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とにかく怖い話。コミュの【ファンタジー】鍋女完結編〜転〜

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【ファンタジー】鍋女完結編〜起〜


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    ↓


【ファンタジー】鍋女完結編〜承〜

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の、続きになります。

それではどうぞ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





〜〜〜〜〜6月26日〜〜〜〜


「・・・えっと、それじゃあ、まずは裕史君がどれくらいの霊力があるか、具体的に測定するわね。」

おれは沙織ちゃんの家に来ている。

今日から霊力を高める修行をするらしい。


おばさんは、なにやら紙とペンを持って、まずはおれの霊力を測定するらしい。


「・・えっと、まずは・・・。」

そう言っておばさんは、ズラリと壁に並んで座っている霊の一体を指差した。


「まずは視覚検査。 この霊の特徴を言って。」


・・・簡単すぎる・・・。

おれは見えるままに言った。

「男の霊、茶色い服を着ている。 片目が腐ったようにずり落ちてる。頭半分が膨れ上がって、髪の毛が抜け落ちてる。 片足が無い・・」


「お、オッケーよ。 ・・凄いわね。裕史君・・。 そこまでハッキリと見えるの?」


「・・・はい・・。もはや、普通の人間との見分けもつかないくらいハッキリ見えますね・・・。」


「よ、予想以上だわ・・。 すごいじゃない裕史君・・。これは期待できそうね。おばさん以上かも・・・。」


どうやらここまでハッキリ見えるのは凄いらしい。


ちなみに、人間と霊を判別するのは、それぞれが放っている【オーラ】で見分けている。 普通の人間は肌色のような色。 死んだ者は黒いオーラを放つ。




おばさんは、紙になにやら評価を書くと、

「次は聴覚検査よ。」


なんだか健康診断チックな気分になってくる。


おばさんは例により、また一体の例を指さし、


「はい。 彼が呟いてる言葉を言ってみて。」


・・・言葉・・・?


「・・・い、いや、何も聞こえませんけど・・・。」


「え・・・な、何も?」

「・・・はい・・・」


おばさんは困惑した様子だ。


「なんか、雑音みたいなのも、ちょっとでも聞こえない?」


おれは耳を澄ました。

シーンとした部屋の中。

・・何かが聞こえてくる・・・。


「・・ぁん・・・ ぁぁん・・ ぁんぁんぁん・・・・・」



霊の声か?

いや、違う。

隣の家から聞こえてきている・・・

これは・・・

隣で、











男 女 が ヤ っ て い る 声 だ ! ! !




「・・おばさん、あの、聞こえたんですが・・えっとね・・」



「ストップ裕史君。」


おばさんは冷静に、手元の紙を見ながら言う。


「あなたが言わずとしてる事は予想がつくわ。 もしそれ以上言ったら、これから【エロ史】って呼ぶからね。」


「・・・はぃ・・スイマセン・・・。」



どうやらおれの霊的な【聴力】はゼロに等しいそうだ。 むしろ等しいとかじゃなく、完全なゼロらしい・・・。


おばさんは、

「そういうことか。 それで、あなたに憑いているその霊が、それだけあなたに【呪いの言葉】を呟いても、まったくアナタが平気なのは。」

と言っておれを凹ませた・・・。



その後、【臭覚】検査と、【触覚】検査を行ったのだが、両方ともゼロだった。



「・・・初めてよ・・・裕史君・・・。 ここまでアンバランスな人は・・・。」

あまりのおばさんのガッカリぶりに、おれは自分がものすごく悪いことをしたかのような気分になった。

「す、すいません・・・。」

とりあえずあやまっといた。



「とりあえ・・ず、裕史君。」


「はい。」

「霊能力の修行っていうのはね、掛け算なのよ。」


「・・・はぁ・・・。」


「アナタの見る力、これはすごいわ。 一流の霊能力者・・いや、それ以上よ。鍛える必要がない。」

「あ。ありがとうございます。」

すこし嬉すぃ。

「でも、他は0点よ。残念ながら・・・。」

「はぁ・・すいません・・・。」


「0に、何を掛けても、0よね。」


「・・・。」

「でもね。 あなたに、それぞれの才能が、0.00001でも有ることを信じて、おばさんは修行をしようと思うの。」

「はぁ・・ありがとうございます・・。」


「とりあえず、服を脱いで。」

!?


おれはその後、全裸にひん剥かれ、「かわいい部分あるんだね」とののしられ、

体の毛を全部剃られた。

そして、白装束を着せられて、御札だらけのこの部屋で、一日中座禅を組まされた・・・。


〜〜〜〜〜6月27〜〜〜〜〜〜〜


朝起きると、泳吉からメールが来ていた。

【よう!こないだは電話出れずにごめん! メール見たぜ! 今こっちに帰ってきてるんだって? 今日休みとれたからさ、あそぼうぜ!】


どうしよう・・修行が・・・。



とりあえずおれはおばさんに電話をした。


「・・あ、もしもしおばさん、今日ちょっと体調悪いから、休みもらってもいいですか?・・・はい。・・ええ。 はぃ・・。そうですねぇ・・。 はぁ・・・。 はい・・・。
・・・わかりました・・。すぐ行きます・・・。」


さぼるの未遂。


おれは泳吉に謝罪の電話をいれ、おばさんの家に向かった。

そしてまた、一日座禅を組まされる。

一体こんなことして何になるんだろう・・・。


〜〜〜〜〜〜6月28日〜〜〜〜〜〜〜


朝、沙織ちゃんの家に行ったときに、ふとした疑問をおばさんに投げかけた。

「あの、おばさん・・・。ところで沙織ちゃんって、家にずっといないみたいですけど、どこか行ってるんでしょうか?」

「あら?気になるの?え?気になるの?このオマセさん。」

「べ、別にそんなんじゃねぇよ・・・。」

おれはふくれっ面ぎみに答えた。

ちなみに37歳である。


おばさんは、「沙織はね。 あの事件があって以来、田舎の方の知り合いの家で養生してるわ。 もう、大分落ち着いたみたいだから、来月頭にこっちに帰ってくる事になってるわ。」


来月・・頭か・・・。

おれはこの世にもういない・・・。

良かったんだよな。

会ってしまうと、辛くなる。

運命に、感謝するよ。

「そうですか。 わかりました。 じゃ、今日も修行、よろしくおねがいします。」

沙織ちゃんの事を聞いて、おれは身が引き締まる思いになれた。

AB型の特性なのかもしれないが・・・。


今日は、いつもと少し違い、なぜか家の地下に設置されてる巨大な水槽の中で座禅を組まされた。

無理やり肩をおさえつけられ五分という凄い時間潜らされたが、

もちろん出た時には上島竜兵ばりに


「殺す気かっ!!!!」

と叫んだ。



〜〜〜〜〜〜6月29日〜〜〜〜〜〜


朝、おばさんの家に行くと、おばさんは居なかった。

仕方ないから、近くの自販機でミルクココアを買って飲んで待っていた。

おれはコーヒーが飲めないからね。



チリーン

チリーン

チリーン・・・


はっ。

おばさんの家の前で、居眠りしていたようだ。

鈴の音が聞こえてきて目が覚めた。


チリーン

チリーン


おばさんが、こっちへ向かってくる。

・・・ん?


他にも、5人くらいの人を引き連れている。


皆、手には鈴を持っていた。


「おはよう。裕史君。」

おばさんはニコっと笑って挨拶をしてきた。

「あ、おはようございます。 ・・・こちらの方々は?」


見ると、自分とさほど歳も変わらないであろう男の人たちだった。


おばさんは、

「この人たちはね。いわゆる霊能者たちよ。 明日の浄霊の儀式のために集まってもらったのよ。」


「・・あ、そっか・・。もう、明日なんですね。浄霊・・・。」

「そうよ。 明日。 明日でないと、あなたが居なくなっちゃうもんね。」

・・・スラリと酷いことを言いやがる・・・。


「今ね、皆で、結界を張ってきたの。 明日の浄霊の為にね。」

「結界?」

「ま、鍋女が、この町から出れないようにしたものよ・・・。あとは、結界の位置を序々に狭めて、鍋女を狭い一画に追い込んでいくのよ。 そこで浄霊を開始する。」


「はぁ。 なかなか、大変そうですねぇ・・・。」


「そう。大変よ。 アナタも他人事じゃないけどね。」


「・・・っていうか、僕に勤まるんですか? ズブの素人なんですよ?」


「だいじょうぶ。 ちゃんとアシストはするし、今日はダンドリをちゃんと教えるから。 頑張って!」

「わ、わかりました・・・。」


おれは今日一日、おばさんと、他の霊能者たちに明日のダンドリを教わった。

結界をだんだん狭め、鍋女を狭い範囲に追い込んだ後、

全員で一斉に御経のようなものを唱える。

そして鍋女をあわよくば浄化。

下手したら消滅させ、

それもムリだった場合は封印すると言ったものだった。


おれは簡単な御経を教わり、今日はまたチョロチョロ生えてきた毛を全部そられて帰宅した。


帰りしな、

他の霊能者は、次々に口をそろえておれに言ってくれた。

「かわいい部分あるんだね。」って。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



【ファンタジー】鍋女完結編〜結〜  に、続きます!!!

コメント(12)

修業…
幽○白書思い出しちゃいました(笑)
お疲れ様です。ラスト楽しみです☆
やっと寝れる(´∀`)ハート

てか結も気になるバッド(下向き矢印)あせあせ(飛び散る汗)
ずっと悩んでいたのですが、この話で裕史くんが「ゆうじ」ではなくて「ひろし」でいいんだ!とスッキリ解決しました♪

「エロ史」って呼ぶからね・・ということは「ひろし」でいいんですよね?・・・・ネ?
私は「ゆうし」だとてっきり・・・!

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