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思えば遠くへ来たもんだコミュの思えば遠くへ来たもんだ 『 上海-ブレイン バスタード 』

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最初のきっかけは、友人から一枚の絵地図を見せてもらったことから始まった・・・。

その地は、旧くからの街並みを活かして、世界中のアーティストが作品を発表して売っていたり、お洒落な雑貨の販売を手がけたり、サロンのようなカフェが出来ていたり、発展途上ならではの熱い息吹がたちこめている、そんなところに興味を覚えた。『田子坊(デンツーファー)』と呼ばれる一角に、夢があふれかえっているんじゃないかって、文字どおり夢想していた。日本で起こった、東京オリンピックから大阪万博にいたる流れが、海の向こうの中国で、北京オリンピックから上海万博にいたるムーブメントを体感しようと、まずは視察(リサーチ)しようと思いたった。


「上海いま、すごいらしいっすよ。」の一言に、手をあげた仲間と3人で海を渡る。ざっと3時間、飛行機にのって降りたつと、そこは見知らぬ中国大陸であった。夜、空港からタクシーに乗り込み、市街地に近付くと、だんだん異様な光景が目に飛び込んでくる。四方に広がる高層ビル。LEDをふんだんに駆使した光の洪水。街中が空中都市のように浮かびあがり、時折のぞく月だけが、自分の居場所に信用がもてる。そう、ここは上海シティ。わきあがる気持ちは、銀河鉄道999で降りたった、高層ビルが果てしなく林立する見知らぬ星。


この歳になって、たいがいのことに予想がついて、自分なりの予定調和のなかで、洗練さを求めていた自分にすっかり満足していたような気がする。まさか、ここまで築いてきた自我が、根底から揺さぶられるような体験をする旅になるとは思いもしなかった。

なにがすごいかっていうと、とにもかくにもスケールがでかい。街にはじというものがないぐらい、高層ビルがひしめきあっている。いまでも24時間、なにかの工事をしている。夜の闇に溶接の火花が上空でちりちりと飛んでいる。地上では、安くて美味い中華料理屋にひとは集まっていて。タクシーはいたるところで走っていて、しかも安く、どこまでも行ける気がしてくる。


そのうち、この景色になれてくるよりも、違和感というものがつねにつきまとってくる。どこにでも人がいる。その流れになんの法則性も見出せない。車もバイクも自転車もひとも、縦横無尽に突き進んでいる。クラクションの嵐、よけないヒト。

なんじゃこりゃ??? っていう思いもよらない瞬間に出くわす。一人っ子政策の影響なのか、コンビ二のレジ前にはゴムが並んでいて、その横に振動機も置いてあったり。足裏マッサージをしてもらっているそばから、街のきさくな若者が桃色の案内にやってきたり。外国人向けの高級ダンスクラブで、英語の達者で可愛い娼婦(コギャル)がふつうに現れたり。まるでタブーがないようにカラッとして生きている。


上海にいる外国人もさまざまで。カナダ人のDJがアッパーに、ロシア人のDJがアーバンに、スコットランド人のDJがダブダブで、日本人のDJがまったりレゲェしていて。はたまたストーンズやオアシスなんかをやる白人コピーバンドまでさまざま。残念ながら、まだ上海人の夜遊び人は少ないようだ。街で見かけるのは、ヴィトンのバックをもったお洒落に敏感そうな女の子に、となりは財布の厚そうなジャージの男みたいな。


上海駅では、遠い地方からやってきたひとびとが、検閲を受けながら出たり入ったりして混沌としている。労働力を必要としている上海に、出稼ぎもふくめてひとが集まってきている。まるで高度経済成長とスーパーバブルが一度にやってきたように。

上海にはなんでもある。これからもどんどんのみこむように大きくなっていって、怪物のような都市生物になっていくのであろう。とんでもない格差のなか、市井のひとびとは、夜遅くまで働いて、それでも以前より生活に余裕が生まれていることに、家族で満足していくのだろう。



・・・ かの『田子坊』では、すっかり海外からの旅行者が物見遊山に来るようになって、御土産屋もひしめきあうようになって、どこかのだれかが一石二鳥のごとく、目の前に大きな百貨店を建設して、目星のついたエリアにしたてるつもりらしい。このしたたかさが、日本人には薄い気がする。もちろん、それでいいのだけれど、わびさびを大切にする日本人なのだから。


不思議なぐらい街は治安がいい。その不思議さに、もしかしたら共産的な目に見えない何かの力すら感じる。これだけの人数を管理統制できる力。だからこそ、いまの上海が出現できたのであろう。上海はまだまだ変化をとげて、想像しえない街として地球上に君臨していくに違いない。


帰りの飛行機に向かう途中、高速道路の真ん中でたたずむ老婆に突然出くわした。猛スピードで走りぬける車は一台もクラクションを鳴らさず通りすぎていった。嘘みたいな一瞬。あれはいったいなんだったんだろうか???


偏西風に乗って、行きよりも短い2時間で日本に着いてみると、ここはもう日本省の東京市(トンキンシティ)なんだろうなって思えてくる。美しい島国、ニッポン。桜は咲き風に揺れ、緑あふれる街並み。もう、物量や人数でいったら、経済的に中国にはかなわないだろう。どんどんこれからも日本に、中国人はやってくるだろう。それは理(コトワリ)として受け入れるべきだと思う。僕らも遠慮や偏見を捨てて、海外へ大陸へ足をのばすべきとすら思える。日本の培った洗練された道義、信条、技術、形象、アイデア、コンテンツなどをもっともっと提案すべきだと思った。でなければ、人間という生き物はどこにも向かえないとすら感じた。

音楽だったり、映画だったり、漫画だったり、ファッションだったり日本にもなんでもあって、さらに誇れるクオリティが存在するのだから。不況だからとか、仕事がないからとか、少子化だからとか、上海に行くまえに抱えていた閉塞感すら、いまは他愛もないものに感じている。日本に生まれてきたのなら、出来ないなんてことはない、なんでも出来るんだって言うことさえも。


上海ドリーム・・・ まだ始まったばかりだ。これからどうやってつきあっていこうかって、改めて慎重かつ大胆に夢想してみようじゃないか。友人の写真を見るかぎりでは、万博パビリオンの建物からすでに度肝をぬかれてしまう。まだまだ人間の好奇心にはやりたいことから、やらなきゃいけないことまで無限にあふれているようだ。



【参考 - アートマネージメント in 上海】 *秘っ見*

http://blog.office339.com/?p=763


 2010-3-下

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