ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

NPO法人POSSEコミュのアンケート結果概要

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2007年度アンケート結果の概要をトピ立てします。
これは私がマスコミ向けにまとめたもので、完全ではありません。
また、グラフなどのデータもここでは添付できません。
11/18のシンポジウム資料で、より完全な概要が示される予定です。



2007年度アンケート調査の結果
NPO法人POSSE

○はじめに
 私たちPOSSEでは、昨年度の「若者のしごと3000人調査」に引き続きアンケート調査を行いました。今年度は、街頭で既卒の若年労働者(15〜34歳)500人から回答を得ました。昨年度アンケートの結果や、昨今の報道等によって若者の劣悪な労働実態は広くしられるところとなりました。この調査ではそこから一歩すすんで、客観的な雇用状況の変化の中で、若者の雇用や生活に対する意識がどのように変化しているかに主眼をおいて調べました。
 その結果、以下に示す若者の雇用・生活意識の実態が明らかになりました。


○調査結果概要
・結婚できない若者・・・正社員は多忙、フリーターは経済力がなく
 今回の調査で、結婚していない若者の割合は95%にのぼりました。注目すべきなのはその理由です。正社員・フリーターを通じて多かった回答は「出会いがない」でしたが、特に正社員で特に多い回答は「仕事が忙しい」で、フリーターで特に多い回答は「経済的な余裕がない」でした。
 これらの結果から、正社員は忙しさのために、フリーターは経済力の無さのために、若者が結婚できない実態が浮き彫りになりました。昨今「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれるようになりましたが、現状では正規雇用と非正規雇用の間で仕事と所得の偏りが生じていることが、晩婚化や少子化の大きな要因になっていることが推察されます。正規雇用の仕事を減らし、非正規雇用とのワークシェアを促していく政策の重要性が確認されました。

・若者の「悩み」の内容
 若者が抱える仕事の悩みについて、回答を得ました。まず、全体の内悩みがあると回答下は5割弱にのぼりました。「労働条件」「人間関係」などと肩を並べ「メンタルヘルス」に対する悩みをフリーター・正社員問わず一定割合が抱えているという実態が明らかになりました。
 日本型雇用が解体されていく中で、若者の職場環境が厳しさを増していることが伺えます。

・「会社への貢献」からスキル重視へ
 次に、これまでの終身雇用・年功序列の日本型雇用制度で重視されてきた「会社への貢献意識」が極めて低くなり、変わって仕事のスキルを重視する傾向が示されました。
 まず、「3年で辞めることについてどう思いますか」という質問に対し、フリーター・正社員共に7割近くが肯定しています。その理由でもっとも大きな比率を占めたのは「スキルアップが大事」というものでした。また、3年で辞めることに反対する若者が答えた理由のトップも「スキルが身につかない」というものでした。一方、反対する理由で「会社に生き甲斐を見いだせるから」と回答したのは、わずかに正社員男性の数%のみでした。


 これらの結果から、これまで日本社会に根付いてきた「会社への貢献意識」は正社員・フリーターを問わず低くなり、それに代わって個人が「スキル」を身につけることが重視されるようになってきたことが分かりました。こうした傾向が、若者の離職率の上昇と相互関係があることが想像されます。

・若者は仕事に「やりがい」を感じている!
 今回の調査結果で非常に興味深いところです。フリーターで7割、正社員で8割以上の若者が仕事に「やりがい」を感じているという結果が出たのです。一方でやりがいを「全く感じない」と回答したのは全体で10%未満にとどまりました。
 しかし重要なのは、やりがいを感じる理由です。フリーターは「感謝、承認、貢献、接客」といった事柄にやりがいを感じる傾向が強く見られる一方で、正社員は「意見が通る、責任感、充実感、達成感」といったことからやりがいを感じているという結果が見られたのです。つまり、フリーターと正社員は双方とも仕事にやりがいを感じているが、その中身が質的に違うということがわかりました。
 正社員が「意見が通る」などの、現実的・具体的な理由からやりがいを感じているのに対し、フリーターは「感謝」などの主観的で観念的な事柄にやりがいを感じているという実態が見られるのです。さらに、特徴として顕著だったことはフリーターの中でも特にサービス業に従事する女性が、やりがいを強く感じているということです。こうしたことからも、フリーターの感じるやりがいが対人サービスなどで得られる一時的で主観的なものであることが分かります。正社員が感じている、会社の中で具体的になにかを動かす(「意見が通る」「達成感」)ことによって得ているやりがいとは好対照を成しているといえるでしょう。
 また、「スキルアップ」をやりがいの理由として回答しているフリーターも、その内容は「マナーが身に付く」などの抽象的なものに留まっています。総じて、フリーターが正社員とは異なり、それまでには「やりがい」の理由とはならなかったような些細な事柄に価値を見いださざるを得ない状況が見て取れます。それだけフリーターの仕事内容が定型的で発展性の欠けるものであるためであると、推察されます。(実際の職種別の統計にも表れています)

・仕事とプライベート、どちらを優先?
 調査の結果、正社員は仕事を優先する傾向があり、フリーターはプライベートを優先する傾向が明らかとなりました。

・まとめ 脱企業社会の傾向
 結婚できない若者や、職場でメンタルヘルスの増加など、若者の雇用環境は悪化の一途を辿っています。こうした傾向は、これまでの日本型雇用の元ではあまりみられてこなかった現象です。その中で、若者の職業や生活に対する意識も大きく変化してきました。
 今回のアンケート調査の結果で分かったことは、正社員もフリーターも、脱企業社会的な意識を持っているということです。企業が「日本型雇用」を手放し始めている中、若者は転職によるスキルアップを積極的に支持しています。これは会社の中でキャリアを積み重ねていくという従来の考え方から、仕事の内容で評価されることを希望するようになったとういことです。
 しかし逆に、単純作業ばかりで具体的な仕事の内容でスキルアップに繋がりにくいフリーターは、観念的で具体的ではないことにしごとのやりがいを見いだしています。これまでの日本型雇用制度で、企業は若者の職業訓練を担ってきましたが、フリーターはそうしものをほとんど得ていません。彼らの「やりがい」が歪んだものとなってしまっていることにはそうした背景があると言えるでしょう。
 若者の意識と企業の雇用のあり方も同時に変化している今、公的職業訓練の増強や職業別賃金の確立など、横断的労働市場の整備のための政策が必要であるということが明らかになりました。

コメント(1)

「労働市場政策」コミュの活性化を図っています。
→http://mixi.jp/view_community.pl?id=2226057

政策に興味のある方はぜひご参加下さい。

今後ニュースなんかも紹介していこうと思っています。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

NPO法人POSSE 更新情報

NPO法人POSSEのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング