みなさん、節分の豆まきはしましたかね?
「鬼は外!福は内!」
本来、節分の豆まきは、「追儺の儀式」といい、病気の人や罪人などを、石を投げて都の外に追い出す儀式でもあったのです。
でもね、やがて彼らは、帰ってくるのですよ。怒りと憎しみに満ちた「鬼」となって帰ってくるのです。
それを、やさしく受け入れ、癒すのがお多福さんなのですよ。
鬼とお多福は、対になっているのです。
そのドラマを演じることが、神遊び。
本来、「遊」とは、神が船に乗って戦いに向かう姿を表現した象形文字なのだね。
ケルマ劇団「お多福と鬼」
キャスト
語り部 ケルマデック
カオナシ
鬼
お多福
若衆
民衆
ケルマデック「これは、神遊びのドラマです。一人一人が役を体現することで、世界と繋がります。一人一人が、世界の代表です。自分自身の役が、世界に反映するのだ!」
ド〜ン!ド〜ン!ド〜ン!(ドラムの音)
ドラムの音とともに、カオナシが登場し、徘徊する。
ドラムを打ち鳴らしながら、叫ぶケルマデック。
ケルマデック「さぁー!若衆!役立たずの、あの者を追い出せ!」
若衆「ぉおー!」
若衆「さぁー!出て行け!」
民衆「さぁー!出て行け!」
若衆が叫びながら、木の棒で打ち叩き、カオナシを追い払う。
民衆も、叫びながら石を投げつける。
ド〜ン!ド〜ン!ド〜ン!(ドラムの音)
カオナシ「やめて〜やめて〜」
か細い声を出しながら、ヨタヨタと歩き、退場するカオナシ。
ド〜ン!ド〜ン!ド〜ン!(ドラムの音)
ケルマデック「やがて、あいつは帰ってくる!追い払われた悲しみは消えることがない!
傷ついた痛みは癒えることがない!
怒りと憎しみとなって、帰ってくる!
鬼となって帰ってくる!」
ド!ド!ド!ド!ド!ド!ドン!!(ドラムの音)
ケルマデック「さぁー鬼が帰ってきた!」
ド!ド!ド!ド!ド!ド!ドン!!ド!ド!ド!ド!ド!ド!ドン!!(ドラムの音)
暴れ狂う鬼。
怯える民衆。
鬼「うぉ〜!みんな私をバカにしやがってぇえええええ!!」
ド!ド!ド!ド!ド!ド!
ド!ド!ド!ド!ド!ド!ドン!!ド!ド!ド!ド!ド!ド!ドン!!(ドラムの音)
鬼に立ち向かうが、歯が立たず、倒される若衆たち。
ケルマデック「鬼の怒りは凄まじい!鬼の悲しみは闇のようだ!誰か!鬼を止めることができるものは、誰かいないのか?」
拍子木が打ち鳴らされ、お多福が登場する。
カーン!(拍子木の音)
お多福「おお、かわいそうに。かわいそうに」
カーン!(拍子木の音)
お多福「もう、大丈夫よ」
カーン!(拍子木の音)
お多福「辛かったでしょう。ごめんなさい。もう、大丈夫ですよ」
メロディアスに変調するドラム。
ト〜ン トントント〜ン・・・ (ドラムの音)
お多福に抱きしめられ、なだらかになっていく鬼。
立ちあがり、宣言する鬼。
鬼「我が心、晴れたり!」
ゆっくりと、舞う鬼。
鬼「我が心、晴れたり!」
舞を舞って、退場していく鬼。
《幕》
・・・・・・・・・
じつは、この神遊びの最中に、不思議な現象が起こっていたのですよ。
その詳細は、今度出す予定の本に載っています。(  ̄▽ ̄)
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