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とにかく怖い話。コミュの幽霊

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暇な土曜日の夜。何もすることが無い。

自宅で独りでぼーっとして過ごす。ラジオでは俺の知らない歌手の特集を垂れ流している。

いつも休みの日には予定が入っている身にとって、こんな夜は時間を持て余してしまう。

まぁ、暇なことは平穏の証拠でもあるか。と自分を納得させてベッドに寝転がる。

そうして時間を浪費していた俺の耳に、玄関のドアをノックする音が入ってきた。



「どちらさまですか?」

「どちらもこちらもあるかお。俺だよ!」

「…あぁ、なんだお前か。空いてるから入っていいよ。」

「うぅぅ、外は寒くてたまらないよ。お前はどうせ暇だろう?」

「図星だな。確かに今日は全く予定が入っていなかったよ。…あれ、でもお前、今日は大学の友達と雪山登山に行ってるはずじゃなかったのか?」

俺がそう尋ねると、友人のタケシは恥ずかしそうな顔をして答えた。

「…そのつもりだったんだけど。実は、登り始めて少ししたところで酷い吹雪になっちゃって、昨日の夜、途中で下山してきたんだ。」

「なんだ、遭難したのか?」

「そうなんだ。」

「………。」

「………。」

下らない沈黙を破るため、俺は話題を変えた。

「それで、なんで俺のところにきたんだ?」

「そうそう、実は雪山で面白い出来事があったんだ!それをお前に話そうと思って。」

「ほぅ、そりゃ是非聞きたいな。俺もヒマでヒマでしょうがなかったからな」

どうせコイツの話なんて、大したことはないだろう。だが、退屈な夜の時間を潰すにはいいネタだと思い、その話に乗ることにした。

「さっき話した通り、俺たちは昨日から雪山に登ろうとして吹雪にあってしまった。
最初はちらほらと雪が舞ってる程度だったんだけど、だんだん前が見づらくなってくるぐらいに吹雪いてきたんだ。
それでさすがにこのまま進んだら危険だ、っていう話になって、引き返すことにしたんだ。
でも、雪はどんどん積もっていくし、風はどんどん強くなっていって、来た道を戻るのも難しくなってきた。
そうしたら、道の脇に小さな山小屋が立っているのを見つけたんだよ。
体力的にも限界にきていた俺たちは、そこで一晩明かすことに決めた。」

「ふんふん、それで?」

俺は、だんだんこの話の方向性が見えてきた。

「運がいいことに、山小屋のカギは空いていて誰でも使えるようになっていた。
中に入ってみると、ちょっとした広さになっていて、雪は防げるけど隙間風が入ってきてとっても寒かったんだ。
ここで寝てしまったら凍死してしまう、と思ったんだけど、体は疲れているし座っているとそのまま寝てしまいそうだった。
そこで!俺は名案を思いついたんだよ!どんな方法か分かるか?」

「うーん、思いつかないな。」

俺は、なんとなくこの話のオチが読めてきた。

「じゃぁ、教えてやるよ。
まず、小屋の隅に人が1人ずつ立つんだ。
次に俺が壁伝いに隣の隅まで歩いて行って、そこにいる友達の肩をタッチするんだ。
そうしたら、その友達はまた次の隅まで歩いて行って、そこにいる友達の肩をタッチする。
それを繰り返せば朝が来るまでみんなでグルグル周って起きていることができるってことよ!
……ところが、実はこの方法には恐ろしい結果が待っていたんだ」

そう言ってタケシが声のトーンを低くする。

俺は、それに合わせるように聞き返した。

「…一体何が起こったんだ?」

「その方法だと、最初に俺の居た場所には、1周目で誰も居ないことになる。
でも実際、俺たちは朝まで周り続けて起きていられたんだ。
ということは、つまり、俺たち以外に、、、誰かもう一人存在してたんだよぉぉぉ!」

タケシは顔の前で両手を前に垂らし、オバケの真似をする。

俺は、それに一瞬びっくりしたふりをして、話の核心をついてやった。

「……それで、お前らは全部で何人いたんだ?」

「………俺を入れて5人。」

「やっぱりな。お前が最初から隅にいたんじゃないなら、その方法でも成立するだろ。
それに、その話は有名な都市伝説だぞ。似たような話を何回も聞いたことがある。」

それを聞いて、タケシはつまらなそうな顔をした。

「なんだ、知ってたのか。
じゃぁ、普通の雪山の写真を見せてやるから、ウチに来い!」

「はぁ?今からお前んちに行くの?寒いし、もう眠いんだけど。」

「今夜は寝ちゃダメだ!さ、早く俺の家に行こう!」

そう言ってタケシは俺の手を引っ張って行った。

まぁ、暇な夜だしたまには徹夜で語り合うのもいいかな、と思いながら俺は家を出ていった。








………
主のいなくなった家では、消し忘れたラジオが流れていた。

「……次のニュースです。さきほど、伏魔岳にて大学生5名の遺体が発見されました。遺体の身元は、昨夜から入山していた、タジマタケシさん26歳とその友人4名と思われます。遺体は雪山の途中に倒れており、激しい吹雪により凍死したものとみて警察は捜査を続けており……」






部屋の窓には、真っ白な顔が4つ。
血走った眼で部屋の中を見渡す。
青白い腕が8本、壁の中から伸びてきて、ベッドをまさぐる。

「イッテヤロウト、オモッタノニィ…」

「ツレテイッテヤロウト、オモッタノニィ…」

「イッショニ、ツレテイッテヤロウト、オモッタノニィ…」

「ネムッタラ、イッショニ、ツレテイッテヤロウト、オモッタノニィ…」

恨めしそうな声が4つ、無人の部屋にこだました。

コメント(12)

タケシさんは友人を護りたかったのか…はたまた自宅に連れ帰り自分だけの獲物にするつもりだったのか…気になりますねぇ〜
初コメします電球
優しい友達だったんじゃないでしょうかウッシッシ
コメありがとうございます。
マヨ姉さんの言う通り、解釈は2つありますね。
自分が話を考えた時には、タケシは助けに来てくれたというつもりで書いてました。
助けてくれたと思いたいあせあせ(飛び散る汗)


読みやすいしすごくおもしろかったし怖かったです(>_<)
創作ですよね!?

その後が気になります!!
タケシ恰好いい!
リーダー的な存在ですね!
名作exclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2

タイトルの平凡さで読み逃すとこでしたよ(笑)exclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2
意味がわからないんですが…冷や汗

創作ですよねexclamation & question

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