法学院　行政書士試験制覇の扉コミュの行政書士試験対策　会社法①　総論

今回は会社法第1回目ということで、株式や株式会社について簡単に記述していこうと思います。

いきなり沢山書いても見るだけでうんざりとなってしまっては意味がないので、何回かに分けて記述しようと考えています。

平成17年に会社法という法律が作られ、商法典で規定していた会社に関する規定は全て削除されました。

これに伴い、新たに会社を起こそうとする場合は、その他の持分会社を除き、株式会社しか作ることができなくなり、また株券は原則不発行で良いという形をとっています。

また株式会社には2種類あり、公開会社と非公開会社というものがあります。

公開会社とは、資産額が5億円以上又は負債の額200億円以上の会社を指し、非公開会社は株式譲渡に関して制限を設けている会社を指します。

株式とは、その会社の社員となる資格のようなもの、とイメージして頂ければ良いでしょう。

ここで言う社員とは、従業員という意味ではなく会社の構成員（オーナー）、つまり株主のことを言います。

株主には主に２つの権利が認められています。

1つ目は自益権です、これは会社が利益を上げた場合に剰余金（株主に支払われるお金のこと）を受け取る権利のことをいいます。

2つ目は共益権です、実際のところ株主は、会社の運営に関しては素人が多いのが実情ですが、会社運営に携われる権利のこといいます。

共益権で関係してくるのが、株主総会です。この言葉は聞いたことがあるかと思われます。
株主総会に関しては後述しますが、株主にはこれらのような権利が法律的に認められているわけですね。

※株式譲渡について

株式とは上述したように社員となる資格ようなものと言いましたが、これは原則誰に対しても譲渡（売り飛ばし）可能なのが原則です。これを無暗に制限にしてしまうと資本投下の回収に支障が出てしまうからです。

しかし、譲渡制限を設けている非公開会社では、会社の規模が小さい場合があり得ますので、会社側としては譲渡承認の際に「この人には株主にはなって欲しくない」「この人ならば良いだろう」と判断する場合が当然あり得るわけです。

よって、株主から譲渡請求を受けた場合、『２週間以内』に譲渡を承認するかしないかを決定しなければなりません。もし何ら決定もせず２週間が経過すると譲渡を承認したとみなされます。

尚、現行法の会社法では株券は原則発行しなくとも良いとなっているので、その場合は現在誰が株主になっているかを明確化するには、会社において名簿書換を行う必要があります、民法で言うところの登記と同じような感じですね。

しかし、名簿書換えをせず、そのまま株式を譲渡している場合も考えられるので、その場合誰を株主として扱い、権利を行使させるべきなのでしょうか。

これにおいては基準日、というものが設けられております。

基準日とは、株主名簿に株主Aと記載されていても、実際には株式を譲り受けた株主Bがいたとします。

そして一定の基準日を経過した時点で株主名簿に記載されている者を株主として扱い、権利を行使させるという制度のことをいいます。

尚、株券発行会社の場合、株券を実際に所有している者を株主として扱います。したがって、株券所有が会社に対する対抗要件ということです。

株券を発行していない会社では名簿書換えが対抗要件ですが、書換えがないまま株式を譲渡しても会社に対しては当然株主の変動を対抗することはできませんが、当事者間では有効です。

そして株式会社設立前に、株主となる予定の者が、会社に対してその持っている権利を他者に譲渡しようとしている株式は権利株と呼ばれ、これも会社に対しては譲渡を対抗できませんが、当事者間では有効です。

今回はここまでです、如何だったでしょうか。

規定と解釈が細かいのが会社法の最大の特徴ですが、１つ１つ丁寧に見て過去問等で練習すれば必ず覚えられるようになるはずなので、苦手な方は余りネガティブに考えず、過去問を分析して、頻出分野を徹底的に潰していきましょう。

次回は株式会社の設立について記述したいと思います。

ここまで読んでくださって誠に有難うございました、お疲れ様です。