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アフリカ日本協議会(AJF)コミュのケニア・タンザニア滞在記

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ケニアでNGOインターンを体験した現在英国の大学に留学中の学生からの報告を紹介します。

ケニア・タンザニア滞在記

ニュージーランドのNGOでGlobal Volunteer Networkという団体に雇われて今年の夏、約6週間くらいケニア、タンザニア、そしてウガンダを訪問してきました。アフリカ訪問の主な目的はケニアのナイロビ郊外の孤児院学校での先生で、4週間生徒に歴史について教えてきました。以下はアフリカ滞在中のレポートです。

まず初めに、アフリカへ行くとなると必然的に多くの難題にぶつかります。一言で言えば金銭的な問題です。NGOで雇われて行くといっても給料をもらえるわけではなく、むしろプロジェクトに参加させてもらう事でこちらから費用を払わなければなりませんでした。航空券代と、生活費等を含めると容易に30万円くらいになります。しかし、大学の進路指導部と財務部のおかげで奨学金をもらう事ができました。それに加えてワクチンやマラリア対策の錠剤、虫除けスプレーなどの出費もありました。これが日本人があんまりアフリカに訪問できない理由の一つではないのでしょうか。もちろん安全面もありますが、僕はアフリカだからといって貧困があるし、危ない地域であるという概念を壊すためにもどうしても自分の眼で見たくて、今回決意しました。

僕が仕事をしていたのはElyon school(エルヨン学校)といって、整備された校舎もなく、木材と鉄板を組み合わせただけのような小さい学校でした。4学年あり、ケニアの教育制度上、日本では高校に値する学校でした。なので最終学年(Form 4)の生徒達は大学入学に向けて一生懸命頑張っていました。図書室もありましたが、図書室というほど豪華なものではなく限られた資源のなかで一生懸命勉学に励んでいました。生徒が盗んで売ってしまう危険もあるため頑丈に鍵がかけられていたのを覚えています。また、電気もないため、曇りの日や雨の日は教室で教えていても生徒の顔が良く見えないし、生徒達も黒板が見えなかったと思います。それでも文句一つ言わずに真面目に勉強に取り組む姿勢はまさに「弘法筆を選ばず」って感じでしょうか、本当に感心しました。

学校にはグラウンドもなく、毎週木曜日の放課後に企業などから借りている空き地にサッカーをしにいくのが彼らの楽しみだったようです。僕も審判として参加させてもらいました。歩いて30分かかる遠い場所でしたが、純粋にスポーツを彼らの顔は強く印象に残っています。

僕が教えていたのは歴史・政治と言う科目です。恥ずかしながら、ケニアの歴史や政治制度の知識がなく、予習に時間が取られたのは言うまでもありませんが、僕なんかの授業を真面目に聞いてくれて嬉しかったです。特に、人権、民主主義の在り方などは僕が大学で勉強している事もあり、生徒のやる気を少しでもそそれるように教え方を工夫したお陰で有意義な時間がすごせました。先生の分の教科書しかなく、学生達は本当に僕の話や黒板に書いてあることだけが頼りだったのでできるだけわかりやすく、重要なポイントを教えるように努めました。もちろん、日本の感覚では当たり前の文房具やノートを持っている生徒は少なく、紙一枚、鉛筆一本で頑張っている姿勢には感動しました。同時に、全てが揃っていても勉強しない日本の一部の学生にこの場面を見せてあげたいと感じました。

4週間の終わりには試験期間に移行したため、授業は終わってしまったのですが、試験監督をさせてもらって生徒達と触れ合う事はできました。僕に向かって答えを聞いたり、ここは習ってないから教えて、など自分が中学・高校時代と同じような経験をして先生の立場の難しさと言うか、気持ちがよくわかり思わず苦笑いをしてしまう点も多々ありました。感銘を受けたのは、彼らの英語の試験を採点しているときです。本文がマーティン・ルーサー・キング牧師の黒人奴隷解放宣言からの引用だったことです。「私には夢がある」個人的に読んだ事があるので、表現が正しいかわかりませんが、採点をしながら僕自身も彼らが黒人としてどう考えているのか。勉強になったと思います。

学校の校長先生は学校のお世話をする傍ら、ナイロビ大学で開発学を勉強する修士課程の生徒でもあり、大学を案内していただいたり、スラムにも連れて行っていただきました。貧困の極地というか、世界で最も貧しい場所を見て、自分がどれだけ幸せなだと痛感したと同時に、何兆円と言われる世界各国からの援助は一体どこに使われているのか、率直に疑問を持ちました。今回のボランティアを通して、援助の緊急性を感じて僕も将来はアフリカのために尽くす事を決めました。

ケニア滞在中はナイロビで医者の神戸先生にも色んな場所へ連れてっていただき、開発の問題点、アフリカの素晴らしさ等、有意義な時間を過させていただきました。

ケニア滞在中の4週間弱はGVNに紹介していただいたケニア人家族の家にホームステイしていました。決して裕福な家庭ではなく、私達の普段の生活からは遠い生活水準でしたが、ケニア人の生活を垣間見る事ができ、幸せな体験だったと思います。電気、水道はもちろんなくて、毎朝井戸に水を汲みに行く事から始まり、薪を集めて火をおこしてシャワーをしたかったら自分の水は自分で確保するという何とも原始的な4週間でしたが、面白かったです。電気がないために、大半の人は日の出と共に生活を始め、日の入りと同時に就寝というリズムで最初は戸惑っていたのですが、住めば都というのはこの事で、数日経てば体が慣れてしまいました。

また、タンザニアにも行ってきました。タンザニアでは斉藤さんに紹介していただいたPelumの方々に大変お世話になりました。Yakoboさんとは日程の都合上会うことは出来ませんでしたが、他の方がずっと一緒に行動してくれてここでもまた有意義な時間を過せました。NANENANE(スワヒリ語で88、8月8日にピークが来るという意味)という国の農業祭に参加させていただきました。色んなNGO、農家、そして政府関係者からタンザニアの農業がどのように発展してきて、今の現状について、そしてこれからの展望について皆さん熱心に取り組んでいらっしゃいました。興味深かったのは政府レベルの関係者と民間レベルの農家やNGOの人に政策の違いや矛盾を聞いて国として同じベクトルを歩む難しさといいますか、タンザニアの問題点なども薄々を感じました。どこの国でもあることですが、国と地域の歩調を合わせることが重要なのではないかと感じました。

そして最後にウガンダに行ってきました。ウガンダは本当に3日間だけの訪問で主にナイル川の源流でラフティングをしてきました。天下のナイル川でボートに乗るというのは特別な経験で非常に感動しました。ぜひもう一度体験してみたいと思いました。また、ケニア滞在中はマサイマラ国立公園にサファリに行ったり、ケニア山登山もしてきました。アフリカの大自然の美しさに触れて本当に感激しました。今のある自然を大切に、尚且つアフリカ諸国が発展するためには彼らの声を国際レベルで反映させる事が重要だと感じます。

もちろん、アフリカ各国には政治・経済の不安定からくる汚職や収賄も問題の一つであり、開発の問題は一筋縄ではいかないのは百も承知でありますが、むやみに国際化を迫り、企業の民営化は先進国のエゴの押し付けなんだろうと思いました。援助する国の人間としてアフリカを感じた結果、現地で調査を綿密に行ったうえで政策決定をすることが一番だと改めて感じた滞在だったと思います。

広大なアフリカ大陸のたった3カ国を見ただけで、初心者なのに偉そうな態度かもしれません。けど、その国で暮らす一般人と生活をしてわかった事ですし、僕らは彼らの本当の幸福のためにこれからの将来を使っていきたいと思います。

コメント(1)

著者もコミテに入ってくれました。
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