさい。
私にとって洋書を読むということは、
この先めったにないでしょうから、
この作品について徹底的に考えてみようと思ったのです。
次の作品以降では、もっと簡潔な投稿ができると思います。

今、和書を読み始めたのですが、
作品を味わうというよりは、洋書で読んだ時に、
意味がよくわらなかったところがどう訳されているか、
ついチェックしてしまいます。
新潮文庫を読んでいたのですが、ん?と思ったところがあったので、
実家から創元推理文庫を取り寄せて、訳を比べることにしました。
新潮は創元に比べて意訳が多い気がします。
また、どちらも、昭和34年と35年に訳されたものですので、
言い回しが古風のため、登場人物の発言が、英語で読んだ時よりも
上品に感じます。
イギリス人からしたら、1934年に書かれたこの作品は、
もっと古めかしい表現がいっぱいだと感じるのでしょうが、
現代英語と古い英語の区別のつかない私にとっては、
洋書は和書よりも自由に人物像が思い描けるメリットが
あったことがわかりました。

今、私の手元にある本は
◆BERKLEY社(アメリカ):2002年出版(初版は2000年) 
MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
◆新潮文庫:平成2年出版(初版は昭和35年)、蕗沢忠枝 訳
オリエント急行殺人事件
◆創元推理文庫:1971年出版(初版は1959年)長沼弘毅 訳
オリエント急行の殺人
です。
和書はまだ途中までしか読んでいませんが、
首を傾げたくなったところを、投稿します。

ポワロの尋問に対して、ずいぶん反抗的な態度をとっていた
ミス・デベナムですが、
その彼女が、最初に列車の窓から
プラットホームにいたポワロを見たとき、
彼に対して抱いた第一印象は…?

   ◇     ◇     ◇
(以下、引用)

【BERKLEY P7 10行目〜12行目】
A ridiculous-looking little man. The sort of little man one could never take seriously.

【新潮文庫 P13 最後から4行目〜最後から2行目】
ほんとに、奇妙な顔の小男だこと。こんな人を相手に、誰もむきになることなんか出来ないに違いないわ。ひょうきんな顔つき……。

【創元推理文庫 P15 7行目〜8行目】
おかしな顔をした小男だこと。まじめに相手になる気もしないような小男だわ。

(以上、引用終わり)
   ◇     ◇     ◇

ミス・デベナムはポワロに対して、
新潮だと好意的な印象をもっていますが、
創元だと小馬鹿にした印象をもったことになります。
「seriously」をどう訳すかの問題ですね。
ミス・デベナムは
のちのちポワロに対して「むき」になっているので、
新潮の訳の方がおもしろい気がしますが、辞書的には創元です。
(続き)
別の場面での疑問です。

オリエント急行の前の列車では、
ミス・デベナムとアーバスノット大佐は
仲良く会話していたわけですが、
そこで大佐が「メアリー」と話しかけるのに対して、
彼女は「いまはだめ。…すべてが終ってから…」
と大佐をさえぎる場面がありました。
のちのちポワロが、ミス・デベナムに対して、
あの会話の意味はなんだ?と尋問に使った重要場面です
(覚えている人多いですよね?)。
この「今はだめ…」と言った時、
ミス・デベナムはどんな様子だったのでしょう。
情緒的だったのでしょうか、理性的だったのでしょうか…。

   ◇     ◇     ◇
(以下、引用)

【BERKLEY P12 最後から2行目 〜 P13 4行目】
“Not now. Not now. When it’s all over. When it’s behind us―then―”
Discreetly M. Poirot turned away. He wondered....He would hardly have recognised the cool, efficient voice of Miss Debenham....
“Curious,” he said to himself.

【新潮文庫 P20 10行目〜15行目】
「いまは駄目よ。いまは駄目よ。すっかり済んでから。すっかりけりがついたら、―その時こそ―」
 ポワロは、すぐ、静かにくびすを返した。いぶかり、思案しながら……
 闇の中で聞こえた熱っぽい女の声―あれが昼間聞いたあの冷静な、しっかりしたデベナム嬢の声だとは、ほとんど信じられない……
「ハテ、不思議なことだ。」とポワロは独りでつぶやいた。

【創元推理文庫 P21 9行目〜13行目】
「いまはだめ、いまはだめだわ。全部すんだら、すっかりすんでから―そのときはきっと―」
 ポワロはそっと引き返した。彼は首をかしげた。デベナムの、落ち着いた分別のあることばが、何を意味しているのか……
「変だな」彼はひとり言をいった。

(以上、引用終わり)
   ◇     ◇     ◇

ミス・デベナムが「今はだめ…」と言った時、
新潮だと情緒豊かだったことになっていますが、
創元だと、理性的だったことになります。
まったく正反対じゃないかー!!
「recognised」を、「認識」と訳すか
「理解」と訳すかの問題ですね。
新潮は「(ポワロはミス・デベナムの声の冷静さを)
認識(できなかった)」という訳ですし、
創元は「(ポワロはミス・デベナムの声が冷静であることが)
理解(できなかった)」という訳です。
恋のささやきに対して不思議なほど冷静に対応するミス・デベナム…、
という創元の訳でもおかしくはありませんが、
私は、新潮の訳(熱っぽい声)のほうが、
本全体の流れにマッチするような気がしました。


>うずまき貝さん

丁寧にありがとうございます。
「エヴァンズ」トピで出た話題を
こちらにひっぱってきて申し訳ないのですが、私も三河です。
幸か不幸か、うずまき貝さんやカツさんとは
図書館が重ならないところのようで(ニアミスです)、
こちらの読書会の本を借りるに当たっては、
安心して(?)返却期間を延長しています。
「ミステリーの生まれたところ」もいつか読んでみたいです。
>としちゃんさん
 ご近所様のようで、よろしくお願いします。

 私自身オリエント急行に関しては新潮しか読んだことがありませんのでずいぶん訳の仕方が違うんですね。
 確かに原書の単語の意味の訳し方で同じ文でも取り方まるっきり変るんですね。

 新潮の方がロマンティックな雰囲気がでていますね。

 こうなると欧米人がどう受け取っているか知りたいものだが、そんな友達いないから私には無理です
> グライフさん、はじめまして。
クリスティ、お好きでかなり読まれてるんですね!
今後も読書クラブをよろしくお願いします(*^^)v

> としちゃんさん、色々緻密に読み比べられてて掘り下げてますね!ザックリとした意見ですけど新潮文庫の訳の方が私好みです。情緒的な感じがこの時代を表してる感じがして…。完全に訳しすぎるよりは余韻や想像の余地があるほうが読むのに楽しいです。
としちゃんも三河の方とは!!驚きです…!
地域を聞いてみるのも面白いですね。
他のみなさんはどんなとこで読んでいるんでしょうね。
想像してみると面白いですよね〜。




すごいです〜!色々違うんですねぇ?!とっても興味深いです〜!
ちなみに私も三河では無いんですがワリト近くに住んでおります!ビックリです!
いつの間にか「オリエント急行の殺人」になってたんですね。
15年以上も前に”シャイクスピア、湖水地方、クリスティー”を三大テーマに、17日間イギリス旅行をしました。

ついでに劇作「ねずみとり」、マダム・タッソー蝋人形館のクリスティーとの対面?、そして墓参と3ヶ所回ってきました。生誕地トーキーに記念館が出来たのはその後ですね。

あとはいつかエジプトに行き、ナイル川遊覧とオールド・カタラクト・ホテルに泊まりたい。

読書感想でなくて、失礼しました。
右は車中で買ったハガキの一枚です。
こんにちはわーい(嬉しい顔)
最近クリスティ、読んでなかったので久しぶりに
読もうと思い図書館に行ったら、普通の文庫は閉架書庫になってたので、児童書の「オリエント急行殺人事件」を借りてきました。

この作品を初めて読んだときは、犯人が12人全員!?って
驚いたのを覚えています。

児童書だとどうかなぁ?と思いながら読みましたが、
結構楽しめましたぴかぴか(新しい)

<としちゃんさん

私もいつか原書でクリスティを読むのが夢ですムード
今1冊原書を持ってるんですが、(「鏡は横にひび割れて」だったかな?)まだデビューしてないんです。
としちゃんさんの、訳の対比とても興味深かったです!!

長文失礼します。
私の訳の対比をおもしろいとかんじてくれた方がいたようなので(ありがとうハート)、
勇気づけられて、また書き込みします。

新潮文庫のあと、
早川書房(中村能三訳、2003年発行、トピ主さんが最初に挙げた左側の表紙)
を、図書館で借りて読みました。
創元は、新潮や早川で、ん?と思ったところを調べる程度しか読みませんでしたが、
原書(アメリカ版だけど)のあと、日本語バージョンを3冊(創元含む)、
目を通した感想としては、

新潮:登場人物が生き生きと描かれている分、
    訳者が少々、創作しすぎている部分もある気がする。
創元:正確な訳を目指している分、登場人物が生き生きしていない。
早川:新潮と創元の間という意味で、全体としては一番バランスがとれているかな。

という印象が残りました。

三冊とも、推理小説の謎解きという意味では、何の問題もありませんでした。
でも…、でも…、クリスティの小説の素晴らしいところに、
人物描写がありますよね?
シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン、ブラウン神父…など、
歴代の推理小説は、どれも素晴らしいですけど、
そのなかで、クリスティの著書は、女流作家ならではの、
人間観察と心理学の駆使が光っているように思います。
その描写が、和書では原書に比べると、かなりダウンしてしまっているのです。

例えば、ポワロは、公爵夫人に対する時と、庶民の乗客に対する時とでは、
使っている英語が、違います。
身分の高い人に対するときは、びっくりするくらい、間接法を使っています。
英語がそんなに堪能ではない私が読んでいても、
ポワロがすごくかしこまった言い方をとっているんだなあ
というのがひしひしわかり、
そのため、公爵夫人の威厳が、和書よりもずっと伝わってきます。

また、堅苦しい、典型的なイギリス軍人のアーバスノット大佐を尋問した直後に、
アメリカ人探偵のハードマンの尋問場面を描いているのは、
クリスティが、イギリス人とアメリカ人を、
対比させる意図があったように思います。
アーバスノット大佐は、口にする英単語量は多いものの、伝えていることは少なく、
もったいぶった言い方しかできないのに対して、
典型的なアメリカ人セールスマンを装ったハードマンは、
チューインガムをくちゃくちゃさせながら、1、2語の少ない単語でしか使わず、
気楽でフレンドリーにポワロと会話をする様子は、
読んでいて、二人をうまい具合に対比させているなあと思いました。
ちなみに、創元のあとがきを読んでいたら、
クリスティは、アメリカ人とイギリス人のハーフなんだそうです。
お父さんがアメリカ人らしいのですが、クリスティの本では、
アメリカ人に対する偏見がときどき出てくると言われていて、
そういう作者の家庭環境を考えて、作品を読むとおもしろい気がします。

こうして英語の表現方法の違いで人物描写をしている場面は、
日本語訳では、どうしても限界がでてくるのも仕方ないですね…。

それから、ミス・デベナムとポワロの関係が、
原書の方がずっとずっと迫力があります。
正義の味方ポワロが、きれいで善良な娘さんとバチバチ衝撃と対決するのは
ディベート文化のない日本では受け入れられにくいのでしょうか…?
原書に忠実な訳を目指している創元では、ミス・デベナムの応答“Yes.”を
「はい」ではなく、「はあ」という訳にして、反抗心の演出を試みていますが、
もともと創元は、登場人物が生き生きしていないので、迫力がありません。
新潮にいたっては、ミス・デベナムとポワロの関係が、
むしろ好ましいものとして解釈されています
(上の15番で書き込んだ場面でも、そうですよね)。
原書で読むと、尋問場面では二人は、互いにもっと攻撃的です。
あまりにも緊張感が走っていて、ミス・デベナムの最初の尋問の直後、
ブーク氏が、ポワロに「なんであんなことをやったんだ」
と問い詰める場面がありますが、和書だと、たいしたバトルに描かれていないため、
このブーク氏のセリフが、宙に浮いてしまった印象です。
本当は情緒豊かな人なのに、それを必死で押し殺して
鉄仮面のように理性的に振る舞い、
ポワロの前で精一杯背伸びをして、尋問をつっぱねるミス・デベナムと、
それにゆさぶりをかけて、なんとか彼女の感情的な部分を引き出そうとするポワロ
…という対決が、ひとつの見ものでした。
( ポワロは、ミス・デベナムは理性的な振る舞いの裏に 
 本当は、情緒豊かな部分があることを、上のコメントの16番のシーンで知った、
 という流れがあるように思います。
 ですから、伏線という点でみると、16では新潮の解釈が正しく、
 創元の解釈は間違いであろうと、私は思います。)
最終章でミス・デベナムの素性について再尋問しているときに、
突然彼女がワッと泣き崩れるのも、
感情を押し殺して冷徹にふるまっているのがとうとう耐えられなくなったという流れで、
それが原書のほうが、効果的な場面になっている印象です。
全体的に、原書の方が、ポワロが各容疑者の性格にあわせて
尋問の戦略を柔軟に変えているのがよくわかりましたが、
なかでも、ポワロが一番戦略を練って対応したのが、ミス・デベナムだったのです。

正直、和書を手に取るまでは、
原書とこんなに違いがあるとは想像していませんでした。
でも、私の好きなハバード夫人は、和書でも原書と同じくらい魅力的でしたよ。


そうそう、上の書き込み15で挙げた部分ですが、早川書房では

 ◇     ◇     ◇
(以下、引用)

【早川書房 P20 6行目 〜 7行目 】
おかしな小男だ。本気で相手にする気にもなれない小男だ。

(以上、引用終わり)
   ◇     ◇     ◇

と、ミス・デベナムがポワロに好印象を抱いた解釈をした新潮ではなく、
小ばかにしている解釈をした創元と同じ立場をとっていますね。

16で挙げた部分は、

 ◇     ◇     ◇
(以下、引用)

【早川書房 P27 最後から4行目 〜 P28 1行目】
「いまはだめ、いまはだめよ。なにもかもすっかりすんでから。あのことが片づいて
しまったら―そのときは―」
 ムシュー・ポワロはそっと引き返した。気になった。
 あれはいつもなら冷静なてきぱきしたミス・デブナムの声にちがいないが…。
「妙だ」と彼は心のなかでつぶやいた。

(以上、引用終わり)
   ◇     ◇     ◇

と、冷静なミス・デベナムにしてはおかしいということで、そこに情熱を感じ取って
いるわけですから、早川は、新潮の解釈と同じ側に立っています。


私は、明日、洋書も、和書も図書館に返す予定です。
次以降の課題図書以降は、ふつうに和書を一冊読むだけの予定ですので、
これからは常識的な量のコメントになると思います。
何回にもわたる長文を、読んでくれた方、ありがとうございました。
>としちゃんさん
 しっかりと読み込んでおられて凄いですね。やはり著者の本当の意図を読み取るには原書で読む価値があるんだと感じさせられました。
 英語の表現のニュアンスの違いが読み取れると楽しみがまた格別なんでしょうね。

 また余裕ができたときでよろしいですから原書との読み比べして感想を教えてください。私にも非常に勉強になります。ありがとうございました。
皆さん、
私は洋書と和書をチャプター毎に、交互に読んでいます。二度読むことになるので、内容も忘れなくて済みますが、やはりニュアンスの違いで読み直す事もしばしばです。きっと KINGLISH(イギリス英語を私たちはこう呼びますが)アメリカの英語と違った表現が多いためだと思います。また、イギリスに住んだことの無い方やイギリス文化を勉強しないと、???と思う場面もたくさんですが、それが クリスティーの良いところだと言われています。
オリエント急行も昔は、貴婦人、紳士が乗っていた時代の話なのでとっても特徴のあるミステリーだと、私は思います。でも想像もつかないエンディングで、マイ ベスト ミステリーのひとつです。
いま7ヶ月の娘がいるのでなかなか読む時間がないのですが、
最初に読んだときに彼(今の主人)から
「犯人誰だと思う?絶対当たるから言ってみな」
と言われて、読み終えたときにやられたな〜と思いました。
実はまだ読んでいない作品もあるのですが、何度も読み返してしまいます。
私は、クリスティの作品の中で一番好きです。
映画も観て再読。
豪華な舞台背景、風格とトリックの斬新さは代表作というに足る素晴らしい作品です。

何よりも、この作品は「読まなければならない作品」です。

ミステリーと接する上で、初期に読んでおかないと、ネタバレやリスペクト作品が多いから。
うっかりすると、作品を味わう初体験の感動を損なわれかねないです。

もちろん、再読でも充分読み応えはありますが。

今回は、ストーリー以上に注目してみたのはクリスティーの「倫理観」なんです。
この作品では、法的に逃れている罪を裁くことについてYesの解答を出している作品です。
日本人にはおなじみの、「あだ討ち」ですよね。

そこに、一方で、「そして誰もいなくなった」がある訳。
こちらもクリスティーの代表作として双璧をなす有名な作品。
テイストは異なれど、こちらも、私的な刑をテーマに取り上げています。
こちらについては、複雑で、私は「No」の回答を出しているように思えるのです。

クリスティーの中にある「罪と罰」
殺人を扱いながら、彼女は人を殺すことは大いなる罪であると考えていると思います。
「オリエント急行」は、その一端を表現した作品ではないでしょうか?

ポワロは語り手として、彼でなければならなかったので、登場していますが、
どちらかというとこの作中では、いつもの、目立つポワロでは無いと思えるのです。
「ポワロもの」ではありながら、本当のテーマは、「殺人」という「罪」なのではないか。

ですから、ポワロよりも、オリエント急行の乗客たちのほうが、
より生き生きとし、個性を発揮しているのではないかと。
ついさっき初めて読破しました!
まだクリスティはABC、ゴルフ場ときて3作目なのですが、これは結末がモノスゴイ考えさせられるものでしたね…

今僕は大学生で、ディベートのテーマ作りに苦心していたのですが、「オリエント急行の結末は正しかったのか?」というテーマ設定をしたら、すごく面白いディベートができそうだなぁと思いました。

次はアクロイド殺しと、そして誰もいなくなったをまずは年内に読み終えたいと思います。
三谷幸喜さんが舞台を日本にして、フジテレビでテレビ放映ぴかぴか(新しい)

キャストが豪華で、野村さんのポアロはなんともおかしく嫌なヤツっぽくて、やっぱりよくできてるな〜オリエント急行殺人事件はぴかぴか(新しい)と思って見ましたうれしい顔

明日の第二夜が三谷幸喜オリシナルになるようで、また楽しみです☆

>>[029]。私も見ました。面白かったです。私の夢は、オリエント急行に乗る事です。
>>[29]
日本人キャストでは、むりやろ〜あせあせ(飛び散る汗)と思って観ましたが
野村萬斎さんのモノマネ(デイビッド・スーシェをパロってる感)が
なんだか面白くって、つい引き込まれました。
>>[030]さん
これを読んだら乗りたくなりますよねうれしい顔うれしい顔うれしい顔
私も乗りたいでするんるん

箱根のラリック美術館にたしか旧車両があって、そこでお茶をいただくことができました。
今でもあるのかな…

>>[031]
日本を舞台に見事に焼き直してましたよねうれしい顔うれしい顔うれしい顔
パロディー含めて楽しかったでするんるん
また、引っ張り出して読まなくてはウッシッシ
>>[032]。あ、それ、聞いた事あります。まずはそれが目標です。
>>[29]

初めまして。私も三谷幸喜版「オリエント急行殺人事件」を見ました。
オリジナル部分以外は、昔の映画版と雰囲気が近かった感じがしました。
劇中話に出てきた、「イロハ殺人事件」は、「ABC殺人事件」のことですよね?
また野村萬斎さんの和製ポアロで見てみたいです。
>>[035]
こんばんは。はじめまして。

いろは殺人事件、笑っちゃいましたうれしい顔うれしい顔うれしい顔
日本ならいろはですねウッシッシ

私もまた野村さんのポアロ見たいでするんるん
三谷さん、また脚本書いてくれたらいいなあ〜ぴかぴか(新しい)
>>[032]。今、orient急行でお茶コーヒーしてます。40分位で\2100。\2100で夢が叶ったから安いかな?因みにお1人様は、私だけ。coffeeコーヒーpotに3杯以上入っていて、飲み切れません。
>>[037]さん
あら、よろしいことですねうれしい顔ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)
ラリックの装飾があるからの企画ですけど、ちょっと夢がかなってうれしいですねるんるん
私も何年か前に一人で行きましたほっとした顔

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