長期連載の経済談義シリーズ第60回です。日本経済超悲観派の僕がその論拠を解説していきます。
さてこれまでハイパーインフレについて解説してきましたが、関連してここで、日本経済超悲観派の人物を取り上げておきます。藤巻健史氏です。
藤巻氏は、元トレーダーの経済評論家で、日本維新の会に所属する参議院議員でもあります。
日本経済の将来に関するスタンスは僕と同じ超悲観派で、特にハイパーインフレについては、将来の日本でハイパーインフレが発生するとたびたび警鐘を鳴らしています。
楽観派の経済評論家は、藤巻は荒唐無稽なデマを喧伝するオオカミ少年だと酷評しています。
しかし、ハイパーインフレについての藤巻氏の警告は重要であって、心して傾聴しておくべきだと僕は考えています。
これまで説明してきたようにハイパーインフレは荒唐無稽でもなんでもなくて、現実的な事象の積み重ねで発生しうるものです。
楽観派の
「ハイパーインフレなんか起こりっこない」
という主張は正しくなくて、正しくは
「政府と中央銀行が常識的な財政規律を保っている限り、ハイパーインフレなんか起こりっこない」
のです。
藤巻氏はこの両者をしっかり区別できているということです。
ハイパーインフレは、巨大地震や大火山の噴火に匹敵する巨大災害ですから、「災害は忘れたころにやってくる」と肝に銘じて、誰かが警告を発し続けておかなければなりません。
オオカミ少年とのそしりを受けるのは承知の上で、藤巻氏はそうした役回りをあえて引き受けているのだと、僕は思っています。
ただ、藤巻氏の執筆したハイパーインフレに関する記事では、実際に起こりうることの具体的な説明だとか、理論的な説明などがあまり書かれていないために説得力が不足している面があると感じます。
そうした部分を、今回の僕の連載記事が補うことができていれば幸いです。
(おわり)
連載バックナンバー:
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942875057&owner_id=277042
ログインしてコメントを確認・投稿する