とにかく怖い話。コミュの【実】一人暮らしpart[36]【梟】

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞを書いている者です。

いつもお世話になっております。

初見の方は、ｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある

【実体験】一人暮らし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65026318&comment_count=96&comm_id=1154462

を、読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。

もちろん、強制ではないので悪しからず。

投稿内容が長文になる場合は、読みやすくするためにｺﾒﾝﾄ欄を使用いたしますがご了承ください。

文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで閲覧いただければ幸いです。



《DVD鑑賞と見えない同居人》



こうして、あのｱﾊﾟｰﾄのあの部屋で起こったことを記憶の引き出しをｶﾞｻｺﾞｿしながら書いてみると、なんだか自分が思っている以上にﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ思考なんだなぁ……なんて、密かに思ったりして(笑)

前の投稿(一人暮らしpart16参照)で、某心霊投稿もののDVDを鑑賞中におきた『あちらさんの自己ｱﾋﾟｰﾙ』を書かせていただきました。

まぁ、あのときは正直言って私の脳内に『DVD＞あちらさん』の方程式が出来上がっていたんやけど。

思いっきりｽﾙｰｽｷﾙ発動したら、深い深〜いため息を頂きましたが、気にしたら敗けです、私悪くない。

で、一人暮らし当時をこうして思い出してると、そういえば似たようなことがあったなぁ。

……そ、そんなにｽﾙｰされたんが悔しかったんか？

と言うわけで、今回はﾀｲﾄﾙ通りDVD鑑賞にまつわるあちらさんのｼｮｰﾄｼｮｰﾄを書いてみようと思います。

では、前置きが長くなりましたが、どうぞ( ^-^)_旦〜



《対抗心》

寝室として利用している押し入れの部屋。

昼間の陽光が薄いﾚｰｽのｶｰﾃﾝ越しに畳へと降り注ぐ和室作りの8畳間。

あの時の私は、一人掛けのｿﾌｧｰ代わりに無○良○で買った、大きなﾋﾞｰｽﾞｸｯｼｮﾝに深く背中を預けながら、溜まりに溜まった未読のﾏﾝｶﾞを読破していたんや。

窓に背を向けるように座っているためか、ﾎﾟｶﾎﾟｶと心地よい暖かさが睡眠欲を駆り立てるけど。

今読まずして、いつ読むのだ！！と、変なﾃﾝｼｮﾝのｽｲｯﾁを入れてﾏﾝｶﾞを読み漁っていたんよ。

で、どのくらい時間がたったやろ？

不意に、文章を目で追っていた視界の隅に黒い影がちらつくのが見えて、ﾅﾁｭﾗﾙにﾏﾝｶﾞから視線をそちらに向けた。

『………』

押し入れの襖のすぐそばに黒い霞の塊みたいなんが、ﾎﾞﾝﾔﾘと揺れている。

そう認識した瞬間『ｷｰﾝ』と言う何時もの耳鳴りと、蟀谷に響く鈍い鈍痛。

ｶﾁﾘと頭の隅で歯車が噛み合うような音が聞こえた……ような気がして、黒い霞の塊だったﾓﾉが崩れて蒼白い肌の色をゆるりと晒す。

これは所謂『ﾛｯｸｵﾝ(ﾊｰﾄ)』ってことなんやろか？

ﾋｼﾋｼと感じる気合いの入った視線に、馬鹿みたいな感想を心の中でのべてみた。

って言うか、どっかで見たことあるような？

う〜ん、何処やったっけ？

……あぁ、そうだ、この間見た『お分かりいただけただろうか？』でお馴染みの某DVDにこんなんいたな。

瞼を全開に見開いて、お口をｸﾞﾜって開けた何かが畳の上を這う。

おいこら、こっちくんなや。

構ってる暇なんてないねん、私は。

脳内は『ﾏﾝｶﾞ＞あちらさん』

えっと……これはもしかして対抗心燃やしてるんか？

なんか視線がうざいねん、視線が。

『ほらほら怖いでしょ？怖いでしょ？』

とか言いたげな雰囲気がﾋｼﾋｼと伝わってくるんやけど、気のせいか？

うん、気のせいやな。

そう自分で自分に自己暗示をかけて、ゆっくりと視線をﾏﾝｶﾞに戻す。

ｽﾙｰｽｷﾙを発動して、ひたすらﾏﾝｶﾞに集中していると、何故か哀愁漂わせながら居なくなってしまった。

数十分後、読み終わったﾏﾝｶﾞを本棚に戻しながら

『反応してあげた方がよかったんか？』

と、独り言をﾎﾟﾂﾘと漏らすと

『…ﾐｼｯ…』

と、悲しそうに天井が鳴った。


《耐えられませんでした》



うん、私には無理だ。

今の状況に耐えられる気がしなかった。

部屋の空気に冷や汗をかきながら、画面が凍り付いたﾉｰﾄﾊﾟｿｺﾝをｼﾞｯと見詰めてみる。

いやね、見詰めたからってﾌﾘｰｽﾞしたんが解凍される訳じゃないのは、よく分かってんねんで。

しかしながら、見詰めずにはいられなかったんよ。

何でこんな事になったんか？

それは私が聞きたいくらいや。

だって、ただ私は『ﾏﾘと子犬の物語』見てだだけやねんで。

もしや……場所が悪いんか？

いつもDVDを観ているｿﾌｧｰの部屋ではなく、寝室として使っている押し入れの部屋で観とったから悪いんか？

どこでDVD鑑賞しようが私の勝手やんか……。

哀愁漂う気配が、無遠慮に部屋全体を包み込んでいる。

『…ﾐｼｯ…ﾋﾟｷｯ…』

と、天井で家鳴りさんが悲しげに音をたて、うつ伏せに寝転がった私を見下しているだろう誰かから嗚咽らしき声が漏れる。

あぁ、もう頼むから泣かないで。

金縛りかなんかしらんけど、体が固まってて動けないんやから。

背後な空気がしんどいねん。

『もう観てらんない！！』とか言うように、ﾌﾘｰｽﾞさせられた画面をただただ眺めながら……私は感動とは別の意味で泣きたくなった。

それから数分後。

お前ら……いい加減にしろやぁぁぁぁぁあ！！

と、堪忍袋の尾が切れて、怒り心頭。

無意識に掛け布団を蹴散らして、跳ね起きて……からの仁王立ち。

『おい……誰かは知らんが、ここに正座せいや、正座！！』

『ﾋﾟｷｯ！！』

『…ﾐｼｯ…』

『はい！！』とでも言いたげな気合いの入ったような音と、怯えたような控えめな音が天井から幾つか響いてきた。

当事者が正座しているだろう空間に対して説教をこんこんとして、あの耐え難い状況は打破された。

まぁ、後々考えたら……あのときの私の行動は、はたから見たらどうかとは思うけど、後悔はしていない、むしろｽｯｷﾘした。

大丈夫だ、問題ない
(｀・ω・´)ｷﾘｯ