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2018年08月11日16:58

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独占スクープ! 金正男暗殺の実行犯容疑者は日本からミサイル関連規制品を調達した 元国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル委員・安全保障問題研究者 古川勝久

 下記は、2018.8.11 付の産経ニュースに掲載された、【正論9月号】の記事の一部です。

                       記

 ※この記事は、月刊「正論9月号」から転載しました。

                       ◇

「抜け穴」の封じ込めも

 トランプ大統領は米朝首脳会談の成果を幾度も自画自賛し続けている。しかし複数の米メディアが報道したように、北朝鮮の核・ミサイル関連施設での活動は継続したままだ。そもそも米朝が合意したとされる「非核化」の定義すら不明なままで、米朝が互いに何をするのか、決まっていない。

 ようやく長い米朝交渉のプロセスが本格的に始まったばかりだ。「北朝鮮の完全非核化」では少なくとも3つのカテゴリーの措置が必要となる。(1)現有の大量破壊兵器(WMD)および兵器用核物質の押収と関連施設の無害化、(2)将来のWMD計画の再開阻止の監視、(3)他国へのWMD拡散阻止の監視だ。WMD計画関連の物資調達や資金洗浄など、北朝鮮による不正活動の阻止のための国際社会の取り組みは今後も長期にわたり求められる。

 ここで問題となるのが、国際社会の「抜け穴」である。これを防がなければ、前述の(2)と(3)の目標は達成できない。北朝鮮が潜り抜けてきた「抜け穴」は中国とロシアだけではない。意外な国々を通じて、私たちも北朝鮮に出し抜かれてきたのである。

 本稿では、北朝鮮が活用してきた拠点の一例として、東南アジア地域、中でもマレーシアにフォーカスをあててみる。

北は東南アジアで活動を続行

 「今でもクアラルンプール市内で北朝鮮人が高級コンドミニアムに住んでいる。なぜこんなことが可能なのか、理解できない」

 最近、ある情報機関の当局者はこう言いながら首をかしげていた。

 2017年2月13日、クアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男氏が化学兵器VXで殺害されてからまだ一年半弱しか経過していない。

 にもかかわらず今年5月にマレーシアの首相に着任したばかりのマハティール氏は、日経アジアレビュー誌の6月11日付のインタビュー記事で次のように発言している。

 「私たちは平壌のマレーシア大使館を再開します」

 北朝鮮との外交関係において事件など何もなかったかのようだ。

 東南アジアではどの国も北朝鮮との関係を継続している。例えば、隣国のシンガポールは昨年11月に対北朝鮮貿易の停止を表明していたにもかかわらず、なぜか北朝鮮貿易代表部はそのまま存続している。6月の米朝首脳会談の直前、韓国メディアのインタビューを受けた貿易代表部の北朝鮮人が、「会談に向けた準備で大忙しです」と笑顔で答えていた。

 北朝鮮への関与を続けようとの外交方針は大いに結構だ。しかし問題は、東南アジアが北朝鮮の非合法活動をいまだに取り締まれていないのではないかとの疑念が依然ぬぐい切れないことである。

 その一例として、金正男氏暗殺事件の暗殺チームの容疑者の一人、リ・ジョンチョル氏という北朝鮮工作員のマレーシア国内での活動を紹介する。

 北朝鮮は果たしてどのように制裁を回避してきたのか。彼の行動を追うことで、北朝鮮の制裁回避手法について考えてみたい。

金正男暗殺の実行犯チーム リ・ジョンチョル容疑者

 金正男氏暗殺事件の直後、マレーシア警察は容疑者として北朝鮮人8名を追っていた。だが逮捕された北朝鮮人は1名だけ。残りの多くが北朝鮮大使館にこもり、警察への出頭命令に応じなかった。所在不明のままの容疑者もいる。その後、北朝鮮が平壌在住のマレーシア人外交官を事実上人質に取り、マレーシア政府に北朝鮮人容疑者全員の出国を迫った結果、彼らは何もお咎めを受けることなく平壌に戻った。結果、実行犯として殺人罪に問われているのはインドネシア人とベトナム人の女性2名だけだ。

 逮捕されて釈放された容疑者は、リ・ジョンチョル氏である。彼はマレーシア国内に在住していたが、北朝鮮では珍しく家族との同居が許されていた。長らく不明だった彼の活動実態の一部がようやく見えてきた。

                       ◇

※三重「正論」懇話会の講演内容に加筆・訂正などして再構成したものです。

 続きは正論9月号でお読み下さい。

 ■古川勝久氏 昭和41(1966)年生まれ。慶応大学経済学部卒、米ハーバード大ケネディ行政大学院修了、政策研究大学院大で博士号取得。近著に『北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録』(新潮社)。

 http://www.sankei.com/premium/news/180818/prm1808180001-n1.html
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