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家族ロックコミュの創刊号の島田のインタビュー記事です。

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●タイトル

監督島田角栄 映画作りへの姿勢



●説明文

『ジャップ・ザ・ロック・リボルバー』

聴覚障がいの人たちのバンド「BRIGHT EYES」。

その活動を追った1年間のドキュメンタリー映画が、この5月に渋谷・ユーロスペースで公開された。

撮ったのは、島田角栄氏。“ロックでパンク”と自他共に認める監督だ。

その島田角栄監督に、新作に関する意気込みと、映画を撮るという姿勢について聞いた。





●以下インタビュー記事



■いま、さらなる新作を撮られていると伺ったのですが。



 うん、『Destroy Vicious』 って映画を撮ってるよ。聴覚障害者でパンクバンドのボーカルやっている女の子が主人公。その子は全ての愛に対して破綻しているんだけど、その中で人を殺してしまった男と出会って、恋になりかける寸前まで行く、という映画。でもこれは表向きの話で、裏設定は、「現代に釈迦が生きていたら?」という映画なんだ。





■その聴覚障害者という話は、現在の作品『ジャップ・ザ・ロック・リボルバー』につながるんですね。



 今回 『Destroy Vicious』 を撮ろう思ったときに、「BRIGHT EYES」を取材したんだ。その時にカメラを回していたので、それをドキュメンタリーにした。感動できる素敵な映画になったと思うんだけど、だからといって彼らバンドの宣伝のための映画にするつもりは全然なかったんだよね。 ヒーローとして描きたくないんだよ。だから最初から疑ってかかった。「お前ら、客が入っているのは、“耳が聞こえないバンドって珍しい”からやで」って。一番の敵からのスタートだったよ。

 ドキュメンタリーをはじめて撮ったけど、いろんな方向から観察するのが大事だなって思ったね。 一つのシーン、一つの物語に対して、同じ感想しか客に抱かせられないのがすごくイヤなんだ。もっといろんな受け取り方ができる表現がしたいんだよ。





■それは今までの作品に関しても同じですか?



 例えば『電撃BOPのセクシーマザーファッカーズに!!』では、凶暴さとギャグの境界線を狙ったんだ。うまくいったかはわからないけど、どっちにも行き過ぎないようなギリギリの線を狙っていった。一つ印象的だったのは、初日の公開を見たお客さんからメールが来て、「お前の映画見て、駅でマジで吐いた」って言われたんだよね。それはすごくうれしかった。そういう、五感に影響を与えつつ、人によってとらえられ方が違うものをずっと描いていきたいなと思ってる。

 映画の作中で流れる音楽も、悲しいシーンに悲しい曲をつけるのがイヤなんだ。楽しいシーンに楽しい音楽もイヤ。その辺をかきまわしていきたいんだよね。





■島田監督はよく「カメラをギターのように撮る」と言われることが多いですけど。



 むしろ、ピストルのつもりでやっているよ。ピストルの代わりにカメラ。昔、大島渚らが映画を撮っていたとき、映画は武器だったんだ。世の中に蹴りを入れるために映画を撮っていたんだ。今はそんな奴は減っているでしょ。

 あと、映画を撮ることで、監督自身に何か変化がほしい。小さいことでいいんだけど、例えば、コーヒー飲めなかったのが飲めるようになったとか。自分が変わることが物を作るということではないかと思ってるんだよね。「自分たちに変化がなかったら、ただのゴッコやで」と。





■監督の、映画を撮るということについての考え方は?



 今回撮っている『Destroy Vicious』は、初めての大所帯の現場なんだよね。今までは多くても数人で撮っていたし。でも、今までの僕の作品を見て、「一緒にやりたいです」っていう人が集まってきてくれているんだ。役者もそう。出たいって言ってくれる愛しい役者がたくさんいる。

そんな愛しいスタッフと、愛しい役者たちと同じ時間を共有して、その時間をフィルムに焼き付けたい。それができたら、たとえ評価されなくても、仲間同士ではその証ができるわけだから。俺にとって映画作りは、生きていることの証明なんだよね。

 だからずっと映画のことばっかり考えているよ。俺はね、映画の世界に生きているの。日常の世界と映画の世界があったら、普段は映画側に住んでいて、たまに日常に顔出す感じ。ずっと反復横とびしてるんだよ(笑)。





■映画監督を目指す若い子らに言いたいことってありますか?



 映像の中には、演技や演出うんぬんじゃなくて、それ以前に映りこむものがあると思う。昔、お父さんがわが子を撮った8ミリフィルムをテレシネ (※フィルムをビデオに変換する作業) する仕事をしていたことがあったけど、技術はヘタクソなんだけど、愛情たっぷりなのがわかるんだよね。その時俺はまだ20才代前半だったけど、自分が空想の世界で頭使ってひねり出した愛の表現よりも、そんな素直な愛情のほうが全然上だなって感じた。被写体と撮り手側の関係が映りこむというか。

 だからそういう匂いがほしいんだよね。いま、面白い・面白くないっていう次元で作っている人が多い。でも、そんなもの度外視して、その上に何か乗っかるような映画の撮り方をしていったらいいんじゃないかなって思うよ。





<幕間にて>

「よくタイトルがかっこいいと言われるんだ。『電撃BOPのセクシーマザーファッカーズに!!』とか『Destroy Vicious』とか。

 映画監督って、自分のオリジナルの映画は2年に1本撮れたらいいほうだと思うんだよね。そうすると人生で撮れるのってあと10本ぐらい。今まで4本撮ったから、合計14本だとすると、ちょうどCDアルバムの曲数と同じぐらいになるんだ。

 だから、自分の映画人生をアルバムのように並べたときに、かっこよく見えるような、そんな感じでタイトルをつけてるんだよ」













□島田ロケの舞台裏 執筆:大隈



新作『Destroy Vicious』制作に取り組む島田角栄監督。

そのロケ現場の雰囲気を、ロケに参加したレシプロの大隈がレポート。



●以下本文



 僕、大隈は島田監督(以後は親しみをこめてカクエイさんと呼ばせていただく)の『Destroy Vicious』の現場に参加している。撮影監督はビジュアルアーツ専門学校大阪の奥野友仁先生だ。その他のスタッフは奥野さんが集めた。現役学生の精鋭や卒業生。僕も奥野さんに声をかけてもらった一人だ。



 カクエイさんは「いのちを懸けて映画を撮る」と言う。それがどういうことなのかを、僕は『Destroy Vicious』の現場で学んだ。前作の『電撃BOPのセクシーマザーファッカーズに!!』から3年。その間に制作資金をため、いろんな人と会い、たくさんの準備をしてきたのだろう。その3年分の仕込みを一気に爆発させたような現場だった。5月11日現在で、全体の95%の撮影を終えた。残りは回想シーンが少しと、合成の素材やインサートの撮影を残すのみだ。



 現場ではいろんなエピソードがある。例えばこの『Destroy Vicious』には内田春菊さんが出演しているのだが、春菊さんと相手役との濡れ場のシーンがあった。その俳優さんが春菊さんとの濡れ場に尻込みしていた。その時カクエイさんがおもいっきりビンタをしたらしい。それで気合が入って、いい画が撮れたと撮監の奥野さんが言っていた。後日、その俳優さん談「いやー、あれはビンタじゃなくて掌底ですよ……」だそうです。



 ロケの日、カクエイさんはもろもろの準備がととのうと、毎回「しゃー! 映画撮りに行くか!」と楽しそうに言う。まるで自分に言い聞かせるように、まるで自分に気合を入れるかのように。僕自身あのかけ声が結構好きだったりする。現場は終始、どこからか笑い声のこぼれる、アットホームな感じ。役者陣も長い付き合いのせいかカクエイさんがどうしたいと思っているかを考え、気持ちで役に入っていくかのようだ。気さくでスタッフとも仲の良い方ばかり。僕自身「なんでこんなに!?」というほどいじられ、楽しませてもらっている。



 カクエイさんの人柄は、お会いするまではぶっとんだ人のイメージだった。でも、案外まじめな人だなと思った。画コンテの話をしている時など、キャッキャキャッキャ言いながらまるで子どものようだ。

 先日、カクエイさんがOKを出す時によく言う「Very Good!!スペシャルOKです」とか「○○さんさすがです……」というセリフがスタッフの間で流行ったことがあった。カクエイさんにその話をしたら「オレのあれも、人マネやねん……」と言っていた。以前学校に石井聰互監督が講演に来ていた時のこと、その晩の飲み会でカクエイさんが突然「石井さん、ロックンロールって音楽のジャンルじゃなくて生き方のジャンルですよね?」とたずねたらしい。その時の石井さんの言葉「島田君、さすがです!」のマネだそうだ。

 でもカクエイさん。スタッフ一人一人に気をつかうところは、やっぱり「さすがです……」の一言ですよ。

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