初代シルビア、国産とは思えないほどアカ抜けた外観が印象的なクーペですよね。てっきりヨーロッパの著名な自動車デザイナーが手掛けたクルマだと思っていたのですけど、木村一男というニッサンの社員の手になるそうです。
ドイツ人デザイナーの指導があったそうですけど、センスある人が居たのですねぇ。
ニッサンは1964年の第11回東京モーターショーにダットサン・クーペ1500という美しい2座クーペを出品しました。
既にモノコック・ボディ/シャシーは確立されていましたが、このクルマは独立した梯子型シャシー・フレームを持っていて、それを「クリスプ・ルック」と呼ばれた美しいクーペ・ボディで包んでいました。このダットサン・クーペ1500が、1965年からシルビアとして市販されたことは言うまでもありません。エンジンは1600ccに拡大されていましたがその他はほぼそのままでした。
ホイールベース2280mmの梯子型シャシーは、フロント・サスペンションがダブルウイッシュボーンによる独立懸架、リヤはハンジョー・アクスルをリーフスプリングで吊ったリジッドで、後席横向き3人乗りのダットサン・フェアレディ1500(SP310)と同一です。それにフェアレディ1600(SP311)の
直列4気筒OHV1595cc(90馬力)エンジンを搭載、フル・シンクロメッシュの4速ギヤボックスを介して後輪を駆動しました。最高速度は165km/hとされています。
実績のある(悪く言えば「古臭い」)シャシー/エンジンを美しいボディで覆ったこの初代シルビアを製造した殿内製作所の技術者だった人と話したことがありますけど、梯子型シャシーに載せられるクーペ・ボディは、工場に運ばれてくる段階ではエー加減でアチコチ鈑金・切り張りしなければならず、マトモなモノにするのにとんでもなく手間がかかったそうです。
だから生産性がとても悪く、4年間に僅か554台しか生産されなかったのですねぇ。価格も120万円と高額でしたし(今の感覚では500万円以上でしょうか)。
とにかく美しいです。独立したシャシーを持つので、モノコックのクルマのように完全崩壊はしません。だからその気になれば維持できるかも、です。ボディをアルミニウムで作り替える必要がある!?
ログインしてコメントを確認・投稿する