ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

とにかく怖い話。コミュの【創作】学校の怪談

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんばんは。
相変わらず見ざる、聞かざる、言わざるならぬ、霊が見えざる、聞こえざる、言えざるの私が創作のお話を投稿させていただきます。

今回のお話は、私が通っていた小学校の言い伝えを基にしたフィクションとなっております。登場人物は実在する人物とは一切関係ありません。
また、前回までのお話のような妙な仕掛けはございません。至ってシンプルなお話です。
なので、もしかすると、何の面白みの無い、怖くもない、ただの自己満怪談になるかもしれません。

それでは、しばらくの間ですが、私の自己満にお付き合いいただけたらと思います。




ーーーーーーーーーー

僕の通っている小学校には言い伝えがある。
その昔、進藤くんといういじめられっ子がこの学校に通っていた。進藤くんはクラス全員からいじめられ、悩んだ挙げ句、校庭の銀杏の木の下で首を吊って自殺した。
自分をいじめた人間を恨みながら…。

それ以降、妙な噂が飛び交うようになった。
いじめられている生徒は銀杏の木の下の砂に、自分をいじめる人間の名前を書け。
そうすれば進藤くんがいじめから救ってくれる。

いじめ問題を考慮した上で生徒を脅かす為に先生が作った話なのか、実際にそのようなことがあったのかは分からないが、長いことその噂は続いているようだった。





僕は小学六年生。
今まではいじめとは無縁な生活を送っていた。
むしろクラスの中心にいるようなタイプで、いじめを受ける側になることなんて想像もしていなかった。
つい最近までは…。

小学生のいじめなんてものは、相手なんて誰でもよく、いじめるという行為で自分達の仲間意識を高め合う、一つの儀式のようなものだ。
要するに理由なんて些細なものでしかない。

僕がいじめられるようになった理由も本当に、本当にちょっとしたことだった。

小学六年生となると、一部の人間は中学受験を考え始める。
それなりには成績が優秀だった僕もそんな人間の一人だ。
曲がりなりにも受験勉強というものを始めた僕は、ある日いつも仲良くしていた友人からの遊びの誘いを断った。

ただそれだけのことだった。




しかし、翌日学校に行ってからは僕の立ち位置は180゚変わっていた。
僕を見て、周りの人間はひそひそと耳打ちをする。話かけても無視される。
最初はその程度だったので、僕は特に反応をすることなく、事態が収拾するのを待った。
が、これが良くなかった。火に油を注いでしまったのだ。

いじめが開始して一ヶ月を過ぎる頃には、机や教科書への落書きといったものは日常茶飯事だった。



そんなある日の放課後、僕は遂に校舎裏へと呼び出された。
その場へ向かうと、かつてはいつも僕と一緒にいた仲間が三人、嫌な笑みを浮かべて立っていた。その一人がいじめのきっかけ、遊びの誘いをしてきた山口だ。
恐らくこいつが僕のいじめの首謀者だろう。

その後はガリ勉だの何だのおかしな言い掛かりをつけて、反抗する僕を殴った。
悔しかった。
ボロボロにされた後、僕は解放された。
しばらくの間、その場に座り込み泣いた。
今まで自分を慕ってきた人間が、一気に自分を見下してきたことに対する怒りが沸々と込み上げてきた。

そろそろ帰ろうと立ち上がると、夕陽に不気味に照らされた銀杏が目に入った。樹齢は相当長いと聞いたその木を見て、あの言い伝えが頭に浮かんだ。
銀杏の木の下にしゃがみ、根元の土に指を当てる。
そのまま指を動かし、『山口』と簡単な漢字を二つ連ねて書いた。
その字を見て、僕は思わずふっ、と笑った。

何を期待しているんだ。
あんな言い伝え、嘘に決まってるだろう。

コメント(14)


子供ながらに馬鹿馬鹿しいと思い、ランドセルを背負い直し、その場を後にした。

銀杏の根元の字は風によって掻き消された。
その風によって揺れる銀杏は、まるで承知したと不気味に笑っているかのようだった。





翌日、学校に行くと、銀杏の木の下に人だかりができていた。
胸騒ぎがした。
まさかあの言い伝えが本当であるはずがない。
そう思う反面、もしかすると…と思う自分がいた。
近づくと銀杏の枝から何かがぶら下がっているのが見えた。

枝から白いロープを下へ、下へと辿っていく。




そこには青白い顔をして、息絶えた山口が繋がれていた。








その日の放課後、僕は担任に呼び出された。
「山口のお母さんにお話を聞いたんだが、昨晩、山口は電話で進藤という男の子に学校に呼び出されたらしい。その時山口が、お前がいたずらしてるんだと言って出かけたみたいなんだが、お前、何か知らないか?」
僕は首を振った。
何度かしつこく色々と聞かれたが、昨日はずっと家にいて電話はかけていない、母親に聞けばわかる、と言うと、担任は納得したのか、僕を解放した。

僕は内心焦っていた。
山口を殺してしまったのかもしれない、という疑念もあったが、理由はもう一つある。
実は、進藤くんの言い伝えには続きがある。
進藤くんに助けてもらった人は、その次の日までに銀杏の木の下に進藤くんの大好きな飴を置かなければならない。
肝心の置かないとどうなる、という所までは誰も知らない。
ただ、山口を殺すような相手だ。自分もどうなるか分からない。
ランドセルに飴玉を詰めて、その日は床に就いた。





朝、目覚めると早速銀杏の木が頭に浮かんだ。
仕度をして学校へ向かい、銀杏の木の下へ足を進ませようとしたが、頭の中で警鐘が響いた。
もし自分が木の下に飴を置いている所を見られたら、山口を殺そうとしていたのがばれてしまうのではないか。
そう思い、飴を置くのは放課後、生徒がいなくなってからにした。



落ち着かないまま授業を受け、待ちに待った放課後を迎える。
あとは人がいなくなるのを待つだけだ。
それまで何をしていようか…。

と思いを巡らせていると、山口と一緒に僕を殴った二人がやって来た。
なんてタイミングの悪い奴…。
三人だけの教室で、またいじめが始まった。
殴られるのも最早苦痛ではなかった。
早く終われ、早く終われ。
頭の中は飴のことで埋め尽くされている。


しかし、事態は最悪の方向へ向かった。
二人のうち、一人が僕のランドセルに手をかけた。


待て。待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て。


「おーい、こいつ、こんなに飴玉を学校に持って来てやがる」
「マジかよー。学校にお菓子なんか持って来ていいんですかー?」
「いけませーん」
「じゃ、没収!」
二人はわざとらしく演技をし、飴玉が入った袋を掴み、それで満足したのか僕を解放した。



腫れ上がった顔も、流れ続ける鼻血も気にせず、僕は家まで走った。
家にまだ飴が残っていることを願いながら…。

家に着き、いつもお菓子が置いてある棚を開ける。
願いも虚しく、飴はもう残っていなかった。
自分で買いに行くしかない。階段を駆け上がり部屋の中の貯金箱を確認したが、今月の小遣いは使い切ってしまった。
台所で夕飯の仕度をしている母親に小遣いの前借りを頼む。
「何に使うの?」
と母親が尋ねてきたので飴、と咄嗟に答える。
しかし答えてからしまった、と思った。
「じゃ、我慢なさい」
当然の答えだ。

部屋に篭り、机の前で突っ伏した。
進藤くんが本当に存在するという確証もない。
山口はたまたま自殺しただけだ。
大丈夫、大丈夫。
と自分に言い聞かせていると、下から母親が自分を呼ぶ声が聞こえた。



「進藤くんて子から電話よー!」



一気に血の気が引いた。
母親から渡された受話器を耳に当てる。



「学校で、待ってるよ」



ただその一言だったが、僕には学校に行くという選択肢しか残されていない、そんな感じがした。





学校に着き、銀杏の木の下に向かう。
しかし、特に何が起こる気配も無い。
すると、
「おい」
上の方から声が聞こえる。

見上げると、銀杏の枝に死んだはずの山口が腰かけていた。
「こっち、来いよ。最後に仲直りがしたいんだ」
死んだはずの山口が生きていたという罪悪感からの解放と、かつての親友と仲直りができるという喜びから、すぐに山口の元へと向かった。
木の側の塀をよじ登り、山口の座る枝へと移る。



僕が隣に座ると、山口は
「悪かったな。あんなに仲良かったのによ」
と優しい微笑みを浮かべた。
僕は首を横に振った。
僕の方こそ取り返しのつかないことをした。
「俺のこと許してくれるか?」
山口の問いに僕はこくりと頷く。
「そっか、じゃあ仲直りだな」




そう言うと、山口は僕の首に白い縄をかけた。
僕の顔が強張る。



「ずっと一緒だぞ」



その声を最後に、僕は枝から落ちた。

書いてみたら意外に長文となってしまいました。
申し訳ありません…。
また、ありきたりで怖くないかもしれませんが、最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。

すでに次回の創作の構想も完了していますが、その前に私の最初で最後の実話を、明日投稿させていただきたいと思います。
もしよろしければそちらもよろしくお願いします。
感想としてはあっさりしてて読みやすい

ただ進藤君は最後まで出てこないな
> クッキーモンスターさん

コメントありがとうございます。
つまらない話だったとは思いますがお付き合い頂けて光栄です。

確かに進藤くんを登場させた方が良かったですねf^_^;
飛び降りた瞬間山口を見たら見知らぬ少年だった…
みたいな感じに。
より精進したいと思います!
> τакυмаさん
救いようのない話ですね?怖かったです。
> 舞姫さん

自分の中では駄作でしたのでそう言って頂けると嬉しいです(^^ゞ
怖かったですよ

僕の名字は

進藤

ですが…
> チョコリーナ さん

山口さんでしたか(¨;)
この話の山口はテキトーな名前なんで安心してください!笑
> やっさんさん

し、ししし、進藤さん(゚Д゚;)
これは失礼しました!笑
>> チョコリーナ
>> τakυмa

ちょっと乗っかってみただけなので気にしないで下さい。

あんまり僕の名字が使われることって少ないので

なんだか嬉しいような…

ヒカルの碁
の時なんかすげー嬉しかったし

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

とにかく怖い話。 更新情報

とにかく怖い話。のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。