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思えば遠くへ来たもんだコミュの思えば遠くへ来たもんだ 『 新潟 』

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新幹線に乗って目をつぶっていると、いつのまにか思いもよらないところに着いている。


東京-上野-大宮までくると、ここから東北、長野、上越と3派に路線が別れる。上越新幹線は群馬の高崎をぬけて、いくつかの長いトンネルを越えて、越後湯沢で雪山が現れ、次第に広大な田園地帯とワラをもつかむような浮雲が遠くまでただよっている。いまだ、田んぼには水が入らず、白い雪跡が残っている。

新潟に降りたつ。やっぱり寒い。いったいどんなところなんだろう。意外やあまりイメージがわかない。日本海と海外拉致しか思いつかない。あと米どころか。

駅前のホテルにチェックインをする。ロビーには、予想外に会社員風のひとが宿泊している。ビジネスホテルもけっこう目につく。夕飯をたべようと、そとにくりだす。日が落ちて、結構寒い。なのに女の子の足元は薄い。すこし射るような寒さも、土地のひとと一緒にいると慣れてくるものなのか。ちょっと歩いただけで、呼び込みの男たちにたくさん出会う。まずは、腹ごしらえだ。ぐるっと歩いて、ラーメン屋が多いことに気付く。が、どうせならとんでもなく美味いラーメンにありついて暖をとりたい。


ジャージ上下のあんちゃんが手招きする。ちょっと聞いてみるか・・・。

「すいません、ちょっと元気つけたいんでラーメン食べたいんですけど、この界隈でいいところあったら教えてほしいんです。」

「そうね、看板普通なんだけど、そこの『 聖龍 』がイチバン行くかなぁ。」

「あーりがとございます! あの手打ち麺ですよね、さっき見ました。・・・ちなみに、お兄さんのお店はどちらなんですか?」

「ああ、こことここ。(ファッションなマッサージ屋を2軒指差す)」

「けっこうしますよね。(10000円の表示を見やる)」

「うーん。ここらは飲食組合で一律で決まっているんだよね。」


へーーー、そうなんだ。すこしずつ新潟のヒトと風土がわかってくる。



日をまたぐ0時を越える頃。夜の出勤にいそいそとでかける。靴を磨き、ネックレスをさげて、どうせだったらひっくりかえるぐらい呑んでやろうといつも思っている。


ホテル前のタクシーにすぐさま乗り込む。こういうときにすかさずリサーチ。新潟は80万の政令指定都市(参考:仙台は110万都市)で、昔は堀がはりめぐらしていて、その埋め立てたうえを今走っているらしいと。信濃川の河口に広がった海運都市だったというべきか。勝手な浪漫に想いをはせる。が、しかし、宿も飲食もタクシーにも値引き感があまりない。古くからの商業都市として続いてきた自負すら感じる。もう目の前に日本海があって、港があったりするといっかいの地方都市にはおさまらないのだろう。方言もほとんど聞こえない。


雨のなか、タクシーを降りると古町という繁華街に着いた。ちょうどアーケードに守られるように冷たい雨風をしのぐ。やや、と歩いているとがっしりとした図体の男が立ちふさがっている。誰だ、なんだ、いや銅像かって、なぜかドカベンの選手がポーズをとっている。そう、新潟明訓高校。岩鬼がハッパをくわえ、殿馬が秘打に興じ、山田太郎がフルスイングしている。なんじゃこりゃ?!

嬉しくなって、写真を撮るのに太郎をぐるっとまわっていると、脇の小道にOPENと書いてある木目のたて看板が目にはいる。オープンって、この時間にあいているぐらいだから、バーかスナックだろうって近寄ってみると、小奇麗な木調のドア。会員制なのかって、意を決してはいってみると、若いマスターが切り盛りしている感じのいいバーだった。ついているぜ。ギネスの生ものめちゃうぜ。


・・・ ・・・ そこから、話もはずみ。もう一軒のDJバーにもくりだしていった。聞くと、日本が誇る野外フェスティバル-フジロックなんかには1時間ちょっとでいけちゃうらしい。そりゃそうだよな、つぎのDJバー『 88 』も、表にドラムカンが置いてあって、穴をあけて照明をしこんだシンプルなアイコンだけあって。なかにはいると、もうバッチリな内装に音(DJ、スピーカー等)もバッチリだった。ここでもマスターとさし呑みをして早朝、絶好調でホテルに戻った。


翌日、目もまともに開けられない状態で、レンタカーを高速道路に乗って右から左に走らせた。どこまでいっても田んぼと遠くの峻険な白い山。ひたすらまっすぐな道路。インターにさしかかると、郊外特有のショッピングセンターと家電量販店。似たような建売住宅。ああ、新潟はとにかく広い。時折のぞく日本海の白波にこころを奪われる。わき見注意の看板あり。きっとこの海の向こうが大陸なんだって、そんなひとびとの思いの歴史が波にただよったままなのだろう。もう拉致されるまえに失踪してしまいそうだ。


2010-4-中

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