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刑事コロンボ研究コミュのもう一つの鍵

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プロ野球の投手でも好不調の波が激しい人がいるが、コロンボシリーズもそれがあてはまる。『二枚のドガの絵』のように奇跡的な作品もあれば、『ホリスター』のように凡庸なものもある。それが同時期に相次いで放送されるのだから視聴者はたまらない。この作品は残念ながら悪い方である。
父親が一代で成功させた広告代理店を継いだ兄は、順調に業績を伸ばし、周囲からも尊敬される人格者だ。それに対し、分裂症気味の妹は兄の会社の役員であるピーター(『裸の銃を持つ男』のレスリー・ニールセン)に熱を上げている。兄妹の会話で、これまでも妹がいい加減な生き方をしてきたことが判明する。ピーターは出世狙いで近づいていると、兄は妹に忠告し、ピーターに退職勧告したことを告げた。これに逆上した妹は殺人を計画。見事、過失偽装殺人を成し遂げた。裁判で過失殺人が認められ、社長になった妹はピーターを副社長に据えて有頂天になるが、そこにコロンボが…、というお話。偽装過失殺人というプロットは、一般視聴者に理解し難いということを考慮し、一度、犯人役の想像シーンで成功パターンをやってみせるところがいい。むろん、その通りにはいかないから破綻するのだが…。
コロンボの登場シーンは秀逸である。殺人事件のあった兄妹の邸宅で警察官たちが行き来する中、コロンボは新聞を読みふける。そこを同僚が「何か面白い記事でもあったかね」と尋ねて通り過ぎる。まさにコロンボ以外は多忙なのだ。しかし、コロンボが無為に新聞を読んでいたわけではない。新聞がなぜ玄関にあったのか、その新聞は夕刊の最終版で株式速報まで載っていたのはなぜか(当時のロスでは配達版に株式速報は載らない)。これがコロンボの疑問となり、やがて謎は解き明かされていく。
『マンハッタン無宿』などハードボイルドに花を添えることではピカ一女優のスーザン・クラークが犯人役。分裂症というか躁鬱的な演技がいい。特にコロンボに犯罪を暴かれた後、コロンボに銃を向けるが、「よしなさい。貴女らしく美しく支度をしてきなさい」と言われ、ショールを華麗に翻らせ去っていくシーンはいい。愛人役のレスリー・ニールセンも中々だ。犯人を愛しているのかいないのか最後までわからず、最後にはコロンボに協力してしまうという悩ましい役柄である。殺された兄の言うほど、悪い奴ではなさそうだ。こうしたマジ役の積み重ねが『裸の銃を持つ男』の面白さにつながったのだろう。ちなみに、私が最も笑ったコメディ映画こそ『裸の…』である。
さて、ここまで書けば絶賛だろうと思われるかもしれないが、残念ながらこの作品のトリックは稚拙である。いつものように糸を手繰り寄せるように犯人を追い込む緊迫感もなく、視聴者をあっと驚かせる仕掛けもなく、この作品はあっさりと終わってしまう。最後には「これではいかん! 作り直せ! 」と叫びたくなってしまう。どうしてこれほどの配役の妙とプロットを用意しながら、「警報と拳銃の発射音の順序」と「合鍵」のトリックで犯人を籠絡させてしまったのだろうか。謎は深まる。

コメント(5)

1年ぶりに再見しました。
このコミユでも話題になっていましたが、スーザン・クラークは、美しいですね。
この頃が旬の女優さんだったのですね。
この作品で、清楚から華麗まで、彼女のすべてを堪能できると言っても過言ではないでしょう。
さて、今回、再見してみて、やはりその解決には問題点があります。
(以下、ネタバレ注意)
コロンボは、結局、兄が合鍵で玄関から入ってきたこと、ないしは、窓から入ったことのどちらをも証明していないのが、その原因です(新聞は、あくまで状況証拠にしかなりえない)。
最後の決め手は、レスリー・ニールセンの証言だけとなっており、爽快感がないですね。
おそらく、「処方箋」、「ホリスター」同様、まだコロンボシリーズの特質を完全に理解していない会社と監督により、当時の安易なメロドラマ的要素に比重が置かれていたためとしか考えようがありません。
しかし、ラストでのスーザン・クラークの演技は女々しいところが一切なく、毅然としています。
あそこで、大崩れ(動揺)させなかったことが、この作品の品質を保っているのでしょう。
余談ですが、20分45秒頃のコロンボ登場シーンと25分頃の二人の刑事が去っていくシーンで、同じシーンが二度使われていますね。
一人の刑事(黒人)が同僚の肩に手を置くシーンで、これは、警官が入ってくるシーンにつながります。
後のは、二人のベテラン刑事(双方白人)が去って行くシーンとしたかったのでしょうが、撮り忘れたのか、前段のシーンを再利用しています。
当時は、世界中の人間(マニア)が、何度も見るような、名シリーズになるとは思わなかったのでしょうね。
今日初めて見ました。
仰る通り、最後は「なんじゃこりゃ〜」という感じです。

「銃声の後に警報の音を聞いたっていってるよ」だけのセリフで決め手になるとは…。証拠は何もないじゃないとつっぱねることもできますよね。

 妹が兄を殺す動機も疑問でした。
かわじゅん様

そうですね。
動機もイマイチ説得力に欠けましたね。
様々な点を少しづつ磨いていくと、いいものになったと思われるので、残念です。
私も久しぶりに見ました。

たしかにスカッとはしませんでしたね(笑)
犯人がそういう性格だから(どこかで聞いたセリフですが)観念したという感じの解決でしょうか。

たしかにコロンボには当たり外れ(というか見る人の好み)というのがあって、私はこの作品は嫌いではありませんが、あまり見ません。
反対に別れのワインなどは何回見たか数え切れません。

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