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BBO!コミュのこぼれっぱなし 〜ギルガメシュ叙事詩編〜

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曲名は「交響曲1番『ギルガメッシュ』」なのに、ギルガメシュ叙事詩なんだと思ったあなた、鋭いっ! 本来はギルガメシュなのですが1976年から連載が始まった石ノ森章太郎の漫画のタイトルが「ギルガメッシュ」だったことから、ギルガメッシュが主流となってしまったようです。

ギルガメシュ叙事詩はいろいろな言語に翻訳され、ある程度後世まで伝えられていたようですが、全て粘土板に楔形文字で記されていたため、欠けたりつぶれたりして読めない部分がかなりあります。このため、○○の部分はシュメール語版、△△の部分はアッカド語版というようにして全体を切り貼りする形で解読が進められました。その結果、物語が佳境になった以降の粘土板が見付かってないことが判明し、なんだかスッキリしない状態が数十年続いています。まぁ4000年前の粘土板ですからね。読める状態で出土しただけでもすごいことです。

ちなみに、紀元前8世紀頃に作られたとされるエラム語版の断片が、アルメニアの遺跡から発掘されています。また物語の前半の舞台となるウルク王国は、現在のイラクのサマーワ。そう、かつて自衛隊が派遣されていたところです。こうしてみると世界はつながっているんだなぁと思わずにはいられません。

さて、今回演奏する第1・第2楽章は前半のクライマックスまでの話なのでスッキリ度は高いです。が、意外とアダルト度も高いので、18歳未満のよい子のみんなも読める程度のストーリーを書いていくことにしましょう(当団は悪い子ばかりなので、無修正のギルガメシュ叙事詩を配ってます。気になる方は団員までどうぞ)。

第一楽章 ギルガメシュとエンキドゥ
【暴君 ギルガメシュ】
メソポタミアの都市の一つウルクに、ギルガメシュという王がいた。父はウルクの先代の王であるルガルバンダ、母は牧畜・灌漑の女神リマト・ニンスン。彼の三分の二は神、三分の一は人間だった。

彼は、創造の女神アルル、太陽神シャマシュ、天候神アダドらによって肉食系イケメンに形作られた。誰よりも腕力のある彼は力をもてあましており、昼夜の区別もなく乱暴を働いた。その暴君ぶりに民衆はあえぎ苦しんだ。

そこで民衆はウルクの守護神アヌに助けを求めた。訴えを聞いたアヌは、ギルガメシュのライバルを創って彼らを戦わせれば力をもてあますこともなくなり、疲れて寝るようなるだろうと考え、アルルを呼んだ。呼ばれたアルルは洗った手で粘土をつまみ上げて荒野へ投げ落とし、エンキドゥを創造した。

【聖人 エンキドゥ】
エンキドゥは、こっけいな姿をしていた。人の形をしていたものの、全身が長い毛で覆われいる草食系の獣だったのだ。彼は野の獣たちと一緒に草を食べ、水飲み場で水を飲んでいた。

このように、この時のエンキドゥはまだ不完全だった。エンキドゥに人間としての知恵や礼儀を授けるため、神殿の女性シャムハトがウルクから遣わされた。シャムハトはエンキドゥに六日七晩寄り添い、彼が神のように賢く、礼儀作法を身に付ける手助けをした。

彼は全身の毛は抜け落ち以前より力が弱くなったものの、ギルガメッシュに勝るとも劣らない精悍な体をしていた。シャムハトはエンキドゥに語った。

「あなたは神のように賢くなりました。私と一緒にウルクへ行きましょう。そこには野牛のように強く、横暴な王、ギルガメシュがいます。王は自分に匹敵する力を持つ者を探しています」

エンキドゥは彼女の言葉に興味を持った。そしてギルガメシュと対決するためにウルクへと向かった。

第2楽章
【対決】
ウルクに到着したエンキドゥの周りには、すぐに大勢の人々が集まってきた。彼らはエンキドゥの雄々しい姿を口々に称え、ギルガメシュのライバルが現れたと喜んだ。エンキドゥは通りに立ち、ギルガメシュを待ち構えた。そして夜、二人はついに「国の広場」で出会った。エンキドゥはギルガメシュの眼前に立ちはだかり、王をにらみつけた。

ギルガメシュもエンキドゥをにらみ、一触即発の沈黙が続く。民衆はただただおびえ、はるか遠くから2人の様子を見つめるだけだった。

沈黙を破ったのはギルガメシュだった。彼はエンキドゥにつかみかかり、エンキドゥも応戦した。二人の戦いは激しく、建物の壁が割れ戸は壊れた。しかし、体力の続く限り戦っても勝負は決着しなかった。一発、二発、三発、四発…最後の力を振り絞って交わした拳によって双方が崩れ落ちた。

そして、沈黙…

【真の友情】
怒りが収まり、ギルガメシュはゆっくりと立ち上がって王宮に戻ろうとした。その彼にエンキドゥは彼を称える言葉を贈った。ギルガメシュはエンキドゥに手を貸し、二人は互いの力を認めて抱き合い、真の友情で結ばれた。こうしてよき友を得たギルガメシュは、力をもてあますこともなくなり、名君と呼ばれるようになった。

この先にとてつもない悲劇が訪れることなど、今のギルガメシュは知る由もなかった…

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