**“Work Plan for the Consideration of Incorporating International Financial Reporting Standards into the Financial Reporting System for U.S. Issuers Exploring a Possible Method of Incorporation“ A Securities and Exchange Commission Staff Paper May 26, 2011
A 今回、「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律」(以下「特例法」といいます。)が成立し、平成23年6月21日に公布、施行されました。 特例法は、東日本大震災の被災者であって平成22年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った方(相続人)について、相続の承認又は放棄をすべき期間(以下「熟慮期間」といいます。)を平成23年11月30日まで延長するものです。
A 平成23年3月11日に、Q2に記載された市区町村に住所を有していたかどうかは、家庭裁判所が、住民票、勤務証明書、在学証明書、公共料金の支払に関する記録などの各種の資料に基づいて、その生活の本拠がQ2に記載された市区町村にあったかどうかで判断することになります。 したがって、住民票がなければ、特例法の適用が受けられないというわけではありません。
A 特例法が適用されるためには、相続人が東日本大震災の被災者であることが必要です。被相続人が被災者であるか否か、相続の対象となる財産がQ2に記載された市区町村にあるか否かは、関係ありません。 特例法は、相続人が東日本大震災の被災者である場合には、被災による生活の混乱のため、3か月の熟慮期間中に相続の放棄や限定承認の判断をし、あるいは、家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立てをすることが困難であることを前提にしています。したがって、相続の対象となる財産がQ2に記載された市区町村以外にある場合であっても、相続人が東日本大震災の被災者であれば、そのような困難があるものとして、特例法が適用されます。 ところで、被相続人が津波で家ごと流されて亡くなったケースでは、相続財産の状況が分からないこともあると思われます。この場合も、相続人が東日本大震災の被災者であれば、特例法の対象となります。しかし、相続人が東日本大震災の被災者でない場合には、家庭裁判所に熟慮期間の伸長等を申し立てることに障害はないと考えられますので、特例法の対象とはなりません。
Q5 相続人が未成年者や成年被後見人である場合には、どうなりますか。
A 相続人が未成年者又は成年被後見人である場合には、その熟慮期間は、民法により、未成年者又は成年被後見人ご本人ではなく、その法定代理人(例えば、親権者や後見人)を基準に考えることになります。 そこで、相続人が未成年者又は成年被後見人である場合に、特例法により熟慮期間が延長されるかどうかは、未成年者又は成年被後見人ご本人ではなく、その法定代理人が東日本大震災の被災者であるかどうかによって判断されることになり、法定代理人が東日本大震災の被災者である場合には、特例法が適用されます。
A 被相続人(祖父)が亡くなり、次いで、その相続人(父)が亡くなった場合には、祖父と父との間の相続についての息子の持つ熟慮期間は、民法により、息子を基準にして考えることになります。 そこで、祖父と父との間の相続についての息子の持つ熟慮期間が延長されるかどうかは、息子が東日本大震災の被災者であるかどうかによって判断されることになり、息子が東日本大震災の被災者である場合には、特例法が適用されます。
A 平成22年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った場合であれば、特例法が施行された平成23年6月21日より前に3か月の熟慮期間が過ぎていた場合であっても、特例法によって熟慮期間が平成23年11月30日まで延長されますので、その延長された期間内に相続の放棄や限定承認をすることができます。ただし、Q9で述べるような例外があります。
Q9 例外について説明してください。
A 既に、単純承認をした場合や、相続財産の全部又は一部を処分していた場合には、これらの行為をした時期が3か月の熟慮期間の経過前であると経過後であるとにかかわらず、もはや相続の放棄や限定承認をすることはできません。
A 家庭裁判所の審判による伸長後の期間の末日と、平成23年11月30日のいずれか遅い日が熟慮期間の満了日となります。すなわち、伸長後の期間の末日が平成23年11月30日より前であれば、特例法により、平成23年11月30日までが熟慮期間となります。伸長後の期間の末日が平成23年11月30日より後の日であれば、伸長後の期間の末日までが熟慮期間となります。
A 特例法は、民法の規定による3か月の熟慮期間を平成23年11月30日まで延長するものですが、その期間を家庭裁判所が更に伸長することを否定するものではありません。したがって、平成23年11月30日までになお相続の放棄や限定承認をするかどうかを決めることができないときは、前もって家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立てをすることが必要です。