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アフリカ日本協議会(AJF)コミュのスーダン障害者教育支援の会・バシールさん公開インタビュー報告

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斉藤@AJF事務局です。

6月6日、京都駅の真上にある京都府国際センターで、全盲のスーダン人・バシールさん公開インタビューを行いました。
学会シーズンということもあり、共催団体からの参加はあまり多くありませんでしたが、京都府国際センターの案内で知ったという女性、いつも最寄り駅でバシールさんを見かけているという子連れの男性、自身も盲ろう者で障害者雇用のことなど気になるという女性の参加もあり、便利のよい公共施設で開催した成果があったと思います。
3時間近いインタビューなので、以下、ごくかいつまんで報告します。

○スーダン障害者教育支援の会の取り組みから始まる新しい動き
・スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS)、ハルツーム大学障害を持つ卒業生の会が協力して、昨年8月、ハルツーム大学に音声読み上げソフトを導入したパソコン5台を寄贈し、障害学生用のパソコン室ができた
・このパソコン室を使い、卒業生の会メンバーが講師となって、3週間ずつの障害者向けパソコン講座が開かれている
・大学も、スペース・機材・指導を提供することで大きな成果があることを認め、今年3月、大学の資金で音声読み上げソフトを導入したパソコンを使えるパソコン室を別途作った
・他大学でも、ハルツーム大学の取り組みを参考にパソコン室を作る動きがある
・米国に留学しているスーダン人視覚障害者が中心となって、スーダン障害者教育支援の会立ち上げの準備が進められている
・CAPEDSは、次のステップとして、点字図書館もしくは録音図書館づくりについて検討を進めている

○日本への留学のきっかけ、日本に来てからの体験
・ハルツーム大学に、日本の視覚障害者支援団体である国際視覚障害者援護協会と関わりの深い教員がいて、留学を勧められた
・視覚障害者としてスーダンで将来像が見えなかったので、海外に出たいと思っていた
・同じ年代では、現スーダン障害者教育支援の会代表のアブディン君が最初に日本へやってきた
・その後留学した2人は、1年も経たないうちに帰国した
・大学を卒業して、そのまま日本へ留学した
・日本へ来たのが1月半ばだったので、寒くてたいへんだった
・4月から京都盲学校へ入ったが、最初の夏休みに帰国する時には、もう日本へは戻らないつもりだった
・国際視覚障害者援護協会のプログラムは、盲学校へ留学して理療(鍼・灸・あんま)の資格を取り、帰国して理療を広めるというものだが、スーダンではマッサージという仕事がないので、日本へ留学したスーダン人はみんな大学へ行っている
・現在、4人の留学生がいる

○スーダンでの教育体験
・スーダンの教育制度は、かつて6・3・3・4と日本と同じだった
・1990年代初めに制度改革があって、8・3・4と就学年数が1年減った
・国立盲学校は全国に一校しかなく、多くの視覚障害者はその存在を知らない
・ボランティアが運営する支援学級が全国に7つほどある
・視覚障害者の多くは点字に触れ、学ぶ機会がないので、点字を知らない
・国立盲学校は小学校しかないので、中学からは普通の学校へ行くことになる
・バシールさんは11歳で急に失明したため、12歳から5年間盲学校へ通い、その後、高校、大学と進学した
・点字の本はほとんどないので、対面朗読、録音テープで勉強した
・大学に入った時、すでに60人くらいの視覚障害者が在籍していた
・スーダンでは、高校3年生の時に、全国統一の卒業資格試験を受け、その成績で、入学できる大学が決まる
・スーダンの首都ハルツームには10校ほど大学があり、26の州それぞれに1校以上ある
・近年、女性の大学進学が増えており、首都の大学では学生の半数以上が女性である

○子育ての課題
・5年前に、スーダンから来た女性と日本で結婚した
・結婚してからは、自宅でスーダン料理を食べているので、箸の使い方を忘れそうだ
・肉や香辛料は、河原町にあるムスリム向けの店で買っている
・もうすぐ4歳になる娘がスーダンのことば、生活、文化に親しむようにと、先週、奥さんと子どもをスーダンに送り出した
・娘は毎日泣いていると連絡がある
・いつ日本へ戻るのかは、ことばや生活への親しみ具合などを考えて決めるので、まだ決まっていない
・日本で生まれ育って中学生になった子どもが、スーダンのことばや生活になじめないというスーダン人家族がいるので、子どもの教育をどうするのか、悩んでいる
・このまま日本の学校へ入れるのは不安だし、一方で、子どものために帰国するというのも考えものだ

○研究とこれから
・日本の障害者雇用政策を参照しながら、障害者雇用における雇用割当制度アプローチと差別禁止法アプローチを比較検討する修士論文を書いた
・博士課程では、グローバルな障害者雇用政策の動きを見ながら、スーダンで障害者雇用を実効的に進めるためにはどういった政策が適切か論じたいと考えている → 生存学、障害学からのアプローチも参照する機会をつくるのが課題
・スーダンの研究者がいるというが、これまでほとんど会ったことがない → 京大アフ研周辺にいる研究者と「スーダン料理を食べる会」を開くのが課題?

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