とにかく怖い話。コミュのスクエア６　幻の聖夜

クリスマスまではもたないでしょう

そう医師から告げられていた私が、なんとか今年のクリスマスを迎えた日のことです。

街はイルミネーションに彩られ、ムードも高まった私達は仲間を集めてクリスマスパーティーをすることにしました。部屋を飾りつけ、あとは壁に中西君が「ウエルカム・サンタ」と書いた紙を貼ると準備はＯＫです。

そこで私達はスクエアをすることにしました。

スクエアのやり方はこうです。

まず４人が部屋の四隅に別れて立つ　⇒　最初の一人が壁伝いに歩いて次の角にいる人にタッチしてその場に留まる　⇒　タッチされた人も同じように移動して次の角の人にタッチ　⇒　順番にタッチして回っていく

４人目の人が次の角に移動しても、１人目は既に移動しているので誰にもタッチできないはず――
それが何故か何者かにタッチ出来てしまい、無限ループが成り立ってしまうことがあるというのです。

詳しいルールはこちら
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19811287&comm_id=1154462

早速部屋の四隅に散った私達は電気を消すとスクエアを始めました。

まず、電気を消した私が歩き始めます。そこから次の友人Ａ、そして中西君、更に次の友人Ｂと進みます。

初めのうちは何も起きませんでしたが、何度かやるうちに私達はスイッチを消した後の暗闇に何かが動いていることに気がつきました。それは部屋の真ん中を

ズリッ・・・　　ズリッ・・・

とすり動いています。しかし電気をつけると何もいません。気のせいかと思ってまた電気を消してスクエアをしますが、そうするとまた真っ暗な闇の中で何かが動いているのです。

もうみんなパニックです。やはり電気をつけると何もいません。でもまた電気を消してスクエアをすると、やはり何かが部屋を這いずるのです。

そして、私は以前聞いた話を思い出してしまったのです。

スクエアとは昔イギリスでやられていた降霊術の一種だということを。私達は知らないうちに部屋に何か異世界のものをよんでしまっているのです。
その話を思い出すと同時に、さっき電気をつけたときに見てしまったものを思い出しました。

中西君が書いた「ウエルカム・サンタ」が「ウエルカム・サタン」になっていたのを。

誤字でした。中西君は少々足りない子だったのです。

　　怖　　い

恐怖に陥った私はパニックを起こしそうになりました。しかしそうなっては一環の終わりです。暗闇では何かが体を引きずるように蠢き、いつの間にか部屋中に「パキッ、パキッ」っと激しくラップ音が鳴るようになっています。

このままではまずい。そう思った私は恐怖を紛らわすべく妄想で乗り切ることにしました。

今日の妄想は、篠田真理子ちゃんとのドキドキお寺で祖尼さんプレーです。妄想の中、お寺でお坊さんになっている私は、お経を唱えながら真理子ちゃんに飛び掛りました。

この妄想が良かったのでしょう。現実の世界、暗闇の中でも私は思わずお経を唱えながら飛び掛っていたのです。

私の欠点は現実と妄想の切り替えができないところです。体が動いてしまいました。

お経を唱え飛び掛った私の周りは静寂になり、友人達に「助かった」と言うムードが流れました。

そ　の　時　で　す

「そんなもので帰ると

　　思
　　　　っ
　　　　　　た
　　　　　　　　の
　　　　　　　　　　か
　　　　　　　　　　　　い　」　
　　

突然私の耳元で声が聞こえました。

確かにそうです。中西君は西洋風のものを呼び出したのです。

私はすぐに言いなおしました。

「アーメン」

私の機転で我々は助かりました。中西君はこの後、我々から助かりませんでした。