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とにかく怖い話。コミュの【実話】廃墟の死体

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今から十数年前のこと。
当時の私はその地域でもマイナーな、地方誌の記者をしていました。
予定していた企画が突如中止となり、穴が空いたページを埋めるため『冬の心霊スポット巡り』という、安易で場当たり的な取材を命じられたのです。

締め切りまで時間がなく、一組の取材班が一日で近場のスポットを四件回り、それらしい写真と記事でお茶を濁すつもりでした。

しかしいかにも場当たり的な印象は否めず、写真にもインパクトがない。
時間も限られていたので、取材は夕方までに完了し明るい画しかありません。

実はこの安易な企画の連載を目論んでいた私は、せめて一ヶ所だけでも迫真の画がほしかったのです。
その日の帰りしな、取材クルーのリーダーをとある廃墟へと誘いました。
彼も連載化をともに狙った人物であり、こっそりと二人で取材をして、朝までに記事を仕上げ差し替えようと計画したのです。

私たちは目的の廃墟まで車を走らせました。
続きはコメントへ。

コメント(14)

続きです。
問題の廃墟に着いたのは夜中少し前くらいでした。
そこは幹線道路沿いにある食堂跡で、もう20年以上も放置され続けた廃墟です。
とても幹線道路沿いにあるとは思えぬほど荒れ果て、目を留める者さえいない『忘れ去られた廃墟』だったのです。

私たちはいざという時、逆に車が足かせになると思い、かなり離れた場所に車を停め、廃墟内へと歩みを進めました。
内部の荒れ方は想像以上で、相当数の狙いの写真を撮影できました。

この時、どうも今いる一階と二階とは空気の密度が違う気がし、私は二階へ上る階段を探していました。
リーダーも二階は気になっていたらしく、彼は二階へ行くことを拒みました。

「やめよう…二階の空気、何だか変だぞ」
「だから写真撮らないと。カメラ貸して」
私も膝は震えていましたが、記者魂が背中を押していたのでしょう。

厨房と思しき横に階段を見つけました。
二階への階段は、屋根裏部屋に続くそれに似た簡素な造りで、天井に空いた四角い穴から階段が伸びている構造でした。
恐る恐る階段を上ると、下にいたときよりもハッキリと、空気の違いが感じられます。

天井に空いた四角い穴から頭を出す前に、気持ちを落ち着かせようと深呼吸をしたとき、すぐ上の方から何かが這うような音が聞こえました。
私はカメラの焦点をおよそで固定させ、連写モードに切り替えタイミングをはかりました。

続く
覚悟を決めて頭を二階に出した瞬間です。
『ぶをん!』
と音を立て、すぐ上を何かが空を切りました。
私は慌てて頭を引っ込め、カメラだけを出してめくらシャッターを切りました。
向きを何度も変えて写真を撮り続けました。

いつもならここで退散するところですが、恐らくこの時は恐怖心も麻痺していたのでしょう。
あの何物かの気配が、気のせいではないことを再確認しようと思いました。

もう一度深呼吸をし、ゆっくりと頭を覗かせると、先ほどよりは遠くなっているが、確実に何物かの気配を感じました。
後ずさりするような音も、ハッキリと聞こえます。
私は今度は音がする方へカメラを向け、数枚シャッターを切りました。

あとは転げるように階段を降り、リーダーの手を引いて無言で駆け出しました。
「何? 何があった?」
車に到着した私は、今あったことを細かく説明しました。
彼も何かが這うような音は、聞いていたそうです。
翌朝までに自身の恐怖をまとめ、その号の完成とともに、私はその地方誌を去りました。
この体験とは関係ありませんが、なんとなく続けていくことに抵抗を感じたのです。

数日後、その廃墟の前を通ると、数台のパトカーが止まっていました。
翌朝の新聞に、あの廃墟でホームレスの死体が発見されたとありました。
ちょうど私たちが取材に行った前後に死亡したと見られ、頭部に打撲傷があるため、事件事故の両面で捜査していると。

あの時、死亡したホームレスが生きていて、あの廃墟を住処にしていただけなのか。
ホームレスを手にかけた犯人が、あの時まだ現場に居たのか。
それともこの世のものではない、何かの気配だったのか、今となっては分かりません。

私はすぐに警察へ行き、当日の見聞きしたことを話しました。
代わりにニュースでは分からないことも、いくつか入手することができたのです。

続く
これは明らかな事件でした。
そして、私が警察に見せた写真と事実には矛盾があったため、捜査は一時的に混乱を招いたようです。

私が持ち込んだ二枚の写真は、偶然そのホームレスの姿を捉えることに成功していました。
その二枚の写真を見る限り、ホームレスはまだ生きていたことになるのです。
しかし私たちが取材に行った当日、ホームレスはすでに死後二日経過していたことが、その後の捜査で判明しました。

私は階段に立った状態から、めくら押しでシャッターを切りました。
撮影位置は変わらないのです。
しかし一枚には割りとカメラの近くで笑う姿が、もう一枚には窓際の壁にもたれている姿が写っていたのです。

警察の見解では、犯人が死体の始末に来たところに、私たちが現れたためにまとめて始末しようとしたのではないか。
写真に写っているのは、犯人が死体を移動したために、位置が違うのではないかということでした。

しかし警察も一時は、犯行は私たちの取材後と確信するくらい、死体を移動したようには見えない写真だったのです。
しかもあざ笑うかのような、悪意に満ちた笑顔の説明もつきません。

やがて犯人は逮捕されましたが、犯行後に現場に行ったことはないと主張していました。
あの気配や、写真の真相は未だ闇の中です。

私は以来、夜の廃墟へ近づくことは一切なくなりました。
事細かに書いてあるのですごく解りやすくて怖かったです

こえぇー、(゚Д゚)

犯人はなんで捕まったんだろ??
犯行現場に言ってないって言ってるなら。。。
悪意に満ちて笑うんじゃなくて、
来てくれてありがとうって笑ってくれないかとか思うのは甘いのだろうか冷や汗

何となく、それって呼ばれた感じですね…考えてる顔
皆さん、コメントありがとうございます。
いくつか疑問に感じられた点もあるかと思いますので、追記として綴りたいと思います。

まず私が警察に行ったのは、捜査段階で私たちがあの廃墟を訪れたことは分かるでしょうし、あらぬ疑いをかけられたくなかったこと。
もしもあの場に犯人がいたのなら、自分たちも狙われる可能性が考えられること。
そして当時は正体が分からなかった、写真に写っている男が誰なのか明らかにしたかった。
この三つの理由からでした。

捜査協力者ということで、捜査に支障のない公表可能な情報は、マスコミのそれよりも詳しく教えてくれました。
逮捕されたのは同じホームレス。
動機は相手を殺さないと、自分が殺されると感じたためということでした。

殺されたホームレスはどこから流れて来たのか、新しく居着いた新参者だったようで、昔は相当悪いことに手を染めたと豪語していたそうです。
ホームレス仲間にも暴行を加えるなど、評判はかなり悪かったようでした。

そしてついに寝ぐらと縄張りを巡って、暴行を加えられたホームレスが思い余って背後から殴ってしまったとのことでした。

逮捕のきっかけは自らの出頭。
犯行を犯したホームレスは事件以来、連日の悪夢にうなされて自首してきたそうです。
「一人では行かない。誰でもいい、道連れが欲しい。お前も一緒に行くか?」
そう言って悪意に満ちた笑顔で、詰め寄って来る夢だったそうです。

私の脳裏に、あの写真の笑顔が浮かびました。
被害者はこの町近くの出身で、かつて東京で地上げに携わり、多くの人を苦しめて来た過去があったそうです。

「警察がこんな事言っちゃいけないが、あの被害者も苦しめた人たちに、逆に道連れにされたのかも知れないな」
担当の刑事さんは最後にそう言って、私を見送ってくれました。
被害者は必ずしも100%被害者な訳じゃないんですね。
ホームレス界もそれはそれで色々あるんだ〜。
後日談ありがとうございます。

悪意に満ちた笑顔の意味が良く解りました…(ーー;)

>>[11]
被害者が必ずしも善人とは限らない。
これは私たちの日常と、何ら変わらないことだと思います。
結果にはすべて原因があるものですから。

>>[12] ゆふさん
少なくとも私には、来てくれてありがとうという笑顔には見えなかったんです。
チンピラがカモをいたぶる時に見せる下卑た笑いというか、醜くて汚らしい笑顔だったんです。

あのとき頭の上をかすめたのは、私を道連れにしようとした男の、怨念じみた悪意だったと思っています。

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