ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

とにかく怖い話。コミュの【怪奇系】オバケの九十九郎(前編)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昭和20年 8月15日


ワテは死んだ。


周りには、ワテと同じ年くらいの若者が仰山倒れとった。


死んだワテの体は、どんどん腐っていきよる。


でも、もうワテは死んだんや。

関係あらへん・・・。


でも・・なんでやろ?

死んだのに、この腐っていく体から、抜ける事ができへん。


なんでやろ・・

なんでやろ・・・


ワテは、死ぬまでに何があったんか、思い出して見る事にした。



〜〜〜〜7月1日〜〜〜〜〜〜〜


空襲で家も何もかも焼かれたワテは、お母んともはぐれ、一人ボロボロの服で町を彷徨っとった。

腹が減った・・・。


中学二年のワテは、その辺の草を食べて生き延びた。


夜は野宿。

そんな生活で、一ヶ月が過ぎた。


ワテは死体を集めて焼く学校の校庭を見つけたので、フラフラと立ち寄ってみた。

そこにお母んがおった。




お母んが焼かれる炎を見て、ワテは思い切り泣いた。

涙が枯れるくらい泣いた。


日が経つにつれ、ワテの体はどんどん痩せて行った。

そして、この避難所に座ってから、もう立つ事ができんようになった。

体を動かす元気が、残っとらんかった。


お父んは・・・出兵したお父んは元気でやっとるんやろうか・・?



 周りには、ワテと同じ年くらいの若者が仰山倒れとった。

中には、死んでしもうて、もう腐ってきよるもんもおった。


ワテも、きっともう時期ああなるんやろう・・・・。


8月15日

周りの大人が膝を落として泣いとる。


ラジオの音が、もうほとんど聞こえへん耳にかすかに聞こえてきた。

・・・終戦・・日本が・・負けた・・・。


ワテは・・何のためにこんな苦しい思いをしたんやろう・・・。

体の力が抜けた。

その瞬間、あらゆる苦痛が消え去った。

そう。

ワテは自分が死んだんやと理解した。


お母ん・・・もうスグ会えるな・・・。


「百郎!百郎!」

お母んがわての名前を呼んどる。

もう、行かんと。


ワテは、この体を抜け出し、お母んが呼んどる所に向かおうとした。

・・・でも、なんでやろ・・?

体はもう動かへんし、腐ってきよるのに、この体から抜け出す事ができへん。





数日が経ち、真夏の暑さで体はもう、ボロッボロに腐った。


ある日の深夜


何やら、車を引いて、周りの腐った死体を大人が片付けに来よるのが見えた。

ワテも、早うせんと持って行かれる。

早う、この体から抜けんと!


 「・・・ふ〜。それにしても、嫌な仕事やでぇ。 まあ、10円ももらえるからしゃぁないけどな。」


大人が、ワテを車に乗せようと近づいてくる。


「うわぁ〜こりゃまた、えらい腐ってしもうとるわ。」


その大人は、なにか棒のような物でワテの体を持ち上げようとした。



ズルリ・・


ワテの腐った体の皮が、ズルリと剥げ落ちた。



「!!!!」

大人はビックリしとる。


その皮が剥がれ、ワテの体は動くようになった。

体から抜け出すのではなく、この体ごと、動くんや。


「バ、バケモノダァアア!!!」


大人は一目散に逃げていった。


ワテは意味がよう解らへんかった。


まだ体にところどころ引っ付いとる腐った皮をぜんぶ剥ぎ取り、外へ出た。


何で、動けるんか不思議でたまらへんかった。

体も軽いし、腹も減ってへんし、ノドも乾いとらん。

月明かりを頼りに、ワテは外の水溜りで、自分の顔を確認した。


「・・な、なんやこれ・・・。」

そこには、ワテの顔があった。

ただ、髪が全部逆立ち、まるで妖怪のような姿だった。


手足をもう一度見ると、多少爪はとがってるけど、ほとんど人間と変わらへん感じやった。


「ワテ・・・どうなったんや・・・?死んだんか・・?生きてるんか・・・?」


ざわざわ・・


その時、髪の毛の逆立ちがよりいっそう強くなった。

後ろから気配を感じる。

バッ!

ワテは振り向いた。


そこには、中国のディズニーをパクッたカブリモノみたいなのをかぶってる人がいた。


「な、何や!お前は!」

どう考えても不審なので、ワテは身構えた。


「ま、まてまて!」

そのかぶりものの人は、両手を前に突き出し、

「お、お前、仲間だろ?」
と言った。


「仲間? ・・・何や、ようわかれへんけど、とりあえず、お前、そのかぶりもの脱げや!」


警戒心バリバリやった。

それはそうやろう。




かぶりもの男は、


「いやいや、これは自顔だ。 お前も、おれと一緒の妖怪だろ?」

「・・妖怪・・・?」


かぶりもの男は、悪党には見えなかったから、ワテは話をよう聞いてみる事にした。

その際、かぶりものを引っ張らせてもらったが、どうやら本当に自顔らしい。

口や目も、ムックみたいに動いとった。

そのかぶりもの男は、

「先に、自己紹介しておく。おれの名は、マウスマン。 海の向こうで人形をやっていた。」


・・・人形をやっていた・・・?


「見たところ・・・お前は、人間から変化したみたいだな。 人間から変化したものは力が強い。 どうだ?おれと組まないか?」

・・・変化?・・・力・・・?


「す、すまん。マウスマン。 よう内容が把握できんのやわ・・。 もうちょい簡単に説明してくれんか?」


「あ、あぁ。そうか。すまんすまん。 そうだったな。 お前は、まだ妖怪の事を理解していないんだったな。」

マウスマンは、そういうと説明を始めた。

その内容はこうや。


物でも、人間でも、動物でも、

あらゆる物は、壊れると魂が抜けて、その肉体等は抜け殻になるらしい。


でも、その魂がこの世に未練を著しく残したり、恨んでいた場合、

肉体にしがみつく事があるらしい。

そのままある一定の期間を過ぎると・・・。

肉体に変異が起こる。

再度その魂と同化してしまうらしい。

しかしその肉体は、生前のモノとは異質となり、

世の中での物理論は一切通用しないものとなる。


「・・・ちゅうことは、アレかいな?空飛んだり、海歩いたりもできるっちゅーことか?」

マウスマンは、コクリと頷いて、

「そういう事が出来る者も、居る。 ほら、人間でもあれだろ? 頭がいいやつとか、力が強いやつとか。 生まれ持ってるさまざまな才能があるだろ?あれと一緒で、どんな能力があるかは、妖怪によって異なるんだがな。」


ワテには、一体どんな能力があるんやろう・・・。

しかし、そこでワテは一つの疑問が浮かんだ。

「・・でもな・・マウスはん。ワテ、何もこの世に未練なんかなかったんやけどな・・・。」

マウスはんは難しそうな顔をして、


「・・ふむ・・。それは、オレにもよくわからん・・。」

と言った。







その時、ワテは股間にものすごい違和感を感じた。

痛い!股間が痛い!


急いで玉を見た。

ポロン・・


なんと、ワテにぶら下がっとる二つの玉のうち、左の玉がポロリと転げ落ちた。


「わての・・わての玉があああああ!」


もともと人形だったマウスはんにはピンと来ないようだったが、男として大ショックな事や。


「ぉぃ!」


ん・・?


転げた玉に、体が生えていた。


「よぉ!元気だったか?」


なんと、その玉が喋ったのだ。

裏声で。


「?誰ですか?アナタは?」

ワテは敬語で聞いた。

「ワシを忘れたのか! お前のオヤジだ!戦死して、玉に魂を注入して、密航船に紛れて帰って来たんじゃ!ジャパンに!」


なんと、この玉はオヤジだった。

どうやら、ワテは死んでから天国に行こうとしてたらしいのだが、

オヤジが既に妖怪になってたので、寂しいからこの世に引きとめていたらしい。


「すまんのう。」

オヤジは謝ったが、

「・・ええよ。謝らんでも・・。 とりあえず、会えてよかったわ。」

ワテはそう言うと、親父を【収納袋】に納めた。


「ところで・・」

マウスはんがワテに聞いた。

「ところで、お前の名前はなんと言う名前だったんだ?」

「ワテか?ワテの名前は百郎。 この、玉のようなオヤジ殿がつけてくれた名前や。」

「そうか・・百郎か・・。 なら、 人間の時に百だったので、妖怪になった今は九十九といったところだな。 お前の名前、九十九郎(つくろう)というのはどうだ?」


「別に、かまへんけど・・・?」


そうして、ワテは妖怪、九十九郎としてこれから生きて?行く事となった。

オヤジ殿は、【キタマのオヤジ】と名づけられた。



マウスマンに紹介してもらい、ワテらはいろんな妖怪の仲間と出会った。


【唾かけババア】・・・ブーイングが出ると唾をかける

【もらい泣きジジイ】・・・よく泣く

【むりかべ】・・・体はごついのだが、無理してるのでスグ倒れる

【1/100反もめん】・・・空を飛べるが、小さすぎて誰も乗れない

【豹女】・・・全身豹柄タイツのセクシーな女性

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
後編は、この妖怪たちが繰り広げる、凄く怖い話です。

期待してください!

それでは。
(明日、後編をアップします!)

コメント(34)

後編に期待して下さいね。

あと、裕史君と沙織ちゃんのほうもよろしくお願いします。↓
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2881490
どんな展開になるのか楽しみにしてます!
ちょっと!!後半とかセコい事言わないでストーリー長くしてよ!!別にこう言う系大好きな訳じゃないんだからね!!
調子乗りましたすみません…でもスゴく期待してます☆
最初の流れに涙し、途中からほほうと勉強になり、後半で笑かしてもらいました☆

後編の超怖い話に期待です!!

ファンですハート
いつも応援してます(´艸`)
うーわッ
すーげ怖えぇぇぇexclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2
続き気になるexclamation ×2
トイレ行く前に読むんぢゃなかった〜あせあせ(飛び散る汗)
前半は「裸足のげん」を思い出しました。
そして途中まで裕史君の先輩の百郎さんの事だと思ってた〜!!
後半期待!!(^-^)/
キタマのおやじあたりがエロくて萌えた(´∀`)ハート
とりあえず、怖い話とは思えませんね。
笑わせる内容を踏まえる意味が全くわかりません。
そんなに煽んなくてもいいのに〜…
顔の見えないやり取りなんだし言い方考えようよ(;∧;)
いながわさん ゆうまさん うみがめさん。

おまけにヌピさん。

後編見てしょんべんちびらないでくださいね(良い意味で)
ちなみにこれは
前編でび一
後編泳人
のコラボなんですよ。
後編の泳人さんは
何回か退会なさっているので
後編には名前ないですが。
毎回元ネタが見えたところからガッカリします。
確実に怖くないけど、面白いですわーい(嬉しい顔)
後半期待しています。
墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)のパクり?ですねわーい(嬉しい顔)
いや、怖い話になるんなら文句はないんだけどね……たらーっ(汗)

ログインすると、残り7件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

とにかく怖い話。 更新情報

とにかく怖い話。のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング