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とにかく怖い話。コミュの【実話】ミエルヒト11

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久々に帰った我が家で初めて私に送られた言葉は「うるさいんだよ」だった

弟の部屋、私は強引に入り込んだ
弟は受験シーズン真っ只中でありいつもより気が立っているのがわかる
ただ、もともと私達兄弟は仲がよくない それは二人の対照的な霊障害が原因だった
私は霊の姿のみを見ることができる
基本的には感情を読んだりすることは出来ない
対照的に弟は霊がまったく見えない
しかし、厄介なことに憑きやすい体質である

霊が憑くとは大抵「物」であることが原則だと私は考えている

ただ私の弟に関しては完全に彼自身に憑くのだ

多い時で4〜5体憑いていることもあった ただ彼には全く見えていない


私はそんな弟を必死に説得していた

「うるさいんだよ!僕は受験生だぞ!お前の妄想に付き合ってるひまわないんだ」

弟は受験生が世界で一番忙しくかつ偉いモノだと勘違いしているのだろうか?


私は山の祠でみた黒い霊の事で弟に協力をお願いしていた

私の考えでは弟なら霊道まで黒い霊を運べる気がした

Sと私ではモロに霊の影響を受けるが、憑かれやすいタイプの人は影響を受けにくい
だから自分が憑かれているのだと気づかない事が多いのだ

弟は私が霊障害を持っていたことでキツイ学校生活を送った

「変人の弟」としてだ

だから弟は私を毛嫌いする

また、霊を断固として信じない母親の影響もあり、霊障害によって起こったことも偶然だと言い聞かせているようだ

これでは兄弟仲が良いはずもない



今日も弟は憑かれている。
憑いて時間はかなり経ち、消えかかってはいる霊とまだ憑いて間もない霊だ

どうもイライラは受験勉強だけではなさそうだ



「イライラの原因を私がとってやろうか?」

弟「どうやって」


昔から弟に憑いた霊は私が払っていた
弟は霊の存在を口では否定しているが、なんとなく霊を感じてはいる

私は払うのを条件に協力を促した


弟は受験勉強のために渋々了解した

それから私はお風呂にお湯を張る


そこに日本酒を少し入れる

これは死んだ私の父から教わった方法だ (父についでは後で話そう)

弟を風呂に入れる
実は昔から弟に憑いた霊をコッソリお風呂に日本酒を入れて払っていた

霊は水に溶けやすい

だから日本酒で弟と霊体を離し、水に溶かす感じで払う

これでだいたいの霊は離れていく
お風呂からあがった弟は少し嫌面をしていた

弟「まぁかなり体は軽くなったよ…」

私は、ざまぁ〜みろ!といってやりたかったが我慢した

早速私は弟を連れ出した

霊を払ったからか少し機嫌が良く、弟は私の車の中で鼻歌を歌う


今回Sは例の病院に貼ってあった御札の件で忙しいらしく連絡がとれない(もう退院しています)

実はあの御札はもともとSのおばあちゃんの関連の宗教団体が作った御札だったらしいのだが、脱退した元宗教の団員が勝手に売買していたとかで…

実際あの御札は元々おばあちゃんの団体がタダ同然で霊障害に困っている人に渡していたそうだ

それを誰かが悪用していると言う事で、出元を探しているから手が離せないとのこと。


ということで、今回は私と弟の二人っきりである

今回の作戦はこうだ

まず黒い霊を祠から離し弟に憑かせる
(弟なら影響を受けにくいだろう)

弟に憑いた霊をそのまま霊道に運ぶ

霊道に沿って霊が流れる

という私の考えだ

今回の計画はSに相談しようとも思ったが話さなかった。


 なぜこんなに祠の黒い霊に執着するのか、自分でもわからなかった

黒い霊を消滅させる事が妙に魅力的に感じた

祠のある山についたのは夕日がくれた頃だった

弟「やっぱ止めようぜ!まじ気味が悪い」

そんなことを言う弟を引っ張り山に入った

やっぱ頭おかしいよ!とかごちゃごちゃ言いながらも弟は私とはぐれないように必死についてきた

その日は曇りで、月明かりもない

懐中電灯だけが頼りである

懐中電灯の光が「危険」「立ち入り禁止」などの看板に反射して怪しげな光を放った

動物(?)の動く音や木の揺れる音にイチイチ弟は悲鳴をあげる


少し進むと弟も山の雰囲気に慣れてきたのか黙って山道を登った


獣道から砂利道に入ったとき、登山道の上のほうから誰かが降りてくる気配がした
私は足を止める

(ど、どうしたんだよ)

弟は私の異様な雰囲気に気づいたのかさっきよりも小さな声でたずねてきた

私は何も言わず山道の上のほうを見ていた

私は弟に懐中電灯を消すように言った

弟は素直に従う

私も懐中電灯を消した



まっくらな闇の向こうから誰かの気配が近づいてくる

ジャケットのポケットに入れておいた日本酒入り小さなペットボトルをギュと握った

もしココで弟に面倒な霊が憑くような事があったら、計画は終了してしまう気がした

気配は私の横を通り過ぎた

1・2・3・・・・5体

確認できただけでも5体の霊が束になって移動していた


そのまま何事も無く霊達は通り過ぎ、懐中電灯をつける

弟は怖がっていたが、私の気のせいだったのだとなだめた



祠までは何事も無くたどり着いた。


だが問題はココからだった

祠に近づいてすぐ私の体調に異変が起きた

今回は頭が痛い

常時頭を硬い物で殴られているような痛みだ
それは波のように繰り返す

弟はそんな私を気遣ってくれた



祠の奥のほうは完全な闇だった

にもかかわらず、その闇の漆黒よりも黒いそいつの存在がわかった

黒の中にぼんやりと浮かぶ黒い霊

祠の中に入る

私の尋常じゃない様子に弟は困惑していた

「大丈夫!憑依型のあんたには影響ないから」

どうして私はこんな事が言えたのだろうか?どうして弟を使ってこんな事をしてしまったのだろうか。今となっては無謀で、なんて馬鹿なことをしてしまったのかと反省している

私は祠の床にペットボトルに入った日本酒を軽く撒いた

一瞬黒い霊が祠から宙に離れた

多くの霊を吸収しているからか、とても動きがゆっくりとしている

醜いその姿はゆっくりと元の祠の場所へ戻ろうとする

黒い霊が祠に戻ろうとした時、弟に黒い霊に向って、手を差し出させた

ぐぐっと磁石に吸い寄せられるように弟の体にくっついた

渦を巻くようにゆっくりと弟の体と一つになっていく

よし!後は弟を霊道まで連れて行けば・・・・


これで上手くいくはずだ。そう思っていたのに

しかし、予想外の出来事が

いや、私の考えが甘かっただけなのかもしてない

弟はその場に倒れ込んだ

それから首の辺りを必死にかきむしり出した

どうしていいかわからない

弟は声にならない叫びを上げている

弟は転げ周り祠の床がバキバキという乾いた音を立てた

慌てて私は弟のジャケットのジッパーを開け、そこに日本酒をぶっかけた

それから、さらに弟の口に向ってぶっかける

弟はタンが絡んだような咳をした

ニュウルッと弟の背中から黒いモノが這い出でるように現れた

それは今までの黒い霊とは姿かたちが違っていた

まるで虫が這い出るように弟の背中から出てきた黒い霊は、女の人の形をハッキリとしていた

今までは霊体が重なり合い、どこが手で、どこが頭で、どこが足なのかわからなかったのに・・・・

それは一つの個体の霊となっていた

それに続くように、今まで黒い霊と重なっていた霊と思われる霊体が滝のように弟から流れ出てきたまずい!そう思い弟を担ぐように祠から出た

考えてみれば当たり前だった

多くの霊を吸収した黒い霊を弟に憑かせるということは、吸収した霊体の分の負担がかかるということだ

左側で弟を担ぎ、右で懐中電灯を持ちながら祠を離れる

この時の私は妙に冷静だった

弟からはまだ抜け切れていない霊が次々に抜けていく

弟に言葉を掛けながらなんとか歩かせた

意識が朦朧となりながらも必死に弟は足を進めている

祠から離れて少しして弟を一旦地面に座らせた

そして後ろを振り返る

真っ暗な山道の真ん中に漆黒よりも更に黒いそれが居た

追いかけてきている!!!


弟に謝りたかったがそんな暇を黒い女は与えてはくれなかった

私は弟を担ぎ山を下る

弟は私にもたれかかりながらも必死に足を動かしていた


体から霊が抜けると弟はかなり体が楽になったのかひとりで歩けるようにもなった


弟「どうなってるんだ?なんかマズイことになってるのか??」

弟には何も見えていないため今の状況がわかっていない

私は冷静に大丈夫だと言い続けた

しかしすぐ後ろには黒い霊が居る

霊は漫画やテレビなどでは瞬間的に移動したりすごいスピードで動いたりするシーンが描かれているが、基本的には人間と同じ(?)スピードでしか移動出来ない

ちなみに死んで間もないの霊はこれとことなり、例外がある。


なぜ追われているのかわからない

ただ、私は必死に黒い女の霊から逃げていた



なんとか車までたどり着く

後ろを振り向くともう女はいなかった

車の近くまできて少しホッとした

そうだ!Sに連絡しよう

そう思って電話を掛けた。Sはすぐに出てくれた。

今の状況を説明すると、Sはこちらに来てくれるという。怒られると思ったが、非常事態ということで、何も言われなかった。

そしてやっと車の中にもどった

エンジンをかけて発進させる

弟はいまだにパニック状態である
自分の身に何が起こったのかわかっていない

私「とにかく御免なさい!でも今はココから離れ・・・・」

そういいかけて車を止めた

そして、私は弟に携帯を渡した

弟「な、なんだよ!?」

私「車から降りて!この坂道を下ったらすぐにコンビニがある。もう少ししたらSって人から電話があるから、それに出て」

弟「なにいってんだよ!?」

私「降りて!」

異様な空気を察してか、弟は車から降りた

弟がドアを閉めたのを確認してアクセルを踏み込む



バックミラーで後ろの席を確認した

そこには黒い女がいた

いつの間に入ってきたのか・・・・?

黒い女は必死に口をパクパクと開いたり閉じたりをくり返している

何かを言いたいのだろうか

座席と座席の間から顔をヌッと出してきた

「け、すて」

そう聞こえた気がした

たすけて?といっているのだろうか

車は山道を下るとすぐに国道に出た

黒い女が私の肩を握る

その部分がひんやりと冷たい

怖い?いや、その時にそんな感情は無かったと思う

なぜだろう、その時私はとてつもなく冷静だった
私が向っていたのは霊道だった

霊道が通る学校の図書館に車ごと運ぶのは無理だ

だから、他の霊道に運ぶ

学校から少し離れた所に動物の霊園がある。
そこに丁度霊道が通っているのを前に確認していた

私はそこに向っていた

霊道というのは運動場にあるトラックと同じような形をしている

街を一周するように存在していた

ちなみに霊道の規模には違いがあり、私の大学のある街の霊道はかなり大きなほうだと思う
もちろん、川と同じように流れが速い場所遅い場所も存在する

図書館はかなり速い。動物霊園は速さは少し速いぐらいである

しかし、ここなら大丈夫だと私は思った

霊道をなんとなく確認し車を止める

そして、エンジンも止めた

その時だった、ギュっと後ろから黒い女に抱きつかれた

「けして」

消して?
黒い女はそう言ったと思う

抱きつかれて私は息苦しくなった
ミラー越しに黒い女と目が合った

まっすぐに私を見ていた



どれくらい気を失っていたのだろうか?

太陽が昇る少し前、まだ周りは薄暗かった

体はかなり冷えていた


「○○ちゃん?」

ドアを開けて誰かが私の名前を呼んだ

知らない女の人だった。

私は小さく頷く

その人は電話を掛け始めた「もしもし?○○ちゃんと思われる女の子を見つけた。動物霊園の霊道のところに居た。Sは今どこ?」

S?

Sの知り合いか・・・

すこしホッとして、私はその後どうしたのだろうか???
あまり覚えていないが、気がつくとSのおばあちゃんの家だった。

私を見つけた人は、Sのおばあちゃんの宗教団体の一員らしい




その後、私はみっちりと指導された

弟はその後体調もいいようだ。幽霊を自らの体で体験し、信じるようになったようだ。毎日お風呂に日本酒を少々入れて入るといっている。






・・・・・

私「黒い霊を助けたかった・・・・。だって、私が死んだ後もあんなふうになるんでしょ?人事には思えないじゃない」
いいわけだったかもしれない。


S「君は、黒い霊を消す事が出来て満足かも知れない。でももし君が死んだ後、誰かがそうしてくれるとは限らないんだ。」

私「わかってる。でももし、アンタが死んで黒い霊になったら、私が消してあげるから」


Sは呆れていたように笑った。






コメント(6)

リアルタイムに近い話しなのでしょうか?

いつも楽しみにしています。p(^^)q

弟君凄い霊媒体質なんだあせあせ

日本酒は祓いに使えるからねわーい(嬉しい顔)
塩に日本酒含ませて乾かすと清め塩の出来上がり猫
これ舐めるのも効果ありわーい(嬉しい顔)
続き期待してますうれしい顔
お風呂に日本酒を少し入れてからはいると
霊を祓えるなら、毎日そうするといいんでは?
毎日でもよかったら俺もそうしたいなぁむふっ

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