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詩人の森コミュの空虚な手紙

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特別なことはなにもなくただここに棄てゆくのみ

コメント(131)



此の道をあなたと何度歩いたのだろう。
何度、並んで歩いたのだろう。

今は一人でこの道を歩いている。
まるで傷痕をなぞるように。
一足ごとに少しずつ傷は深まるのだろうか。

蒼白い傷痕をなぞる。

足音を立てないように。
密やかに秘めやかに。
何度も何度も。

決して消えないように。



詩ではなく
詞とも呼べず
歌とも言えず
文としては未完で
論としては破綻している

ただ言葉を散らしてゆくだけ

それを
言葉綴り、というのだと思う。




Lilium


善も悪も無くなることはあった

しかし
美しさと醜さは無くならぬ

どの世であれど
美しきものは醜くもなり
醜いものは美しくもなる

そこに流転する美醜はあれど
其れは須らく同一の麗しさなのだと



モノの価値は値札ではなく
人の五感だけが感じるもの



Dior Secret Garden II Versailles
Depeche Mode "Behind The Wheel"


春雨に霞む宵闇は
月も隠し、星も隠し、夜さえも隠すよう

不透明な空は、そのまま今の私の気持ちのようでもあり

私の心象風景は
ざらついて
きずだらけで
しめやかで
あいまいで
かたくて
つめたい

こんな夜は
柔らかな心をさがしてしまいませんか



友あり、遠方より来る、

そういう句があれば
また逆のこともある

友とは言えぬまでも
弟のような男の旅立ちに際し
思わず涙する

両手で握られた熱さを感じ
ただ心の中で健やかであれ、と願う

お前のことは覚えておく
この先も



春宵一刻値千金
花有清香月有陰

春の夕暮れは水彩の絵のように
滲んで曖昧で
何もかもが微睡みの浮世に散る花びら

どこにでもあり
どこにもあらず

あなたはわたしのそばでただただ薫る





雨に濡れた花

微かな月光は
花を揺らす

青く青く
深く深い憂鬱

苦悩に揺れ
愚かな選択に迷い
愛を語らず

その身に甘美な憂鬱を
蓄えながら

いつしか
昏く蒼い華を咲かす


今日は何故だかノスタルジックな気持ち。
たぶん、予定が上手くいかなかったからだと思う。
未来を考えず、現在も少し忘れ、昔を思い出す。
だから今日はあえて過去を振り返ることにしたのだろう。

30年前のアルバムを開き、30年前の少女漫画を読み、30年前の音楽を聴いた。
もっと前の卒業文集を開き、もっと前の小説を眺め、もっと前の歌を口ずさんだ。

そういえば私は走ることが好きだった。
そういえば私は絵を描くことが好きだった。
そういえば私は髪の長い人が好きだった。

そういえば私は砂漠が好きだった。
そういえば・・・。

少し寂しい気持ちになったけど、でも今の私は不幸じゃない。
また明日からは未来を見てゆくのだろう。

だから今夜は少しだけノスタルジア。

笑顔だけが似合っていた頃へノスタルジア。
恋が憧れだけだった頃へノスタルジア。





「nostalgia」浜田麻里


こひが死んだひ

いてつくよるに
月となるらん

ゆるりゆらりと
たましひだけがゆれおちる


かぜもみずも
いてついたよる

ゆるゆるり
ゆらゆらり


うるんだ月や

ゆるへるやふるへる哉


―――――――――――――――

私だけのものとしたい

という
歪んだ祈り


あなただけのものになりたい

という
静謐なる欲望


イスカリオテの接吻は
久遠の傷痕を記す



その日。
一緒に散歩に出た彼は、神社の境内に着くと近くをうろうろと歩き回っていた。

あっちに行き、こっちに行き。
目的があるような、ないような足取り。

神社の軒先まで戻ってきた彼は不意に立ち止まり、遠くの空を見るように顔をあげる。
そうして暫く風の匂いをかぐように鼻をひくひく動かす。
視線は遠くの蒼い空を見つめたまま。

少しばかりの風が吹く。
毛を揺らし、彼は小さな目を細める。

きっと彼は夏の匂いを嗅ぎ分けていたのだろう。
きっともう何度も嗅ぐことはないであろう夏の匂い。

思い出はある。
あと少し思い出を作れる。

柔らかく彼の背中を撫でながら私は考える。
少しでもこの想いが伝わればいいのに、と。
分かっているのかいないのか。
彼は小さく一度だけ尻尾を振った。


もうじき夏がやってくる。



ただ君を愛す


それだけは許されるのだ、と
それだけは恥じなくて良いのだ、と



雨夜の月をみたことがあります

雲に遮られているはずなのに
風も吹いてはいないのに
灯りなど何処にもないはずなのに

雨月はまるで和紙に透かした燭光のように
姿も見せずに弱弱しく淡い花のように

ただ、灯るだけ。


少年が本を持って海岸に行くと、東屋で少女がひとり座っていた。

「後ろ、座ってもいい?」
「どうぞ」

「今日は暑いね」
「そうでもない」

少女は海を眺めていた。
少年は海を背にして本を読んでいた。

「その本、面白い?」
「まあまあ、かな」

「いつもここで読むの?」
「今日がはじめて」

少女は少年の背にもたれかかった。
少年は少し体を震わせて、それでも本を読み続けた。



「あぁ、カンパリソーダが飲みたいわ」


少年は少しだけ微笑んだ。








静かに落ちた雫は
しめやかな霖となり
やがて霧となって揺蕩う

わたしのこころは
あなたのこころは

まざりあって
やがて消えゆく

この世になにも残さないまま


それなればこそ
 なお愛おしいのだろう



これはあくまで私見であるが殊更に寓意を詰め込んだ絵画は興味深くある種の謎解きのような趣も感じられてひとつひとつの意味と関連性を推し測る楽しみもそこには存在する。




、のではあるが。

煩雑なそれらよりも
適度な余白にこそ

美しさを感じるのは
私がこの国で生きてきたからだろうか


静謐と幽玄。
隙間と空白。


人と人の関係。
それは公約数と公倍数なのかも知れない。

私が「45」という数で、あなたが「48」という数ならば。

公約数は1と3だけ。
公倍数は720、1440、2160・・・と数が続く限り幾らでも。


人は誰かと繋がろうと思う時。
二人の間の公約数を探そうとする。
同じ趣味はないか、近くに住んでないか、生活リズムはどうだろうか、好き嫌いはあるのだろうか、性格は合うだろうか。

合致する数が多いほど、二人は仲良くなっていく。

でも、公約数が増えることはない。
同じ数字に飽き飽きしてくる。
きっと公約数は二人の過去なのだろう。

逆に公倍数は未来なのだ。

「45」と「48」は1と3で交わって。
結局、今はバラバラだ。

でも720でもう一度交わる。
1440でまた交わる。

それが随分と先のことだとしても。
交わる前に死ぬのだとしても。
二人が未来で必ず交わることを信じて、その時を見過ごさなければ良いのだろう。



だから。

あなたが誰かを好きになったなら。
誰かと縁ができて、ずっと繋がっていたいと思うなら。

二人の公約数を求めずに、公倍数を求めなさい。

そうすればこう言える。


「いつかきっと、また出逢える」



崩れ落ちる音を聞いた気がする。


自我の
愛の
友の

此の世の壊れゆく音

風が吹くその後先が
誰かを
わたくしを
あなたさえも

道連れにしてゆく。


そしてそれを悪くはないと諦めているわたしが他人事のように傍観している現在に抗い逆らうことの意味を無理矢理見出そうとしていることの愚かさを味わっているのだ。


なんの味もしない砂のような感触。
その砂の落ちる音。




【不条理】
不合理であり、非論理的な行動と思考。
【背理法】
命題を否定することで矛盾に至ることを論証することで、命題が正しいことを証明する。


私はあなたの意味を知りえないが故に幸せではない。

本当に?

未だ不可解なり。

さぁ、
声をあげて哭きながら狂ったように嘲笑え。




「The Golden Age of Grotesque」
Marilyn Manson


夏は西風のむこう側。
もうすぐそこに夏への扉。



あの夏
風鈴の音色
木陰の風
湿った町の匂い
明るい夜
潮騒

あの夏のこと

忘れていた夏のこと


梅雨も明けたような気がする。
夏、なんだなぁ。

なんて思うと、思い出す話があって。

久しぶりに、一年ぶりに読み直してみて。
なんだか詩人の森のルールに違反しているのかも知れないけれど。
そんなことなんか気にしないことにして。


https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985512685&owner_id=66858093


ルール違反の場合でも。
どうか見逃して下さい。


鬼の灯
月夜の夜鷹

雨がやんだら
雲は流れて霞月

帰る場所など疾うにないのに
提灯さげてついの道行


夏の夜には鬼灯さげて

鬼に出会うか
夜鷹と逢うか


げに寂しきは優しい橙


わたしの時計は狂っている。

腕時計も置時計も壁掛け時計も少しずつ狂っている。

でも。
本当は誰の時間も同じではないのだ。
わたしの15秒とあなたの15秒は感じ方も違う。
あなたの一日とある人の一日も違っている。
似たような時間を生きながら、厳密には誰の時間も同じ時を指してはいない。

故に。
世界中の時間は狂っているのだ。


あなたの時間を大切に。



疑ってはならない
執着してはならない
笑わなくてはならない
哀しみを見せてはならない


そういう恋もある



り ん
りん りぃん

秋霖の秘めやかな音の隙間に
鈴虫の啼く声が聴こえる

り ん
りん りぃん

忌明けにはまだ遠く
窓の隙間から幽かにみえる夜を

ただただ眺めていたのです




今宵、銀色の愛しさを抱きしめて
君を腕の中に
私を空の闇に




忘れじと言ひしばかりの名残とて
その夜の月はめぐり来にけり

――――新古今和歌集


ふと目覚めた未明の夜に明けの明星が佇んでいた。
共に有明の月を見たことがあった。
星は、さてどうだっただろう。


薄明の夜空は変わりなく。
ただ約束だけは未だ果たされぬまま。
目覚めた身体は冷たくなってゆく。


それは
きっと死ぬほど美しい


ただ言葉もなく冥福を祈る






黒い月を白い夜空に縫いとめて
冷たい息を吸い込んで
震える唇で名を囁いて


ただ、冬を待ちわびて
ただ、冬だけを待ちわびて




意味を求める夜は
存在を曖昧に過ぎてゆく。

理想のあの夜と偽りのこの夜。

だから
私の身体は明日を目指す。



つくづく思うのですが。

人と人との繋がりとは。
親子親戚兄弟などであったり。
夫婦恋人愛人であったり。
友人知人地域のご近所であったり。
SNSやネットの友達や知り合いであったり。

全てが自分個人と他者の繋がりであるならば。

それはなんとも儚く脆いものであろう、と思うのです。
そもそも「繋がり」などというものは存在するのでしょうか。
ある時はあるとも思えるし、ある時はないとも思ったりします。

それはきっと些細な出来事によって、薄っぺらいコインの裏表のように入れ替わる気がします。

私は、今、ないのではないか、と危惧して恐れて悲しんで、そして諦めて投げ出してまるで最初からなかったかのように振舞おうとしているのです。



そうすることで。
私は心の平穏を手に入れるのです。
悲しむなかれ。
憐れむなかれ。
欲するなかれ。


何度も何度も経験してきたことを、私は死ぬまで続けてゆくのでしょう。


壊れて止まった時計は
必ず一度だけ正確無比な時間を指し示す

完璧なる嘘は嘘をつかないことだという

つまるところ私はまだ未熟であるがゆえに生きている



ちいさな鳥籠に囚われているなんて
いったい誰が決めたのだろう

きっと
あなたの身体が
あなたの傲慢さが
あなたの自意識が

大きすぎるのよ。



虚構の夜に偽りの月を追う

寒さに凍える身体を晒したまま
無感覚の指先を震わせたまま
鼓動は壊れた時計の針
吐息は霧氷
聲はなく


ただ唇だけが熱を帯びる



燐寸の燃えるにほひにわれ知らず
笑みをうかべてくわえた煙草に
灯りをともす

嗚呼

きつとこの灯りは毒なのだ

毒なればこそ
これほどにおいしいのだ

だから
あなたの紅も
たまらなくおいしいのだ



輝き導く太陽ではなく
清く美しい月でもない
瞬きに煌めく流星にもなれず

星の成れの果てにして砂粒である私

平凡な砂粒である
他と区別など出来ない砂粒である

他に何を求める必要があるだろうか


だれもが必ず旅にでる
ゆく者も、きたる者も、
みなひとしく旅人

どうかそのまなざしの先に
やさしき灯りのあらんことを



春にして君を離れ
春にして君は離れ

春にして私は離れ
春にして私も離れ

なにもかも桜のように舞い散る

その美しさに
儚さをみるのか
哀しみをみるのか

ただ花は散るだけなのか
それでもまた春は芽吹くのだろうか



きっとそうなのだ、とおもうのです


いつもの神社に行ってみよう。
一年前と同じ神社に行ってみよう。

もう君は歩けないだろうから、私が君を抱いて行こう。
大丈夫。
少しも重くない。
もっと重くても良いくらい。

夏の匂いがするだろうか。
命が芽吹く匂いはするだろうか。

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