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とにかく怖い話。コミュの森に入る

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霊視能力のある按摩師さんのお話を書いた者です。

今回もその按摩師さんの手伝いをしていた知人から聞いたお話をひとつ。

霊視を頼む客のかなりの部分がその目的を偽る場合があるそうです。

相手の弱みを知る為、または相手と親しいと言いながら霊視で得た情報を元に
相手に復讐を果たそうとする者。

しかしそんな輩をあらかじめ感でわかるらしく、大抵が門前払い。
断りきれない縁で視る場合も肝心のことは言わない、教えない。

『そうでないと私が殺されるからね』
誰にと知人が尋ねると
人間ほど怖いものはないからねとうそぶきながら
でも『必要があれば』危険でもきちんと伝えるよと意味深な言葉が。

そしてその言葉の意味を知人はまもなく知ることになりました。


ある日霊視を依頼してきたのは30代の男性
十数年前ほど前に母を殺されたが犯人は情状酌量の余地ありと無期懲役に。
そして去年刑務所を減刑されて出所。

出所当時は保護司の目が及ぶ所で暮らしていたが、ある日忽然と姿を消したそうです。

そして最近手紙が届いたそうです。

中身はお前の母親は殺されて当然の下種だった、今まで反省の手紙を信じてそれに対して罵倒してきた息子のお前もやはりあの下種の息子だったなと記されていたとか。

そして俺を殺したいなら殺しに来い、ただしお前は本当の事を知ることになるぞ。

そんな内容の手紙を送りつけらた息子は激怒し、今まで興信所などを使い探し回ったが痕跡すら見つからなかったそうです。

犯人の親戚も多くは犯人と絶縁しており、付き合いのある少数の親戚も逆に息子に対して殺されたのはお前の母親に原因があったんだろうと罵られたそうです。

『あいつを殺したい』そういい切る男に按摩師さんは黙って手をかざし、そしてしばらくの間は身動きもしなかったそうですが、やがて手を離すと、1週間後にまたくるようにと告げたそうです。

男が帰った後、知人は敵討ちとはいえ怨恨になるような情報を相手に渡してもいいのかと尋ねると、按摩師さんはこう答えたそうです。

『ならんよ』と。


果たして1週間後、男はやってきました。

その男に按摩師さんは数枚の紙を渡し、そしてこう告げたそうです。

『これをどう使うかはお前さんの勝手だが』
『それでどうなってもわしは知らんぞ』と

最後に念を押したものの、男がおそらくこの情報を元に何かをしでかず事はわかりきっているはず。

だが按摩師はそれ以上何も言わず、謝礼を受け取るとそのまま奥に引っこんだそうです。

それから1ヶ月が経ったある日、按摩師さんは持病の腰痛治療の為に月に1度の温泉の湯治に出かけたそうで、知人が運転手として同行したそうです。

湯治場は近隣の住人でも知らない人が多い秘湯で、主に知人の一族がなんらかの仕事を終えた後に体を休める場所でもあったそうです。

金曜日の午後に治療院を出て数時間、山間部を越えると原生林の広がる山が見えてきて、その麓近くにその温泉はありました。

温泉宿というよりは民家が部屋を貸している感じで見た目は宿には見えないその家には
離れがあり、1人の男が野良仕事や山仕事をこなしていたそうです。

普通山奥の離れに住む男というだけで不気味な感じを受けるが、その男は逆に朴訥ながら温厚で無邪気な笑顔も見せながら冗談を交わすなど親しみやすいタイプ。

知人とも親しくなり、夜は酒を酌み交わす仲になっていたそうです。

そしてその日も深夜まで酒を酌み交わしていたそうなんですが・・・・・

深夜2時過ぎになると知人はウトウトと意識も朦朧としてきて、はっきりとは覚えてはいないと前置きした上で

母屋の按摩師と管理人の老夫婦以外はだれもいないはずの離れの雨戸を叩く音が
しかし離れの男は気にする風もなく、ちびりちびりと酒を飲んでいる。

しかし、やがてその音は大きくなり雨戸が割れるかも・・・という感じになった時。

音は突然やみ、その代わりに何かガサゴソと動き回るというか

『何かを押さえ込んでつかまえている?』

朦朧とした意識で起き上がろうとする知人に、離れの男は無言で制してこう言ったそうです。

『今、にくさんがいてるから』
出てはならない、邪魔をしてはいけない。
そういったそうです。

知人はその後再び睡魔に負けて寝てしまい(それもかなり太い神経と思いますが)
朝になって起きて雨戸を見ると、一面獣のような爪でひっかかれた跡とその爪の跡をなぞるように血がこびりついている。

今までここに泊まった時もこんなことはなかったと顔面が蒼白になる知人に
離れの男は苦笑いをしながらこう言ったそうです。

『もうおそらくこないよ』と

そして、俺も旦那も止めたんだがな・・・・・とだけつぶやいて雨戸の後片付けを始め、その話はそれっきりになったそうです。

ただ帰る間際、一人の修験者が山から降りてきて離れの男にこう告げたそうです。
『犠はなったぞ』『ご苦労だった』と

その後、訪れた時、離れの男は山を降りたらしく離れは無人になっていたそうです。

無論湯治の際は離れではなく、母屋で寝るようにした知人ですが、その際に思い切って
主人にあの晩の出来事を語り、あの現象はなんなのかを聞いたそうです。

まあ一族の端くれだからと語ってくれた内容の半分以上は部外者の私には語れないと前置きした上で、知人が話してくれたのは、あの暗い原生林のどこかには常世と現世の境が存在していて、昔はよくそこから人ならざるもんが山里に降りてきて、いろいろと困った事になった。

それでわしらの一族がこの森を鎮める為に管理している。

だが常世からくるもんは『穢れ』が好きでな、わしらの祖先は時々街に出て、よさげなもんを連れてきて森に『犠』をささげておった。

穢れた儀(にえ)となると人間という事になるが・・・と前置きして。
『儀は穢れておるといっても、現世の罪状で罪人でも常世では違うなんてことはざら』
『常世のものを満足して末永く可愛がってもらうには、本物の穢れがいる』

それは自分が世の理を守らず、多くの罪を犯しながらそれを自覚せず、逆に自分の痛みだけを訴えてやまん輩だそうで

『前の儀(にえ)に飽きたのか、にくさんがちょくちょく森の外の出ようとしていたんでな』

まあ、山を降りた男は儀を釣る餌になってくれたんじゃよとこともなげに言う主人。

そしてあの山を降りた男にここに来るように声をかけたのは
『あのおばば(按摩師さん)さまだ』と知った時、按摩師さんの力の奥深さと恐ろしさを感じると共に、もしかしたらと胸騒ぎを覚えたと語っていました。

そう感じたのが表情に出たのか主人は山を降りた男の素性を少しだけ明かしてくれたそうです。

十数年前に職場の元同僚を刺し殺した事、しかしその同僚は殺される直後に男の親しい職場の後輩を自殺に追い込んでいた事。その事もあって殺人でありながら情状酌量となり無期懲役になったこと。

そしてその息子は学校でいじめを起こし、相手が自殺した事で刑事事件になる直前に母親が男に刺し殺された、そして裁判から急遽和解という道になり息子の経歴には傷が残らなかった事。

『しかし、こういう輩は罪の意識は皆無じゃが、自分がやられた事は人一倍騒ぎたてる』

『己の罪の意識はなく、贖罪する気もなく恨みを膨らませた輩』

『まさににくさんがお遊びになるに相応しい』

つまりは・・・あの霊視の前からあの息子は『儀』として・・・・・・

思わず生唾を飲み込んでしまった知人に、主人はお前さんが考えている輩かもしれんし
違うかもしれん、今のわしの話はまったくのうそかもしれん、現にお前さんは雨戸が叩かれて削られる音を聞いただけならそれは熊かもしれん。

そういってその話はおしまいになったそうです。

そして1年後、治療院の診療時間が終わる頃、初老の男性が訪ねてきたそうです。
『息子が母親の敵を打つと連絡したきり帰ってこない』との訴えに、按摩師さんは黙って聞き入り、手をかざして霊視の後こう告げたそうです。

『息子の場所はわかった、1週間後に来るがいい』と

息子はあの獣にあのろくでなしに殺されたんですかと泣きながらすがりつく初老の男に

按摩師さんはおごそかにこう告げたそうです。

『息子はおる、そこにおる』と

生きているんですねと尚もすがりつく男の後姿と『生きている』といわずに
ただ『おる』とだけ告げる按摩師さんの答えはおそらく正しかったと思うの知人は語ってくれました。

1週間後、按摩師から居場所を聞いた初老の男は車でそのままあの山に向かう道を去っていきました。

しかし、山にたどり着いた形跡もなく、その後の足取りは不明との事。

最近、山ガールとかで登山がブームになってますが、杉や檜が植樹された山と違う原生林、特に太古の昔からある山深くの森には何かがあるかも知れません、あまり趣味で入らないほうがいいかもですね。

今回のお話はとりとめもない、まとまらない感じのお話になってしまいました。
聞いたときにはそこそこおもしろいお話(かなり伏せている部分もありますが)
だったんですが文才がないのは辛いです、ではまた。

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