カルチュラル・タイフーンは、2009年で7回目を数えることになりました。今年の大会は、IACS(Inter-Asia Cultural Studies)との合同の企画となり、《Inter-Asia Cultural Typhoon2009》と題して、7月3日から7月5日まで東京外国語大学府中キャンパスで開催します。カルチュラル・タイフーン(文化台風)の志は、自分たちが文化研究の学問的ルーティンワークのなかに萎縮してしまう傾向に注意深くありたい、そしてある種の知的台風として、思想的な異議申し立てという雨風をもたらす 存在でありたいというところにありました。実際にわたしたちは、2003年の早稲田大学における第一回大会から昨年の東北大学での仙台大会まで、多様な文化現象を対象とした研究活動や文化実践の担い手たちが集まる場をそのつど作りあげ、他の学会ではできない空間を開示してきました。カルチュラル・スタディーズの持つ本来の批判性を大切にするこのような知的交流の経験は、今年は、十年目を迎えたIACSの流れとひとつになって、まさに「カルチュラル・スタディーズ2.0」とでもいうべきものへ発展したいと念じています。新自由主義が吹き荒れる現代世界において、グローバル化の破断点はいたるところにむき出しになってきました。そうした現場にはきまって文化の抑圧、横領、消去が起こっているのですが、同時にまた、その危機の中からさまざまな抵抗と新しい表現も生まれだしています。わたしたちは、まさにそうした文化のポリティクスの動態を、今回の大会を貫く「カルチュラルスタディーズとアジア」という視点から、 あらためて捉えなおします。
【主催】 カルチュラル・タイフーン2009実行委員会
【共催】 The Inter-Asia Cultural Studies Society 東京外国語大学海外事情研究所