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とにかく怖い話。コミュの「実話」 よりそう獣

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昔書いた日記です。
モツを煮た時に書きました。
良かったら読んでください。


モツは良く食べる

安いし栄養価も高い

今回も肌の再生にかかせないビタミンBとコラーゲンが豊富な鶏のモツを煮た

キンカンと呼ばれる内子と卵管とコンニャク

アクが強いので一度茹で零してからだと臭みもない

でも見た目が悪いのが難

美味しく出来るのだけれど、少し下品な食物なのかな?


子供の頃は仕方なく食べていた

ソノ頃の不思議な話をしよう


母方の祖父母に育てられていたころ

祖父が他界し、暫くして祖母も体を悪くし入院した

それを良い事に長男夫婦が家に入り込み家財を物色して連日運び出していた

家と我の食事や風呂の世話をしていた女性も暇を出された
女性は(ソノ頃は思わなかったが)綺麗で所作の美しい人だったので親族の妾だったのだろう
我の舌は関西なのだが、恐らく食べ物はコノ女性が作っていてくれたのだと思う(その土地は関東の端)

ある日の夕方、夕餉を持ってきた女性は普段ならばスグ居なくなるのに戻ってきて
我の食事をしている離れの縁側に座り三味線を弾きだした
夕暮れのなか飯を食む我に背を向けたまま静かに弾いていた
細い首を覚えている
この女性と言葉を交わしたことはなかった
翌日、居なくなっていた

それからの食事が厳しかった
朝にお台所の勝手口に我のお膳が地べたに置かれて、ソコに一合近くの大きなオニギリ(具なし)が一つあるだけなのだ
昼はもとより夜も出ないので、夜まで半分残そうとするも冷蔵庫もナイので痛んでしまう
本で調べて水で洗った後、乾かして「糒」(ほしいい)を作って備蓄したが、乾燥が甘くて黴が生えたりで腹を下すことも多かった

犬父の飯は飯に味噌汁をかけたのが朝に出されていたし、近所からは鶏の内臓や養豚場からも使わないハラワタがあったので、ゴミ箱から拾って煮て食べさせていた
我の食事事情がめっきり悪くなったので、我も犬父にやるハラワタを食べるようにしたのだが、臭み消しも調味料もなく、ただ作業小屋の七輪で鍋に湯を沸かし茹でるだけ
内臓を湯がいたものに糒を入れて雑炊のようにして食べるのだが、臭く、不味く、惨めであり泣きながら食っていたのだが
犬父が

「人は面倒だな。食べる物にまで貴賎があるとは」

的な思いを我に流したので、存える栄養だと割り切って食べることにした

そんな暫くだったが、いきなり母屋が慌しくなり祖母の他界を知った

沢山の人が出入りする中で親族が犬父を見て

「どうするのだ?」

「明日にでも鉈でつぶす」

と言っていたので
その日のうちに獣医に連れて行き薬殺してもらう
獣医は何も言わずに我の願いを聞いてくれた
犬父も何も言わずに我の腕の中で逝った

獣医は一輪車(ネコ車)を貸してくれたので、山に埋めに行った
穴が掘れ埋めようとしたときに犬父の体が弛緩して口が空いていた
舌が外に出ていた
犬は舌を出して体温調節をする。しかし、犬父は大人がいる前では舌を出さなかった
ダラリと口から出る舌を見て犬父が死んだのが実感した
犬父の舌は蛇の舌のように真ん中で縦に切られている
吼えられた長兄が怒って切ったのだそうだ
以来、犬父は吼えることはなかった。大人のいる前では口を開けることもなかった
それでも、我の涙や傷を舐めてくれていた

犬父の埋めた場所はナゼだか全く覚えていない

夜までかかり、獣医の家の裏口にネコ車を返した時にはどこの山に埋めたのかも忘れていた


夜が明け、式の準備でざわざわとしだした
誰もが忙しくしていたので勝手口から入りお台所の食べ物など手に入れやすく久しぶりに腹を満たした

夜になると大人に酒が入り、そうなると離れの我の住まいに一人で居るのは危なくなる
酒の入った男から逃げるには人目から離れて且、出入り口が限られた場所は避けたい

毛布と食べ物を持ち出し
母屋の縁の下にもぐりこむ
祖母の安置されているであろう場所の下に浅く土を掘りそこで数日を過ごした
何か祖母の気配は験は痕跡は と思ったが何もなかった

それから1ヶ月ほどは前の生活に戻った
母屋では相変わらず親族が集まり財産やらでゴタついている
朝に大きな握り飯をもらい、夜に自分のためだけにハラワタを煮て
たまに近付く親族に嘲られる

そんな日の夜だったか
夢だったか

母屋の上から津波のように大きな黒いものが覆いかぶさろうとしていた

黒いものは空を真っ暗にしていて、空気は緊張でガラスの割れる直前のように危険だと振動していた
我は妙に冷静なのか麻痺しているのか
(ああ〜コレに飲み込まれてしまうのか・・・)
と考えていた

背中から脇を温かいものが通り、我の前にきた
何も見えない。光もない。でも、温かいのを感じる

「ワタを喰う子供は許してやってはくれまいか」

「見逃してやってはくれまいか」

温かい何かは巨きな黒いものに向かって誰かの命乞いをしている

額と鼻と頬に温もりを感じる
何かは我の頭の高さで黒い津波と対峙している

世界は真っ暗になり空気はビリビリと振るえヴーーーンだかウーーーンだかの振動して終わった


そんな夢だった

何も分からないが

家にかぶさろうとする黒いものも
温かい何かも
ソレが言った意味も


犬父は生前、心を閉めることなく、我に流してくれていた
なので、犬父の言葉を聴いたことはない


それでも、なんとなく犬父が我を何かから守ろうとしてくれたのではないかと思っている



猫母が我の元を去ったのは9歳の頃
祖母が死んだのはその一年後
犬父を殺したのもその時
我は10歳になった頃だった。

長文を読んでいただきありがとうございました。

コメント(71)

ぽよんさん

犬父は獣医に連れて行くときに我が殺そうと思っていることは知っていました。
それでも静かな心で死にに行きました。
鉈で切られて死ぬよりも良いとは今でも思っていますが、我が犬父を殺したことに変わりはなく、今でも声が漏れるほど苦しいのです。

今は、かなり適当に生きています。
よねださん

時代はほんの30年前のことです。
しかし、村の人の心の成熟度が低いのでもっと古い時代に思われるかもしれません。
実際、生活様式も大変古く、住んでいた離れは藁葺きでトイレは離れた所にあるボットンで、風呂も五右衛門風呂でした。
30年〜50年ほど周囲よりも取り残されたばしょでした。

因みに京極のなかでは我はサルのキャラです。
゚★絵理姉★。さん

猫も読んでくれたんですね。ありがとうございます。
そのトピで反応が良かったので、コノ犬の話を書いてみたのです。

あの黒いものも温かい何かも確かな事は分かりませんが、犬父の49日も終わらせてなかったので、そうだと勝手に確信しています。
犬と猫が我を守ってくれていました。
その愛情は人からの冷たい仕打ちの上にあります。
なので思い出すときは獣への愛情だけでなく、人への憤りを
逆に人への憎しみで胸が焦げそうなときでも、獣の愛情を思い出しているのです。
自分の中でセットになっているので、この思い出は愛しくもあり苦しくもあるのです。
髪エルメスさん

淡々とした とは日常からそうであるように心がけているので嬉しいですね。ありがとうございます。
女性としての劣等感から「一応」をつけてしまいますが、はい一応女性ですあっかんべー

我の小さな頃好きだったのは・・・・郷ひろみとかからもう少し下の「シブガキ」とか「マッチ」ですが、我は「寺尾聡」ですハート達(複数ハート)
返信ありがとうございます。
説明をして頂いてから、読み返すと悲しくなりました。これが実話かと思うと主さんが不憫でなりません(TT)
壮絶な人生を歩んでこられた分、これからの主さんの人生が有意義な物であって欲しいと願うばかりです。
この話を知って、何て自分は恵まれた環境に生まれ、両親の愛を名一杯受け育ったか改めて実感しました。
ありがとうございました。
優しい愛情を受けていたのですね。
私は調子の良い時のみ近所の犬猫の気持ちが流れてきます。我が家のダックスも割と良く話すのでたまに耳を塞いで『聞こえない!犬語わかりません!』とやると『嘘つけ!』と返されます。臍曲げると一言も喋らないんですけどね奴は(笑)
子供の頃は動物のためなら身を挺することをも厭わなかったのに
今ではなんでも自分を優先するような人間になってしまいました

このお話を読んだ後 自分の所為を思い出して とても後悔しています

今からでも少しずつ償いたいです

悲しくも素敵なお話ありがとうございます。
人間って…ねぇ…何だか残念な生き物だったりしますよね…
なんだか話しはソレますがあせあせ(飛び散る汗)相応部経典や法句経に『執着しない』という流れの話しなんかがあるんですが、なんだか「必要な栄養をとる」という所で凄くソレを思い出しました。それでいくと人間以外の動物は、精神が清い気がしますよね…
たえちゅんさん

「普通の家庭」と知人はよく己の育った環境を蔑むように言うことがあります。
しかし、普通とは血縁が家族であるためにたくさん努力して我慢して、そして愛情ゆえにケンカもしたりして維持してきたのです。
恵まれた環境はご家族が幸せを維持するために頑張ったのです。
大事になさってください。

過去はキツかったですが、今は怠惰な大人になりました。

深く感じてくれてありがとうございます。
BEAR832さん

拙い文書を褒めていただきありがとうございます。

怖い話で紹介できる獣の絆はもうありませんが、別の不思議な話をどこかで紹介できればと思います。
かのきちさん

優しい獣でした

>『聞こえない!犬語わかりません!』とやると『嘘つけ!』と返されます

凄いですね!
我は言葉では彼らと話しませんでした。
意思の疎通は、毛並みを見るとか体の周りの空気を感じるとか、同じものを見る などでした。
その頃は我自身も言葉を使っていなかったので、動物の脳のままだったのかも知れません。
今は人の言葉を操れるようになったため、獣の意思表示は細かくは理解できなくなりました。

どうぞ、ダックスちゃんと楽しい会話で幸せを満喫してください。
かぐらさん

たくさんの人に守られて成長出来たのに、簡単に自分を投げ出せる人間が正しいとは思いません。
ご自身を大事に思われているのは、周りの人を幸せにする第一歩でしょう。
自分の生活を守った上で、何か、誰か、小さな存在に手を伸ばせば良いのだと思います。

償いではなく、愛情で慈しみで小さなものに手を差し伸べられれば素敵ですね。
今回も胸にグッとくる話しでした。

私も犬姉がいました。
0歳から3歳までは私は鹿児島市にいたので、その時の事です。犬姉はシェパードの雑種で、生後3ヶ月でかなりの大きさだったらしいです。小さい私はいつも背中に乗ろうとしたものでしたが(笑)
犬姉は、いつも私と一緒でした。道路に出ようとしたり、草むらに入り込もうとする私を止めたり、一生懸命面倒を見てくれました。とにかく私の面倒全てを見てくれた犬姉でしたが、死に目には会えなかったのです。
今でも私の中で犬姉は生きてます。大事な、大事なお姉さんです。
そんな昔を思い出しました。
主さんも幼い頃は修羅場を潜り抜けてきたのですね……でも犬や猫が護ってくれた…愛情を注いでくれた…そして今でもなのかな…


自分は、人間が嫌い……


波さん

存在自体が残念だと思うときもありますが、やはり親しい人に好くない事が起こるのは残念だとも同時に思うのです。

犬も猫も命に執着はしません(乳離れできない子のいる親は除く)
その場を一生懸命に生きて、そして綺麗に死ぬのです。
今を生きているので後悔もないです。
過去も見ないので、よっぽどの事がないかぎり恨むことや憎むこともないです。
未来を思って憂うこともない。

命を正しく燃やしているのは獣達でしょう。
今煮えるカプレッテさん

女性としての過去は、コノ後のコノ親族に引き取られてからの方が地獄でした。

でも、それも過去です。
今は適当な大人となっています。
マルさん

我らは人に虐げられていたので、余計にお互いを大事にしました。
彼らの愛情を思い出すとき、セットで人としての辛い記憶も出てしまうのが少し切ないです。

黒いものは何だったのか分かりませんが、神様を感じることが出来る親族で唯一の人格者の祖母が他界したのが原因だと思います。
神の加護を外れて、黒いモノを自らが寄せたのでしょう。
前田 摩躬さん

辛い過去がおありですか。
お疲れ様でした。心が無事でナニヨリです。
ご家族を持たれているのですね。
本当に良かったですね。今が大事です。今が幸せでナニヨリです。

最悪の過去だったとしても、生き残れたのは誰かが何かが願ってくれていたのでしょう。

それを信じましょう。
我らは祝福されていると。
ショウさん

誰もが守られているのでしょう。
それが我にも分かる形で出たのは、脅かす何かがあった所為です。

きっとショウさんも守られているのでしょう。
普段感じないほど普通を送られるのは、強い力を持ってらっしゃるのでしょう。
くろたえさんの話しは
いつも心に響きます
犬父はくろたえさんを
本当に自分の子供のように思っていたのでしょうね
壮絶なご自身の過去なのに
正直に他人に話せるなんて
なんて心が綺麗な人なんだろう
誉さん

しっかりしたお姉さんですね。
守られて一緒に育ったのですね。

誉さんが大事で大好きだったのでしょう。

ココのコメントでも「死に目に会えなかった」と悔いを残された言葉を見かけますが
犬も猫もその場を一生懸命に生きます
死に逝く時もその場に満足して
見守られているなら、それを喜んで
独りなら獣として静かに逝くのだと思います。

獣は当たり前に生き抜こうとしますが、死にたいする恐怖は人間のようにはありません
お姉さんの死を辛い思い出として残さないで、楽しい家族の思い出にして下さい。

犬姉さんは、楽しい思い出を抱いて逝かれたのですから。
紅葉饅頭さん

辛いのはコノ後でした。
人か自分かを殺したかもしれない状況でした。

それでも、我は犬父を喰ったのだと思って生き延びました。

人は塊でみると醜悪です。
しかし、ひとりひとりの中に物語があって優しい話もあったりするのです。

このトピで紅葉饅頭さんは我を見つけてくれました。
しかし、社会では我は見つけられないでしょう?
誰の中にも心を引かれる物語があるのだと思います。

KI☆KIさん

今回も読んでいただきありがとうございます。

本当に辛いことは、自身が醜いことは未だに誰にも言えませんがね。
多少変わっていて興味を引く過去だと思うので、書かせてもらいました。
といっても、このネットの世界では饒舌で素直ではありますが、現実ではあまり友人にも話すことも出来ないものです。
我を知らない他人だから話せることなのかも知れません。

綺麗でも正直でもない人間です。
でも、mixi内では結構心を書いています。
受け取っていただきありがとうございます。
久々に読ませて頂き、泣きました。

くろたえさんに比べたらわたしの悩みなどなんと
ちっぽけな事か。

生きます。ありがとうございます。
子供っぽく聞こえてしまうかもしれませんが‥なんかスゴいなって表現しか出てきませんでした‥。
まるで小説を読んでいるかと間違ってしまう文章力、そして内容。
怖いよりは暖かい気持ち、冷えたモノに、じんっっとくるお話でした。

有り難うございます。
とても切なくて辛くて優しいお話をありがとうございます<m(__)m>。
トピ主様は自然や自然に近いものに愛されているのかもしれませんね。
くろたえさんの幸福を願っいます^^。
>>[64]

ずいぶん前の話ですが、読んでいただきありがとうございます。

悩みは人それぞれで、他者が軽い思いと判じるものではないです。
悩んでいたころは、何よりも誰よりも苦しまれたのです。
それでも、それが過去形になっているのはナニヨリです。

我も生きています。
決して器用なほうではありませんし、生きやすい夜の中でもありませんが、生きていくことは出来るのです。

コメントをありがとうございました。
>>[65]

最上級の誉め言葉をありがとうございます♪

小説よりも奇異な、夢のように捉えどころのない我にとっての事実がありました。
寒くなる時期に温かい気持ちになれたらナニヨリです。

こちらこそ、読んでいただき、コメントをいただき、ありがとうございました。
>>[66]

「切なくて優しい」ああ。本当にそんな記憶です。
犬父を殺した時を思い出すと今でも、自分か世界かを憎んで声が漏れるほどですが、きっと犬父は殺す我を受け入れてサラリと旅だったと思います。
人の世界が厳しかった子供の頃は不思議が近かったです。
それらは、無力な子供の命の岐路に立ち会っては生きる方を選ばしてくれました。

この話の後の8年ほどは、生き残ったことを恨みましたが、今はそれも遠い過去になり、とりえのない中年となっています。

コメントをありがとうございました。
くろたえさん、日曜に、猫の譲渡会があるので
行ってきます。やっと、お迎えする元気が出ました。
ありがとうございます!!
前に進んで一匹でも助けたいです。
また、報告します!
>>[70]

お迎えですか。
それはおめでとうございます。
猫さんを迎えられるくらいに生活が安定したのだと安心をしました。

良い出会いがありますように。
永い永い幸せな日々が続きますように。

本当におめでとうございます。

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