とにかく怖い話。コミュの【梟】一人暮らしpart［43］

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第43段となりました。

閲覧頂き、ありがとうございます
m(_ _)m深々

なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある

【実体験】一人暮らし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65026318&comment_count=96&comm_id=1154462

を、読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。

もちろん、強制ではないので悪しからず。

更に、文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。

皆様、大変お久しぶりです。

最後の投稿からだいぶ時間が経ってしまいました。

身の回りで起きた厄介事から何とか生還し、やっと落ち着く事が出来ました。

まだまだ色々と不安要素はありますが、多分大丈夫(≧∇≦)

そう思ってポジティブ思考MAXでいこうと思います。

まぁ、大丈夫だ、問題ない(｀・ω・´)キリッ!!

投稿ペースは亀の歩み並になりますが、今年中にはこのシリーズを完結させようと思いますので、温かく見守って頂けましたら幸いです


《洗濯機》


凍り付いたように私の視線が、洗濯槽の中に固定される。

洗濯機の蓋を開けたら、真っ黒な後頭部が有りました。

なぜだ！！

私はただ………柔軟剤入れようとしただけなのに。

何故、そこに洗濯物じゃなくて頭が入ってんねん。

（うわぁ…）

ドン引きした私は悪くない。

どうやってそこに収まってんの？

物理の法則ってなんだっけ？

多めの洗濯物＋水＋膝抱えたあちらさん………入らんがな、サイズ的に無理やん。

ねぇ、どうやって収まってんの？

ご都合主義なの？

やったら出来ちゃったの？

何がしたいの？

馬鹿なの？

何なの？

あぁ、馬鹿なんだね。

知ってた。

現実逃避よろしく固まったまま、そんなどうでもいい事を考えていると、当事者であるあちらさんがこちらを見上げてきた。

『どうだ、驚いたか！！』

そんな声が聞こえてきそうなドヤ顔で、私の表情を伺うあちらさんにちょっとだけ殺意が沸いた。

いや、まぁ、うん、驚いたよ。

表情筋は仕事放棄してるけど。

想定外過ぎて頭ん中混乱してんねんで、相変わらず体は固まったままだけど。

キラキラとした眼差しで、こちらを見上げ続けるあちらさん。

何を期待してんねん、あんさん。

そう思ったところで、スーッと固まっていた思考と体が解凍されていくのを感じた。

そして、思わず出そうになった深い溜息を何とか堪えて、若干遠い目をしながら視線をあちらさんから右手の柔軟剤に移した。

安心安定のスルースキルを問答無用で発動して、キラキラとした眼差しをシャットアウトしつつ、無言でそれを洗濯槽に投入した私は、吃驚顔のあちらさんを見なかったことにして静かに蓋を閉める。

更に、流れるようにスタートボタンをプッシュ。

動き出した洗濯機を前にして、我慢していた溜息を吐き出してから機械音以外は何も聞かなかったことにしてその場を後にした。

そんなにそこが好きなら、洗濯物と一緒に洗ってもらえばいいねんで。

色んな汚れも落ちるし、フローラルな香りにもなれるから、きっと。

因みに………、1週間くらいフローラルな香りを纏ったあちらさんが部屋の中を徘徊しとりました。

小さな笑いをありがとう。



《枕元はあかん》



草木も眠る丑三つ時。

家鳴りさんがやたらと騒がしいのはたまにある。

甲高い金属音と、低周波のような地味に耳に響く音。

『ヒタッヒタッ』と板の間を素足で歩く徘徊音。

それらも、たまにあるんやけど慣れとは素晴らしい機能です。

一瞬だけ意識が浮上するも、私は特に気にしない。

布団を頭からかぶり、蓑虫状態で夢の中へ。

これが、あのアパートの、あの部屋で生活する上で必須な適応能力やと思うんよ。

要するにまぁ、気にしたら負けです。

で、ここまで適応した私でも、アカンと思う状況も多々あるわけ何やけど………。

それは、持ち前のスルースキルでどうにかならないこともない。

ただね、枕元で騒がれるんだけは無理や………。

ポルターガイストよろしく、寝ている私のすぐそばでとびかう騒音。

家鳴りさん&見えない同居人さんvs不法侵入者さんでドンパチせんといて。

私に見えない次元で、何かしてるらしいけど………そう言うのは外でやってください。

いま、夜中の、三時過ぎやで。

たまに、『グチャッ!!』とか『メキッ!!』とか『グサッ!!』とかスプラッターなR18並のグロい音がする気がするんやけど、私に何にも見えへんよ。

いやね、見えないようにやってくれるんは正直ありがたいけどさ、音も遮断してくれたらもっと嬉しかったなぁ………なんてね。

人によっては心折れてまうで。

これ、贅沢なお願いなんやろか？

眠ってたら視線を感じて目が覚めた。

覚醒しきらない頭で寝惚けながら、ふと、ナチュラルに視線の元を辿ったら………母性あふれる表情なのに、生気の欠片も無い顔色の、白髪のご婦人と目が合った。

がらんどうで真っ黒な、2つの空洞から感じる温かい眼差しの違和感が半端ない。

目元と口元が穏やかに弧を描いていようが、醸し出されてる雰囲気が柔らかろうが、起き抜けに、これはキツかった。

枕元から寝ている私の顔を覗き込むような状態で、正座しているらしいご婦人と目が合うこと数十秒。

プチパニックを起こしていた内心を何とか正常に戻しつつ、引き攣りそうな表情筋を押さえ込む作業と同時進行でナチュラルな動作で視線を外して寝返りを打ちつつ布団を頭から被る。

何でやねん、何でやねん、何でやねん、何でやねん、何でやねん………。

脳内で騒がしくエンドレスリピートされるこの言葉をBGMに、必死で寝た。

布団の上から優しく『ポンポン』せんといて………。

子守歌はノーサンキューですよ。

枕元はアカンです。

安眠妨害もそうやけど、睡眠時はお願いだからやめろください。

草木も眠る丑三つ時。

私の周りは、賑やかです。

とりま、ええ加減にせんと堪忍袋の緒が切れるで、ホンマに。